武昭がスマホを確認すると刀奈からだった。
「おぉ、久し振りだな、元気だったか?」
〔えぇ、急にごめんなさいね、武昭君は元気だった?」
「俺はいつでも元気だよ、それで今日はどうしたんだ?」
〔あのね……今度の日曜日に買いたい物があるからつきあって欲しいんだけど……
大丈夫かしら?〕
「えぇ、特に用事も無いから大丈夫ですよ」
〔そう、良かったわ だったら日曜日の午前10時に駅前で
待ち合わせをしましょう〕
「今度の日曜日の午前10時に駅前ですね、わかりました」
武昭は通話を終えるとスマホをしまった。
「武昭、今のは誰からなんだ?」
「ん?俺の知り合いだよ、じゃあな箒」
「あ、あぁ、また学校でな………」
箒は武昭の姿が見えなくなるとダグテクターで誰かに通信を入れた。
日曜日になって………
「よしっと……どうやら、まだ来てないみたいだな……」
武昭は刀奈との待ち合わせ場所に来ていた。
「あれ?武昭君」
「ん?刀奈、何でここに居るんだ?まだ時間には早いぞ」
武昭が声のした方を見ると薄水色のワンピースを着た刀奈が立っていた。
「そ、それは……待ち合わせに遅れたらいけないと思って早く来すぎちゃったのよ!」
「そうだったのか、俺は待ち合わせで相手を待たせるより待つ方なんだ……
けど、そのお陰で刀奈に早く会えたから良かったかもな」
「なら……早く行きましょ」
「あぁ、刀奈の言う通りだな、じゃあ行くか」
武昭と刀奈は公園から離れた。
一方……
「ねぇ箒………
「い、いや……私は見た事が無いな……
(な、なんだ?!シャルロットから感じる、この感じは!!)」
箒はシャルロットの体から黒い物が出ている様に感じた。
「あっ!何所かに行くみたいだよ!ほら!追いかけるよ!!」
「あ、あぁ、分かった………」
箒はシャルロットと一緒に公園を出て武昭達の後をついて行ったが、シャルロットの迫力に軽く怯えていた。
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その後……
「うーん……一緒に買い物に来たのは良いけど何にするかなぁ……」
「そんなに難しく考えなくても大丈夫よ
簪ちゃんは武昭君が選んでくれたってだけで喜ぶから」
「そんなもんですか?」
「そういうものよ女の子は……(まぁ武昭君からって言うのもあるけど)」
「そう言われても…ん?」
刀奈の言葉に何かを考えていた武昭は小物屋のディスプレイに合ったアクセサリーが気になった。
「これは……向日葵のブローチか」
「おや、お兄さん、それに目が行くなんて良い目利きだね」
「そうなんですか?いや、知り合いの誕生日プレゼントを探してて
それが目に付いたんです」
「そうかい、ならちょうど良かった、そのブローチは向日葵をモチーフにしてて
中の種の所は濃い色のラピスラズリで出来てるんだ」
「ふーん、そうなんですか……じゃあこれをください」
「武昭君、私が言うのもなんだけど結構なお値段がするわよ?」
「別にこれ位は問題ないよ……はい、ブローチの代金です」
「はい、毎度あり 少し待っててね包むから……
ほい、ラッピングはサービスだよ」
「ありがとうございます、じゃあ行くか刀奈」
「そうね、行きましょう」
店を出ると同時に刀奈は武昭の左腕に抱きついた。
一方………
「フフフ………ねぇ箒、
「待て待て!そんな事をしたら駄目だ!!」
箒はシャルロットが暴走しそうになるのを抑えていた。
その後……
「ふぅ、ご馳走さん」
「武昭君て凄い食べるのね……それに早いし……」
武昭と刀奈はファミレスでお昼を食べていた。
「どうしても昔の癖で大食いで早食いなんですよ……」
「そうだったのね……ねぇ武昭君は……」
「食べ終わったなら出ようか……話ならここじゃなくても出来るから……」
武昭達は代金を払うとファミレスを出た。
離れた席では……
「武昭……あの様な表情は初めて見たな……」
「ねぇ!箒、このドリンクバーって凄いね!」
シャルロットがドリンクバーに興味を持っていた。
近くの公園のベンチで武昭と刀奈が話していた。
