仮面ライダーディケイド—姫将軍と世界の破壊者—   作:オレの「自動追尾弾」

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第四話 電光

光写真館を襲撃した堕悪触過亜との激戦が始まった。

 

堕悪血殺界は赤兵奴と戦闘員と共に武者丸と撃鱗将に嗾け、撃鱗将は腰に刺した烈旋改を引き抜いて迎え撃った。

 

突来四連打(ツライシレンダ)!!」

 

武者丸の肩鎧が変形して銃のような形態に変形すると、そこから4つの矢のような物体『赤兵衛(アカンベエ)』が発射され、空中を旋回し始めた。

 

「何だ?」

「?」

 

戦闘員たちが戸惑っている次の瞬間、『赤兵衛』の先端からビームが発射され、赤兵奴に着弾した!

 

「うわあ!!」

「ビ、ビット兵器か!?」

 

空中からの射撃に戸惑う戦闘員たち。一人の戦闘員が逃げようとするが………

 

 

 

「どこへ行く気だ?」

「は!?」

 

目の前には、肩鎧と兜の角を合体させた武器を持つ撃鱗将の姿が!

 

龍角の刃(ドラゴン・ホーン)!!」

ザシュッ

「ぎゃあ!?」

 

そのままその角で切り裂かれ、倒れたその戦闘員は泡になって消えてしまった。

 

「に、逃げられねえ!」

「逃げる必要はねえ!撃ち抜くまでよ!」

 

そう言って、惨宇頭の一体が装備していたバズーカ砲を撃鱗将に向けた。だが、撃鱗将は既に肩鎧に背中の翼を合体させた弓矢を構えていた!

 

龍翼の光弓(ドラゴン・ウイング)!!」

ドッ

「!?」

 

その弓から光の矢が発射されると、その矢はバズーカ砲の銃口に向けて一直線、バズーカ内の砲弾を射抜き、バズーカを暴発させ、惨宇頭を倒した!

 

「何ィイ!?」

「なんてやつだ!?」

 

赤兵奴たちがざわつく中、武者丸と撃鱗将の猛攻は続いた。

 

 

 

 

 

一方、堕悪嶺潤主と戦うディケイド。

ディケイドは堕悪嶺潤主の頭部から発射される毒針を避けて、ガンモードに変形させたライドブッカーを構えて引き金を引いた。

 

「無駄な事だ。」

「チッ、防いだか………」

 

堕悪嶺潤主が手にした楯で防いだのを見て舌打ちするディケイド。すると、ライドブッカーから一枚のカードを取りだした。それは、天宮に来る前に訪れた世界で手に入れた力だ。

 

「丁度良い。今から新しい力を、今ここで試してやる。」

 

そう言って、ディケイドライバーにカードを装填した。

 

[ATTACK RIDE―――BULGOGI!]

 

電子音が鳴ると、ディケイドは膝を少し曲げて、両手を人差指と小指を伸ばした状態にした。そして―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プルコギ………プルコギ………」

「………?」

 

少し切なげに呟きながら、両手を前後に突き出した謎の動作を始めた………

 

「プルコギ………プルコギ………プルコギ………プルコギ………」

「………何がしたいのだ、お前は?」

「コギプル………(何コレ?)」

 

呆れながら問いかける堕悪嶺潤主。ディケイドはプルコギを強制終了させると、再びライドブッカーを開き、カードを取りだした。

 

「……だったらこいつだ!」

[ATTACK RIDE―――ORE NO ECLAIR TABETA?]

 

電子音が鳴ると、ディケイドは右手を額に当て、左手を伸ばしたポーズを取る。すると―――

 

 

 

オレのエクレア食べた?

 

 

 

と言う、無駄に達筆なテロップが付いた………

 

「………いや、知らないよ!さっきから何やってんのお前!?やる気あんの?」

「あ、あのアホ共が………うるせえ!黙っていろ!!」

「逆ギレ!?」

 

そう言うと、ディケイドはまさかと思い、ライドブッカーから数枚カードを引き抜いた。そこには―――

 

[SHOKUSITE MIRUKA?]

[OYABIN SAIKO―!]

[NAZENARA WATASI WA GYORAI DAKARA!]

 

「え………えーーー?」

 

思わずそう漏らしてしまう位、使えそうにないカードたちがあった………

 

「ふざけおって!!」

 

茫然とするディケイドに苛立ったのか、堕悪嶺潤主はそう叫んで手にした斧を振りかざして迫ってきた。

 

 

 

 

 

「臨望龍剣!」

「てえい!」

 

堕悪射菩塗、堕悪蜥蜴崙と対峙する蒼蘭とクウガ。

クウガのパンチを受ける堕悪蜥蜴崙だが、むん、と力を入れた瞬間、そのパンチを弾き返してしまい、堕悪射菩塗の方は身体の石ケンを擦って泡を発すると全身に泡を纏い、臨望龍剣の太刀筋を受け流した。

 

「何!?」

「コイツ………!?」

「ふん、仮面ライダークウガのパンチも、この程度か。」

「そんな剣、このシャボンアーマーの前では無意味よ!」

 

堕悪蜥蜴崙と堕悪射菩塗が鼻で笑う。ならばと、クウガは高く跳び上がり、蒼蘭は臨望龍剣を地面に突き刺して突っ込む!

