運命を覆す伐刀者   作:蒼空の魔導書

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大変長らくお待たせしてすいませんでした(土下座)!約四ヶ月ぶりの更新です!!

いやー、ホント申し訳ない。この四ヶ月の間、新作予告を出していた【THE LEGEND OF LYRICAL 喪失の翼と明の軌跡】の連載投稿を本格的に始めたり、某怒りの日の熊本先輩ルートをクリアーしたり、【蒼空の魔導書 カーニバル・クロノファンタズマ】の方でまたまた他作者様とコラボしたり、二次創作ネタ集めの一環で某聖遺物を纏って絶唱するアニメの第一期を観賞したり、神話とかドイツ第三帝国の本とかを読んだりその他もろもろ色々してて、なんとか今話の更新をする事ができました。(大汗)

重勝の過去の話の続きなので主人公の幸斗の出番はまだまだ先になりますが・・・。

幸斗「だったらグダグダ言ってねぇで早く書きやがれ!みんなテメェが今まで何してたかなんて興味無ぇだろうしよ!!」

・・・すんません。

では、くだらない雑談はこれぐらいにしておきます。散々待たせておいて今話は会話している場面しかありませんが、読者の皆さん、四ヶ月ぶりの【運命を覆す伐刀者】をお楽しみください。



空戦騎士の反逆譚(トリーズナリィ)その2

大雪山連峰の氷結洞を抜けた先———禄存学園の旧自然訓練場は連峰の中枢、その吹き抜けた広場にある。

 

吹き抜けの上に広がる空から降り積もる吹雪は地を深い白銀で埋め尽くし、半径約2km周囲360度が円形に急斜面の反り立つ岩壁に囲われたこの場はまるで山の一部を巨大なアイスクリームの容器で刳り貫いたかの様な全体図。

 

身体を動かす邪魔にならない程度の間隔で広場の至る所に聳え立っている木々の間を縫うように走る川の水温はマイナス100度を下回り、非伐刀者がそこに身を落とせば忽ち身体の体温が奪い尽くされてしまい凍死してしまう事だろう。広場の中央には天の吹き抜けた先まで高々と聳え立っている巨大な蒼岩が存在し、一面の銀世界の中に輝くその神秘的な存在感は此処の象徴として、この極寒地獄に来た猛者達の目を真っ先に惹き付ける程美しい。

 

「日本じゃ有り得ねー筈の氷点下80度を常に保ち続けている自然訓練場ね・・・ふーん、成程な。あのデケー《保温石(ほおんせき)》がこの身が凍る程クソ寒い気温を生み出しているカラクリの正体って訳か」

 

訓練場の隅にひっそりと建てられている宿舎小屋の屋内から重勝が窓を覗いて納得の表情を浮かべている。

 

【保温石】とは一定の空気を取り込んで中に貯蓄・保存する事で別の場所に持ち運ぶ事のできる特殊な石であり、設置して使う事でその有効領域内の気温を中に保存された空気の温度に等しく変化させ、設置し続けている限りその気温を永続的に維持し続けるという性質を持っている。

 

「あれは昔この旧自然訓練場の設立に携わった禄存学園の初代学園長が南極付近で発見して、そこから運び込んだらしいんだ。この極寒の厳しい自然環境を造るのには打って付けの代物だったみたいでさ」

 

「どおりでこの日本じゃありえねーくらいクソ寒い訳だな。あのデカさなら訓練場全域の気温を維持するのには十分だろーし・・・ったく、あんな物をわざわざ南極付近から持ち込む手間を掛けてまでこんな極寒地獄を学園の訓練施設として造るなんて、物好きなじーさんが居たもんだぜ」

 

重勝の呟きの内容を暖かい炎がパチパチと音を立てて揺らめいている暖炉の前で暖を取っている歩が補足し、重勝はその荒唐無稽な内容に呆れていた。

 

氷結洞の道中で奈落の底に落下してしまいそうになっていた歩を重勝が間一髪のところで救出した後、そのまま無事に氷結洞を抜けて目的地である禄存学園の旧自然訓練場に到着し、こうして極寒の寒さで冷え切った身体を宿舎小屋の中で温めているというあらましで、二人はつい先ほど互いの素性を明かして知り合ったのだが。

 

「それにしても歩、お前が俺の一ッコ上だってのは驚いたぜ・・・」

 

