ジョジョの奇妙な冒険~episode of highschool〜   作:DJトッティー

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ジョジョの賭け

ジョシュアside

 

 

――――消え失せろ――――

 

 

 

 

 

最後にその一言だけを言い残すと、その黒い霧はスーッと消えていった。

 

 

 

 

 

な、なんだ・・・・・?

 

 

 

なんだったんだ、今のは・・・・・!?

 

 

 

 

 

フェンリルにトドメをさせられそうになっていた俺を・・・・いや、俺とイッセーを突然現れた黒い霧がフェンリルの牙から守ってくれた。

 

 

 

おかげで俺とイッセーは助かったんだけど・・・・

 

 

 

イッセー『い、今のって・・・・・』

 

 

 

イッセーが声を漏らす。

 

その声は明らかに震えていた。

 

 

 

ジョシュア『あ、ああ・・・・・』

 

 

 

イッセーが驚くのも無理はない。

 

俺だってかなり驚いている。

 

 

 

だって今のは―――――

 

 

 

俺の脳裏に浮かぶのはあの男。

 

 

 

だけど、今はどこにいるかも分からない

 

 

 

だったら、今のはいったい・・・・・・・

 

 

 

だめだ、いくら考えても全然分からん。

 

 

 

ロキ『フェンリルを止めただと? あれはいったい――――』

 

 

 

ロキもありえないといった表情で俺達を見てくる。

 

 

 

その時だった。

 

 

 

空から大質量の雷光が煌めき、フェンリルに命中。

 

その動きを止める。

 

 

 

朱乃『イッセー君!ジョジョ君!』

 

 

 

バラキエル『その者達はやらせん!』

 

 

 

声がした方を見上げると、堕天使の翼を広げた朱乃とバラキエルさんが俺達のところへ降りてきていた。

 

 

 

朱乃は地面に降り立つとすぐに俺の元へと駆け寄る。

 

 

 

朱乃『なんて深い傷・・・・!今治療しますから少し我慢して!』

 

 

 

朱乃はそう言うと俺が手にしていたフェニックスの涙を取り上げ、傷のある箇所に振りかけていく。

 

 

 

涙の効果のおかげで、明らかに致命傷だった傷が一瞬で塞がっていく。

 

 

 

朱乃『父さま!』

 

 

 

バラキエル『うむ!ここは私が引き受ける! 朱乃は二人を後ろへ連れていきなさい!』

 

 

 

バラキエルさんが全身に雷光を纏わせながらそう言う。

 

 

 

俺はそれに反対する。

 

 

 

ジョシュア『だめだ!いくらバラキエルさんでもあいつを一人で相手にするのは無茶だ!俺も戦る!』

 

 

 

バラキエル『そのような体で何を言う。ロキに続き、フェンリルの牙までまともに受けてしまった君の体は既に満身創痍。少し休んでいなさい』

 

 

 

ジョシュア『でも!』

 

 

 

バラキエルさんに食い下がろうとするとバラキエルさんは俺の肩に手を置く。

 

 

 

バラキエル『なに、私とてあのフェンリルを一人で倒せるとは思っていない。だが、君が回復するまでならもたせることができるだろう。幸い、向こうももうすぐ片がつく』

 

 

 

バラキエルさんが指差す方を見ると、オカ研メンバーとライダーチーム、そしてタンニーンのおっさんとロスヴィセさんが子フェンリル二匹と量産型ミドガルズオルム、そして、ヘルの魔物相手に激闘を繰り広げる姿が見えた。

 

 

 

リアス『ギャスパー!やつの視界を奪って! 小猫は仙術でやつの気を乱してちょうだい!』

 

 

 

リアスがギャスパーに指令を送る!

 

 

 

イッセーの血を飲んだギャスパーの体が無数のコウモリに変化し、子フェンリルの顔にまとわりつく。

 

 

 

ギャスパーにはイッセーの血が入った小瓶を何個か渡してある。

 

それが役に立っているようだ。

 

 

 

Mギャスパー『動きを止めるぜ!』

 

 

 

更には怪しく目を輝かせて、子フェンリルの動きを止めようとしていた!

