旦那••••出るかなぁ、出るよねぇ?
この町は、田舎故に辛うじて千人いくかいかないか位の人口であった。
しかし、それでも充分脅威である。
「多いっ•••斬っても斬っても減らない•••」
アレンは余りの多さに呟いた。
このままだと、疲れ切った所を襲われて終わる。その事実に彼は冷や汗を流す。
(これが本体突き詰めて倒せれば消えるというのなら良かったのにっ)
正確に的を射る考えなのだが、ここをバイオテロがはびこる世界と勘違いしているアレンは、間違いと思い否定した。
しかし、それも直ぐに訂正される事となる。
「••••!生存者ですか!?」
こんなみっちりゾンビだらけの町でよく噛まれなかったなと思いながら、その足取りがはっきりした人物を見る。
十字架とカソック。この町の神父だ。
喰人鬼が居なくなった道の上、先に口を開いたのは神父。
「よ~く生きたねぇ。少年」
にっこり笑う神父の歯には、鋭い牙が。
「いや、良く生き残ったよ、本当に。だがなぁ、もう終わりだ。君じゃあ、“吸血鬼”の私には勝てないよ」
吸血鬼、ゾンビ••••HELLSING!
アレンはやっと正解に行き着いた。そして、脅しに屈せず逆に静かに笑って、手を、手にはめた聖人ノ詩篇を、振るう。
「じゃあ、じゃあアナタを殺れば••••彼らは有るべき所へ帰れるんですね」
聖人ノ詩篇の弦が、グールもろとも、吸血鬼を捕らえた。
それを見てアレンは、静かに怒りを神父に向ける。
「アナタはやり過ぎました。然るべき罪を受けるべきです。……
さぁ、アナタが殺した分だけ、その嘆きを身に受けて下さいッッ」
奏でられる旋律。それはイノセンスの力が入り、聖歌として機能する。
対AKUMA武器は、対吸血鬼武器としてもてきめんであった。
「アアァアァァァァアッッ……」
歌は彼らに懺悔させる合間も持たせず、消滅した。
支配人を失った喰人鬼も灰に成る。
「ゾンビが灰に成るは可笑しいと思っていましたが•••成る程、吸血鬼下なら頷けます」
パチパチパチパチ……
「!?」
その場を立ち去り、少女を親元へ、と歩き出したアレンの上、拍手が鳴る。
「なかなかに良い芝居だったな」
帽子もコートもネクタイすら赤い黒髪の男。
瞳から放たれる重圧は確実にアレンを向いている。
アレンといえばその人物に驚いて固まっている。そして先程の倍の冷や汗をかいている。
「丁度余りに仕事が多くなり始めて同僚が欲しい所だったが…ついて来てくれるか?」
疑問形で語り掛けているが、ついて来い、という威圧感が勝って意味がない。
「…ついて来るな?」
一段と声を低くした彼に、アレンは頷くしかなかった。
出た!次回、ヘルシングご一行登場です。(セラス除く)
ガンカタ中心だからクロスさんのとは別にオリジナルのイノセンスor儀式済銃器出そうかなぁ•••近接のままでも充分そうな気がしますが•••