身長180cmはある長身痩躯の重勝に対して歩は160cmちょいの華奢な身体つきで顔付きも女子に間違えそうな程な童顔・・・これで十七歳(歩の誕生日は七月七日)の高等部二年生男子だというのだから驚きである。

 

「フッ、そうだオレは学生騎士としてのお前の先輩だ。敬え、称えろ、敬意を払え」

 

「で?いったいお前は人喰い狼の群れに襲われてまで何でこんなところに来ようとしてたんだ?」

 

「シカトッ!?」

 

重勝は歩のドヤ顔先輩風をサラッと流して彼に何の用があってこの旧自然訓練場に来ようとしていたのかを聞いてみた。

 

「そりゃあお前、訓練場に行く理由なんて決まってるだろ?自主トレしてもっと強くなる為だよ」

 

「まあだろーな・・・だけどお前大丈夫か?此処は並の伐刀者の力量だと正直しんどいぞ」

 

「モーマンタイだ。なんて言ったってオレは来年の七星剣武祭で優勝して【七星剣王】になる(予定)の男だからな!」

 

「さっき狼共に襲われていた時にもそんな事言っていたな。お前、禄存の代表選手候補なのか?それにしちゃあ魔力が・・・」

 

両腕を組んでいけしゃあしゃあと大きく出る歩に対して重勝が怪訝を口にする。簡単に保有魔力量を感覚で量ってみたところ歩が保有している魔力量は平均の約五分の一・・・ハッキリ言ってギリギリEランクとして扱われる最低値で、もしあと少しでも足りなかったら伐刀者として論外のFランクが付けられてしまっていたぐらいに少ない。

 

この時青森の教育施設でまだ再教育プログラムを受けている最中の元教え子が平均の三十分の一の魔力量しか保有していないが故に風間重勝という伐刀者は保有する魔力量だけで相手の実力を判断するような三下みたいなマネは決してしないのだが、それと規定は別問題である。基本、日本の各魔導騎士学園が七星剣武祭の代表選手を選抜する方法は【能力値選抜】であり、伐刀者としての能力値・・・あり大抵に言えば【伐刀者ランク】が高い生徒を選ぶ。剣武祭で毎回優勝者を出している名門の武曲学園は例外的に全学園生徒を対象とした【学内選抜戦】を行って最も優秀な戦績を収めた上位六名を代表選手とする【実戦選抜】を取り入れているようだが、歩が在籍している禄存学園は例外に漏れず基本に倣った【能力値選抜】、正直歩の魔力量の少なさでは代表選手として選抜されるのは到底難しいだろう。不可能と断じてもいいくらいだ。

 

「あ~、分かってる理解してる皆まで言うなって・・・」

 

そんな事は承知の上だと左掌で顔面上半部を覆い隠し、項垂れ気味に言いながら歩は重勝に上下させる右手首の動作を見せて【頼むからこれ以上言わないでくれアピール】をし出しているのを見ると、どうやら自分が禄存の代表選手に足る能力値を持っていないという事実を歩はしっかりと自覚しているようだが・・・。

 

すぐに項垂れた様子を一変し、歩は真剣な面持ちを上げて話を続けた。

 

「オレの魔力量は禄存の全学生騎士最低のE-判定だ、【生まれ持った魔力量がその人間が持つ運命力】だと浸透しきっている魔導騎士の世界の中でオレという存在は取るに足らない虫ケラ以下、どんなに身の熟しが優れていようが超常的な伐刀者の異能の前には糞にも劣る塵屑同然で、学園の連中はオレの事を【雑魚騎士(ザ・ルーザー)】なんて呼んで寄って集って見下して馬鹿にしてくるし、オレ自身も自分が身の程知らずの出来損ないの落ちこぼれなんだとちゃんと理解しているさ・・・」

 

伐刀者としての自分の適性の無さをやりきれない表情で苦く語る歩。身の周りの人間から能力の低さを理由に見下され、嘲謔の視線を集めて揶揄される毎日は非常に難儀で醜悪なものであり、普通の精神ならば冗談ではなく耐え難いものだ。朝起きれば寮の自室の窓を割る石ころが投げ付けられていて、玄関口の表ドアに『ゴミクズが死ね!』『雑魚騎士が調子付いてんじゃねぇカスが!』『低能の癖に夢見てんじゃねぇ殺すぞ!』などなどの罵詈雑言が落書きされているなんて年がら年中の事で、登校すれば教室の自分の席にはイジメの定番である白の献花(葬儀に用いる花)が無造作に放られていたり酷い場合には席の机が無惨に破壊されていたりもする。自主訓練中に流れ弾を装って陰から故意に放つ悪意に満ちた魔弾などで自主訓練を妨害されるのだって日常茶飯事の事だ。