 

 

 

子フェンリルの力が大きいせいか、完全には動きを停止させることは出来ていない。

 

だけど、子フェンリルの動きは幾分、鈍くなっていた!

 

 

 

その隙をついて小猫が懐に入る!

 

 

 

小猫『ジョジョ先輩から教わった技で!』

 

 

 

 

 

ドゴンッ!

 

 

 

 

 

気を纏わせた拳を的確に撃ち込む!

 

その瞬間、子フェンリルの体が僅かによろめいた!

 

 

 

上手く体内の気を乱すことが出来たらしい!

 

 

 

俺が教えたのは的確な場所に最適な波紋を撃ち込むこと。

 

それが相手の気を乱す最も有効な技だ。

 

 

 

小猫はそれを実践出来てる!

 

 

 

子フェンリルの体がふらついたのをリアスは見逃さず、更に指示を送る。

 

 

 

リアス『絋汰は子フェンリルの足を止めて! ゼノヴィア、イリナさんは一斉攻撃よ! 裕斗は私と魔物を一掃して!』

 

 

 

リアスの指示を受けて絋汰が動く。

 

 

 

絋汰『こいつでどうだ!』

 

 

 

絋汰が子フェンリルの足下にヘルヘイムの植物を出現させて、子フェンリルの足を縛る!

 

 

 

更には驚異的なスピードで接近し、子フェンリルの体に斬戟を加えていく!

 

 

 

ゼノヴィア『イリナ、いくぞ!』

 

 

 

イリナ『ええ!元教会タッグでやっちゃいましょう!』

 

[イ.ク.サ.カ.リ.バ.ー.ラ.イ.ズ.ア.ッ.プ]

 

 

ゼノヴィアのホーリ・ライトニングスラッシュとイリナのイクサガリバーが子フェンリルの体を覆う。

 

 

 

小猫の攻撃によって防御することが出来なかった子フェンリルは二人の全力攻撃を受け、全身から血を噴き出させていた!

 

 

 

リアス『裕斗は左を頼むわ!』

 

 

 

木場『了解!一掃します!』

 

 

 

リアスから放たれた大出力の滅びの魔力がヘルの魔物を消し飛ばしていく!

 

 

 

流石に滅びの性質は強力だ!

 

触れた魔物を一瞬で塵にしていった!

 

 

 

木場もパーフェクトゼクターを構えて、自身に迫る魔物共を確実に狙い撃ちしていく!

 

 

 

木場『まだまだ!』

 

 

 

木場はパーフェクトゼクターにエネルギーをチャージする

 

 

木場『行くよ!!フルバーストォ!!!』

 

 

 

放たれた光線は魔物に命中したと思うと、拡大し、周囲の魔物を巻き込んでいった!

 

 

 

今ので五十体くらいは消し飛んだか?

 

 

 

なんつー威力だ!

 

 

 

 

 

一方―――

 

 

 

 

 

タンニーン『―――こいつはどうだ?』

 

 

 

少し離れたところでタンニーンのおっさんが大出力の炎を量産型ミドガルズオルムに吐き出していた!

 

 

 

戦場を炎の海が大きく包み込む!

 

 

 

炎の中では複数のミドガルズオルムがもがき苦しみながら、消し炭になっていった!

 

 

 

ロスヴァイセ『続きます!』

 

 

 

ロスヴァイセさんも北欧の魔術を展開してタンニーンのおっさんに続く。

 

 

 

雨のように降り注ぐ魔術の球が残りの量産型ミドガルズオルムとその周囲の魔物を貫いていく!

 

 

 

流石は北欧の主神の護衛を任されるだけはある!

 

 

 

アーシア『皆さんの回復は私が!』

 

 

 

ダメージを受けた者へアーシアが回復のオーラを飛ばす。

 

強敵ばかりのこの戦場。

 

ダメージを受ける者が多く、アーシアは休む暇もなく回復のオーラを送り続けていた。

 

その顔には疲労が見られる。

 

だけど、その回復は皆をしっかりと支えていた!

 

 

 

オカ研メンバーが相手をしているのとは別のもう一匹の子フェンリルを攻撃しているライダーチームも善戦していた。

 

 

 

光実『ハァッ!』

 

 

 

光実がブドウ龍砲で子フェンリルを撃つ!

