生き残りをかけて~生存者達の記録~   作:Archer SHO

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連続投稿です!

今回は後書きに前回削除した設定を載せているのでよかったら見てください!!

それではどうぞ!!!


藤堂祐樹編 第1章 2話

車に戻り銃に弾を込め直した後、僕は再び探索を開始した。

 

まずは普通の感染者が出てきた男性用トイレから捜索することにした。

 

警戒しながら中に入ると一番奥の個室の扉だけ壊れているのが見えた。おそらく先ほどの警官化感染者は感染した後、あの扉に紐かなにかを引っ掛けて自殺をしようとした結果、失敗してああなったのだろう。

 

トイレの個室の中には銃殺体と弾がなくなりホールドオープンしたままのSIGP226があった。

死体は干からびて半ミイラ化しており、銃は死体から出たであろう大量の血で錆びてしまっていた。

 

「…もったいねぇ」

 

この惨状を見てもこんな感想しか抱かないあたり、僕もこの2年で変わったものだ。パンデミック以前のまだ安全だった頃に友人からは冷めたやつだと言われたがそれでも今ほどじゃあなかった。

 

 

…結果的にトイレは完全に無駄足だった。

 

 

次に先ほどちゃんと調べられなかったランナーの下へと向かった。

 

正直に言ってこちらのほうが本命だった。

 

少なくとも先ほどの警官感染者よりは期待していた。

早期感染者、ランナーは感染してから3日経つと通常の感染者になる。

つまり、先ほどのランナーはここ3日以内に感染したということになる。

ということは…だ、ここにはまだ少なくとも1体以上の感染者がいるということになる。

 

「……よしっ」

 

僕は覚悟を決めてサービスエリア内部へと踏み込んだ。

 

 

 

 

……なぜ危険を犯してまでここの探索をするのか、いつもならこんな賭けのようなことはしない。ならなぜか、それはこの場所が以前防衛軍の検問所兼作戦基地兼緊急医療所として機能していたことに由来する。

 

半年前に出会ったサバイバーグループのリーダーはこの検問所の指揮官だったらしい。共に行動したのは2日だけだったが、このご時勢に珍しいいい人だった。

 

…といってもその人は僕と別れた後、仲間をかばって死んだが…

 

ともかくそのサバイバーグループと別れた後は感染者の多そうな地域を迂回しながら移動し、今日ようやくたどり着いたのだ。そう簡単に諦められれるものではなかった。

 

 

 

 

 

中はまだ昼間だというのに電気が通っていないせいで薄暗かった。それでもここは天窓が一定間隔であるためまだマシなほうだが。

 

あらかじめ用意しておいた使い捨てのケミカルライトを数本奥に投げ、僕は唯一フラッシュライトの付いているMP5Kを構えた。

 

どうやら正面入り口にあったであろうフードコートには小さなテントなどがところ狭しに並べられていた。避難民の寝床として使われていたらしい。

 

足元を見てみると、点々と血が裏の作業員通路へと続いていた。

 

作業員通路の方を見てみると通路の奥の方に一箇所だけ光が差していた。

 

(…たぶんあそこから来たんだよな。…行くか)

 

 

 カァァン

 

 

僕はケミカルライトを二つ音が出るように投げた。

 

十数秒待ったが何かが動くような音も何もしなかったため、僕は意を決して光のほうへと向かった。

 

ゆっくりと扉を開けるとそこは国防軍が武器庫代わりにしていたであろう倉庫だった。

 

中には国防軍が持ち込んだであろう銃火器が残り少なかったが置き去りにされていた。部屋の左端には比較的最近殺されたであろう死体があった。ただし、体が少し干からびてミイラ化しているため感染したのはだいぶ前だろう。

 

(…さっきのはこれに?)

 

なんとなく違和感を覚えた。なんせ元とはいえ地獄の2年を生き抜いたサバイバーだ。半ミイラ化した感染者1体に簡単に殺られるとは思えなかった。

 

ふと顔を上げると視線の右端に扉が見えた。扉の前に行くとドアノブに血がついていた。

 

「…行くか」

 

僕はMP5からソードオフショットガンに持ち替えてゆっくりとドアを開いた。

 

どうやら弾薬庫だったらしい部屋の真ん中に毛布が敷かれていて、その上に中学生くらいだと思われる男の子が頭を撃ち抜かれて死んでいた。よく見ると足に噛まれた跡があり、口元には血がついていた。

 

(…そういうことか)

 

さっきのランナーとこの死体の関係はわからないが、兄弟かなにかだったのだろう。

 

…考えられるのは弾薬庫で死んでた子が最初に噛まれて、その後感染者になる前に殺しきれなかったランナーが感染者になった弾薬庫の子に噛まれて……

 

みたいな感じだろう。

 

(…ご愁傷様)

 

 

 

…子どもの成れの果てを見てもこの程度にしか思えない僕はやっぱり壊れているのだろう。

 

 

そう自覚しながらも僕はすばやく武器、弾薬を大きなボストンバッグ2ついっぱいに入れて再び車へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




設定1

世界観
2030年に南アメリカから発生したゾンビウィルスによる世界的パンデミックから2年後が舞台。
日本は世界情勢の変化に対応するため、自衛隊は国防軍へと名前を変えている。また、警察官一人ひとりが所持する装備もリボルバー拳銃からオートマティック拳銃に変わるなどしている。そのため、パンデミック後の世界では比較的簡単に強力な銃火器を手に入れることができる。

藤堂祐樹編 人物・装備1

藤堂祐樹
二年後の時点で24歳の元大学生。

容姿は上の下。

移動方法は車。車種はフォード・マスタングの黒で強化用の鉄板やドーザーなどが溶接されている。映画デスレースの主人公が乗っていた車の武装を外したイメージに近いです。

服装
基本的に黒やカーキのカーゴパンツに黒のパーカー。その上にタクティカルベストを着ている。場合によっては中に防弾ベストも。

武装
感染者となった警察官から拝借したGLOCK17(プレーン)。

同じ警察官感染者から拝借したMP5K(中折れ式ストック、レッドドットサイト、フラッシュライト、ハンド付き)。

実家にあった水平二連散弾銃の銃身とストックを切り詰めて、大型拳銃くらいの大きさになったソードオフショットガン(映画マッドマックスの主人公の持っているショットガンをイメージしてください)。

同じく実家にあった雑木伐採用のマチェット。

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