カーディンさんと仲間達は改心出来るのか? 作:はぐれファウナス
チームCRDL(カーディナル)
ビーコン・アカデミーに存在する、ハンターチームのひとつ。
リーダー (C)カーディン・ウィンチェスター
メンバー (R)ラッセル・スラッシュ
同 上 (D)ダヴ・ブロンズウィング
同 上 (L)スカイ・ラーク
上記四名は卒業までの四年間、チームとして寝食を共にする。
――「いいか? 心の友ってのは、呼んだら来てくれて、俺様の代わりに面倒事を片付けてくれるヤツの事を言うんだぜ」
――「おい、見てみろよコイツの耳! 本物の獣の耳だぜ、マジでキモいじゃねーか!」
――「んだとコラッ! やんのか、あぁ!?」
――「調子に乗ってんじゃねーぞジョーンちゃん? ボコボコにされなきゃわかんねえみたいだなぁ?」
この台詞の数々が、チームCRDLのリーダー、カーディン・ウィンチェスターという人間を分かりやすく示している事だろう。
所謂、典型的ないじめっ子。あちらさん風に言うならジョックという分類の人間だ。つまりはヒール寄りの困ったヤツである。
リーダーがそんなのならば、チームメイトも当然、彼の姿勢に引っ張られて行く。腐ったミカンうんぬんの話だ。
しかし先日、いじめ対象に手痛い反撃を受けてしまったカーディンさん。そして、リーダーが危機に陥った時、真っ先に現場から逃げてしまったチームメイト。
内容はともかく、こんな事があったらチームは解散の危機を迎えるか、リーダーが改心しチームを変えていく、というのがお約束。
だが、彼らは何も変わらなかった……
――「あ~、なんかこのチームも飽きたなぁ」
チームCRDLの私室。リーダー、カーディンのチーム否定とも取れる発言に、既にパジャマに着替えていたモヒカンヘアーのラッセル・スラッシュが即座に反論した。
「そりゃないっすよカーディンさん! ようやくオレもチームに慣れてきたのに! だよな、ダヴ!」
と、ラッセルは、ベッドに寝転びスクロール端末をいじる、金髪細目の自称二枚目、ダヴに話を振った。
「ん? あ、いや、別にいいんじゃね? 丁度ウチのチームは野郎ばっかだし、華がねえしな。だろ、スカイ?」
一方、部屋の隅の線の細い青髪、スカイ・ラークは、ヘッドフォンをスクロールに接続し、恐らくは音楽でも聞いているのだろう。反応はない。
「おいコラ、スカイ!」
「あ、ああ!? な、何だよダヴ、驚かすなよ。ヘッドフォン返してくれよ~」
「まぁ聞けって。我らがチームリーダー殿が、今のチームに飽きたんだと。で、メンバーにするならカワイ子ちゃんがいいな、って話してんだ」
「ま、まぁ、確かに? ジョーンのヤツのチームにも女の子が二人居るし……むさ苦しくはあるなぁ」
ジョーンの名前が出た途端、舌打ちするカーディン。元々ジョーン・アークをいじめていた彼だったが、先日、グリムに襲われた際、あろうことか彼に助けられてしまったのだ。
おい、バカ! と言わんばかりに肘でつつくダヴ。
「じ、じゃあ、皆はチームメイトにするにはどんな女の子がいいんすか?」
空気を変えようと、必死にラッセルは言う。
「因みに自分はチームRWBYの、ワイスちゃんみたいな子がいいっすね。なんていうか、ああいうクールで知的な人に教えて貰えるなら、勉強バリバリ出来そうっす!」
「プッ、お前マジか? 止めとけ止めとけ、どうせああいう女は、自分と同じ金持ちとくっつくんだよ。お前みてぇな世紀末モヒカン男児とは月とスッポン……いや、ノミだな」
「ちょっ!? じゃあ、ダヴは誰がいいんすか!?」
「俺? 俺は……そうだな、ヤンなんていいんじゃね? アイツ、すっげえ体してるし、たまんねぇだろ」
「でもヤンっていうと、暴れ馬みたいな女だってよく聞くっす! ダヴの顔面、毎日変形してそうっすね」
「暴れ馬を上手く乗りこなすのも、いい男の条件だぜ? で、次はスカイだぞ?」
「お、オレは……ルビーちゃんが、いいかなぁ……なんて」
「おいおいマジかよスカイ! あんなガキのどこがいいんだ? チビだしよ」
確かに、チームRWBYのリーダー、ルビー・ローズは飛び級生であり、周りの生徒よりも二歳ばかり幼い。
成長期にある彼らの中で、二歳の差は大きいだろう。
「だって、純粋そうだし……真っ直ぐな目をしてるんだ。この間、ちょっと話したけど、いい子だった」
「そもそもなんの話しをしたんす?」
「あ、いや、武器の話だったんだけど……あの子武器の話を始めると三十分は喋ってたなぁ。ありゃあ相当の武器偏愛者(マニア)だよ」
「やれやれ、要はRWBYと二人ずつ交換すりゃあ丁度いいんじゃねえの? ガキとお嬢様はお前らとセットでさ」
「――おい」
「あん? 何だよカーディン」
「俺様には聞かねえのかよ?」
「あ、カーディンさんはもう決まってるじゃないっすか」
「はぁ? 何の話だ」
「あの獣人(ファウナス)の女だろ? 確かベルベットとかいうウサギ耳の――」
「はぁぁ!? どうしてそうなるんだよ! テメェらだって見てたろ、俺様はファウナスが嫌いなんだよ!!」
「え、そ、そうだったの?」
「マジか。俺、アイツに【安心しろよ、ウチのリーダーは好きな子ほどいじめたくなる小学生みたいなヤツだから】ってフォロー入れたぞ?」
「ダウ、テメェ! バカみてぇな真似しやがって! ブッ裂いてやる!」
こうして今日も、チームCRDLの私室から、轟音と罵声が響くのであった。