 

 

戒斗『ハァァァアアア!』

 

 

 

戒斗がオーバーロードの力を使って子フェンリルの足をヘルヘイムの植物で縛る。

 

子フェンリルは足を取られ動きを封じられる。

 

 

 

その子フェンリルに貴虎が無双セイバーを振るう!

 

その刀身には絶大なオーラを纏わせていた!

 

 

 

貴虎『とりあえず、視界を奪っておこうか』

 

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

 

子フェンリルの両目を切り裂いた!

 

 

 

貴虎『次は爪。そして、その危険きわまりない牙も。この無双セイバーならば簡単に貴様を弱体化できる』

 

 

 

 

 

ゴリュッ!

 

 

 

 

 

貴虎はそう言って子フェンリルの爪と牙を削り取っていく!

 

 

 

『ギャオオオオオオン!』

 

 

 

子フェンリルも激痛に悲鳴をあげていく。

 

 

 

・・・・・・えげつなっ!

 

 

 

攻撃が残酷すぎるぜ!

 

しかも、すました顔でそれをやるからメチャクチャ怖いよ!

 

子フェンリルがかわいそうに見えてくるわ!

 

 

 

バラキエル『見ての通り、あちらは私達が優勢だ。ヘルの魔物も君達が大半を削ってくれたおかげで、残りわずかだ』

 

 

 

バラキエルさんが言う。

 

 

 

バラキエル『残りはロキとヘル、そしてフェンリルのみ。だが、ここで君がやられてしまっては形勢が逆転することもありうるのだ』

 

 

 

ジョシュア『・・・・・・』

 

 

 

確かにバラキエルさんの言う通りで、ここで俺が無茶をするよりも一旦態勢を建て直してから参戦した方がいい。

 

 

 

だけど、いくらなんでもバラキエルさん一人にこの場を任せるのは・・・・・・

 

 

 

バラキエル『君の不安は分かる。だが、私は死なん。ようやく朱乃と元の家族に戻れるというのだ。こんなところで死ぬわけにはいかん。・・・・・そして、君も死なせない。君のおかげで私達は前に進むことが出来たのだ。恩人を死なせはしない』

 

 

 

バラキエルさん・・・・・・。

 

 

 

バラキエル『さぁ、朱乃。二人を任せるぞ』

 

 

 

朱乃『はい。・・・・二人を避難させたあと、私もすぐに加勢にきます』

 

 

 

朱乃が俺を担いた時だった。

 

 

 

ロキと戦っていたヴァーリが俺達のところへと降りてきた。

 

 

 

鎧のあちこちが破損しているが、大きなダメージを受けた様子はない。

 

 

 

ヴァーリ『先輩を後退させることには賛成だが、フェンリルの相手は俺が引き受けよう。バラキエルと兵藤一誠にはロキの相手をしてもらいたい』

 

 

 

ヴァーリの言葉を聞いてバラキエルさんは怪訝な表情となる。

 

 

 

バラキエル『なに?おまえ一人でフェンリルの相手を引き受けると言うのか?』

 

 

 

ヴァーリ『ああ。一応の策はある。俺がフェンリルを引き離せば残るはロキとヘルのみだ。そうなればそちらも楽だろう?』

 

 

 

それはそうだけど・・・・・

 

 

 

相手の最大戦力はフェンリル。

 

それがいなくなれば俺達は相当、楽になる。

 

 

 

イッセー『だけど、どうやって引き離すつもりだよ?』

 

 

 

ヴァーリ『言っただろう、策はあると』

 

 

 

ヴァーリの言葉を聞いてハッとなる。

 

 

 

まさか、こいつ――――

 

 

 

 

 

上空からこちらを見下ろしているロキが笑う。

 

 

 

ロキ『ふはははは!一人でフェンリルを相手取るだと?無謀なことを!我も倒せない貴殿が勝てるとは到底思えんな!』

 

 

 

ヴァーリ『俺を――――白龍皇を舐めるな』

 

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

 

 

ヴァーリから凄まじいオーラが溢れ出る!

 

 

 

鎧に埋め込まれている宝玉が虹色に輝き、鎧自体も白く輝いていた!

 

 

 

そして、ヴァーリは力強くその呪文を口にした!

