「…」
目の前の現実にもう色々と突っ込みたい。
本来ならオレの部屋はごちゃごちゃしていて、足の踏み場も存在しない部屋だ。
それがどうだろう!
アンティーク調の時計が振り子を揺らし、一辺の隙なく行き届いた清掃なのかホコリもゴミも、床にない。
物に囲まれた布団はフカフカのベッドに昇華し、オレを載せている。
少し狭い部屋だが、ホテルかなんかだろう。ベッドの傍にはキーが置いてある。
古いブラウン管のテレビなんて、オレの家には無く、薄型液晶テレビの筈だし、そもそもオレの部屋にテレビ付けてなんてなかった。
大方タイムスリップでもして来たんだろうな。そう思えば楽!
取り敢えずテレビの電源を入れようと画面を見る。
「…ふぁ!?」
黒一色の画面に写るのはオレの日本人にありきたりな黒髪黒目の童顔では無く、
真っ白な髪に左目を貫く入れ墨みたいな何か。
…オレはこの顔知っている。でも、まずあり得ない。左手を見ればヒトに似せたヒトじゃない手。
D.Gray-manのアレン•ウォーカーに違いなかった。
「な、ななな、何でーっ!?」
声もそっくりそのままアレン。
「ど、どうしちゃったんですか僕!?いや、えぇ、口調すら変わってますよ!?」
自分に突っ込みながらも、オレ、いや僕ことアレン•ウォーカーモドキはイギリスの、辺鄙な片田舎で目が覚めた。
数日後
イギリスの田舎の人は優しく、異質な僕でも丁重にもてなしてくれた。
あれからオレは僕とオレの使い分けが出来るように成ったらしく、何の違和感も無いままアレンとして生きている。
ホテルのオーナーも違和感見せずに接してくれていた。
特にホテルの隣の家族なんか良い人で、アップルパイをくれたり、夕食に呼んで貰ったりしている。
昨日になって気付いたが、どうやらオレの能力はアレンのモノだけじゃないようだ。
モノは試しで断罪者(ジャッジメント)と聖母の柩(グレイヴ•オブ•マリア)と言ったら出て来たので確実だ。
様々なエクソシストのイノセンスが使える
のは確実。
確実に普通じゃオーバースペック。オレはとんでもない世界に来てしまったのだと思い知った。
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「夜分に失礼」
黒いカソックの男性が、とある家の扉を叩いた。
「どうしたんですか?神父さま!」
可愛いらしい少女が神父を出迎えた。
特に何もない、という素振りを見せたが、にたりと笑い、
「今日は食事に相応しい日だと思わないかい…?」
そうして神父は月を見て、
「月が、綺麗だしねぇっ!」
少女に振りかぶった。
次回、バトルシーン。タグは嘘じゃない。