「ふ~。ダブルブラフ、使っといてよかったわ。」
武偵校、男子寮屋上に寝転がりながら、空を見上げつつ、つぶやく。
「で、いつまで隠れてるつもりなんだ?
給水塔の影に向けて呼びかける。
「……やはり、お気づきでしたか、兄様。」
「当然。かわいい義妹の事ならお兄ちゃんは何でも知っているのでござますよ。」
「そうですか。でしたら何の目的でここに侵入したのかもお分かりですね。」
影から出てきた胴鎧だけを着た銀髪の騎士のような女子が出てくる。
「ああ、星伽 白雪の誘拐、及びイ・ウーへの誘致。だろ?」
「その通りです。ですが……」
「心配する必要はない。お兄ちゃんは妹を全肯定するものです。。好きなようにやるといい。」
「そうですか。でしたら私の邪魔をしないと信じていいんですね?」
「その通りです。同じ依頼を受けはするけど、邪魔はしないから安心していい。」
「分かりました。それでは、失礼します。」
「ああ、またあとでね。」
そう言い残し、現れた時と同じようにして去った。
『『逃げたあああああああああああああ!?』』
「む?バレたか。」
階下から聞こえた叫び声で、何らかの原因で式神が死んだのだろう。
「さて。そろそろ戻るか。キンジが死ぬかもしれないし。ふぁ~~眠い眠い。」
頭を掻きつつ、下へ続く階段を下りる。
「うーっす。戻ったぞー。」
ドドンッ!
「うおっ!?あぶねえ!切れる十代!?」
「うっさい!何逃げてんのよ!」
アリアが髪を逆立てる勢いで怒る。
「え?逃げてないけど?現に俺、作業してたじゃん。」
「言い訳禁止!」
斬っ!
「ぐぁ!?」
背中から取り出した小太刀で斬りつけられる。
ポンッ!
カサ、カサ…
そして床に落ちる紙。
「「逃げたー!?」」
「いや、逃げてないけど?」
スタッ
「「え?」」
「天井に張り付いただけだけど?」
「どうやってたのよ!」
「重力反転。」
「「は?」」
「重力が変わりま~す。離れる床にご注意くださ~い。」
ふわっ
「きゃあああああああ!?」
突然、アリアとキンジの足元と頭上の重力が入れ替わり、二人の体が宙に浮く。
「あはははははははははは!なかなかに面白いっしょ、これ!」
自身も天井に立ちながら大笑いする。
一時間後…
「間もなく重力が元に戻りま~す。体の向きにご注意くださ~い。」
ストンッ
「はあ、はあ、はあ、なん、なのよ、一体。」
「ほんとだ、ユウト、おま、え、教えろ、よ。」
「あ、キンジも浮いてたん?楽しかったろ、アレ。」
「楽しい、わけ、ある、か。」
「そうか?個人的にはめっちゃくちゃ面白いと思うけど。」
「あんた、ぜっ、たいに、いつか、倒す。」
「おお~こわ。精々期待してるぜ?その日が来るのをさ。」
大げさに身震いをし、怖がるふりをする。
「ま、それよか先にこの依頼、達成しなきゃだめだからな。」
そういいつつ、無駄だとわかっているトラップを設置していく。
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