カーディンさんと仲間達は改心出来るのか? 作:はぐれファウナス
チームCRDL、彼らのチームの戦いぶりは、一言で言ってしまえば華がなく、地味で野蛮だ。
それでも力を伴えばいい。だが、結局のところ見苦しいだけだ。連携も何もあったものではない。
いや、正確には連携を取ろうとしている。だが……約一名、もっというとリーダー様が、すぐに頭に血を昇らせて連携を無視してしまうのだ。
そう、カーディン・ウィンチェスターが。
――「カーディンさん、訓練しないすか? ヴァイタルフェスティバルまで、もうすぐっすよ」
ラッセルがモヒカン頭を整えながら、鏡越しにカーディンへと訴えた。リーダーは今、相変わらずベッドに寝転び、漫画雑誌を眺めている。
「あん? テメェらでやっとけよ。俺様は忙しいんだ」
「い、いや、でも、他のチームはどんどん実力つけてるっす。俺達も何かやっておかないと……」
「うっせぇぞ! テメェらでやっとけっての聞こえなかったのか!? 俺様には小細工なんざ必要ねえんだよ
!」
「おーおー、そりゃあ悪かったなぁリーダー様。いや王様。なら、あなた様は後ろで立っていてくれ、俺達三人が頑張るからよ」
明らかな皮肉を口にしたのは、ダヴ。このチームCRDLの中で、唯一カーディンとタメを張れる存在である。
「もっとも、脳ミソまで筋肉の誰かさんに、好き放題されても邪魔だから、かえってチームが強くなったりしてな」
「……何だとダヴ、テメェ?」
「だってホントの事じゃねえか。俺達は不真面目だぜ? そりゃあ、真面目に勉強する程バカじゃねえ。だけど、戦いとなりゃあ話は別だ」
珍しく細目がちなダヴの目が、カッと見開かれた。
「少なくとも俺はな、気に入らねえグリムとかいうクソッタレをブチのめす為に、強くなってる最中なんだよ。強くなれるんだったら、お前みてぇなクソムカつく裸の王様にも合わせてやるぜ。だがよ、今は邪魔なだけだよお前。強くもねぇクセに威張りやがって」
そう言われて、カーディンの頭は一瞬の内に沸騰した。同時に、フォーエバーフォールの森での出来事が頭を過る。
仲間は巨大なグリムを見て逃げ出した。
自分も腰を抜かして、情けない小動物みたいに震えながら、死を待つばかりだった。
だが……自分がいじめていた、ジョーン・アークは、逃げなかった。
どころが、さっきまでボコボコにしていた自分の前に立ちはだかって、肉体は倍以上あろうかというグリムと戦った。
そして、ジョーン・アークは勝った。
俺様は、負けた。あの時のジョーンの背中は、いつも小突いていたチビの背中じゃなかった。まるで、あの人みたいな――
途端に、沸き上がった頭が冷えて、何とも言えないような感情が、怒りを萎ませていった。
「――チッ、ウゼえんだよクソが。好きにしやがれ」
「おう、好きにさせて貰うぜ。なぁスカイ」
「お……おう、そうだ。好きにしてやる!」
「ちょっ、ダウ、スカイ! そんなこと言わずに……」
いよいよ修羅場となるか、という時だった。入り口扉が、乱暴にノックされる。ノックというより、回し蹴りを叩き込んでいるかのようだった。
「あ、じ、自分が出るっす!」
率先し、扉の前へと立つラッセル。控え目に「どちら様っすか~?」と言った。
直後、扉が吹き飛んだ。冗談抜きに、留め具がねじ切れて外れ、ラッセルを直撃したのだ!
「ぶべらっ!?」
「なっ!? ど、どこのどいつだオラッ!」
咄嗟に声を張り上げるカーディン。皆の視線は、扉の外へと向く。
少し時間を置いて、こつ、こつ、と靴を鳴らしながら入って来たのは、見慣れない少女だった。
彼女は優雅な足付きで歩き、吹き飛んだ扉を踏みつけると、サングラスをくいと上げて言った。
「あ~、チームCRDLっていうのは、お前らで間違いないかしら?」
「何だテメェは!? やんのか!」
「ああ。この間は、ウチのベルベットがお世話になったらしいじゃないか。ちょいとお返しに来てやったんだよ」
ベルベット……カーディンら、チームCRDLがいじめていた、ウサギ耳のファウナスの少女だった。
「始めまして。チームCFVY(カフィー)のリーダー、ココ・アデルだ、チンピラ共」