 

侮られているが故に実戦授業での集団戦形式の摸擬戦で集中的に全員から狙われるなんて当たり前で、憂さ晴らしの快楽を得る目的で集団リンチにされるなんて堪ったものではないが、騎士たる者敵が齎す不条理に文句をつけるなどは三流なのでそこは仕方がない。しかし仮にその全員を返り討ちにしたとて、「マグレに決まっているのに雑魚騎士が調子に乗っているよ、馬鹿だな~」と後で皆から陰口を叩かれる。おまけに学園の教師達もその生徒達には何も注意も言及もせず、寧ろ摸擬戦に勝った歩に対して「汚い手を使った卑怯者」と何の根拠も確証も無いにも拘らず糾弾して彼に卑怯者のレッテルを貼り、イジメを抑えるどころか更にエスカレートさせる始末だ。

 

そんな酷い毎日を送っているにも拘らず歩は夢を諦めない、否、諦めたくないのだ。眼の奥に意志の炎を灯し、「だけどな!」と強い口調でその意志と夢を目の前の窓枠に腰を掛けて自分と向き合っている黒い剣士に語り出した。

 

「オレは何が何でも学園の連中にオレの実力を認めさせて七星剣武祭に出場して、それでもって優勝して全日本学生騎士の頂点———【七星剣王】にオレは成る!あの【サムライ・リョーマ】のような最高の大英雄に成るのがオレの夢であり最終目標なんだ、たかが生まれ持った才能の無さで学園の規定低度に屈してしまって七星剣王にくらい成れないようじゃ、到底大英雄になんか成れないからな!」

 

身の程を知らない子供が抱くようなありふれている夢、しかしどんなに残酷な現実を思い知っても決して夢を諦めない不屈の意志・・・面と向かって伝わって来る愚直過ぎる想いを受けて、重勝は目の前の雑魚騎士に彼よりも持って生まれた才能が劣る自分の元教え子にして幼い頃から苦楽を共にしてきたダチの姿を重ねていた。

 

———へぇ~、コイツなかなかの大口を叩くじゃねーか。自分の無能さを知ろうが運命に食って掛かる姿勢と途方もない熱を内包した意志の眼・・・へっ、まるで幸斗のお馬鹿が増えたみてーだ。

 

思い出して少し感傷に浸ってしまったのだろうか、思わずつい口端を若干吊り上げてしまう重勝。どうやら歩の夢とやらに少し興味が湧いたようだ。

 

「そうか。叶いそうもない、良い夢だな」

 

「ぐへぇっ!もしもし?」

 

馬鹿にしているのか褒めているのかが判らないような重勝の返しを聞いてその場にズッコケ、歩は茶化されたような困惑顔で重勝を見上げた。真剣な話で張り詰めていた空気が緩んだのか、立ち上がる歩の先程まで固まっていた表情がいい感じに解れている。

 

「それはそうとさ、何でそんなに夢を叶えたいと思っているんだ?話せるんだったら聞かせてくれよ」

 

【七星剣王】になって将来大英雄になるという歩の夢。伐刀者の才能が他者よりも劣っていて、それが原因で毎度の如く酷い目に遭わされているというのに【それでも】と大口を叩ける彼の【原点】の事が知りたくなった重勝は聞く。すると歩はよくぞ聞いてくれましたとニィッと笑みを浮かべた。

 

「へへへ、聞きたいか?しょうがないなぁ、特別に教えてやる。耳の穴かっぽじってよぉく聴けよ!」

 

———すぐに調子よくなる所まで幸斗に似てるなよ・・・。

 

「・・・オレの母さんはとあるボロくて古い孤児院を経営している」

 

聴いている重勝が即呆れる程調子よく話し始めた歩だったが、自分の母の事を口にするところで波が退いたかのように淡々となる。

 

