────青春の楽しみとは、「せつな」の如き儚いものだ
遠い昔誰かが言った。楽しいことは長続きはしない、いつかは終わるものだ。
今世でいうならば後の祭り…いや、これは正しくない表現なのだろう。
栄枯盛衰…とも違うだろう。
何はともあれそういうことだ。一瞬だからこそ美しいものや、瞬間の出来事だから楽しいと思うのだ。
僕こと
そんなこんなで今回僕が語る偽りの物語は、きっと永遠に語るべきではない、ほんの刹那のような物語なのだ。
僕は阿暦々木暦は、とある出来事から僕は吸血鬼となった…いや、なった、というより、ならざるを得なくなったというのが正しいだろうこの場合。
吸血鬼といえど、夜になると女性の柔肌に噛み付かねばならないわけではない。
不完全な吸血鬼であるが故に、僕はそんなことをせずにすんでいる。
さて、これより語るべき話は僕が高校を卒業してからの話になる。
その日の僕は心身共に疲れていた。吸血鬼といえど、疲れることもある。
その日は天気が良かった。大変良かった。
気晴らしにドライブをしてしまいたい位に。
すたーとゆあえんじん、と言ってしまいたい位に。
不意に僕のケータイの着信音が鳴る。
おおかた
「はい、もしもし、」
どなた様ですか、と言おうと思った直後だった。
「ち…ちが……ほ…し…」
スピーカーから微かに聞こえるその言葉。
その声は、女の声だった。透き通るような、鈴のような声だった。
そして僕はこう言った
「おい、何かの悪戯か?」と。
その直後その声はこう返した
「いいや、違う。これは決して悪戯ではないよ、怪異の王よ」
そのハッキリとした声は男のものだった。先程の透き通るような声とは真逆な声だった。
おまえは誰だ、悪戯ではないのなら何なんだ。と返した。
「私…そうだな、私はカリオストロ。カリオストロと呼びたまえ。」
カリオストロ…その相手はカリオストロと名乗った。
カリオストロとは錬金術師と呼ばれたあのカリオストロなのだろうか。
「私の目的?そうだな、これは目的というよりは物語に近しい。君には今宵より一つの台本の役者になってもらいたいのだよ、怪異の王」
「役者?僕は生まれてこの方演技なんてからっきしなんだが?文字通り役者不足だ。」
電話の向こうから不気味な笑い声がした。その声はそしてこう続けた
「君に断る権利はないのだよ、これは逃れえぬ運命。今宵より始めよう、恐怖劇(グランギニョル)を」
そして始まる、僕の一瞬のようで永遠の物語が────
初めての投稿となります。
色々とツッコミたいところや、不満も出てくるところも多々あると思いますが、よろしくお願いします。