資材は2万で十分か? ー完ー   作:秋津洲かも

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新人提督
司令部レベル81
2-4海域を突破したばかりでイベントは初めて




イベント開始!

正式名称 新海域突入作戦(通称:イベント)

 

大本営からの開始の連絡を受けると新人提督はその荒波に向かい真っ先に飛び出した

 

「提督、作戦難易度はいかほどに致しましょうか?出発前に大本営に打電する必要があるのです」

 

「難易度ですか。えーと確か甲乙丙で甲が一番難しいとか」

 

「当鎮守府の司令部レベルは現在81なので甲作戦に参加可能です」

 

「では大淀さん、甲作戦で頼みます」

 

「はい、分かりました。ご武運をお祈りしております」

 

甲作戦、それは最も難易度の高い作戦であり、司令部レベル80以上の鎮守府しか参加することを許されない

 

とある理由で新人提督は不幸にも艦隊の実力とは裏腹にその基準をクリアしていた

 

準備は万端、事前情報から初戦は潜水艦部隊との戦闘が予想される

 

当鎮守府の対潜精鋭部隊は伊勢、隼鷹、五十鈴、時雨、島風、夕立の6人、いずれも鎮守府きってのベテランである

 

ソナーや爆雷、艦攻そして瑞雲を満載し出撃ドックでミーティングを行う

 

「みんなはじめてのイベントで緊張しているかもしれないが、いつも通りやればきっと勝てるはずだ」

 

「おっそーい提督!早く行こうよ!」

 

「潜水艦相手なら五十鈴にお任せよ」

 

「瑞雲を飛ばして突撃、そうよね日向」

 

「よし、ではいくぞ。時雨かわいい鎮守府、E-1攻略艦隊出撃する!」

 

「「「応!!!」」」

 

6人と提督は円陣を組み気合いを入れる

 

難関海域に出陣する際には必ずこの儀式を行ってきた

 

そしてついに出撃、その先には普段とは違う赤みがかった海と空が広がる

 

行く末を示すようなその光景に一抹の不安を抱えながら作戦指令室に戻ると、提督は言いようのない胸騒ぎを覚えパソコンに向かう

 

 

 

 

 

 

提督掲示板Ver1.02

 

 

 

 

『甲作戦ってどれくらい難しいんだ?』

 

1:◆新人提督2016/02/10(木)21:30

はじめてイベントに参加するんだが甲作戦はどれくらいの難易度なんだ?

 

 

2:名無しの提督2016/02/10(木)21:31

攻略中に頭皮に深刻なダメージが及ぶくらい

 

3:名無しの提督2016/02/10(木)21:33

それでも大本営からの特別報酬は魅力的だな

アメリカ製の新しい主砲が気になるにゃしい

 

4:◆新人提督2016/02/10(木)21:34

>>3

そうか、高難易度でないと特別報酬がもらえないんだな

甲作戦でいま艦隊を出撃させたんだ

 

5:名無しの提督2016/02/10(木)21:35

対潜装備しかしてないから道中が若干不安だな

彩雲は装備してきたがきつい

 

6:名無しの提督2016/02/10(木)21:38

潜水棲姫固すぎ

反航戦じゃ勝機は薄いな

祈ってT字有利でクリティカルを待つしかない

 

7:名無しの提督2016/02/10(木)21:40

四式積んでも攻撃通らんぞ!どうなってんだ!

輪形陣で軽空母のクリティカル待った方がいいかな

 

 

 

 

 

 

イベント開始直後のマップは情報が事前に手に入る通常海域とは異なり、まさに未知の領域である

 

一寸先は闇、恐怖と期待が入り交じる中を手探りで進まなければならない

 

編成、装備、陣形の全ての判断が提督一人の双肩にかかる

 

慎重な提督達は先発の変態的な練度を有する鎮守府から情報をもらい受け、自分の鎮守府に適したスタイルで出撃する

 

変態的な先人たちは恐るべきスピードで攻略の最適解を導き出し、後続に光を照らす

 

その光を手掛かりに進むことが最も懸命な判断であることは間違いない

 

しかしイベント開始直後の沸きたつ高揚感に抗うことは難しい

 

これまで数カ月間準備を重ね、ある者は心に前回のリベンジを誓い艦隊の練度を磨いてきた

 

不確かな環境において自分の力を試してみたい、自分自身の力で前に歩みたい、そう思うのも人間の心が故に仕方がないことである

 

