IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者   作:ザルバ

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10 クラス代表就任

「と、いうわけで一年一組の代表は織斑一夏君に決まりました。あ~いい感じですね。」

 翌日、山田先生が教卓に立ちそう言うと教室が拍手で埋め尽くされる。

(坊や、やってしまったわね。)

(まあ、予想してたし。でもこれも修行と思えば・・・・・・・)

(現実逃避もほどほどにね。)

(バレたか。)

 現実逃避をしようとした一夏をキャスターは呼び戻す。

「それじゃあ織斑君、折角ですので意気込みをこちらで語ってください。」

「わかりました。」

 一夏は山田先生の言葉に素直に教卓に立つ。

「え~、俺のISの名前にFate、運命が入っているように俺はこの運命を受け入れ、出せる力を出して戦いますのでよろしくお願いします。」

 一夏がそう言うと拍手が飛び交った。

 

 休憩時間になるとセシリアが一夏の元へ来た。

「あ、あの一夏さん。」

「なにかな、Ms.オルコット?」

「セシリアで構いませんわ。先日の無礼をしたこと、申し訳ありません。」

 セシリアは頭を下げる。

「なに、自分にとって我慢できないことがあれば当然の結果だ。これからもよろしく頼む、セシリア。」

「はい、一夏さん。」

 一夏の差し出した手をセシリアは握った。

 

「ではこれより専用気持ちによる実習を行う。オルコット、織斑は前に出ろ。」

「「はい。」」

 千冬の言葉に従い二人は前に出る。

「では専用機を展開しろ。」

 千冬の指示に従い二人は専用機を展開する。セシリアはISを身に纏うイメージで展開するが一夏の場合は違った。まるで自分自身がISであるかのようなイメージでISを展開する。そのためセシリアとはわずかではあるが展開が早かった。

「よし、展開したな。では飛べ。」

 二人は同時に飛ぶが幾分一夏が早かった。それもそのはず。一夏はキャスターとの訓練の際に簡易飛行魔術を使用した訓練を行っている。神代魔術の類は使えないが初歩的魔術、魔力の弾丸を飛ばす魔術は扱える。

「一夏さん、飛ぶのがお上手ですね。」

「人によりけりだ、セシリア。君の飛ぶ時の軌道もなかなかのものだぞ。」

「そ、そうですか/////」

 一夏の言葉にセシリアは頬を赤らめる。

『織斑、オルコット、聞こえているか?』

「はい。」

「聞こえていますわ。」

『よし、ならば急降下からの急停止をしろ。目標は地上から10cmだ。』

「わかりました。では一夏さん、お先に。」

 セシリアはそう言うと急降下、カスタム・ウィングと足裏のブースターを吹かし丁度10cmで止まる。

「やるな。なら俺もやるか。」

 一夏は急降下を開始する。慣れた空気の流れが一夏の肌に伝わってくる。

(やっぱり飛行魔術とは多少異なるけどいいな、この感覚。)

 一夏はそう思いながら速度を落とし、目標の10cmで止まる。

「よし、上出来だ。」

 一夏は地面に着地する。

(どうだった、坊や?ISで空を飛んだ感じは?)

(キャスターから習った飛行魔術のほうが俺は好きかな。あれ音うるさくないし。)

(ふふふ、そんなこと言ってもらえるとはね。でも魔力を使わない分負担は少ないでしょ?)

(そうなんだけど・・・・・・・・・・なんか違ってさ。)

 一夏とキャスターが念話をしていると千冬が次の指示を出す。

「では次に武装を展開してもらう。まずは織斑から。」

「はい。」

 一夏はいつものように投影するイメージで雪片を展開する。

「まずまずだな。(強固なイメージで展開する必要があるが・・・・・・・本当に素人かどうか疑うな)」

 千冬は口ではそう言いながらも若干一夏を疑っていた。

「では他の武装を展開しろ。」

「織斑先生、それをするにはこれを読み込ませないといいけないのですが。」

 一夏はカードケースを展開しクラスカードを見せる。

「そうか。では先日のカードを展開しろ。」

「はい。」

 一夏はカードケースからクラスカードを引き抜く。

(クラスカード、槍兵〈Lancer〉。)