 

「報告にあった必殺技か。『泡包囲網(バブルフィールド)』!!」

 

だが、堕悪射菩塗は先ほど以上に石ケンを擦ると、あたり一面に石ケンの泡がまき散らされた。それでも蒼蘭とクウガは止まらず、必殺技を繰り出した!

 

 

 

 

 

ガギィインッ

「………何!?」

 

ドカッ

「く………!?」

 

だが、クウガのマイティキックは堕悪蜥蜴崙に弾き返され、蒼蘭の剣は堕悪射菩塗の腕に切り傷を作った程度に終わってしまった。

 

「コイツ………何て身体なんだ!?」

「この泡は………?」

 

弾き返されたクウガは堕悪蜥蜴崙の強靭な身体に驚き、蒼蘭は臨望龍剣に着いた泡に気付き、ある事を思った。

 

「まさか………この泡のせいで摩擦を軽減させられたのか!?」

「『炎凰灼熱斬』の威力は、封じられていたッ!?」

「ククク………そのような技、破る事など容易いわ。」

「今度はこちらの番だ!」

 

堕悪蜥蜴崙と堕悪射菩塗が叫ぶと、堕悪蜥蜴崙は『芭里亜爆弾』を蹴り飛ばし、堕悪射菩塗は右手の武器から溶解性の泡を発射した!

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

この様子を、ある店の屋根の上から堕悪殻魅碇が見ていた。

 

「堕悪蜥蜴崙の元となったショッカー怪人『トカゲロン』は、1号ライダーのライダーキックすら弾き返す強靭な身体を持っていたのを、堕悪化させる際に更に強化させた。計算上では、クウガの各フォームの必殺技は効かない程だ。そして、堕悪射菩塗の石ケンは私が調合した、よく泡立つ防御用特殊石ケンだ。ジンドグマ怪人『シャボヌルン』最大の欠点であった誰かに擦ってもらう必要があったそれを克服したその滑り具合であれば、あの必殺技は放てまい。」

 

そうほくそ笑むと、堕悪殻魅碇は視線をディケイドたちへと向けた。

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

堕悪嶺潤主と戦うディケイドは、堕悪嶺潤主の斧をソードモードに変形させたライドブッカーで受け止めていた。

先ほどのカードは二度と使わない事にしてライドブッカーに仕舞い込み、ディケイドは接近戦に持ち込んだのだ。

だが、堕悪嶺潤主の振り下ろす斧の猛攻に対し、次第にディケイドの方が圧されていった。

 

「フン、シブトイな。」

「ま、諦めは悪い方なんでな。」

 

そう返したディケイドは、ライドブッカーからカードを取り出し、ディケイドライバーに装填、レバーを戻すと、電子音が鳴り響いた。

 

[ATTACK RIDE―――MACHINE TORNADER!!]

 

すると、遠くの方からディケイドの頭部を模したフロントのバイク、『マシンディケイダー』が無人で走ってくるのが見えた。だが、次の瞬間ディケイダーの目の前に角のような『アギトの紋章』が現れるとディケイダーはそれを通り抜ける。すると、ディケイダーは真っ赤なボディが特徴の『マシントルネイダー』に姿を変え、ディケイドはそれに飛び乗って堕悪嶺潤主に突っ込んだ!

 

バキッ

「ギャア!?」

 

堕悪嶺潤主を跳ね飛ばすと、ディケイドはマシントルネイダーから飛び上がる。すると、トルネイダーはタイヤが横に倒れ、車体が伸びて『スライダーモード』へ変形、ディケイドはそれに乗ると、まるでサーフィンのように操作して空中を自在に飛びまわりながら、スピードに翻弄される堕悪嶺潤主へダメージを与えていく。

 

「一気に決めるか!」

[FINAL ATTACK RIDE―――DE・DE・DE・DECADE!!]

 

堕悪嶺潤主とある程度距離を取ったディケイドはディケイドライバーに『ファイナルアタックライドカード』を装填すると、超高速で進むマシントルネイダーの目の前にカードの幻影が出現、ディケイドは飛び上がって幻影に突っ込むと、マシントルネイダーの加速が加わった『ディメンションキック』が、堕悪嶺潤主に叩きこまれた!

