IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者 作:ザルバ
そして臨海学校編までで終わりの予定ですので。
先にお伝えしときます。
箒たちは目の前の光景が信じられず、戸惑っていた。
体を貫かれた一夏が来たかと思えば参戦して来た八人と知り合いで、契約と言うものを行ったかと思えば傷や服装が変わり、更には魔法陣のようなものを作り、人間を召喚した。
「ルーラー、早速で悪いんだが・・・・・・・・・」
一夏は大海魔の方へ視線を移す。
「・・・・・・・・・わかりました。」
ルーラーは大海魔の方を向く。
「ジル、聞こえていますか?」
「おお・・・・・・・・・・・おおぉおおおおおおおおおおおおおおお!その声は、まさしくジャンヌ!貴女なのですか!」
「そうですジル。私の声が聞こえているのであればどうか姿を見せてください!」
「それは答えられぬことです、我が聖処女よ。この中に取り込まれれば、後はこの世を業火で浄化するまで動くまでです。」
「そんな・・・・・・・・・」
「ですが聖処女よ、ご安心を。貴方を死に至らしたこの世界に、もはや救いの余地などありません。我が誇りに掛け、この世を浄化いたしましょう。」
「ジル!」
ルーラーの言葉はもはやジルには届かなかった。
「・・・・・・・・・・・一夏、お願いがあります。」
「・・・・・・・・・わかってる。皆、マスターとして命じる。
ジル・ド・レェを倒すぞ!」
「はい!」
「了解した!」
「おうよ!」
「わかりました!」
「言われるまでもなく!」
「承知!」
「■■。」
「ふん!言われるまでもないわ。」
「・・・・・・・・・ありがとうございます、一夏。」
一夏の命令に各々答えてくれた。
「「投影、開始!(トレース オン)」」
一夏とアーチャーは干将と莫耶を投影する。更に各々の武器を構える。
「いくぞ、みんな!」
一夏とサーヴァントは一斉に大海魔に向け攻撃を仕掛ける。
「はぁっ!」
「ふっ!」
一夏とアーチャーは干将と莫耶で大海魔の周りの触手を切る。
「おうりゃ!」
「やっ!」
「ふん。」
ランサーとライダーが大海魔を切り付け、ギルは宝具を発射する
「先程までの我らと思うな!」
「邪魔よ!」
「彼女たちは私が守ります!」
アサシンとキャスター、ルーラーが箒たちに襲い掛かる大海魔の触手を切る。
「■■■!」
バーサーカーが大きな傷を開ける。
「風王鉄槌!(ストライク・エア)」
傷にセイバーの攻撃が炸裂する。が、傷はすぐに回復してしまう。
(くっ!やはりイチカの魔力で大分回復したとはいえど、左腕はまともに動かせないか。)
セイバーの宝具もまだまともには使えなかった。
(イチカは私たちとの再契約と新たなサーヴァントの召喚によって大分魔力を消費している。これ以上の負担は・・・・・)
セイバーはそう思いながらも大海魔に攻撃を続けた。
作戦室でその光景を見ている千冬と山田先生。目の前の光景に驚きを隠せなかった。」
「すごいですね・・・・・・・・・・・・まるで映画の世界を現実に引っ張り出してみたいです。」
「ああ。だが・・・・・・・・・・このままでは勝てんな。火力が足りない。」
千冬は映像を見ながらそう言った。
(火力が足りない。もっと武器を投影するには・・・・・・・・・・あれしかない!)
