IS インフィニット・ストラトス 英霊を従える者   作:ザルバ

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9 槍兵<Lancer>

 一夏が言い放った瞬間、白式・Fateに異変が起きた。

 平均的な大きさの脚と腕が細くなり、白い装甲は青に染まってゆく。カスタム・ウィングは小さくなり、一夏の手には赤い槍が握られていた。

(これは・・・・・・・・・・・ケイボルク。ふ、まさかサーヴァントとの絆でここまでできるとはな。全く俺は果報者だよ。)

 一夏はゲイ・ボルクを見て微笑む。

「何かと思えば槍兵・・・・・・・・接近戦でしかその力を発揮しない機体で勝てると思いまして?」

「見た目で判断するんじゃねーよ。来い!」

 一夏は両手で槍を持ち、槍先をセシリアに向け構える。

「喰らいなさい!」

 セシリアはビット兵器のレーザーを放つ。

≪保有スキル・矢よけの加護(B)、発動≫

 一夏の目の前に投影ディスプレイで表示された途端、一夏の目にレーザーがどこを通るか表示される。

(できる!)

 一夏は最初の時よりも無駄なく回避する。

(っ!先ほどまでと動きが違う!)

 セシリアもそのことに気づいていた。

「ふっ!」

 一夏は地面スレスレを肉体強化した時のように移動する。

(やっぱりしっくりくる。フォーマットが完了した分コッチが戦いやすい!)

 一夏は地面を片足で蹴り、弧を描きながらセシリアの頭上に位置する。

「くっ!」

 セシリアはレーザーライフルで牽制をしようと試みるが一夏はそれを回避する。

「はっ!」

 一夏は壁を蹴る様に急加速し、ビット兵器を一つ破壊する。

「そら!」

 一夏はゲイボルクを振り更に一個破壊する。

「くっ!戻りなさいブルー・ティアーズ!」

 セシリアはビットを自分の方へと戻そうとする。セシリアとビットとの距離は大分開いている。そのため一夏はあの技を使えると思った。

「そのビット・・・・・・・・・・・・突き穿つ!」

 ゲイ・ボルクにシールドエネルギーをチャージさせる。

(一応10%にしておくか。一回宝具見せてもらったけどあれを再現しているならヤバイ。)

 一夏はゲイ・ボルクにシールドエネルギーをチャージ、威力は10%。

「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!」

 一夏はゲイ・ボルクを投擲する。ゲイボルクはビットに直撃すると内部にため込んだエネルギーを開放し、残りのビットも破壊する。

「くっ・・・・・・・・・・なんて威力ですの・・・・・・・・・ですが、槍を失ってしまえばあなたに勝ち目はありませんわ。」

「言っておくが、あれはゲイ・ボルクだ。そしてあれはそう簡単には壊れない。」

「は?」

 爆円の中から赤い閃光が一夏の下へ来る。一夏はそれを手に取る。手にしていたのは先ほど投擲したゲイボルクであった。

「そんな・・・・・・・で、ですが先ほどの技は見切りましたわ!」

「ほう・・・・・・・誰が、これで終わると言った?」

 一夏は左手を槍先に添え、シールドエネルギーをチャージする。

「セシリア・オルコット、貴様の心臓・・・・・・・・・・・・・・・・・貰い受ける!」

 槍先からでも確認できるエネルギーが目にしている全てに見えた。

(な、なんですのあれは・・・・・・・・・・・・・か、回避しなければならない気がしますわ!)

「刺し穿つ!刺し穿つ死刺の槍(ゲイ・ボルク)!」

 一夏はゲイボルクを突く。すると槍先からシールドエネルギーの塊が一気に放たれ、セシリアに一直線に向かってくる。向かうは心臓の位置。セシリアは左に回避する。ゲイボルクの攻撃はセシリアのシールドが発動する範囲に当たった。その瞬間セシリアは微笑んだが、同時に一夏も微笑んでいた。

≪因果逆転の呪い、発動≫

 その瞬間、ゲイボルクから放たれた攻撃は時間を巻き戻したかのようにセシリアの心臓部分に直撃する。

「きゃあああああああああああああああ!」

 セシリアのシールドエネルギーは一気に削られ、0になる。セシリアは気が抜けたのか真っ逆さまに落ちていく。

「おいおいおいおいおいおいおいおい!」

 一夏は瞬間加速でお姫様抱っこをする。

「もうちょっと気を持てよ。あれくらいで。」

「あ/////////」

「?」

 セシリアが顔を赤くするのに一夏は首を傾げる。

(投影魔術を使える男性はどうも女性を落とすのが上手のようですね。)

(そうですね、セイバー。)

(ええ、、全く。)

(・・・・・・・・・・・何故私の方を向くのだ、みんな。)