 

「死ョーイ血~~~~~!!」

 

ディケイドが着地した背後で堕悪嶺潤主が叫ぶと、そのまま爆発して散って行った。

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

「堕悪嶺潤主が死んだか………」

「ま、奴はディケイドを足止めする程度の役割だったからな。この程度だろうよ。」

 

堕悪嶺潤主が爆散した頃、堕悪蜥蜴崙と堕悪射菩塗は鼻で笑う。

彼らの目の前には、あちこち傷ついて倒れるクウガと蒼蘭の姿があった。

 

「こ、こいつら……強い………」

「当たり前だ。貴様たちの戦闘能力を計算して、我々が選抜されたのだからな。」

「くっ………」

 

嘲笑う二体の怪人の前に、クウガと蒼蘭、そして胸の宝珠隼は歯噛みする。

 

「く、 (せめて、このクウガってのが、超将軍に覚醒すれば………)」

「さてと、そろそろ止めを刺すかな………!」

 

そう言うと、堕悪蜥蜴崙は『芭里亜爆弾』を取り出し、地面にセットして蹴る準備をした。

蒼蘭は悔しそうに見上げる中、クウガは尚も立ち上がり、ふらふらになりながらも二体の堕悪怪人を睨みつけた。

 

「ふん、往生際が悪いな、クウガ。」

「当たり前だ!」

 

クウガは、振り絞るように叫ぶ。

 

「折角、折角蒼蘭の願いが聞き入れられたんだ………それを、こんな所で死んで終わりなんて、あんまりだ……そんな事、絶対にさせない………俺の命に変えてでも!!」

 

その言葉を聞いて、蒼蘭は臨望龍剣を地面に刺して立ち上がった。

 

「………そうだったな、折角撃さんに理解してもらったんだ………こんな所で死ねるか……!!」

「蒼蘭………」

 

立ち上がった蒼蘭を、宝珠隼が呼ぶ。堕悪蜥蜴崙たちがにやけていると、ふと蒼蘭は、クウガに尋ねた。

 

「……なあ、何でお前は、今日会ったばかりの私の為に、そこまでできるのだ?」

「いつ会ったかなんて、そんなに重要か?ただ、助けたいからじゃだめか?」

「………随分とお人よしだな、お前は。」

 

笑いながら答えるクウガに対し、蒼蘭も笑い返す。そして、二人は堕悪怪人二体を睨む。

 

 

 

蒼蘭は思う。

 

 

 

(そうだ、私は――――――)

 

 

 

クウガは思う。

 

 

 

(そうだ、俺は――――――)

 

 

 

 

 

「「負けない!!」」

 

 

 

 

 

二人は、そう叫んだ。

 

 

 

その時だ――――――

 

 

 

 

 

キィイイイイイイ………ンッ

 

 

 

 

 

「!?」

「な、何だ!?」

「これは………!?」

「超将軍覚醒!?」

 

クウガの持つ『義』の頑駄無宝珠が眩い輝きを放ち、蒼蘭の腰の『八角の金帯』の右から二番目のプレートに『義』の文字が現れて輝く。

 

『義』の頑駄無宝珠は宙に浮かぶとクウガの右肩に取りつく。その瞬間、クウガの全身に電流が流れ込み、その姿を変える!

 

頑駄無宝珠の付いた右肩は3つの突起を持った肩当てにはめ込まれ、クウガの全身は帯電した金色に輝き、その赤い複眼は敵を見据えていた。

 

「これは一体………!?」

「どうやら、超将軍に覚醒したようね。」

「覚醒?」

 

宝珠隼の言葉に、蒼蘭が聞き返す。

 

「八珠の超将軍は、頑駄無宝珠を持っているだけでは無意味なの。八珠の武将と心を通わせる事で超将軍に覚醒して、初めて真価を発揮するの。今、クウガは『超将軍・クウガ』として覚醒して、それにふさわしい姿になったのよ!」

 

宝珠隼がそう説明すると、いままでクウガの変化に戸惑っていた堕悪射菩塗が叫んだ。

 

「え、ええい!姿が変わったからと言って、それが何だ!堕悪蜥蜴崙!!」

「おう!必殺シュートだ!!」

 

堕悪蜥蜴崙が叫びながら『芭里亜爆弾』を二人に目がけて蹴り飛ばす。

 

「そうは行くか!!」

 

クウガはジャンプすると、空中で三回前転し、両足をそろえたドロップキック―――『電光マイティキック』を『芭里亜爆弾』に放ち、堕悪蜥蜴崙たちに向けて蹴り返した!

 

「ナニィイーーー!?」

ボゴォオン

「「ぎょえーーー!?」」

 

蹴り返された事に堕悪蜥蜴崙が驚いていると、芭里亜爆弾が自分たちの目の前に着弾し、爆発を起こした!

