IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者   作:ザルバ

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2 サーヴァント

(あれ・・・・・・・俺・・・・・・・夢見てるのかな?みんなが・・・・・・目の前にいる・・・・・・・ははは、死が近いのか?)

「—―――チカ!イチカ!しっかりしてください!キャスター、回復の魔術を!」

「わかっているわよそんなこと!」

「■■■■■■■■■■■■■■■■――――――――――――!」

「落ち着けよ、バーサーカー。こいつはまだ死んじゃいねぇ。それにこいつらを殺したらこの坊主の立場が危うくなっちまう。」

「ランサーの言うとおりだな。バーサーカー、すまないが一夏を見ていてもらえないか?いざと言う時はお前が守ってやれ。その時の被害には俺たちは目をつぶる。」

「雑種以下の虫けらには興味ないが・・・・・・・・我が許したこやつを傷つけた輩にはそれ相応の罰を受けてもらわねばな。しかし、我はせん。庭の仕事は庭師の仕事だ。」

「拙僧らの腕力だけでも十分であろう。」

「そうですね。最低限骨三本は折っておきましょう。」

 セイバー、キャスター、バーサーカー、ランサー、アーチャー、ギル、アサシン、ライダーの順に話す。

「さて、誘拐犯ども。」

 アーチャ―が誘拐犯たちの方を向き一つ間を置いて行った。

「罰を受ける覚悟はできているか?」

 

「ん・・・・・・・・・・・」

 一夏が目を覚ますとそこに走らない天井が目に映った。

「あれ・・・・・・・・・・・ここは・・・・・・」

 一夏はゆっくりと体を起こす。徐々に意識がはっきりし、記憶が鮮明に思い出される。

「そうだ・・・・・・・・・・・俺、誘拐されて・・・・・・・・・・・それで・・・・・」

「起きたようですね、イチカ。」

「っ!」

 一夏は声がする方を向くとそこには一夏が夢で見たセイバークラスのザーヴァント、アルトリア・ペンドラゴンがいた。

「アル―――!」

「イチカ、今はセイバーとお呼びください。それと外でも私たちの真名は言わないでください。」

「わ、わかった・・・・・・・・・・・ん?わたし・・・・・・・・・たち?」

「はい。今姿を現します。」

 セイバーがそう言うとアーチャー、ランサー、キャスター、ライダー、アサシン、バーサーカー、ギルが姿を現した。

「み、みんなっ!え?え?え?」

「落ち着け一夏。と言っても、無理もないがな。」

 アーチャーは一夏の心情に同情する。

「あれ?俺夢見てんの?まだ目が覚めないの?」

 一夏は頬を思いっきり引っ張るが痛みがあった。

「・・・・・・・・・・・・夢、じゃない?」

「ああ。残念ながらね。今は時間が無いため要点だけを言う。君を誘拐した輩は私たちが懲らしめた。骨の二~三本は折れている。ま、当然の報いだがな」

(誘拐犯の方々、お大事に。)

 一夏は誘拐犯に人たちに同情した。

「それでだ一夏、私たちのことはクラスで呼んでくれ。真名を暴露されると困る。ま、私は例外だがな」

「まーそういうこった坊主。詳しい話はお前さん家で話すから今は家族との時間を過ごしとけ。」

 ランサーがそう言うと全サーヴァントは霊体化をし、姿を消した。その直後、千冬姉が病室に入って来た。

「一夏!」

 千冬は駆け足で一夏に近づくと肩を掴んだ。

「大丈夫か!どこかケガをしていないか!」

「お、お落ち着いて千冬姉。とりあえず俺は今大丈夫だから。てかケガについてはどうかわからないけど。」

「す、すまん・・・・ところで一夏、聞きたいことがあるのだがいいか?」

「う、うん・・・・・」

 千冬は椅子に腰かけ一夏の方を真剣な眼差しで見ながら話す。

「まずすまなかった。日本の政府側の人間がお前の誘拐のことを知らせず、私を決勝大会に出場させた。本当にすまない。」

 千冬は頭を下げる。

「千冬姉が謝ることじゃないよ。それに俺も何もできなかったんだから。」

「そうか・・・・・・・・次になんだがお前は誰が助けたか知っているか?」

「どういうこと?」

「いや、これは少し変な話でな。ドイツ軍からの情報でお前が誘拐されたのを知って駆け付けてみればお前は床に倒れ、誘拐犯たちの男の方は骨を二三本の骨折、ISを纏っていた奴らはコア以外ボコボコになっていたんだ。

どういうわけかわからないがその後の事情調査でお前が八人の人間を召喚したなどと言う意味不明なことを口にしたんだ。実際、私が駆け付けた後での現場調査では誰の痕跡も残っていなかった。おかしなところと言えばお前が倒れていたところにしみ込んでいた他人の血があったことだけだ。一夏、何か知らないか?」