しかしイベント開始時には不思議な現象が勃発する

 

『猫』と呼ばれる常識外の存在により、出撃していた艦隊が突然光に包まれ、気付いたときには鎮守府に帰投しているのだ

 

新人提督はその若さが故か、幸いその現象に遭遇することはなかった

 

 

 

 

 

 

「見つけたよ」

 

時雨が爆雷を投下するとソナーから艦影が消え、深海棲艦の気配が薄れていく

 

敵潜水艦の先制攻撃を避け、瑞雲による攻撃を皮切りに次々と攻撃を成功させ見事無傷で初戦を勝利で飾った

 

「ひゃっはー!楽勝だねえ。この調子でばんばん行こう!」

 

「夕立も頑張るっぽい!」

 

「よし、このまま進撃するよ。勝利を携えて鎮守府に帰還するんだ。そうすれば提督もきっと・・・」

 

出撃前とは一転してリラックスしたムードが艦隊を包んでいる

 

彼女たちは命令があればどんな困難な海域にでも出撃する

 

提督に選抜部隊に選ばれたことは涙がにじむほどに嬉しく、また誇りに感じる

 

そして提督の喜ぶ姿、ただそれだけを求めて戦場を駆ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしはるか水平線の先、禍々しいオーラを放つ水雷戦隊が彼女たちを待ち構えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『イタタ、だから装甲は薄いんだってば!』

 

『ばかー!これじゃあもう戦えないっぽいー!』

 

『提督!艦隊の被害甚大!隼鷹さんと夕立が大破!鎮守府に帰投するよ』

 

 

「・・・分かった。戻って来てくれ」

 

あっけなく希望は打ち砕かれ、背中を冷たい汗が這う

 

こんなはずではなかった、自分はどこで判断を間違った

 

あと一歩で艦娘たちは轟沈するところだった、今回退避できたのは運が良かったに過ぎない

 

なんとか鎮守府に帰還した6人は艤装のあちこちが砕け満身創痍の状態だった

 

すぐさま入渠を指示し、バケツ6個の使用を許可する

 

提督はその痛ましい姿を見て初めて自身の慢心を自覚した

 

ちくしょう!新しい艦娘がなんだ!新しい装備がなんだってんだ!

 

自分の使命は艦娘を無事に鎮守府に帰らせること

 

欲に目がくらみ大事な娘たちをなおざりにしたことに後悔の念だけが膨らんでいく

 

でも・・・けれどもイベントの完走だけはさせてやりたい

 

今ここでイベントから手を引けば間違いなく彼女たちは自信を失い、二度とイベントに参加することはないだろう

 

机の脇の受話器を取ると短縮ダイヤルで呼び出す

 

 

 

 

 

 

「はい、甲作戦から丙作戦への変更をお願い致します」

 

 

 

 

 

この判断が功を奏し3時間後、誰一人欠けることなくE-1を攻略することができた

 

6人は深海棲艦に囚われていた駆逐艦清霜を救い、鎮守府への帰還を果たした

 

提督は衰弱した清霜のまだあどけない姿を見て涙を流さずにはいられなかった

 

はじめてのイベント、そしてはじめてのドロップ艦、この子を大切にしよう、そう深く心に誓った

 

 

 

 

『E-2の編成はみんなどうしてるんだ??』

 

1:◆新人提督2016/02/11(金)09:38

なんとかE-1丙を攻略したんだがE-2の編成はどうしたらいいと思う?

スタート地点が2つあるんだが

 

2:名無しの提督2016/02/11(金)09:38

礼号組一択

 

3:名無しの提督2016/02/11(金)09:39

同じく霞旗艦で上ルート

 

4:◆新人提督2016/02/11(金)09:39

礼号組はまだ足柄さんしかいないんだ

なんとか頼む、皆に完走させてやりたいんだ

 

5:名無しの提督2016/02/11(金)09:40

そう言われてもなあ

上ルートの方が絶対に楽だし

礼号組抜きでの上ルート編成はまだ確定していないっぽい

 

6:名無しの秋津洲2016/02/11(金)09:40

下ルートなら戦艦・空母・重巡(航巡)×2・駆逐×2がおすすめかも

 

7:◆新人提督2016/02/11(金)09:40

>>6

ありがとう秋津洲、恩にきる

頑張るよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日間、提督は慢心を改め資材集めとバケツ収集に奔走した

 

加えて忙しいのを承知の上で先輩提督に連絡を取り、正しいと思われる情報を手にし独自に分析した

 