「オレは母さんの実の息子だけど、そんな理由で孤児院暮らしで育ち、禄存の寮に入るまでにそこの身寄りのない子供達と兄弟同然に生活を共にしてきたんだ。木造建築のボロい孤児院だから汚いは床や天井に穴が空くは夏以外は雪が降る所為で毎日毎日クソ寒い中屋根の雪下ろしをするのがキツかった。貧しいから当然出るメシは質素でさぁ、パン屋で貰ってきた食パンの耳を皆でギャーギャーと取り合っては母さんによくガミガミと全員で怒られていたんだよな」

 

眼を瞑ってしみじみと過去に思い耽る歩。貧しい生活は辛かったけれども兄弟同然に絆を育んだ孤児院の子供達と過ごす毎日はとても充実していた。

 

「んで母さんは病弱な身体してる癖にえらく元気だったわけでさ、オレや孤児院の連中の前では絶対に弱いところは見せない気丈人だった。子供達の面倒を見るのが大好きで身寄りの無い子供がいれば厳しい財政状況を顧みずに即決で孤児院に受け入れてしまうハチャメチャっぷりで、その分仕事の量も苦も無く増やす。時に厳しく、でも常に優しい、子供達の成長を第一に考えて、子供の笑顔を見るのが何よりもの生き甲斐という絵に描いたような聖母。そんな母さんの事がオレも孤児院の連中も大好きだったんだ・・・だけど——」

 

過去を語っていくうちに歩の気は段々と沈んでいく。少量だが彼の眼元には涙が浮かんでいた、悲し涙だ・・・。

 

「——母さんは・・・死んだんだ。三年前、病弱な身体で無理をし続けたのが原因で心臓を患ってさ、そのままオレ達を残して逝ってしまったよ」

 

「・・・悪い、無理に話さなくてもよかったんだが・・・」

 

普段は飄々としていて無神経な重勝だが、これはさすがに気まずくなったようでフォローを入れる。歩は指で眼元に溜まった涙を拭き取り「気にするな、オレが話したいと思った事だからな」と気まずそうにしている重勝を気遣い、気持ちを切り替えて大英雄になるという夢を抱いた原点の核心についてを語りだした。

 

「母さんは死ぬ間際ですら自分の事よりもオレや孤児院の連中の事ばかりを心配してくれていた」

 

『ごめんなさい、私の愛しい子供達。これから先の未来、あなた達は辛い出来事にたくさん苦しむかもしれないけれど、前を向いて未来を進んで行けば、きっと素晴らしい将来に辿り着ける筈だから——』

 

「最後の言葉は今でも記憶にハッキリと焼き付いている」

 

『——あなた達は、自分の思うがままに、望む幸せの未来を進みなさい』

 

「あの人はオレ達にとっての大英雄だった、【サムライ・リョーマ】にも負けないくらいの。あの人が頑張ってくれたおかげでオレは今此処に居るんだから」

 

亡き母の最期を思い浮かべながら強い目で語る歩。英雄とは偉業を成し遂げた人物に人々によって与えられる称号である、ならば子供にとって母親とは自分を立派になるまで暖かく見守り、大きくなるまで育ててくれるという偉業を遂行する英雄と言えよう。母は偉大なのだ。

 

「元々オレは英雄に憧れていたけれど、母さんの最後の言葉が【大英雄になる】という成し遂げたい夢をオレに抱かせてくれた。まだあの孤児院にいるオレの義兄弟達は自分の将来を不安がっている、母さんの死を受け入れられずに前を向く事を怖がっているんだ、だから実の息子であるこのオレが母さんの言葉を証明するのさ。アイツ等にオレが七星剣武祭を勝ち抜いて【七星剣王】になる瞬間を見せればきっと前を向いて進む切っ掛けになる筈。たとえ持って生まれた才能が乏くても前を向いて進めば母さんが言った【望む幸せの未来】を手に入れられる可能性はあるんだってな」

 

同じ孤児院で育った義兄弟達が未来へと進む為の架け橋となる・・・それが壱道歩の魔導騎士道。

 

「だけど来年でオレは最上級生の三年、オレが【七星剣王】になるにはもう次の七星剣武祭がラストチャンスなんだ」

 

故に強くなって学園に認めさせなければならない、壱道歩こそが七星の頂に昇り足り得る騎士であると。

 

———ふーん、そういう事か。実現がほぼ不可能な目標を掲げて無茶無謀をしてんのは死んだ母親の最後の言葉に影響されて、育ての親の死に意気消沈している義兄弟達を元気づける為に、か・・・・・成程なぁ、立派だ。確か破軍(ウチ)にもいたな、要所は異なっているが似たような事を考えているクソ真面目大王が・・・。