「ううん、俺はあの時思いっきり蹴られたから気を失ってた。それに手を縛られてて身動きもできなかったよ。」

「まあそうだな。すまんな、変なことを聞いて。」

「構わないって。」

「あー、それとだな。」

「うん。」

「大事な話があるんだ。」

「どんな話?」

「実はこれを機に代表候補生を引退する話はしたな?」

「したね。日本に戻って何をするのか聞いていないけど。」

「実は今回の件でドイツに借りができた。それでだな、借りを返すために一年間教官をしなければならない。すまないのだが一夏、お前は・・・・」

「大丈夫。向こうには知り合いがいるから。それにもしもの時は束さんに協力を仰ぐよ。」

「すまないな、一夏。」

「俺だって無力な自分が嫌だよ。だからお相子。」

 そして一夏だけ日本に帰り、千冬はドイツで一年間指導教官の仕事に就いた。

 

 一夏が家に帰ると怪しいものが無いか確認をした。

「とりあえずなし・・・・・・・・・・・・・と。」

 一夏は一通り確認すると全サーヴァントを念話で呼び出す。

(みんな、出てきて。)

 一夏が念話で話すと一同姿を現した。

「ちょっとごめんなさいね。」

 キャスターはそういうと杖を取り出し、魔術を部屋全体に掛ける。

「これで外部からの認識妨害・防音障壁は完璧よ。さて、マスター。いえ、一夏と呼ばせてもらおうかしら。」

「構わないよ、キャスター。でー、どっから聞いたらいい?」

「そうね。まず私たちのことは部屋で知っているけどそのことは誰にも話さないことね。」

「わかってる。とりあえず・・・・・・・・なんでみんな現界してるの?」

 一夏の疑問はもっともであった。夢での人物がなんで現実にいるのかすら一夏には理解できなかった。

「まず大まかな説明ね。私たちはサーヴァントという魔力で構成された体を持って今ここにるわ。私たちはあなたたちで言う“英雄”とかの偉人に分類される。ここまではいい?」

「うん。」

「で、私たちは召喚をする人、マスターとの契約で成り立っているの。貴方の手の甲を見てみなさい。」

「ん?」

 キャスターに言われ手を見るとそこには赤い紋章の様なものができていた。

「それは令呪と言ってね、マスターとサーヴァントの関係を現したものよ。と言ってもあなたの場合は八つあるはずだけど・・・・・・・・・・何か気づいたことはない?」

「そういえば肩や足にも同じ赤いのがあった。でも形は違うけど。

「そうね。サーヴァントそれぞれの令呪があるの令呪は三画あっていわば命令権よ。一騎につき三回の絶対命令をできるわ。でもそれと同時に三回使い切ると契約は破棄され、実質野放しになるってわけ。」

「つまり使うと時は慎重に?」

「まあそういうことね。そして一夏、これは重要なことなんだけど貴方は本来ありえないのよ。」

「ありえない?」

「そう。サーヴァントは聖杯と言われる万能の願望機から現界できる程の魔力を供給されているわ。でも貴方は違う。現界できる魔力もすべてあなたから送られているの。特にこのバーサーカーは魔力の消費が激しいの。ただでさえザーヴァント一人でも魔力の消費は大きいのにそれを八騎。ありえないと言っても過言ではないわ。」

「な、なるほど・・・・」

「どうやらことがことだけに付いて行けるのもギリギリね。それ以前に座にアクセスすることすらおかしいけど。」

「座?」

「そうよ。座。座ってのはいわば聖杯の中に組み込まれているの。そこには過去、現在、未来の英雄たちの魂が眠っているわ。魔術師でもそこにアクセスできる奴はほとんどいないわ。」

「ちょっと待って、魔術師?」

「貴方、魔術師の家系の人間でしょ?」

「いや、魔術って何?魔法とどう違うの?」

 一夏の言葉に一同目が点になった。

「あれ・・・・・・・・・・・俺なんか変なこと言った?」

「すみません、イチカ。本来私たちは魔術師同士の戦争、聖杯戦争の時に召喚されます。その中にもイレギュラーとして参加する人もいますがそれでも一騎だけです。ですがあなたは魔術師でもないのにサーヴァントを八騎も召喚した。異例中の異例です。」

「その前にセイバー、一夏は魔術と魔法の違いが分かっていません。」

「そうですね、ライダー。ではイチカ、魔術と魔法の違いとは何だと思いますか?」

 セイバーからのいきなりの問いに一夏は困惑した。

「そう言われても・・・・・・・・・・さっきのキャスターがやった認識や防音ってのが魔術なんだろ?・・・・・・・・・・あれ?防音って現代技術でもできるような・・・・・」