 

 

 

 

 

ヴァーリ『我、目覚めるは―――』

〈消し飛ぶよっ!〉〈消し飛ぶねっ!〉

 

 

 

ヴァーリの声に呼応するように別の声が発せられる。この世の全てを呪いそうな声が、歴代白龍皇の怨念が辺り一帯に響き渡る。

 

 

 

ヴァーリ『覇の理に全てを奪われし、二天龍なり―――』

〈夢が終わるっ!〉〈幻が始まるっ!〉

 

 

 

ヴァーリ『無限を妬み、夢幻を想う―――』

〈全部だっ!〉〈そう、すべてを捧げろっ!〉

 

 

 

ヴァーリ『我、白き龍の覇道を極め―――』

 

 

 

ヴァーリから一際大きなオーラが発せられ、最後の言葉が発せられる。

 

 

 

ヴァーリ『汝を無垢の極限へと誘おう―――ッ!』

 

 

 

[Juggernaut Drive!]

 

 

 

ヴァーリの鎧が変質していく。

 

 

 

まるで意思を持った生き物の様にヴァーリの全身を覆っていき、ロキの攻撃により破損していた箇所も再生していくように治っていく。

 

 

 

そして、白金に輝く鎧を纏ったヴァーリは、見る者の心を奪いそうな程に美しかった。

 

 

 

・・・・・なんて、オーラの量だ。

 

 

 

これが覇龍。

 

 

 

俺は覇龍の記録を見せてもらったけど、まさに別次元の強さだ。

 

 

 

いや、歴代最強とも言われるヴァーリだからこそ、ここまでの力を発揮できているのだろう。

 

正直、今の俺では太刀打ちできない。

 

 

 

だけど、生で覇龍を見て再認識できた。

 

 

 

 

 

―――――覇龍の力はマジでヤバいと。

 

 

 

 

 

覇龍を使ったヴァーリが叫ぶ。

 

 

 

ヴァーリ『アーシア・アルジェント!俺とフェンリルを転送してくれ!』

 

 

 

アーシア『は、はい!』

[Teleport please]

 

 

アーシアが手をこちらに向けると、ヴァーリとフェンリルの足下に魔法陣が展開される。

 

 

 

魔法陣が一瞬、輝くとヴァーリとフェンリルは何処かに転移していった。

 

 

 

・・・・・・おいおいおい!

 

 

 

あいつ、何やってんの!?

 

 

いや、確かにフェンリルをロキ達から引き離せたけどさ・・・・・

 

 

 

無茶苦茶するな、あいつ・・・・・

 

 

 

ロキが舌打ちをする。

 

 

 

ロキ『白龍皇め・・・・・! まさか、フェンリルが目的だったのか・・・・・!』

 

 

 

憎々しげにヴァーリがいた場所を睨んでいた。

 

 

 

それを見て、バラキエルさんが言う。

 

 

 

バラキエル『ヴァーリ・ルシファーがフェンリルを引き離してくれたおかげで敵方の戦力を大きく削ることができたな。私はロキを相手する。朱乃、分かっているな?』

 

 

 

朱乃『はい。父さま、お気をつけて。私もすぐに加勢に参ります』

 

 

 

朱乃はそう言うと俺とイッセーを連れて後方へと下がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱乃に連れてこられたのは俺達の最も後方にいるアーシアのところだった。

 

 

 

俺とイッセーはアーシアの前に下ろされる。

 

 

 

アーシア『イッセーさん!ジョジョさん!お二人とも大丈夫ですか!?』

 

 

 

アーシアが俺達のところへ駆け寄り、俺達の傷を見ていく。

 

 

 

幸い、フェニックスの涙のおかげで傷自体は塞がっている。

 

 

 

ただ、フェンリルにやられたせいで、かなりの消耗をしてしまった。

 

 

 

特に俺はフェンリルにやられる前に、レーヴァテインで腹をかっさばかれているから、血が足りてない。

 

体がフラフラする。

 

 

 

こうして意識があることだけでも驚きだよ。

 

 

 

ジョシュア『ああ。痛みはねぇよ。傷も塞がっているしな』

 

 

 

俺はそう言ってアーシアを安心させる。

 