一夏は距離を取ると、投影していた干将と莫耶を消す。
「どうするつもりですか、一夏?」
ルーラーが一夏に問うと一夏は答える。」
「俺自身の固有結界を展開する。」
『っ!?』
『?』
サーヴァント一同はその言葉に驚き、箒たちはその意味が分からず首を傾げた。
「身体は武器で出来ている
心は鉄で血潮は硝子
幾人もの英雄と出会い尚も戦い続ける
ならば我が生涯に意味はいらず
一度の勝利も無く
英雄と剣を交え 己を強くせんと前に進む
ならばこの身体は 幾人もの無限の武器で出来ていた!」
一夏が詠唱を終えると、波動が一夏から発せられた。しかし風景になんの変りもない。
「おいおい、坊主。心象風景の具現化出来てねぇじゃねぇか。」
「いや、俺の心象風景自体は決まってない。つまり、心象風景は常に変わり、どの場でも自分に有利に展開できる。」
一夏はそういうと両手にゲイボルクを投影する。
「らぁああああああああああ!」
一夏は大海魔に向かい掛け走る。迫りくる触手を次々と斬り捨ててゆく。
「ふっ!はっ!」
一夏は両手のゲイボルグを大海魔に刺す。
「まだ!」
さらに両手にゲイボルクを投影すると大海魔に投擲する。
「まだまだぁあああああ!」
一夏は右手にゲイボルグを投影し、投げようと構える。すると周りに何本ものゲイボルグが投影される。それに続き、大海魔を四方八方を囲う様にゲイボルグが投影される。
「おいおい、それ・・・・・・・・」
ランサーは驚愕する。似たような戦いを見たことがある。
「降り注ぐ死翔の槍!(ゲオボルク・レイン)」
一夏がゲイボルグを投擲すると空中に浮いているゲイボルグが大海魔に向かい飛んでゆく。全てのゲイボルグが刺さる。
「壊れる幻想(ブロークン・ファンタズム)」
一夏が詠唱すると全てのゲイボルクが爆発する。
「やったか?」
爆煙に包まれる大海魔。が、爆煙のなかから大海魔の触手が一夏たちに襲い掛かってくる。
「ちぃっ!」
一夏は回避しながらも触手を斬り捨てる。
「これでもダメなのか・・・・・・・・セイバー、宝具の使用を許可する!」
「イチカ、それが左腕が・・・・・」
「くっ!(今の状態だとまともに剣を振れない。なら・・・・・・・・)」
一夏はセイバーの下まで走りながら指示を出す。
「セイバーと俺、ルーラーで宝具を振るう。各自宝具を開放し時間を稼げ!」
『応よ!/了解した!/わかった!/ふん!/■■。』
一夏はセイバーの下に行くと同時にルーラーも来た。
「一夏、なぜ私も一緒なのですか?」
「アイツを倒すのにも、お前が必要なんだ。いいか?」
「っ!はい!」
「イチカ、どうぞ。」
セイバーは一夏に自身の宝具を差し出す。一夏がそれを受け取ると、風王結界が解け、新の姿を現す。
「・・・・・・・・・・・・綺麗。」
ルーラーは思わず見とれてしまう。
「ルーラー。」
「っ!はい!」
一夏が両手で握り、セイバーが右手、ルーラーが左手で持つと上に掲げる。すると海面から小さな光がいくつも刀身に集まる。
「偽・螺旋剣!(カルラ・ボルク)」
「刺し穿つ死翔の槍!(ゲイ・ボルグ)」
「騎手の手綱!(ベルレフォーン)」
「王の財宝!(ゲート・オブ・バビロン)」
「喰らいなさい!」
「ふっ!」
「■■!」
他のサーヴァントたちが時間を稼ぐ中、セイバーの宝具の刀身に十分なまでの魔力が蓄えられる。
「準備は出来た!アーチャー、キャスター!箒たちを!」
「了解した。」
「わかってるわ。」
アーチャーとキャスターは箒たちの前に立つと詠唱する。
「I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている。)
熾天覆う七つの天環(ロー・アイアス)!」
「○■▽×▲・・・」
二人は防御魔術を展開する。
「いくぞ、セイバー!ルーラー!」
「「はい、マスター!」」
三人は宝具を開放し、大海魔に向け最大にして最強の一撃を放つ。
『約束された勝利の剣!(エクスカリバ―)』
一振り。たった一振りの斬撃が大海魔を光で覆い、そして消滅させた。
「やったのか・・・・・・」
箒が誰よりも先に声に出した。
「っ!あれは!」
箒が大海魔のいたところをよく見ると、そこには体の至る所が欠損しているジル・ド・レェがいた。
「おのれ!」
箒が止めを刺そうと動こうとするが、それをアーチャが止める。
「何をする!」
「もうこれ以上手を下さなくても、奴は時期に消滅する。それに、手負いの敵を痛めつけるのは流石に卑怯と言えよう。」
アーチャーの言葉に返す言葉もない箒はその場に踏み留まった。
「ルーラー、行ってこい。」
「一夏・・・・・・」
「もうじきあいつは座に戻ってしまう。ならせめて、彼に別れの言葉を掛けてやってやれ。」
「・・・・・・・・・・・ありがとうございます、一夏。」
ルーラーは一夏に礼をすると、ジルの元へと歩み寄る。
「お、おのれぇえ・・・・・・・・・・次に現界せしめし時は・・・・・・」
「ジル。」
「っ!ジャンヌ!」
「ジル。もう、いいんです。貴方は休みなさい。貴方はよくやってくれたわ。こんな右も左もわからぬ子娘を信じて、私に付いて来てくれて。
・・・・・・・・・・・今の貴方がどうであれ、私はあの時の貴方を信じている。
大丈夫、私は最後の最後まで、自分の結末には後悔していません。
私の屍が誰かの道へ繋がっている。・・・・・・ただそれだけでよかったんです。
私も、すぐに貴方の元へ行きますから。」
「ジャンヌ・・・・・・・地獄に堕ちるのは、私だけで――――」
最後まで言い終える前にジル・ド・レェはこの世から消滅した。
だが、最後の一時の彼の顔は、恨みや妬み、怒りに満ちた顔ではなく、穏やかで、救われた顔であった。
「・・・・・・・・・・ジル、さようなら。」
ジャンヌはそう言うと、涙を流した。