「その通りです。魔術とはお金と時間をかけてもできることを魔術、それができないのを魔法と分類されているのです。」

「てことは飛ぶんだったら飛行機、火をつけるならライターみたいなのが魔術で、時間旅行や無限のエネルギーとかが魔法なのか?」

「その通りです、イチカ。」

 一夏は魔法と魔術の違いを理解した。

「それはそうと一夏、君の魔術を見せてもらいたい。」

「どうしてだ、アーチャー?」

「君と私は似ている。もちろん、君と私は名前も生まれも違う。そもそも私たちの時代にISと言う者はない。」

「え?どういうこと?てか俺ISについて話したっけ?」

「なに、我々は召喚されればその世界の情報が勝手に頭に入ってくるのだ。それはそうと見せてくれないか?」

「お、おう。」

 一夏は手ごろな包丁を作り出した。

「ふむ・・・・・・・素人にしてはなかなかの出来だ。投影魔術はまずまずだな。」

「投影?それを投影魔術っていうの?」

「そうだ。これは投影魔術といって簡単に言えばコピーを作るもの。これと同じようなものは他にはあるか?」

「ああ、あるよ。」

 一夏はそういうと食器棚の方に向かいコップを一つ取り出した。

「これだ。三年前に投影した。」

『っ!?』

「え・・・・なに?それが普通じゃないの?」

 一夏の投影に全員お顔が強張った。

「すまない一夏。どうやら君はとんでもないものを持っている。」

「どういうこと?」

「そもそも投影魔術とは魔術によって作り出された虚像。それは魔力が無ければ長く持って一日しか持たない。しかし君はこれを三年前に投影したといった。つまり、君はないものをそこに持ってきた。それは本来あり得ないことなのだよ。」

「そ、そうなんだ・・・・・」

「おいおい、弓兵。これって・・・・・」

「いや待てランサー。お前の宝具を出してみろ。」

「あん?俺のをか?」

 ランサーは赤い槍を取り出した。

「一夏、これに触れて解析してみろ。トレース、オンと言えばいい。“投影、開始”、“強化、開始”、“解析、開始”といったことに使える。」

「わかった。」

 一夏はランサーの槍に触れ言った。

「解析、開始。(トレース オン)」

 一夏は材質を理解する。

「では次にそれを投影してみてくれ。」

「おう。投影、開始(トレース オン)」

 一夏の手にはランサーと同じ槍が投影された。

「っ!おいおいこれって・・・・・」

「ああ、間違いない。一夏、このことを誰かに話したか?」

「いいや、誰にも。千冬姉にも話してない。」

「懸命だ。君のこの力はとんでもない力だ。」

「どういうこと?」

 一夏は自分の投影がどれほどのものなのか理解できていなかった。

「君の投影は我々の武器、いわゆる宝具を投影することができる。例えばアーサー王の剣とかもな。」

「それって・・・・!」

「そうだ。下手をすれば世界のパワーバランスを崩しかねない。君自身のその謙虚な姿勢が功を奏した。ともかく、その力を公に使わないことだ。わかったか?」

「・・・・・・・」

「どうした?何か考え事か?」

「いや・・・・・・・やっぱある。みんなに頼みがあるんだ。」

 一夏はそういうと正座をし、頭を下げた。突然の行動に一同困惑する。

「俺を・・・・・・・・・・・鍛えてください!」

 その一言に理解できない一同。そんな中ギルが口を開いた。

「聞こう一夏。何故だ?」

「俺はあの時何もできなかった。ただ千冬姉の足を引っ張って心配をかけて、結局足手まとい。自分に力が無いことが悔しい。」

「当然だ。貴様は子供だ。力が無いのは当然であろう。」

「確かに子供だ。でも・・・・・・・・・・いつまでも守られてばかりは嫌なんだ!例えバカにされても、呆れられても、俺は自分が信じた道を貫き通したい!くさいセリフかもしれないけど構わない!俺は・・・・・・・・・自分の手が届く範囲だけの人を守りたい!」

 その言葉に一同心を打たれる。

(この子は・・・・)

(アイツとは違った正義を持っている。)

(まっすぐで純粋だ。そんで・・・)

(自分の弱さを知っている。)

(ひとえにバカと言われる部類だが・・・・)

(悪くないわね)

 ギルとバーサーカー以外の全員が黙っている中、ギルが笑い始めた。

「うふふふふ、フハハハハハハハハハハハハ!いいぞ、いいぞその心意気!この英雄王を感心させるとは流石我のマスターだ!それ相応の態度と言葉で示したか!いいだろう、この我ができうる範囲で貴様に教えてやる。お前たちはどうする?」

 ギルが問うとまず先に口を開いたのはセイバーであった。

「当然、彼に教えます。」

「ま、俺も嫌いじゃねえから教えてやるわ。」

「拙僧も同じく。」

「私も異存はありません。」

「私の専門は魔術よ。付いてこれるかしら?」

「ま、ここまでされては教えないわけにはいかないな。バーサーカー、お前はどうなんだ?」

「■■■」

「いいそうだ。一夏、これから日替わりで私たちが教える。一流にはなれないが一流に通じる二流に鍛え上げるつもりだ。覚悟はいいか?」

 アーチャーの言葉に一夏は言った。

 

「もちろん!」

 

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