IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者 作:ザルバ
「ではこれより三限目の授業を始める。・・・・・・が、その前に来月に行われるクラス対抗戦のクラス代表を選出せねばな。」
千冬の言葉に一人の生徒が挙手をする。
「なんだ?」
「織斑先生、クラス代表って何をするんですか?」
「クラス代表とはその名の通りクラスの代表をする。生徒会、集会の他にメインとしてクラス対抗戦に代表選手としての役目を担う。なおこれは一年間代わることは出来ないから覚悟しておくように。誰かやる者はいないのか?推薦でも構わん。」
「はい、織斑君を推薦します!」
「私も!」
「私も私も!」
一人を火種に次々と手を上げる。
(セイバー、学校でよくアルアルだけどメンドクサイからみんなしたくなくて誰かに押し付けってのなかった?)
(私はそう言ったことは経験ありません。ですが前のマスターがよく学校でもこういう光景はあると言っていました。最も、貴方は世界的に見ても貴重なサンプルです。そのデータ収集も兼ねているんでしょう。)
(嫌な立場。)
(ええ、全くです。)
一夏とセイバーが話しているとセシリアが声を上げる。
「納得いきませんわ!」
(お、英国の代表候補生が出てきたぞ。見物だな。)
(失礼ですよ、イチカ。)
「クラス代表に選ばれるのであれば代表候補生であるこのわたくしが適任ですわ!なのに男に任せるなどこの上ない屈辱ですわ。」
「Ms.オルコット。では貴方に聞くがなぜ最初に名乗り出なかった?」
「そ、それは・・・・・」
「さしずめ、自分御力に慢心したと見る。自分は代表候補生などと言う器であるが故に慢心か。王でないのに慢心とは面白いものだな。」
一夏はつい笑ってしまう。
「・・・・・・・・・・・・ですわ。」
「ん?」
「決闘ですわ!わたくしと貴方、どちらが上かはっきりさせましょう!」
「そう来るか。」
一夏は胸ポケットから手袋を取り出す素振りを見せながらも手袋を投影する。
「手袋?」
周りの生徒はその意味が分からなかった。
「女性とはいえど今のあなたは騎士。ならばその礼儀に倣い決闘を申し込もう。」
そういうと一夏は手袋をセシリアの方へ投げる。
「ええ、確かにその申し込みを受けましたわ!」
セシリアもその手袋を拾う。
「それで、本気でいいのか?」
「あら、私に勝てると思ってまして?」
「織斑君止めた方がいいよー。」
「男が女に勝ってたなんて昔の話だし。」
周りからは勝てないとの声が飛び交う。
(嘆かわしい。たかが機械の鎧を身に纏った程度で強くなったなどと!)
「(落ち着けセイバー。気持ちはわからなくもないがここで実体化されたらいろいろ困る。)たしかに、男が女より強いなんてものはそもそも昔から存在しない。男女問わず人には得意不得意がある。故に、強者とは敵をも凌駕する力、人脈、そして志を持つものを意味する。ISも万能ではない。操縦するのは人間だ。仮に千をも超える剣を矢の如く投げてこられたとして、一体どれだけ防げるのかな?全てを防ぐことは出来なくともシールドエネルギーがあるから大丈夫と思えば大間違いだ。どんな強固な楯もいずれは朽ちる。そうすれば自分の身はどうやって守る?」
『・・・・・・・・・・・・・・』
「つまりそう言うことだ。」
「織斑の言う通り絶対防御も完璧ではない。防御を超える力は衝撃だけでも搭乗者にダメージを与える。そのことを肝に銘じておけ。それでは一週間後に織斑とオルコットの対戦を行う。場所は第二アリーナ。以上だ。山田先生、授業を。」
「は、はい!」
放課後になると一夏は山田先生の方へと向かおうとしていたところを箒に話し掛けられた。
「一夏、どこに行くつもりだ?」
「山田先生にMs.オルコットのISについて得られる情報をもらおうと思ってな。いつの時代も情報は力だろ?」
「む、そうだな・・・・・・・・・私も行っていいか?」
「構わないが・・・・・・・・・・何故?」
「その後でお前の腕が鈍ってないか見てやる。」
