キンジに押しつぶされていたアリアがキンジをはねのけた。
「へ、変なところにそのバカ面つけるんじゃなうにゅえ!?」
怒鳴っている最中に綴にネコ掴みされて壁際にキンジと一緒に投げられるアリア。
「んー?---なにこれぇ?」
キンジとアリアの顔をしゃがんで覗き込んだ綴は、
「なんだぁ。こないだのハイジャックのカップルじゃん。」
煙草を一気吸いすると、薄ら笑いを浮かべて斜め上を見ながら首を鳴らす。
「と、こっちは最近転入してきた人外じゃん。」
「すいません。その認識はひどいと思います。」
無駄だと思いつつ反論する。
「これは神崎・H・アリア。ガバメントの二丁拳銃に小太刀の二刀流。
二つ名は『双剣双銃』。欧州で活躍したSランク武偵だがその功績はロンドン武偵局の実績にされている。
ーーー協調性がないせいだ、マヌケぇ。」
「い、いいのよ!貴族は自分の手柄を自慢しない。」
アリアが言い返すが、
「弱点は、およーーー」
「わーーーーっ!それは弱点じゃない!浮き輪さえあれば大丈夫だもんっ!」
どうやら泳げないらしい。
で、次は呆けているキンジに近づく綴。
「(ま、大方溺れているアリアでも想像してたんだろ。あのバカ。)」
そう思いながら見る。
「んで、勝ちらは遠山キンジくん。」
「あ~。俺は来たくなかったんですが、アリアが勝手に……」
「性格は非社交的。他人から距離を置く傾向あり。」
どうやら全生徒のデータが頭の中に入っているようだ。
「しかし、強襲科の生徒の多くは一目おいており、潜在的なカリスマ性があると思われる。
解決事件は確か青海のネコ探し、ANA600便のハイジャック…
ねえ、なんであんた、やることの大きい小さいが極端なのさ。」
「俺に聞かないでください。」
「武装は、違法改造のベレッタ・M92F。」
あ、ばれたって顔してやがる。ざまぁ。
「3点バーストどころかフルオートも可能な、通称・キンジモデルってやつだよなぁ?」
「あー、いや…それはこの間のハイジャックで壊されたので、今は米軍払い下げの安物で間に合わせています。」
「へへぇー。装備科に改造の予約入れてるだろ?」
じゅっ!
「うわちっ!」
吸っていた煙草をキンジに押し付ける。熱そー。
ま、あんだけ短いとあと残らないと思うけど。
「で、最後にこれは…だれだ?この面つけている奴はぁ?」
「あ、すんません。俺です。」
なんかデジャブ。
「あ~。今年一般校から転校してきた黒鉄ユウトだっけ?
身体測定、ランク測定の際、いろいろめちゃくちゃやった奴だよなぁ?」
「あ、あんときはすいませんでした。反省はしてます。」
ま、後悔は全くしてないが。
「で、身体測定はほぼ測定不能。ランクは書類上は狙撃科以外Eランク、
そして残った狙撃科ですらDランクっていう底辺、ほっとんど一般人と変わらない、
絶対半径は1km以下っていう武偵だが・・・・・・・
実際は、全く違うよなぁ?本人。」
「まあ、否定はしませんよ~。めんどくさいから隠してただけですし。」
「んじゃ遠慮なくバラすぞ~。
実際は、そこのSランク武偵をすべてにおいてはるかに上回る、事実上最強の武偵。
何しろ、全科目においてRランクだもんなぁ?」
「は、ははははははは、は・・・」
メンドイから壊れたふり。
じゅっ!
