IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者 作:ザルバ
「そらそらそら!足が止まってたら的になるだけだぞ!」
「くっ!(やっぱり強い。映像で見るのと実体験するんじゃわけが違う。でもなんで?なんでこれで二流なの?)」
第一アリーナで一夏はゲイボルクを簪に振るい、突く。簪はただ攻撃を受ける状態であった。
「打たれる前に打て!そうじゃないと勝てる戦いっ負けるぞ!」
「くっ・・・・・・なら!」
簪は薙刀を横に振るとそのままの勢いを活かし、大回転する。一夏は最初の攻撃を防ぎ、次をしゃがんで回避した。
「悪くないが隙がある!」
一夏は左足を踏み込み、左拳を叩き込む。
「ぐっ!(重い・・・・!)」
一夏の拳に簪は吹っ飛ばされるが何とか体制を立て直しバランスを取る。が、そこに一夏がジグザグに接近しながらゲイボルクを突く。
「きゃっ!」
簪は地面に倒れる。
「は、お終い。十回倒れたからね。立てるか?」
「う、うん・・・・・なんとか。」
一夏の手を握り簪は立ち上がる。
「最初に言った通り十回倒れたらそこで修行終了。重火器以外の武器、つまり剣・槍・斧なんかの武器の他に拳や蹴りを使ってもいい。そして常に警戒を怠るな。わかってはいるが実際やってみると難しいだろ?」
「うん。」
「それが初歩だ。まあ結構いい線は言っていると思うからこれから頑張れば大丈夫だ。」
一夏が簪を褒めるとシャルルが話しかけてきた。
「一夏、次は僕と模擬戦をしてくれない?」
「いいぜ。ん!ラファールにしちゃ随分色が違うな。」
「これ?これは僕の専用機なんだ。いろいろ邪魔な物を取り除いたからバスロットに十種類くらいの武器が入っているんだよ。」
「まるで武器庫だな。宝物子には劣るだろうけど。」
「あはは・・・・・・・さすがにあの映像の量を一斉に打ち出すのは無理だよ。」
シャルルは苦笑いをしながらそう答えた。
「じゃあ転入祝いに使ってないクラスカードで試そう。」
一夏は槍兵形態を解き、クラスカードを一枚引き抜いた。
「いくぞ。クラスカード、狂戦士〈Baresarker〉。」
一夏の白式・Fateは腕と足が鋼のような色をし、元の二~三倍に大きくなり、スラスターが変形、空中戦向きではなく直進方向特化に変わる。一夏の右手には大きな鉄をハンマーで砕いて作ったかのような大剣が握られていた。
「Barserker・・・・・・・・・北欧神話で聞く名前だね。」
「まあな。さて・・・・・・・・・鈴、合図頼む。」
「オッケー。それじゃあ・・・・・・・・・・・始め!」
鈴の掛け声と同時にシャルルは両手にアサルトライフルをコールし一夏に銃弾を放つ。しかし一夏は防御することなくそのままブースターを吹かし急接近する。
「っ!」
シャルルは急いで上空に回避するがわずかに掠った。それだけでもシールドエネルギーは削られた。
(掠っただけで!そんなバカな!)
シャルルは自分の目を疑った。そして更に驚くことに一夏のシールドエネルギーがあまり減ってはいなかった。
(な、なんで!)
シャルルはそう思いながらもアサルトライフルを放つ。何十発も撃っている途中であることにシャルルは気づいた。通常シールドエネルギーは正六角形のシールドが球体上に常時展開されている。大きさはせいぜい拳より少し大きい程だ。しかし一夏が展開しているシールドエネルギーの形はそれよりもはるかに小さい。大きさはせいぜい指先ほどだ。
(そうか・・・・・・面積が小さい分減るシールドエネルギーは少ない。余分な力を発生させない設計になっているんだ。)
一夏が使っているバーサーカーは体の頑丈さが売りである。それに加えて狂人的スピードにパワーと魂のストック。それをISで再現しようとなるとチートである。
(だったら!)