食事もとらずに作戦要綱を一語一句逃さず隅々まで目を通し、先人たちの情報に基づいて編成・装備についての研究を重ねる

 

提督執務室からは日中夜を通して明かりが消えることはない

 

提督の顔は髭が伸び、疲れに頬が窪んでいたがその表情は使命感に燃え、瞳の奥には炎が灯っていた

 

これも全て愛する艦娘たちのためだった

 

 

 

 

 

 

 

「テイトクー!もどったでち!」

 

「良かった!ゴーヤ無事だったんだな」

 

ゴーヤは自慢のスクール水着をぼろぼろにしながらも人懐っこい笑顔を絶やさず報告する

 

「偵察完了でち!初戦は潜水艦でち。にらめっこして、そこから北東に進んだらたくさん爆弾が降ってきたでち」

 

「爆弾が降ってきた?どういうことだ?」

 

「よく分からないでち。ゴーヤは潜ってたから爆弾は命中はしなかったの」

 

「そうか。敵の陸上からの攻撃かもしれないな」

 

「そこから戦艦とぶつかったでち。駆逐艦もいたから爆雷攻撃を受けて危なかったでち。さらに進んだらまた爆弾が降ってきたでち」

 

「ふむ、爆弾が2回あるのか」

 

「これも潜って躱して北へ進んだら小さい魚雷艇に遭遇して、追いかけまわされながらなんとか帰ってきたでち」

 

「ゴーヤありがとう、大分情報が集まってきた。これでなんとかなりそうだ。入渠が終わったら間宮さんで好きなものを頼んでいいからな」

 

ゴーヤの頭を撫でてやると海水に濡れ若干ごわごわしている

 

それでも感謝の気持ちを込めて手を優しく動かしてやるとふとゴーヤの瞼から滴がこぼれる

 

本当は怖くてしょうがなかったのだろう、済まなかった、ありがとう

 

「ぐすっ、えへへ、やったー!提督太っ腹でち!」

 

ゴーヤの先行偵察の情報を受け、提督は編成を決定した

 

瑞鶴・金剛・足柄・羽黒・夕立・時雨

 

陸上の敵には三式弾が有効と聞いたので金剛と足柄・羽黒に装備させ、情報にあった魚雷艇は夕立・時雨が相手をする

 

色々と助言はもらったが先輩たちはレベルも装備の質もはるかに上回っている、最後は自分の身の程を知って信じる道をいくしかない

 

 

 

 

 

『E-2の編成はみんなどうしてるんだ?』

 

1:◆新人提督2016/02/11(金)09:38

なんとかE-1丙を攻略したんだがE-2の編成はどうしたらいいと思う?

スタート地点が2つあるんだが

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

358:名無しの日向2016/02/15(月)20:38

やはり今回も瑞雲が大活躍だな

制空権を取るのと同時に攻撃、晴嵐など比ではない

 

359:名無しの長門2016/02/15(月)20:38

むう、私の出番はまだか

胸が熱くなるのを通り越して胸やけがしてきたぞ

 

360:名無しの陸奥2016/02/15(月)20:39

あらあら

 

361:名無しの大井2016/02/15(月)20:39

指揮が悪いのよ。指揮が

たまにはイベントで魚雷を放ちたいわ

北上さんもそう思うでしょう?

 

362:名無しの北上2016/02/15(月)20:40

えー、まーうん、そうだね、ハイパーズの力を見せてやりますか

阿武隈も準備しておいた方がいいよ

 

363:名無しの阿武隈2016/02/15(月)20:40

ええっ?ちょっと私?

 

364:名無しの秋津洲2016/02/15(月)20:40

秋津洲はボスマスでゆっくり二式大艇ちゃんの整備でもして待ってるかも

 

 

365:◆新人提督2016/02/05(月)20:43

みんなありがとう!

無事E-2を突破できた!!!

 

366:名無しの初月2016/02/05(月)20:45

おめでとう提督

僕は防空駆逐艦初月だ

これからよろしくお願いするよ

 

 

 

 

 




いまだ戦い続ける提督
戦いを終えた提督
そして提督を目指す方たち

お疲れ様です

私が思う今回のMVPは情報が少ない中で偵察を強行してくれた潜水艦と駆逐艦たち
そして艦娘の戦意高揚に尽力してくれた間宮さんと伊良湖ちゃん

本当にありがとうございました!

次回「イベント最終局面!」

頑張ります!
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