「ハァ、ハァ、ハァ、クソ。逃げれねえ。」
キンジは今かなりのスピードで自転車を漕いでいた。
「何で、俺が、こんな、目に、」
なぜなら自転車に爆弾が取り付けられ、後ろからUZIが追いかけてきているからである。
俺、遠山キンジは、現在探偵科に所属している。
強襲科(アサルト)からの転科である。
理由は単純。探偵科は他の科と比べて比較的マシだったからである。
そして、俺は今年いっぱいで武偵校を退学するつもりだ。
だが、
「ソノ、ジテンシャ、ニハ、バクダン、ガ、シカケテ、アリヤガリマス」
「は?」
「ソクド、ヲ、オトシ、ヤガッタリ、ヘンナ、ウゴキ、ヲ、トルト、バクハツ、シ、ヤガリマス」
「っつ!?」
自転車を漕ぎつつ、サドルの裏に手を回してみると、何か硬い物が取り付けられているのに気付いた。
「(この大きさと手触りからこれはプラスチック爆弾、しかも爆発どころかこの大きさだと自転車が粉々になるぞ!)」
「ソレイジョウ、バクダン、ニ、サワリ、ヤガルト、バクハツ、シ、ヤガリマス」
バババババ
「あぶねえ!」
咄嗟に撃ってきたUZIの弾を避けるために慌ててハンドルを切る。
「クソッ、どうして、俺、なんだ。」
必死に自転車を漕ぐ。
「ソレイジョウ、スピード、ヲ、オトシヤガルト、バクハツ、シ、ヤガリマス」
「ハァ、ハァ、ハァ、クソッ、限界、だ。」
あれからしばらく経ち、段々とスピードが落ち始める。
「ん?あれ、は、何、だ?」
ふと目を上げる。
そこには、
「何で、あんな、所に、上って、いる?」
自分の前にあるビルの屋上に取り付けられている柵の上に立っている美少女を見つけた。
そして、その少女はいきなり飛び降りた。
「あ、あぶなっ!」
思わず声を上げるが、その少女は意に介さず、平然とパラシュートを開く。
そして取っ手に足を掛け、逆様になる。
「武偵憲章第一条ーーーーーーー」
そしてそのままこちらに向かっていき、
「----仲間を信じ、仲間を助けよ!」
俺の肩をつかみ、そのまま後ろへと向かう。
次の瞬間・・・
ドォン
スピードが落ちた自転車が爆発し、さらにその数瞬後、
ガガガガガン
UZIに弾丸が当たる、
が、
ドドドドドン
「ぐおおわああああああ!?」
武偵弾だったらしく、爆発し、俺は俺を助けてくれた美少女を守りつつ、2つの爆風に巻き込まれながら道路を転がっていく。
そして俺が爆風の衝撃で気を失う前、最後に見たのは、
400m以上はなれているであろうビルの屋上で、ここから見てもはっきりと分かるほど頭を下げている人影だった。
そして俺はかなりの勢いで転がり、意識を失った。