「熱っ!」
「めんどくさいからって逃げてんじゃないぞ~。」
「ちょっと!待ちなさい!そのランクって本当なの!」
「ガチですが何か?」
「「……」」
「まあ、いいや。次々行くぞ~。」
綴が続ける。
「んで、主な実績としては末期ガン、冠動脈破裂の患者二人を同時に手術し、二人とも
後遺症なしで完治、手術時間わずか15分。
んで、この実績から付いた二つ名が『死神殺し(デス・キャンセル)』。
ほかにもいろいろ実績はあるけど、長くなるから省くぞ~。
そして、狙撃の絶対半径は10km越え、
ってか、確か確認するのがめんどくさくなって止めたんだっけぇ?」
「あ~。そうみたいですね。いやぁー面白かった。」
思い出しつつ、相槌を打つ。
「そしてさらにダメ押しで超能力持ち。G120だっけ?」
「「ええっ!?」」
「あ、そういわれました。確か今までは17あればかなり強い方だったんでしたっけ?」
「そーだぞーこの人外。
まあ、具体的には自分の再生能力、物質、しかも超能力の産物すら電子レベルまで分解できる
能力。あとは陰陽道、この場合は神道系だっけ?のプロで、物体を作ることのできる能力持ち。
まだほかにもあるみたいだけどさぁ、見せる気ある?」
「ないっス。」
拒否。誰が自分の手札全部バラすか。
「っで、武器はオリジナルのDE、ベレッタのハイブリットっぽい拳銃。
確か固有名称は『ブラックウィドウ』だっけ?
っていうかさ、どんな構造してんの?1マガジン50発入るって。」
「あ、そこはまあ、企業秘密ってことで。」
「おい!それおかしいだろ!どうして俺のと同じ口径、同じ大きさなのに
そんなに入るんだよ!」
「悔しかったら改造しやがれ!根性で!」
「「どんな横暴!?」」
カップルナイスツッコミ。
「で、これが中・近距離用。遠距離用の銃は確か『メタルイーター』だよな?
1マガジン30発。で、これはなんでAK並の装弾数なんだぁ?」
「頑張りました。(ドヤッ)」
「で、これらを2丁づつ同時に使用する戦闘スタイル。
ちなみにさ、コレ、常人が使うと体吹っ飛ぶって言われているんだけどさぁ、
本当なの?」
「あ~、たぶん俺以外の人が一丁でも使おうとすると死にますね、間違いなく。
暇さえあれば威力強化の改造してますから。」
「ちなみにどれくらいの反動なんだぁ?今はさぁ。」
「あ~、たぶん玉鋼とイロカネで作った25cm金属板が穴あきますね。メタルイーター使うと。
反動だけで。ブラックウィドウは多分まだその半分ぐらいじゃないっすか?」
「どうしてそんな銃撃てるのさ?」
「俺ですから。」
「「「……ああ、なるほど。」」」
「……もうそれでみんな納得しちゃうんですね。」
みんなあきらめてた。
「あと自己申告のほうにOTH射撃ができるって書いてあるけど、なにこれぇ?」
「あ、それはちょっと特殊なんですけどね?俺の超能力と身体性能を使って
やるんですけど、専用……っていうか、『超・長距離狙撃用狙撃銃』に分類されると思うんですが。
まあ、『魔弾の王(ザミュエル)』って名称のオリジナル銃と『魔神の邪眼(モルフォギスケ・アナリス)』
ってシステムを使うんですか、1㎜×1㎜から1km×1kmまで範囲指定でき、地球の裏側や、
まだやってないんですけど、たぶん月面までねらえます。」
「いったい何を飛ばしているのさ?」
「分かりやすく言うと、超能力の力を弾丸にして飛ばすってかんじですね。指定した座標に直接当たるんで
防ぎようがないッスケド。」
俺から逃げられると思うな。
どこからでもぶち抜いてやるぜ!
「で、ある意味最強で、二つ名の由来にもなっているっ!?」
ゾクリッ!
「それ以上は、言う必要、ないんじゃないかなァ?」
「……なるほど。そういうつもりかぁ。ま、いいや。」
先程までは話そうとしていた綴だが、急にやめた。
まあ、俺が威圧したからだが。
はあ、めんどくさい。
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