 

まるで毒の底なし沼を行くような、ほぼ達成不可能な夢を何としても叶えたい。想い抱いたそれを確固たるモノとした歩の原点を聞き終えて伐刀者としての能力が乏しい彼が【七星剣王】を志している理由に納得しつつ、重勝は同時に七星の頂を目指す目的の内容に類似点がある、彼曰く【真面目大王】な同級生の事を思い浮かべて人目に気付かれない程度に苦笑っていた。イメージに出てきた彼女が口うるさい説教顔だったので気が参ったのだろう。すぐに気を取り直してフッと肩を竦める。

 

「そうか、成程な、そりゃあ何としても実現したい夢だわなぁ・・・でもさ、お前それならどうやって禄存の連中にお前の代表入りを認めさせるつもりなんだ?仮に日本の全学生騎士を倒せるくらいに強くなったとしても、【雑魚騎士】なんて呼ばれているようなお前の低能さの認識を改めさせるには騎士としてのお前の強さを学園中に知らしめねーといけないだろ?」

 

練度の高い修行を完遂して実力を身に付けても【能力値選抜】という学園が定めた規定を覆させるくらいの何かができなければ徒労に終わるだけだ。そうならないようにお前はどうする気でいるのかという重勝の問いかけに、歩は辛気臭い表情を一変させてニヤリと笑って言った。

 

「あぁ、それなら問題無い。実はな、二日前にオレは禄存(ウチ)の理事長に直談判してやったんだ。【摸擬試合をして代表選手候補に勝てたらオレを次の七星剣武祭に出してくれ】ってな!」

 

「お前、頭おかしいんじゃねーの・・・」

 

いきなりのとんでも発言が飛び出した事でコイツ何やらかして来ているんだと重勝は眼を細めて目の前でドヤ顔をしている雑魚騎士(おバカ)の脳ミソの造りを疑い呆れた。この単純一直線で無鉄砲すぎる行動力、やっぱりコイツはあのおバカ(幸斗)の同類だと心底で面倒に思いながらもその裏で———

 

———けど、久しぶりに面白そうな奴を見つけたな。

 

と、歩の真っ直ぐな人間性を垣間見て少しだけ愉快な気分になっていた。その為か西風の元教官としての感性が擽られたようであり、突き進み続ける強靭な意志を持ったあの元教え子に似たこの雑魚騎士の夢への道を少しだけ導いてみたいと重勝は気紛れを起こす。

 

———しょうがねーなぁ、俺の修行は後回しにして少しコイツの自主練に付き合ってみるか。

 

そしてこのおバカに少し興味が湧いたしなと内心で言い訳をして、重勝は歩の自主練を手助けするべく彼にある提案を持ち掛けるのであった。

 

いったい重勝は何をやるつもりなのか。禄存学園最弱の【雑魚騎士】こと歩は学園が決めた規定を覆させて次の七星剣武祭に出場する代表選手になる事を学園に認めさせる事ができるのであろうか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




母は子の英雄。命を生んで育む偉業を成す母は偉大なのです!

そんなこんなで重勝は知り合ったばかりの歩の夢の手助けをする事になったのですが、何をするんでしょうね?それは次回のお楽しみに。

新作の【THE LEGEND OF LYRICAL 喪失の翼と明の軌跡】の方もどうかよろしく!最初から原作がクラッシュしたうえに死亡者まで出ましたが、新オリ主がようやく戦場に到着して一気に盛り上がってまいりました!なのはさんマジスーパーヒロイン!!(爆)


そんでもって【蒼空の魔導書 カーニバル・クロノファンタズマ】でのパッチェさんとのコラボ回も色々な意味で大盛況でしたなぁ(笑)

重勝「幸斗がとうとう【アレ】を壊したしな・・・」

涼花「【カ・◯ィンギルなんざ必要無ぇっ!】なんて叫んでいたわね、あのお馬鹿・・・」

いや~、あれはこの四ヶ月間で自分が仕入れたネタの数々を放出しまくりの大暴走コラボ回でしたよぉ。あれはいい息抜きだった・・・相変わらずの台本形式手抜き描写ですが、まだ見ていない読者様の中で興味のある方はカーニバルへGO!

では今回はこの辺で、アウフ・ヴィーダーゼン(また次回)!

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