IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者   作:ザルバ

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18 模擬演習と簪の頼み込み

「アンタ、今日も騒がしかったわね。何かあったの?」

「一夏さんは今日転校生にビンタさせられそうなりましたわ。」

「はぁっ!アンタ何してんのよ!」

 一組と二組がアリーナのグラウンドで並んでいると鈴が一夏に話しかけてきた。

「お前ら、うるさくしていると怒られるぞ。」

「安心しろ、もうそいつらは遅い。」

「「へ?」」

 鈴とセシリアに出席簿が振り下ろされた。二人は頭を押さえる。」

「くぅぅぅ・・・・・」

「一夏のせい・・・・一夏のせい・・・・・」

(理不尽だな。)

(女と男の間にはよくあることだ。ま、受け入れてやるのも男だぜ。)

(そういうものか?)

(そういうもんだ。)

 一夏は鈴とセシリアをそっちのけでランサーと話す。

「ではこれより一組と二組の合同授業を開始する。まず初めに模範演習を行う。凰、オルコットは前に出ろ。」

「なんでわたくしが・・・・」

「まったくよ・・・・」

 鈴とセシリアは文句を言いながら前に出る。

「そう言うな。アイツにかっこいいところを見せつけられるぞ。」

 二人はその言葉に反応し意気込む。

(ランサー、千冬姉の今使った保有スキルって何かわかるか?)

(う~ん・・・・・暗示と言うよりも言霊じゃないか?)

「それでいったい誰と相手しますの?まさか鈴さんと?」

「はっ!やってやろうじゃない!」

「落ち着け馬鹿者。貴様らの相手は―――――」

((っ!上!))

 一夏とランサーは気配を感じ取り上を見るとそこにはバランスを崩しながらラファール・リヴァイブを身に纏い落ちてきている山田先生の姿があった。

「人命救助!」

 一夏は白式・Fateを展開すると山田先生をキャッチする。

「なんであんな登場するんですか?」

「いえ・・・・・皆さんの前でかっこつけたくて。」

「恰好よりも安全性を重視してください。」

「すみません。」

 一夏は山田先生を降ろす。

(織斑一夏・・・・・あいつは誰よりも先に気づいていた。この私や教官よりもだ。どうやら・・・・・・少しは骨がありそうだな。)

 ラウラは一夏の対応を見ながらそう思った。

「ではお前たちには山田先生を相手してもらう。」

「ふ、二人でですか?」

「いや、それはちょっと・・・・・」

「安心しろ。お前たち二人で掛かったとしても負けることは目に見えている。」

 その言葉に二人は反応し、そのまま戦闘に入った。

(上手いな。)

(おう。お前の姉ちゃんの心理的刺激であの嬢ちゃんたちの神経を逆撫で、んでもってからの戦闘とあっちゃ動きは単純で分かりやすいってもんだ。ほら、もう落ちてくるぞ。)

(正に掌の上で踊らされた、だな。)

 二人は見事に倒された。

「今ので分かったように山田先生は元日本の代表候補生だ。以後、敬意をもって接するように。」

『はい!』

「よし、では訓練機を使った歩行訓練に移る。各自グループに分かれてろ。」

 千冬がそう言うと我先にと一夏とシャルルのほうへと向かってくる。が、一夏が手を大きく叩く。

「出席番号順分かれろ。じゃないと居村先生からのありがたい指導をもらうことになるぞ。」

 一夏の言葉に一同千冬の出席簿を見る。一夏の言葉が聞いたのか一同言葉に従った。

(お前もカリスマスキルあるんじゃねぇか?)

(今の時期だけだろ。てかそれよりも早く動こう。時間は有限だ。)

(じゃあ何が無限だ?)

(・・・・・・・・・・IFの世界?)

