お久しぶりのH-Rです。
ヘルシング機関の方々がトップに近くなるにつれ国家機関なのにマフィア臭が漂ってくるのって機関の性質が故になんでしょうか。
「お母さん、お父さん!」
少女がそう言って両親に抱きつく様子を、アレンは嬉しそうに見詰めていた。
「ありがとうアレン君。君がいなけりゃこの子は死んでいたよ」
「ありがとう…!」
両親が涙を流しながら感謝を述べているのが、アレンは照れくさかった。
「お兄ちゃん、ありがとうね!」
化け物が家に乱入した時以外気絶していたからか、少女は両親を喜ばせるほどアレンが良い事したんだ、位にしか捉えられず、明るく述べた。
「どういたしまして」
「さぁ、行くぞ」
ヘルシングに促され、アレンは踵を返す。
「お兄ちゃん、どこか行っちゃうの?」
その声にアレンは振り返り、朗らかに笑った。
「大丈夫。また何時か会えますよ。…それまでの我慢です」
その言葉に少女はぱぁっと明るくなり、
「本当?じゃあ我慢する!またね、お兄ちゃん」
別れの言葉を口にした。
「ええ、また会いましょう」
(でも、多分もう二度と会う事なんて出来ない…)
これから自分の行く道が、如何なるのか、アレンは少し分かっていた。
ヘルシング機関
「……」
アレンはアーカードと会った時のように、冷や汗をダラダラと流していた。
相対する人物の威圧感に、押し負けまいと威勢を張るという事だけ辛うじて出来ているが、後は何も出来ていない。
目の前にいる人物を面接官として、この様子を面接というのは、状況に当てはまってはいるが、雰囲気には相応しくない。
どちらかというと尋問だ。
その原因は、専らアーカードなのだが。
「アーカードから聞いたが、弦が鳴らした音によって吸血鬼を倒したとか。君のその能力については深く問わない。…我が機関に入らないか?」
「はい!」
ぐさぐさと刺さる威圧感に負けて、アレンはそう答えるしかなかった。
ヘルシングの問いに合わせて、その威圧感が部屋にいる全員から襲って来ていた。
割り当てられた部屋に入るなり、アレンはベッドに倒れ込んだ。
「ああ、言ってしまった…」
(これでオレ、あれに巻き込まれるのが決まったじゃねーか…)
アレンは一気に数本の死亡フラグを建ててしまった気がして、余計に何故あの時答えてしまったんだと自己嫌悪に陥った。
「後悔しているようだが、悪い選択肢ではない」
「うわぁ!!な、何ですか急に!?」
アーカードが何時の間にかアレンの部屋にいて、アレンは突然話し掛けられたのに驚いて飛び起きた。
「そう言えばまだ名を言っていなかった」
「そ、それだけですか…」
「アーカードだ。よろしくな少年」
スッとアーカードの手が伸びる。握手しろ、という意義が見えてとれた。
「宜しくお願いします」
アレンはその手を握った。
(…あ、これオレは少年と呼ばれるので決定しているのか)
15歳だし妥当だ、とも思ったが、今の今まで“お兄ちゃん”か“兄ちゃん”ばかりで名前で呼ばれなかったので、いい加減名前で呼んでくれと叫びたくなった。
「じゃあよろしくね兄ちゃん」
「コイツ…」
大丈夫、ウォルターやヘルシングは呼んでくれる、はず!