 一夏のISは槍兵形態になる。

「では武装を展開しろ。」

「はい。」

 一夏はゲイボルクを展開する。素人の目でもゲイボルクからは恐怖を感じ取れた。

「よし。ではオルコット、武装を展開しろ。」

「はい。」

 セシリアは右手を横に伸ばし、レーザーライフルを展開する。

「展開は上出来だ。が、そのポーズは直せ。」

「ですが織斑先生、このポーズはわたくしのイメージを固めるために――――――」

「織斑に槍で刺されそうでもか?」

「へ?」

 セシリアが一夏のほうを見るとそこには左手に持ったゲイボルクの槍先を向けられていた。

「すまん、思わず突きそうになった。」

『突く?』

「ああ、こんな感じにな。」

 一夏は散歩後ろに下がり、ゲイボルクを突いた。一瞬でゲイボルクの先から石突まで移動したことに一同は驚きを隠せなかった。

「わかったか、オルコット。直せ、いいな?」

「・・・・・・・・・・・・はい。」

 セシリアはその言葉そう答えた。

 

「と、いうわけで!織斑君、クラス代表就任おめでと―――――――――!」

『おめでと―――――――――――!』

 言葉と共にクラッカーの音が響き渡る。

「みんな、ありがとうな。」

 パーティーを開いてくれたクラスメイトに一夏は礼を言う。

「いやー、これで来月の対抗戦が面白くなるねー。」

「ほんとほんと。」

(あれ?あそこの子はあなたのクラスの子じゃないわよ。)

(情報収集か俺とのコミュニケーションを取りたいんだろう。ま、下法をもって上法を制すのも策の一つだな。)

(そうね。どんな汚い手段を使っても生きたいってのは当たり前よね?)

(そら命は平等でも自分の身がかわいいに決まっているでしょ。誰だって同じだよ。)

 キャスターとそんなことを話している二年生の先輩が一夏に話しかけてきた。

「はいはーい、新聞部副部長の黛薫子でーす。はいこれ名刺ねー。」

 一夏は黛先輩から名刺を受け取る。

(相変わらず思うけど日本の名前って面白いわね。同じ漢字でも読みが違うから面白いわ。)

(いや、キャスターのほうがある意味面白いよ。神代魔術の呪文よくあんな早口で言えるよね。)

(経験よ。)

「それじゃあ織斑君、クラス代表になった意気込みをどうぞ。」

「そうですね・・・・・・・俺にできるのは常にベストを尽くすことなので頑張って勝利を勝ち取ります。」

「おおー、いいねいいねー。それじゃあ専用機の周りを飛んでいたカードを見せてもらってもいいかな?」

「ええ、どうぞ。」

 一夏はカードケースを差し出す。

「ほっほー、槍兵の絵が描かれているのはランサーと聞いたけど、他のは何かな?」

「ええ。何も書いてないのはわかりませんが、騎士は〈Sayber〉、弓兵は〈Archer〉,暗殺者は〈Asashin〉、騎手は〈Rider〉、狂戦士は〈Baresarker〉、魔術師は〈Caster〉、王は〈Gill〉って名前です。」

「ほほ~、結構あるね~。それをすべて使いこなすのは難しいんじゃないのかな?」

「ええ、まあ。でも一流に適うことができる二流になってみます。」

「一流を目指そうとは思わないの?」

「一流を目指すということは一つを極めるということですから。ですから俺は二流なんです。」

「なるほど~。そんな深い意味があったんだね。じゃあ今度はセシリアちゃんにいこうか。セシリアちゃんは織斑君と戦ってどうだった?」

「そうですわね。相手の動きを予想し的確に回避を取り、致命傷となる部分を防ぐその技量は一目置きますわ。とてもISを扱ってまだ間もない人の動きとは思えませんわ。」

「おお~、代表候補生の人からもそう言われるとはすごいよーだねー。じゃあ織斑君、セシリアちゃんと一緒にツーショットお願い。」

『えぇえええええええ~~~~~~~~~~~~~!』

「は~い、文句は聞きませ~ん。さ、早く早く。」

 一夏とセシリアは並ぶ形でと撮る体制に入る。

「はいそれじゃあいくよ~。23×52÷103は?」

「11.61165048543689。」

「お、織斑君正解。」

 パシャ

「って、なんでみなさんは言ってますの!」

 その場にいた全員がカメラ収まった。

「せっかくの織斑君との写真撮影なんだから。」

「セシリアだけにいい思いはねー。」

「そーそー。」

「あ、あなたたちねー!」

 そんなことがあり、クラス代表就任パーティーは続いた。

 

「つ、疲れた・・・・・・・・」

「大丈夫、坊や?」

「あんなに体力があるのか・・・・・・・女子は?」

「私ですらそう思うわ。でもその疲労じゃ明日の訓練に支障が出るわ。はいこれ。」

 キャスターはビーカーに入った紫色でブクブク沸騰しているような液体を差し出した。

「・・・・・・・・・やっぱり飲まなきゃダメ?」

「ダメよ。」

「・・・・・・・・・・はい。」

 

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