シャルルはグレネードランチャーをコールし一夏に放つ。
「やっば!」
一夏は大剣を盾代わりにする。グレネード弾が直撃し、爆煙が発生する。
「これでどうかな?」
爆煙が晴れるとそこにはシールドエネルギーが0になった一夏の姿があった。
「やった!」
シャルルが勝利を喜んだ瞬間、一夏のバーサーカの機能が発動した。
〈十二の試練(ゴッド・ハンド)、発動〉
一夏のISのシールドエネルギーが回復する。
「そんな・・・・・・・・・・なんで・・・・・」
「余裕だな。今度はこっちからだ!」
一夏は瞬間加速を使い急接近し、大剣を振り下ろす。シャルルは避けるが反応が遅れたため身体の半分を斬られるほど攻撃を受ける。
「ぐっ!」
一夏の大剣が地面にめり込むと同時にシャルルは弾き飛ばされ地面に倒れる。
「くっ!」
シャルルは自動装填式ショットガンを一夏に向け放つ。が、一夏は地面にめり込んだ体験をシャルルのほうに振るい銃弾の一部を抉った土で防御する。
「ォォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!」
一夏は雄叫びを上げながら接近し大剣を縦横無尽に振るう。シャルルは盾をコールするが盾は狂戦士形態のパワーの前ではあっという間に屑鉄へと変えられてしまう。
「これで・・・・・・・・・・・ラストォオオオオオオオオオ!」
一夏は横一線に大剣を振るう。シャルルのシールドエネルギーは0になった。
「・・・・・・・・・・・・・・あ、あはははは・・・・・・・・・・負けちゃった。」
「立てるか?」
「うん、ありがとう、一夏。」
一夏はシャルルの手を握り立ち上がる。
「聞くのは失礼だと思っているんだけど・・・・・・・・・・・なんでシールドエネルギーが回復したの?」
「ああ、それか?バーサーカーの機能の一つに“十二の試練(ゴッド・ハンド)”ってのがあってな、もともとあるシールドエネルギーを十二分に分割してる、いわゆる魂のストックみたいなものだ。」
「魂のストック・・・・・・・・・・でもそれを相手が知っているとあんまり効果はないんじゃ・・・・・」
「いいや、そうであっても強固な壁に狂人的スピード、狂人的パワーがあれば敵を倒すチャンスはいくらでもある。その代り武装が扱いにくいがな。」
一夏はそう言っているとアリーナの中が騒がしくなった。」
「ねえ、ちょっとあれ!」
「ウソ!ドイツの第三世代じゃない!」
「まだトライアル段階って聞いたけど・・・・」
その言葉に一同目を向けるとそこには黒いIS・シュヴァルツェア・レーゲンを身に纏ったラウラの姿があった。
「ん!貴様、そのIS・・・・・・・・・・噂に聞く変化機能というやつの一つだな。丁度いい、私と戦え。」
「断る。第一、もうアリーナの使用時間が迫っている。」
「逃げるのか?」
「・・・・・・・・・・そうだな。時には逃げるのも手だな。」
一夏はラウラを冷やかすように喋る。
「先ほどの戦いを見ていたが・・・・・・・・・・・・なぜそれほどの力がありながら上に立とうとしない?そしてなぜそれほどの力がありながら教官の二連覇を邪魔した?」
「前者についてだが、俺はそんなものに興味はない。そして後者はお前が言っていることの後で手に入れたものだ。納得したか?」
「いいや、全く。私と戦い本当のことを話してもらうぞ!」
ラウラはレールカノンを一夏に向けるとすぐ様発射する。
「・・・・・・・・・ちょっと面白い芸当を見せてやろう。」
一夏はギリシャの英雄、ヘラクレスをイメージし、ある技を使った。
「射殺す百頭(ナインライブス)!」
自分に迫りくる砲弾を一夏は一瞬の内に同時に九回切り、砲弾を変形させ自分の前に落とした。
「き・・・・・・・・貴様一体何をした!」
「なに・・・・・・・・ただ単位一瞬の内に九つの斬撃をほぼ一瞬で振って叩き落した。それだけだ。」
サラッととんでもないことを言う一夏。
『そこの生徒!なにをしている!所属のクラスを言え!』
管制室から見ていた。先生がラウラを注意する。
「・・・・・・邪魔が入ったな。今日はここまでにしておいてやる。」
ラウラはそう言うとその場から去って行った。
(・・・・・・・・・・・・なあ、ランサー。)
(なんだ、坊主?)
(俺も・・・・・・・・・・・・ああなってたのか?)
(あん?)
(力だけ求めていたらああなってたのかなって?)
(・・・・・・・・・・・・もしそうなってたら俺はお前をぶん殴っているな。)
(・・・・・・・・・・そうか。ランサー、ありがとう。)
(ま、他の奴らもそうだろうけどな。)
(バーサーカーだけは勘弁。あれは死ぬる。)
(ははは、ちげぇねぇ。)