そしてヘルシルグ達出て来るかもしれない。一応、原作開始数カ月前の設定ですからセラスはまだおりません。
アレンは、何時も優しくしてくれている家に居た。
何でも結婚記念日らしく、夫婦二人で旅行したいとのことで、アレンは少しでも恩を返せたら、と、娘と彼らの家にいた。
まだ10にも至らない少女はやはり趣味もその年に見合ったモノであり、アレンは人形遊びに付き合いながら、親の到着を待った。
もう夜に入り、日に代わり月が煌々と家屋を照らしている時間。
テレビの音がふと消えて、一瞬の静寂が空間を支配した時だった。アレンが異変に気付いたのは。
(この時間帯なのに、凄い、静かだ…)
時計のカチコチという音しか響かなかった。
本来まだ夜中でもないこの時間帯には田舎町といえども車の排気音や家庭の笑い声が鳴るものだが、一切そんな音は聞こえなかった。
アレンはカーテンをちらりと開ける。
外は、凄惨な光景だった。
首が皮だけ繋がっている人々が闊歩している。虚ろな瞳は白濁として、死んだ魚のようであり、実際、明らかに致死量の血を撒き散らして蠢いていた。
一部欠損を抱える者もいた。
アレンはふと見た先に一人と視線がぶつかった気がして、大急ぎでカーテンを閉じる。
「どうしたの、お兄ちゃん?」
少女が不思議そうに首を傾げる。
「……逃げますよ、此処から」
アレンはそう呟いた。
「どうして?」
「町を出ないと、僕らは生きられません。周りは化け物で一杯です」
どういう事…?とまた少女が首を傾げた矢先、バリンという音と共に、“化け物”が家に侵入した。
「…きゃぁぁぁあ!?」
少女は驚き、その化け物のグロテスクな有り様に慣れず気絶してしまう。
「あっ…!でも幸いです…この能力を見られませんから…」
少女を脇に抱え、アレンは叫ぶ。
「イノセンス、109の内の一つ!
聖人ノ詩篇。両手リングから伸びる弦を武器とするイノセンス。
脇に少女を抱えている以上、アレンは片方だけ展開した。
二段開放を取るそのイノセンスの第一開放は、敵を切り裂く物理攻撃。
「ハァッ」
威勢の良い声と共に、弦を振るう。
弦に因って化け物の体は糸も容易く斬られる。
イノセンスにより浄化されて主の支配から逃れたそれは力を失い、斬られた内臓を撒き散らしながら倒れていく。
(この世界、バイオハザードの世界を、オレは生き残る…)
そんな執念を抱きながら、アレンは家を飛び出した。
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「お待ちしておりました、HELLSING局長、ヘルシング卿」
警察の特殊部隊の人物が、金髪褐色の女性を簡易テントに招き入れた。
「ヘルシング卿、あの中で一体何が起こっているのですか!?」
役人らしい男性が、苦痛を表しつつ言った。
「喰屍鬼です。村の中は喰屍鬼で一杯ですよ。あれは吸血鬼に襲われた純潔を持たない者の末路。つまり吸血鬼があの中にいるという事ですよ」
インテグラはあくまでも淡々と言葉を紡いでいく。
「ぐ、喰屍鬼!?バンパイア!?そんなモノあり得ないでしょう」
「あなた方は知らない事実です。知らなくて良い事です。我々“王立国騎士団”、通称“HELLSING機関”は随分と昔から化け物共と闘ってきたんですよ」
「あの!私達の娘は、ぶ、無事なんでしょうか!?」
少女の両親が丁度やって来た。
インテグラは表情を変えず、そちらを向く。
「さぁ、分かりません。吸血鬼のエキスパートを向かわせていますが、助かるかどうかは娘さん次第でしょう」
インテグラは一呼吸置いた。
「若しくは、娘さんが処女ならば、吸血鬼と成り果てているか。どちらかです」
まだまだ続くよ。
旦那出してない…