 念話越しではあるがアーチャーが女性人に何か言われているようだ。

「まあ今こんな状態だしそっちのピットまで運んでやるよ。

「あ、あの・・・・」

「何も言わず黙って聞け。」

「・・・・・・・・・・はい///////」

 一夏が女性を落とした瞬間であった。

 一夏はセシリアをピットまで運ぶと自分御ピットへと戻った。出迎えてくれたのは千冬、山田先生、箒の三人であった。一夏は白式・Fateを解除する。

「よくやった、織斑。が、少し問題があるが・・・・・・・・・・・わかるか?」

「これですよね?」

 一夏は九枚のカードを見せる。

「ISとは別になっているのか・・・・・・・・・・変わっているな。」

「えっとですね、織斑君のISがあんな感じに変化すること自タあり得ないんです。第一、織斑君が言っていた武器って・・・・・・」

「山田先生、知っているんですか?」

 箒が山田先生に問うとそれに応える。

「はい。あの武器、ゲイボルクはケルト神話のクー・フーリンが持っていることで有名です。」

「ま、正確には影の国の女王のスカサハから授けられたんですけどね。」

「ええ。でも最後のあの一撃、あれはシールドが発動する範囲でしたがそれがどうして急に心臓の方へと向いたのかは謎です。」

「あ~・・・・・さっきディスプレイに“因果逆転の呪い”って出てましたから、多分それでしょう。」

「まあとにかく、初戦としてはいい出来だ。今後も精進しろ。それと今回の結果でお前は一年一組代表だからな。」

「はい。」

「よろしい。」

 千冬はそういうと去って行った。

「あ、これ読んでおいてくださいね。専用機を持つことになった時のマニュアルが掛かれてます。」

 山田先生は一夏に辞書並みの本を手渡す。

「では気を付けて帰ってくださいね。」

「はい。」

 山田先生はそういうと去って行った。

「さて箒、戻るか。」

「そうだな。」

 

「で、どうだった坊主?俺の槍を使った感想は。」

「すっごかった。なんか持っただけで怖いって感じたわ。」

「だろ?武器を持つってことはそーいうことなんだよ。なのにISなんざ人形を使っている大抵の輩と来たら・・・・・・」

「あー、はいはい。あるよねー。そーゆうのあるよねー。」

 一夏とランサーは向かい会いながら話しているとアーチャーがクッキーが乗った皿を出してきた。

「一夏、食事前の小腹満たしだ。」

「ありがとう、アーチャー。」

「済まねえな、弓兵。」

 二人はクッキーを口に運ぶ。

「それで、白式自体は問題ないのか?」

「ああ。このカード、クラスカードを読み込む以外はもらった資料通りのISだ。けどこのクラスカード自体はみんなの能力や宝具、スキルを使えてるようになってる。もっとも、一枚だけ謎なんだけどね。」

 一夏はそういうと何も書かれていないカードを見せる。

「アーチャー、解析してみてくれない?何度もやったんだけどわからないんだ。」

「ああ。」

 一夏からアーチャーはカードを受け取る。

「解析開始(トレースオン)」

 クラスカードを解析するアーチャー。だがすぐにそれは終わった。

「ダメだった。解析してもすぐに阻まれてしまった。」

「そっか。」

 一夏はアーチャーからカードを受け取る。

「それよりも一夏、キャスターからこんなのをもらった。」

 アーチャーはカードケースを取り出した。

「ここをこうするとだな・・・・」

 カードケーズの出っ張っている部分を引っ張ると九のカードを入れる薄いケースが出てくる。

「この様に円を描くようにカードを入れられる。」

「おー、便利。でもなんでキャスターが?」

「仮に落としたとして追尾できるように刻印が刻まれている。ランサーのルーン文字よりも強いから役に立つ。」

「ま、俺も召喚によっちゃあキャスター―なのかもな。でもそれを制服に付けてみろや。」

 ランサーにいわれ一夏はカードケースをベルトに通し付ける。

「お~、かっこいい~。」

「だな。ISスーツにも似合うベルト投影してやれよ、弓兵。」

「そうしておこう。それより一夏、例の件だがまた被害者が出た。」

「・・・・・・・・・・・・・そう・・・・・・・・・・・・・か。」

 一夏は暗くなる。

「・・・・・・・・・・坊主、お前さんはこの事件の奴の拠点が分かったら一緒に行くって言ってたよな?」

「ああ。」

「もし見なくていいような残酷な現実だとしても・・・・・・・・・・・・か?」

「ああ。俺は当たり前だけどガキだ。現実から逃げることだってできるけど、知らなくちゃいけないんだ。知らなくてもいい現実を。残酷な現実を。そうじゃないと・・・・・・・・・・・いけない気がするんだ。」

「「・・・・・・・・」」

 ランサーとアーチャーは黙って一夏の頭を撫でた。

「すごいぞ、お前。」

「ああ、全くだ。」

 

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