 

 

アーシア『・・・・・よかったですぅ。 うぅ・・・・お二人が無事で良かったですぅ・・・・・・』

 

 

 

・・・・・無事と言えるかは怪しいところだけどね。

 

俺の体はどう見てもボロボロだし。

 

 

 

イッセー『アーシア、泣いてる暇は無いぜ? 部長達はまだ戦ってるんだからな』

 

 

 

そうだ。

 

まだ、戦いは終わっていない。

 

のんびりしてる暇なんてないんだ。

 

 

 

俺だって本当はこんなところで休んでる場合じゃない。

 

直ぐにでもバラキエルさんのところに行って、ロキを倒さないといけない。

 

 

 

だけど、体が言うことを聞いてくれない・・・・。

 

 

 

クソッタレめ・・・・・・!

 

 

 

朱乃『私は父さまのところに戻ります。アーシアちゃんは二人のことをお願いします』

 

 

 

アーシア『はい!』

 

 

 

朱乃は堕天使の翼を広げて飛び立っていく。

 

 

 

俺も早く回復して行かないと・・・・!

 

 

 

すると、俺の前にリアス達と共に子フェンリルを相手にしていた小猫が現れた。

 

 

 

小猫は俺の様子を確認すると俺の胸に手を当てる。

 

 

 

小猫『ジョジョ先輩の気の乱れを出来るだけ元に戻します。これで疲労感は取れるはずです』

 

 

 

俺の体の気が整えられていくのが分かる。

 

 

 

自分でしようにも大量の失血で体の感覚がおかしくなってる。

 

自分でやるのは危険だったから小猫が来てくれて本当に助かった。

 

 

 

ジョシュア『サンキュー、小猫。体が随分軽くなったよ』

 

 

 

小猫『・・・・分かっていると思いますが、私は疲労の感覚を取り除いただけです。疲労自体はそのままです』

 

 

ジョシュア『ああ、分かってるよ』

 

 

小猫『なら、良いです。私もジョジョ先輩が死ぬのは嫌です。だから、無理はしないでください』

 

 

小猫は俺に背を向けるとそのまま、戦場へと戻っていった。

 

 

 

去っていく小猫の背中を眺めながら俺は苦笑する。

 

 

 

無理はするな、か。

 

 

 

悪いが、小猫。

 

そいつはできねぇ相談だ。

 

 

 

ここは戦場。

 

皆は限界ギリギリのところで戦ってるんだ。

 

俺だけ無理をしないなんてことはできない。

 

 

 

ジョシュア『はぁ・・・・・』

 

 

 

俺はため息をつくと、イッセーと向き合った。

 

 

 

ジョシュア『なぁイッセー、少し試したいことがある。ひとっ走り付き合ってくれないか?』

 

 

 

俺は賭けに出ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木場side

 

 

 

 

 

僕達はロキが新たに呼び出したフェンリルの子の一匹を相手に善戦していた。

 

 

 

木場『はぁぁぁぁぁあ!!!!』

 

 

 

僕は騎士のスピードを最大限に活かしながら全力でパーフェクトゼクターを振るい、子フェンリルの体を切り裂いていく。

 

 

 

流石にフェンリルの子だけあって、その体は堅い。

 

僕の攻撃が通らないこともあった。

 

 

 

だけど、これまでの攻防でダメージを蓄積している今なら話は別だ。

 

 

 

僕のパーフェクトゼクターに斬られた部位からは血を吹き出し、明らかにダメージを与えていることが分かる。

 

 

 

木場『ゼノヴィア!今だ!』

 

 

 

ゼノヴィア『ああ!いくぞ!ブレイラウザー!!』

 

 

 

近距離から放たれた醒剣のオーラが子フェンリルを覆っていく!