(ちげぇねぇ。)

 最初の人が歩行訓練を終え、次の人の番が来た。

「次は・・・・・」

「私だ。」

 次の人箒であった。

「よし、じゃあさっそくとい言いたいところだが・・・・・・」

 一夏が見る先には直立状態の打鉄があった。そのことに気付いた山田先生が一夏に声をかける。

「あ、一年生の内はよくあることですね。すみませんが織斑君、コックピットまで運んでもらえますか?」

「わかりました。」

 一夏は白式・Fateを展開する。

「ほら、箒。」

 一夏はお姫様抱っこの態勢に入る。

「あ、ああ。」

 箒は一夏の思いを無下にしまいと従う。

「じゃ、運ぶからしっかり掴まっていろよ。」

「う、うむ。」

 一夏と箒は密着する。その光景を鈴とセシリアは羨ましそうに見ていた。

(こ、これが夢のお姫様抱っこというものか・・・・・)

 箒はその短い時間に至福を感じた。

「い、一夏!今日のお昼一緒に食事しても構わないか?」

「ああ。シャルルや鈴たちも一緒にだけどな。」

「え・・・・」

「よく考えてみろ。シャルルは今日初めて学校に来たんだぞ。ボッチてのは可哀そうだろ。」

「そ、そうだな・・・・・・・お前はそうだな。」

「?」

 一夏は蜂起が言っていることがわからなかった。

 

 午後になるとテラスのほうで一夏は箒、セシリア、シャルル、鈴、簪と一緒にいた。

「僕も一緒にいていいのかな?」

「いいに決まってんだろ?何より、交流を深めたいしな。」

「うん、一夏に賛成する。一人って寂しいし。」

 一夏の言葉に簪が賛同する。

「え~っと、改めて織斑一夏だ。」

「篠ノ之箒だ。」

「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットですわ。」

「中国代表候補生の凰鈴音よ。」

「日本代表候補生の更識簪。よろしく。」

「うん。フランスから来たシャルル・デュノアです。よろしくお願いします。」

 各々自己紹介を終える。

「じゃ、飯を食おうか。」

 一夏の言葉に一同従う。

「アタシのはこれ!」

 鈴はタッパに入った酢豚を一夏に見せつける。

「セシリア、アンタは?」

「わたくしは・・・・・・その・・・・・」

 セシリアは気まずそうな顔をする。

「大丈夫だ、セシリア。この前教えた通りにしたんだろ?」

「ええ・・・」

「なら味見するから大丈夫だ。」

 二人のやり取りが気になった箒は一夏に尋ねる。

「なんなのだ、そのやり取りは?」

「ああ。前にセシリアが作ったサンドイッチを試食したんだが・・・・・・・その・・・・・・壊滅的でな。士郎さんのオカンモードが働くかと思うくらいい。」

「それはある意味すごいわね。しかも料理でって相当よ。」

「で、士郎さんにご指導をいただいたってわけだ。」

「・・・・・・・すごいお方でしたわ。色々と。」

 セシリアが明後日の方向を向く。その苦労がなんとなくわかる一同であった。

 そんなセシリアが作ったのはサンドイッチであった。

「一つもらうぞ。」

 一夏はサンドイッチを一つ手に取り口に運ぶ。

「うん、おしいいぞセシリア。」

 一夏の言葉にパァッと表情が明るくなるセシリア。

「よ、よかったですわ!」

 これまでに無いほど喜ぶセシリアであった。

 

 昼食を食べている途中、簪が一夏にあることを頼んだ。

「ねえ一夏。」

「なんだ、簪?」

「私に槍の使い方を教えてくれない?私が使っているのは正確には薙刀なんだけど。」

「へ?」

 一夏は簪の言いたいことがわからなかった。

「一夏って槍兵〈Lancer〉ってモードでの槍使いが上手かったから教えてほしくて。」

「他にいないのか?それに俺はまだ半人前以下だ。」

「うん、一夏がそうなのはわかっているけど他に頼れる人がいなくて。」

「う~ん、ちょっと聞いてみる。」

 一夏はそう言うと立ち上がり、端っこの方で携帯電話を取り出し電話をするふりをする。

「もしもし、狼さん?一夏です。実は相談したいことがあって。」

(オメーよ、そんなことしなくちゃいけねーんのかよ。・・・・・・・・・・・て、念話している間だとおかしいか。)

「ええ、お忙しいのはわかっています。しかし急を要するので。」

(俺はお前さんが教えてもいいと思うぜ。)

「ええ、自分も修行の身とはわかっていますが他に頼れる人がいなくて。」

(演技上手いな。ま、お前の二流だったらISを扱うお嬢ちゃんたちから見て一流に近いだろうし、いいんじゃねぇか?)

「ありがとうございます。お忙しいところ、時間を割いていただきありがとうございました。それでは。」

 一夏は電話を切るふりをすると簪の方へと戻ってゆく。

「いいってさ。今日からする予定だがいいか?」

「うん、頼んだのは私だし。よろしくお願いします。」

「こちらこそ。」

 

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