生き残りをかけて~生存者達の記録~ 作:Archer SHO
ようやく投稿できました!!
それではどうぞ!!!
「…外に感染者はなし…か」
僕は車の中から双眼鏡でサービスエリアの方角を観察していた。
「となると中…か…」
駐車スペースには数台の車が止まっているため感染者がいる可能性が高かった。
もちろん生存者の可能性もなくはないが、僕の2年間の経験からくる本能がそれを否定していた。
もし、生存者がいるならもっとピリピリした空気だと思う。
なんせ僕もほかの生存者も自分自身が生き残るのに必死で赤の他人のことなんざ気にしていられないからだ。そんな状況のなかで完全武装の見知らぬ車が来たらどう思う?誰が見ても自分たちを襲い、物資を盗むつもりだと思うだろう。そうすると相手は本気で僕を殺しにくるだろう。
だがそんな肌に刺すようなピリピリした殺気も生きた人の気配もしない、それが僕のなかで感染者しかいないという結論を導いていた。
「…よしっ、行くか」
そう独り言を言いながら装備を確認し、鉄板が溶接されて重たくなった車のドアを開いた。
11月ということもあり冷たい風が僕の身体を突き抜けた。車の中は暖房が効いてることもあって少し緩んだ気を引き締めるにはちょうどだった。
…まあその風に死臭がしなければなおのこと良しだったがそれはこの世界では贅沢というものだろう。
僕は今持っている装備のなかで一番射程の長いMP5Kを構えながらできるだけ音を立てないように忍び足でゆっくりと正面入り口へと向かった。
入り口の近くまで近づくと何かを引きずったようなあとがあった。よく見てみるとそれは酸化して赤黒く変色した血のあとだった。少なくとも1,2週間前のものだろう。それは男性用トイレへとつながっていた。
僕はMP5をスリングで後ろへやり、右足のホルスターに挿していたソードオフショットガンに持ち替えて、より警戒しながらトイレへと進んだ。
血の後をたどりながらトイレの入り口近くまで行くと、周りを警戒しながら足元の割れたタイルを拾い、入り口から4~5m離れてそれをおもいっきり入り口近くの壁へと投げつけた。
バリィィンッ!!
周りが静かな分より大きく聞こえたその音は中にいた感染者を引き付けるには充分だった。
ア”ア”ア”ア”ァ”
おぞましい獣のような唸り声を出しながらトイレからよたよたとしたした足取りで出てきたのはおそらく元は警察官だったであろう『モノ』、感染者だった。
幸いにも近づいてきたのは一体だけだったため、僕はショットガンをホルスターに戻した。そして、後ろ腰に挿していた大振りの雑木伐採用のマチェットを持ち、3mはどまで近づいてきていた感染者の後ろに素早く回りこむと僕はそれを無防備な後頭部へと力いっぱい振り下ろした。
ザチュゥッ!
マチェットを振り下ろすと頭蓋骨を貫通し感染者の唯一の弱点である脳を押しつぶす音がした。
感染者は一瞬ビクッと身体を痙攣させると頭から血を垂れ流しながら、糸の切れた操り人形のように地面へと倒れた。
念のためもう一度頭に向かってマチェットを振り下ろし完全に機能を停止したのを確認すると、僕は死体を漁り始めた。腰に収まっていなければならないはずの拳銃がないところからして、拳銃はこいつが出てきたトイレの中だろうと思い立ち上がるとほぼ同時に、
ガシャァァンッ!!!
と大きな音がした。
音の方向を見ると、たった今蹴破られたガラスの上にこちらをすさまじい形相で睨みつける感染者が1体だけいた。
「っ!!」
僕は急いでマチェットを捨てるように足元へ置くと、右足のショットガンを右手で構え、左腰に挿していたGLOCK17を左手で持ち両方ともいつでも発砲できる状態にした。
この間わずか1秒
…たかが感染者1体に対してなぜここまで慎重になるのか、それは僕と対峙している感染者の様子にあった。
まず通常の感染者はたった1体でガラスを蹴破るようなアグレッシブな行動しない、というよりはできないといった方が正しい。
次に感染者の形相だ。普通の感染者は生気の感じられない無表情的な顔をしているが、アイツは怒りや憎しみに歪んだ顔、まさに鬼の形相といったような世にも恐ろしい顔でこちらを睨んでいた。
これらから考えられるアイツの正体…
『早期感染者またの名をランナー』
ヤツラは本当にヤバい、ヤツラは通常の感染者と違い『走る』。それはもう全速力で。
通常の感染者1体を相手にするのとランナーを相手にするのとでは天と地ほどの差があるくらいだ。
そんなやつが今目の前にいるのだ。慎重にならない訳がない。
ランナーはこちらを目視で確認すると、
ギィヤァァァァァァアァァ!!?!
とおぞましい声を上げてこちらに向かって全速力で走ってきた。
「っっ!!」
距離はだいたい20m。僕はショットガンの照準をランナーへと向け…
ドガァァァン!!
1発…
散弾の一部がランナーの右手に当たり肘から先が千切れ飛ぶ。少しよろめいたが気にせずにこちらへと向かってくる。
さらにランナーとの距離が近づき10m…
ドガァァァン!!
2発…
散弾が胴体にもろに当たり、腹部が吹き飛ぶ。その反動でランナーは後ろへと倒れる。
…少し待っても起き上がる様子がないため、僕はランナーに近づいた。
案の定というか予想通り、ランナーはまだ生きていた。だが胸から腰までの部分に大穴が空いているためか起き上がれないようだった。
ゥ゛ゥ゛ゥ゛ァ゛
先ほどとは打って変わりか細い普通の感染者と変わりない唸り声しかでていなかった。
「…おつかれさん」
そう言って僕は左手から右手に持ち替えていたGLOCK17でランナーの眉間に、
パァァァン!
ショットガンよりも小さな音だったが、拳銃から飛び出した鉛弾は吸い込まれるように額を貫いた。
…
……
……………
あの後すぐに一度車に戻り、弾を込め直してるときに僕はふと思った。
(最後の1撃、別にもGLOCKじゃなくてもよかったのでは…?)と
感想等々お待ちしております!
追記 前回の設定1ですが、あまりにもめちゃくちゃな内容だったため削除しました。申し訳ありません。
…今更だけど酔った勢いって恐いねと思いました。まる