「それで刀奈がファミレスで聞きたかったのは……
俺がこの世界に来る前の事か?」
「えぇ……私と武昭君は何処か似てる様な感じがしたから……」
「そうだな、刀奈は暗部 俺は宇宙警察だったからな……
どっちも裏に関係してる所があるから……」
「これから先、いつか分からないけど私は楯無の名前を襲名する事になるの………
その時に私がちゃんと当主として出来るか自信が無いの………」
刀奈の言葉には何処か覇気が無かった。
「刀奈……誰も最初からちゃんと出来る事なんて少ないんだ………
だからこそ、そんな時は誰かの手を借りるんだ………」
「た、武昭君!?」
刀奈は武昭に手を握られて顔を赤くした。
「もし、刀奈の周りの人で出来ない事があるなら
俺が出来る限りの事で手を貸してやる……
だから、いつでも俺を頼ってくれ………」
「武昭君………うん、ありがとう 私が困った時はいつでも頼らせてもらうわ」
刀奈は一筋の涙を流したが、その顔は笑顔だった。
夕方になって……
「今日はありがとう武昭君。
簪ちゃんの誕生日プレゼントを選ぶのに付き合ってもらって」
「気にするなよ、俺も久し振りに刀奈に会えて楽しかったから」
「そ、それは良かったわ、じゃあね武昭君 また」
刀奈は武昭と別れたがその顔は笑顔だった。
「さぁーてと 俺も帰りますか………けど、その前に……
箒、それとシャルも来てたのか」
「た、武昭……これは、その……」
「アハハ、武昭は私達がいた事に気付いてたんだね」
武昭が2人の所に行くと箒は慌てておりシャルロットは引きつった笑顔だった。
「当然だ2人にはダグコマンダーがあるんだ、俺が気付かない訳無いだろ
じゃあ、何処かで夕食でも食べるか 俺が奢るぞ」
「なら、私は日本の寿司って食べてみたいんだけど」
「そうだな、前にフランスでご馳走になったからな
箒も良いか?」
「あぁ、私は構わない」
武昭は箒とシャルロットを連れて近くの寿司屋に向かった。
一方……
更識の屋敷では簪の誕生日会を行っていた。
「はい、簪ちゃん、これが私ともう一人からのプレゼントよ」
「ありがとうお姉ちゃん……」
簪は刀奈から二つのプレゼントを受け取った。
「これは……私が欲しかった洋服……それにこれは……ブローチ?」
「洋服は私からでブローチは武昭君からよ」
「えっ!?お姉ちゃん武昭に会ったの!!」
「え、えぇ……簪ちゃんが喜ぶと思ってね……
それは武昭君が選んでくれたのよ」
「これを武昭が………そうなんだ……」
簪はブローチを見ながら微笑んでいた。
「けど、なんで向日葵なの〜?」
「店の人に誕生日プレゼントだって言ったら、ちょうど良いって……」
「なるほど、そういう事ですか」
簪と刀奈の話を聞いていた虚がタブレットで調べて、その理由に納得していた。
「ねぇ虚さん、何がなるほどなんですか?」
「それは向日葵の花言葉にあります」
「向日葵の花言葉って?」
「幾つかありますが誕生日プレゼントとして当て嵌まるのはこちらになりますね」
刀奈、簪、本音が虚のタブレットにあった向日葵の花言葉を見ると
〔あなたを見つめる〕の項目に丸が付いていた。
「どうやら店員はこれを誕生日にプロポーズすると思ったみたいです」
「た、武昭が私に………はぅぅ………」
「ちょ、ちょっと待ってよ虚ちゃん!それはたまたま武昭君が選んだのよ!?」
「それともう一つ……これに嵌ってる石はラピスラズリですね
宝石にも石言葉という物があって、この石にはこの様な石言葉があります」
虚が再びタブレットで調べた事を表示すると〔健康・愛・永遠の誓い〕とあった。
「すなわち、向日葵の花言葉である〔あなたを見つめる〕と
ラピスラズリの石言葉の〔永遠の誓い〕があるから誕生日プレゼントに
ちょうど良いと店の人が言ったのではないでしょうか?……
と、皆は聞いてませんね」
「…………」
「むぅ〜刀奈様もかんちゃんもずるい〜」
「今度、私の誕生日にも何かを……」
虚の言葉を聞いた簪は体全体を真っ赤にして口をパクパクさせており
本音は羨ましがっていて刀奈は何かを考えていたのを見た虚は軽くため息をついた。