 

 

 

ハティ『オォォォオオオオオオン・・・・・・』

 

 

 

消え入りそうな声で子フェンリルが鳴く。

 

 

 

流石にかなり効いてるみたいだね。

 

 

 

ライダーチームも優勢みたいだし、タンニーン様やロスヴァイセさんも量産型ミドガルズオルムを圧倒している。

 

 

 

魔物達を相手にしている部長とイリナさんももう少しと言ったところだ。

 

 

 

・・・・・残る問題は今回の元凶であるロキとそれに従うヘル。

 

 

 

今はバラキエルさんとティアマットさんが相手をしてくれているおかげで何とかなっているが・・・・

 

 

 

ロキ『ふはははは!堕天使一匹ごときで我を倒せると思ったか!見くびるなよ!』

 

 

 

バラキエル『・・・・・っ!』

 

 

 

ロキが握るレーヴァテインの斬戟をすんでのところでかわすが、バラキエルさんはすでに至るところに切り傷が出来ていた。

 

 

 

傷の表面には火傷したみたいな跡もあり、それが合わさってバラキエルさんを傷つけるようにみえた。

 

 

 

二人が回復するまでとのことだけど、もたもたしているとバラキエルさんが危ない。

 

 

 

朱乃『父さま!』

 

 

 

先輩達を後方へと下がらせた朱乃さんがバラキエルさんを援護するように雷光をロキへと放つ。

 

 

 

しかし、ロキは容易くそれを弾く。

 

 

 

これまでの修行で朱乃さんは大きく力を上げた。

 

その攻撃を軽々防ぐなんて・・・・・。

 

 

 

やはり、神というのは存在そのものが別格なのだろうか。

 

 

 

ロキ『堕天使・・・・いや、悪魔の気配も感じるな。先程の発言からして、その者の娘か。堕天使として産まれながらも悪魔に転生した、といったところか。しかし、それが一匹増えたところでどうということはない。まとめて始末してくれよう』

 

 

 

ロキはそう言うと自身の周囲に大型の魔法陣を複数展開し、狙いを朱乃さんとバラキエルさんに定める。

 

 

 

あれは危険だ!

 

 

 

バラキエルさんが焦りの表情となりながら、朱乃さんを庇う。

 

 

 

バラキエル『下がるんだ、朱乃!ここは私が受ける!』

 

 

 

朱乃『嫌ですわ!父さまを置いていくなんて出来ません!』

 

 

 

このままでは二人ともやられてしまう!

 

 

 

その時、空中に何やら魔法陣のようなものが描かれた。

 

 

 

そして、その魔法陣からは黒い人が落ちて来た。

 

 

 

禍々しい黒いオーラをたぎらせた人物

 

フォーゼの姿をしているけど……

あ、あれは?

 

 

 

ロキ『あれは――――』

 

 

 

ロキも突然現れた人物に目をやり、動きを止める。

 

 

 

すると、耳につけている通信機から声が流れた。

 

 

 

シェムハザ『[皆さん、ご無事ですか?]』

 

 

 

聞こえてきたのは男性の声。

 

 

 

皆にも聞こえているようで、戦闘を行いながら、その通信に耳を傾けていた。

 

 

 

そんな中、その声に反応する者がいた。

 

 

 

バラキエルさんだ。

 

 

 

バラキエル『シェムハザ。あの黒いドラゴンを送ってきたのはもしかして・・・・・』

 

 

 

シェムハザ・・・・・グリゴリの副総督。

 

たしか、匙君を任されていると先生から聞いているけど・・・・。

 

 

 

シェムハザ『[ええ、私です。単刀直入に言いましょう。その黒い人物は匙元士郎君です]』

 

 

 

!?

 

 

 

あれが匙君!?

 

 

 

シェムハザ『[実は今回の件に辺り、匙君に対してヴリトラ系の神器を全て合成したのです。そもそもヴリトラは幾重にも切り刻まれ、その魂を分割して4つの神器に封じた存在。その4つを合わせたのです]』

 

 

 

木場『ですが、そんなことは可能なのですか?』

 

 

 

シェムハザ『[本来は不可能です。ですが彼はレーティングゲームでは兵藤一誠君との戦闘の際、内に秘めるヴリトラの意識を一瞬とはいえ起こさせた。おそらくは彼の闘志にヴリトラの魂が反応したのでしょうね。それに我々はかけたのです。結果としては上手くいきました。・・・・・一応、暴走する可能性も考えていたのですが、杞憂に終わりました。ジョシュア・ジョースター君から受けていたという修行のおかげですね]』

 

 

 

・・・・・なるほど、先輩の修行は伊達じゃなかったということだね。

 