「言っておくが俺は剣道じゃなく剣術とかを今習ってるぞ。」
「なっ!一夏、貴様剣道を捨てたのか!」
「そうじゃない。ただの護身術にと応用の幅が広い剣術を習ったんだ。それにISは―――」
一夏はフレミングの左手の法則の様に右手を形作る。
「三次元三方向の世界だ。三次元二方向の世界とはまた違う。」
一夏の言うことは最もであったため、箒は何も言えなかった。
「まあ、俺もお前の腕が今どこの段階にいるか気になるからな。相手をしてやるよ。」
「ッ!本当か!本当に本当か!」
「何度も聞くな。約束は守るよ。」
一夏はそう言うと山田先生の方へと歩み寄る。
「山田先生、今お時間よろしいでしょうか?」
「織斑君?ええ、構いませんよ。」
「実はMs.オルコットの専用機に関する情報をできる範囲で教えていただきたいのですが・・・・・・・・・・・・・よろしいですか?」
「ええ。簡単な情報でしたら。オルコットさんのISはイギリスの第三世代、中距離型のブルー・ティアーズと言います。すみません、ここまでしか教えられなくて。」
「いえいえ、それだけでも大いに役立ちます。ありがとうございました。」
「いいえ。気休めかもしれませんが全力で頑張ってください。」
「教師が一人の生徒の肩を持つのはいけませんよ。」
「ふふふ、そうですね。」
山田先生は言うと去って行った。
IS学園に建てられている施設の一つに道場がある板の間にも畳にも代えられるが機能に無駄がある。普通に畳を敷いてはダメなのであろうか?
そんな話は置いておいて、一夏と箒は道着を着て対面している。双方とも防具を付けておらず、手には竹刀が握られていた。箒は体の前に竹刀を構えると一夏は右肩に来る騎士の構えを取る。
「一夏、その構えは・・・・・」
「剣術とかって言ったろ。騎士道の方も習ってるからな。今日はそっちだ。」
(成程、イチカらしいですね。)
セイバーが近くにいるためなのか一夏の構えに納得するセイバー。
「こい、箒。」
「うむ、では・・・・・・・・・・・・・・・・・めぇえん!」
箒は一夏に正面から竹刀を叩き込むが一夏は右足を一歩前に踏み出し竹刀を振るう。剣道とは違い騎士の戦い方は剣の重みで相手を切るようなものがある。実際に騎士が使っていた剣は日本頭ほど斬れ味はない。氷を容易く切る日本刀に対し西洋の剣は砕くようなものである。
しかし、斬れ味がないからと言って必ずしも劣るとは言えない。力比べであれば勝ると言っても過言ではない。
「ふっ!」
一夏が振り下ろした竹刀は箒の竹刀の先を地面に向けさせた。一夏は右に竹刀を振るおうとすると箒は左手を強引に上に引っ張り防御を取る。
「っ!(重い・・・・・・・・・・・なんて重い一撃だ!)」
箒は耐えようとするが一夏の一撃に体勢を崩す。
「くっ!」
箒は数歩横に進み耐えるがその間一夏は竹刀を頭上に振り上げ、一気に振り下ろした。一瞬の出来事の出来事に箒は硬直した。竹刀の素振りであるにも関わらず、道場全体に突風が吹いた。見ていた野次馬も目を瞑ってしまう。突風が止んだ時には目の前で止められている竹刀をただ茫然と見る箒の姿があった。
「面。」
一夏はそういうと軽く叩く。
「あたっ!」
「俺の勝ちだな、箒。」
「あ、ああ・・・・・・」
「ん?」
一夏は箒の顔の前で手を振るが未だ放心状態であった。
「おーい。」
一夏は顔を覗き込むように見る。
「ッ//////////」
箒は顔を赤くしながら一夏にビンタをする。
「なんで~!」
「す、スマン//////だがいきなり顔を覗き込まれてはその・・・・・・・」
箒はモジモジしながら答えるが最後の辺りはよく聞こえなかった。
「まあ俺が悪かったってことでいいよ。あ、それとその竹刀もうダメだから。じゃ。」
一夏はそう言うと竹刀を戻し、更衣室の方へと歩き出した。
「どういうことだ?」
箒は竹刀を見る。すると目に映ったのは柄の部分が折れている部分が目に入った。
(こんなことが・・・・・・・・・どれほどの力で振るったというのだ。)
箒はただその現実に驚くことしかできなかった。