夏休みが終わって二学期が始まって日数が経った頃………
「じゃあ、今度の日曜日にそっちに行きますね」
〔うん、待ってるからねー〕
校舎の屋上で武昭が束と通信をしていた。
「おぉ、もう帰ったと思ったらここにいたのか」
「なんだ、箒も部活が終わったのか」
「あぁ、教室に行ったら武昭のカバンがあったからな。
それで武昭が良かったら一緒に帰らないかと思ったのだ」
「俺は構わないよ、じゃあカバンを取りに「それなら私が持ってきたぞ」ありがとうな箒」
武昭は箒からカバンを受け取ると一緒に下校した。
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下校中………
「姉さんから、日曜日にダグキャリーに来て欲しいと連絡が?」
「あぁ、なんか話したい事があるから来て欲しいって言われたんだ」
「うむ………私の方には、その様な通信が来ていないがな」
そう言うと箒は
「そうなのか……俺が通信してて感じたのは、いつもみたいなふざけた感じじゃなくて
凄い真剣な感じがしたけどな」
「姉さんがか………ならば、それ程の事なのだな」
「箒もそう言うって事は、ちょっとした問題が起きたのかもな………
まぁ、日曜日に行けばわかるか………」
「悪いが私は日曜日も練習があるので行けないから姉さんを頼む」
「任せろよ、今は同い年だが元は年上なんだから、じゃあな」
「あぁ、また明日」
箒は武昭と別れると家の中に入った。
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日曜日になって………
「束さんにはC-15区画に来てくれって言われてたけど……
おっ、ここだここだ、束さん武昭っすけど」
〔あっ、来たんだタッくん、鍵は開いてるから入って良いよ〕
武昭が指示された場所について確認すると返答があったので部屋に入った。
「束さん、急に通信を入れたりして……って、その子は誰ですか?」
武昭が部屋に入ると束とセレナ、そして……
「えっとね、タッくん、この子は………私の娘だよ………」
「はぁ?いやいやいや、束さん、そんな事を言っても年齢が合わないですよ」
「束ちゃん、武昭君ならちゃんと話せば分かってくれるわよ?」
「セレナさん………分かりました、タッくん、この子はね………」
束は少女の事を話し出した。
それによると………
・この子はドイツの非合法な研究所で造られた遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)と呼ばれる存在。
・名前はクロエ・クロニクルと研究資料に記されていた。
・束が調査していた時に見つけて研究所が破壊された後に保護をした。
との事だった…………
「そうだったんですか………それで束さん、その研究所にいた研究者達は………」
「私が行く前に逃げ出してて、そこを証拠隠滅する為に破壊しようとしたんだ」
そういった束の声からは不機嫌なのがわかった。
「それで束さんが俺を呼んだのは、その子………クロエをここに住まわせて良いかって事ですか?」
「う、うん、そうなんだ………タッくんがここにある物は好きに使って良いって言ってたけど……
人間一人となるとまた違うから連絡したんだけど………」
「武昭君、私からもお願いするわ………」
「束さん、セレナさん……俺は構わないですけどクロエ自身はどうなんだ?」
「私………ですか?………私は束様に助けられました………
ですから束様が死ねと言うのならば、私は………痛っ!?」
武昭はクロエに近づくとデコピンをした。
「あのなクロエ 束さんは、そうやって命を粗末にさせる為に助けた訳じゃない。
クロエにも一人の人間として生きて欲しいから助けたんだ、そうですよね?」
「うん、タッくんの言う通りだよ、クーちゃん………」
束はクロエに近づくと優しく抱き締めた。
「私がクーちゃんを助けたのは色んな事を知って欲しいからだよ………
それにクーちゃんが産まれたのは私がISを作ったからでもあるんだ………
罪滅ぼしが無いって言ったら嘘になるかもしれないけど………
それ以上にクーちゃんにも幸せになって欲しいから私は助けたんだよ……」
「で、ですが………私は普通の………人間とは………違うのです………」
クロエは束から離れると武昭に自分の両目を見せたが………
その瞳は
「ふーん、その瞳の何処が変なんだ?」
「え………私のこの瞳を見て何とも思わないのですか!?」
「その位だったら以前いた所だったら普通にいたし、見た目が人間じゃない奴がいたからな
それに………」
武昭の話を聞いたクロエがポカンとしてると武昭が抱き締めてきた。
「クロエはここにいる………それだけなんだ………だから、自分を人間じゃないなんて言うな……」
「ほ、本当に私は………ここにいても………良いの……ですか?………」
「あぁ、ここはクロエの居場所で何時でも帰ってこれる場所なんだ………
だから、クロエがしたい事をすれば良いんだ………」
武昭が優しく抱き締めるとクロエは胸の中で大声で泣いた。
今までの自分と決別するかの様に………