 

 

シェムハザ『[匙君。あとはいけますね?]』

 

 

 

シェムハザさんがそう尋ねると黒いフォーゼから声が発せられる。

 

 

 

匙『はい!』

 

 

 

通信が切れたところで、部長が匙君に話しかける。

 

 

 

リアス『匙君、聞こえるかしら?リアス・グレモリーよ』

 

 

 

匙『リアス先輩!俺は何をすれば良いですか?』

 

 

 

リアス『今、ジョジョとイッセーは大きなダメージを受けてしまったせいで、後ろに下がっているの。二人が回復するまで、バラキエルのサポートにまわってもらえないかしら?』

 

 

 

匙『了解です!仮面ライダーフォーゼ!ヴリトラステイツ!タイマン張らせてもらうぜ!』

 

 

 

匙君はロキに向けて黒い炎を放つ。

 

 

 

黒炎は命中するとロキの体を縛るように巻き付き始めた。

 

 

 

ロキは振り払おうとするが、その炎が消えることはなかった。

 

 

 

ロキ『これはヴリトラの黒炎か!やつの炎は相手を縛る呪いの炎だと聞いていたが・・・・忌々しいかぎりだ』

 

 

 

匙『ああ!こいつはたとえ神様でも容易に消すことは出来ないぜ!先輩達が回復するまでおまえの動きを封じさせてもらう!』

 

 

 

ロキ『ふん。この程度の炎で!』

 

 

 

ロキのオーラが一段階上がり、凄まじい光を発する!

 

まだ、こんなに力を残しているのか!

 

 

 

匙君の黒炎が消し飛ばされそうになるが――――

 

 

 

ロキを極大の雷光が貫いた!

 

その威力にロキも動きを止める。

 

 

 

上空を見上げると堕天使の翼を大きく広げた朱乃さんとバラキエルさんが雷光を纏っていた!

 

 

 

二人とも肩を上下させていて、相当消耗しているようだ。

 

 

 

ロキは上空に浮かぶ二人を睨み、殺気を放つ。

 

 

 

ロキ『ちっ・・・・堕天使ごときが無駄な真似を・・・・。ふんっ』

 

 

 

ロキが全身に力を入れて、体に巻き付いていた黒炎を振り払った。

 

 

 

そして、匙君に向けて魔法による砲撃を放つ!

 

けど

 

[shield on!]

 

 

匙『効かねぇな!』

 

 

匙君は黒いドラゴンのオーラをロキに向けて次々に黒炎を放ち攻撃を仕掛ける。

 

 

 

しかし、その黒炎はこごとくかわされてしまう。

 

 

 

ロキ『ほう、以外と頑丈だ。我の攻撃を受けて反撃できるとはな。だが――――』

 

 

 

ロキはレーヴァテインを振りかぶり、刀身に炎を纏わせていく。

 

 

 

その炎は辺り一帯を燃やし尽くすのではないかと思えるくらいの熱量を持っていた。

 

 

 

あれはマズい!

 

 

 

ロキ『この戦いにも飽きた。我はオーディンを討ちに行く。貴殿らにはここで散ってもらうとしよう!』

 

 

 

ロキがレーヴァテインを振り下ろす――――

 

アグル『なら俺と遊ぼうぜ!』

 

ロキの目の前に突然アグルさんが現れ、レーヴァテインを自身の身体で受け止める

 

ロキ『ふん、愚かな……このまま切り裂いてーーん?』

 

アグル『驚いたろ?俺のにダメージがないのが』

 

なっ!

ダメージがない!?

 

あり得ない!ジョジョ先輩でも耐えられなかったあの剣を身体で受け止めて只で済む筈がない!

 

アグル『俺の身体は特殊でな。この世界じゃあ親父か兄弟でないと傷付けられないらしい』

 

ロキ『くっ!』

 

アグル『おおっと!俺に気を取られていると大火傷するぜ?』

 

ロキ『どういう意味……』

 

 

ジョシュア『ロキィィィィィイイイイイイイ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

その声にロキは振り向く。

 

 

 

その視線の先ではジョジョ先輩が巨大化したミョルニルを握りしめ、ロキに迫っていた。

 

 

 

 

 

木場sideout

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