side:キンジ
「ばいばいきーん。」
そういうと理子は壁に穴を爆弾で開け、逃げてしまった。
「--っ!?」
そしてその直後、俺の視界には二発のミサイルが映った。
直後、
ドドオオオオオオンッ!!!
今までで一番大きな衝撃が機体を襲った。
外を見ると四基あるエンジンのうち、二基が破壊されていた。
「クソっ!」
慌てて操縦席へ向かうと・・・
「遅い!」
アリアが先に侵入し、操縦桿を握っていた。
「このまま着陸させることは出来るか?」
「無理ね。セスナなら運転したこともあるけど、ジェット機はないわ。」
「そうか。だったら!」
機長から先ほど拝借しておいた衛星電話で、武藤に電話を掛ける。
『もしもし?』
「俺だよ武藤。ヘンな番号からですまない。」
『キ、キンジか!?どうした!?』
「今ハイジャックされた機体に乗っているんだが、エンジンを二基破壊された。このまま飛べるか?」
『ちょっとまて、確かに飛ぶ分には構わないが、どこのエンジンを壊された?』
「内側の二基が壊されている。それがどうした?」
『それはB737-350だよな?燃料計の数値を教えろ。EICAS---中央から少し上についている四角い画面で、2行4列に並んだ丸いメーターの下に、Fuelと書かれた3つのメモリがある。その真ん中、Totalってやつの数値だ。』
さすがは乗り物オタク。まるで目の前にあるみたいだな。
「数字は――――今、540になった。どうやら少しずつ減っているみたいだ。今、535.」
『クソったれ。盛大に漏れてるぞ。』
「燃料漏れ!?止める方法を教えなさいよ!」
アリアがヒステリックに喚きだす。
『方法はない。分かりやすく言うと、内側のエンジンが弁の役割を果たしていたんだ。それがなくなった以上、どうにもならない。飛ぶ分には問題ないが、燃料の漏れるスピードが速い。言いたかないが、十五分ってところだな。羽田に引き返して緊急着陸しろ。』
「そうしたいのは山々なんだが、お客さんが来たらしい。」
『何?』
『ANA600便。こちらは防衛省、航空管理局だ。』
なるほど、そういうことか。
『羽田空港の使用は許可しない。空港は現在、自衛隊によって封鎖中だ。』
『何言ってんだ!』
叫んだのは俺たちのどちらでもなく、武藤だった。
『ANA600便はもう十分程度しか飛べねえ!代替着陸なんてどこにも出来ねえ!羽田以外には無理なんだ!』
『何と言われようと無駄だ。これは防衛大臣による命令だ。誘導機に従って千葉方面へ向かえ。』
プチッ
俺はそれを聞き終えたと同時に、通信を切った。
「アリア、従うな。あいつらは俺たちになんか緊急着陸できないと思っているんだ。海に出たが最後、撃ち落とされるぞ!」
「ならどこに着陸するのよ!」
「武藤!滑走路にはどれくらいの長さが必要だ?」
『そうだな・・・まぁ、3000ぐらいは必要だな。』
くそっ、ギリギリ無理か?
「武藤、俺たちは今から『空き地島』のほうに着陸する。対角線を使って2061メートルまでとれるからな。あとは運任せ―――」
ドガァンッ!
「「何!?」」
「よーカップル。仲良くデートか?」
「「ユウト!?」」
俺たちの前には、三か月前に留学したはずのユウトだった。
「なんかメンドクセエことになってんなぁ。壁ぶち破って入ったはいいが、ドヤッて着陸するつもりだ?」
「空き地島のほうに着陸するつもりだが、あいにく、短すぎてオーバーランしてしまう。」
「あー問題ねえ。足りねえ分は俺が補って止めてやるよ。仕方ねえ。」
「とにかく、空き地島に着陸してくれ。」
そういって客室のほうへ戻る。
そして空き地島のほうへ向かうが、
「―――無理だ。」
見えない。
暗すぎて、島自体が見えないのだ。
「あたしたちはまだ死ねないのよ!こんなところで、死ぬわけがないわ!」
アリアの言葉の途中で、キラ、キラ・・と、
空き地島の上に、光が見え始めた。
『聞こえるかキンジ!お前のために、みんなが懐中電灯使って作ってやってんだ!全員分の反省文、お前が代わりにかけよ!』
その言葉に続けて、何人もの生徒の声が聞こえてきた。
『機体が見えてるぞ!』『あと少しだ!』『もう少し頑張りやがれ!』
こいつらーーー
みんな、バスジャックの時に乗っていた奴らじゃないか!
あいつらが懐中電灯を使って滑走路を造っているのだ!
俺はみんなが作ってくれた滑走路に向け、ゆっくりと着陸していく。
だが、
足りない。
絶対的に、足りないのだ!
(クソっ!ここまでなのか!?)
あきらめかけた、その時!
『はいはいお疲れさん。あとは俺に任せろ。キンジ。』
ふいに電話からユウトの声が聞こえた。
side:人外(ジャガー――――――)
『おいコラテメエぶっ殺すぞ?』
『すいませんでした。』
Ω>>> orz
ユウト 作者
side:ユウト
「さて、ここからは俺の出番だな。」
着陸する少し前に飛び出し、つぶやく。
ズンッ!
着地。
そして。
「さて、と。そろそろ始めるか。
『ねじ伏せろ――――――――
ーーーーーーー《怪物(ジャガーノート》」
ドクンッ!
「ぐっ!?」
体が、変わる。
髪が真っ白に変化していく。
肌が浅黒く変わっていく
そして黒かった目が、赤く、紅く変わっていく。
これがジャガーノート。
自身の体を変えてしまうほどに強大な力。
見た者から、《怪物》と、忌み嫌われてしまうほど、強すぎる力。
「さて、止めますか。」
ドガシャァ!!!
優斗の体と期待が接触した瞬間、何かが潰れるような音がしたが、
ガリガリガリガリガリガリ
地面を削りつつ、機体が急激に減速する。
そして風車の一つに衝突し、停止する。
「ふ~。あ~ダリ~。」
そして風車と機体の間から、無傷のユウトがあらわれる。
そして、その体が元通りに戻っていく。
そして完全に戻り切った後に、
「キンジ、お疲れさーん。」
いつもと変わらない調子で、操縦席に飛び乗る。