着地したクウガはそれを見届けると、蒼蘭に振り返って右手の親指を立てて見せた。

 

「へへ、とっさとはいえ、上出来じゃないかな?」

「………確かにな。」

 

蒼蘭が笑い返すと、吹き飛んだ怪人二体が起き上っていた。

 

「ば、バカな………芭里亜爆弾を蹴り返すキック力など、クウガは持ち合わせていないはずなのに………!?」

ボロ…

「い、今の爆発で特性石ケンが!?」

 

戸惑う二体の怪人であったが、クウガと蒼蘭は向き直って構えを取った。

 

「さあ、行こうか!」

「ああ、本当の戦いは、ここからだ!」

 

二人は叫び、二体の怪人に向けて駆けだした。

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

「―――ほう、あれが頑駄無宝珠の力か………」

 

一方、堕悪嶺潤主を倒したディケイドは、武者丸たちから逃げてきた赤兵奴を斬り伏せていた。彼の目の前では、武者丸と撃鱗将が堕悪血殺界の周りの赤兵奴や惨宇頭十数体へ次々とダメージを与えているが、堕悪血殺界へは一撃も届いていなかった。

 

「く、あれだけいた戦闘員がこんだけとはな………だが、そんな攻撃、俺には通用せんぞ………ええい、詰めるな!」

 

前にいた赤兵奴が押して来るのを怒りながらも、武者丸たちを嘲笑う堕悪血殺界。だが、当の二人はニヤリと笑っていた。

 

「どう」

「かな?」

「何………?」

 

「………なるほど、な。」

 

訳が分からない様子の堕悪血殺界だが、一方のディケイドは気付いていた。

 

当の気付いていないようだが、堕悪血殺界と赤兵奴たちは、一か所にかたまっているのだ。武者丸たちは先ほどから、この状況に追い込む為に攻撃をして、堕悪血殺界たちはまんまとそれに誘導された訳だ。

 

「武者丸、一気に決めてやれ!」

「ハッ!」

「な、なんだとおう!?」

 

撃鱗将の言葉に応じ、武者丸は背負った左右に刀が刺さった鞘から刀を抜く。

一方は先端が若干反った形状の刀。だが、もう一方は―――

 

出任勢(デマカセ)運知大(ウンシダイ)』―――“ハズレ”!」

 

アイスの棒のようなものに「ハズレ」とかかれただけのモノであった……

 

「おいおい………」

「フザケおって!そんな物で何が出来る!?」

 

ディケイドが呆れ、堕悪血殺界が笑う中、武者丸は駆けだす。堕悪血殺界は触手を伸ばすと、武者丸へ向けて突き出す!

 

「―――刀があると思えば………」

 

だが、武者丸は触手にひるむ事なく走り続け、ハズレの方を振りかざした。瞬間―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ある!!」

ズバァアッ

 

 

 

 

 

ハズレの刀から、ビームが出て切り裂いた。

 

 

 

 

 

もう一度言おう。

 

 

 

 

 

ハズレの刀が『ビームサーベル』になって、触手を切り裂いたのだ。

 

 

 

 

 

これには堕悪血殺界たちだけではなく、ディケイドも驚き、彼らは同時に叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「んな、ムチャなーーーーーーーーーーーーーーーーー!!?」」」」」

 

堕悪血殺界たちが叫んだ瞬間、

 

 

 

 

 

「頑駄無流秘奥義―――○秘無刀斬(マルヒムトウザン)!!」

斬!!

 

 

 

 

 

密接していた戦闘員たち諸とも、武者丸は堕悪血殺界を叩き斬った!

 

「………せーの、」

「「「「「苦来まっくすぅぅううう!!」」」」」

 

真っ二つに斬られた堕悪血殺界たちはそう叫ぶと爆散し、武者丸はその爆炎をバックに血振いをして、呟いた。

 

「堕悪触過亜………恐るるに足らず!!」

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

堕悪蜥蜴崙と堕悪射菩塗と戦うクウガと蒼蘭。

 

クウガは堕悪蜥蜴崙へパンチとキックを連続で繰り出し、堕悪蜥蜴崙はそれをガードするも、先ほどと比べ物にならないクウガのパワーに焦る。

 

「こ、こいつ………ここまでの力があったか!?」

「さあね。自分でも驚いてるよ!!」

 

一方の堕悪射菩塗は、先ほどの爆発で特性石ケンがほとんど使い物にならなくなってしまったために十分な防御泡を発生させる事が出来ず、結果斬撃を何度も喰らう事となっていた。

 

「ええい、こんな半端な量の泡じゃあ………!」

「………それでも、十分決定打を与えられないから、大したもんだよ………」

「確かにね。そんじゃあ、折角クウガが覚醒したんだし、あれ、行ってみようか!」

 

胸の宝珠隼がそう言うと、腰の八角の金帯の『義』のプレートとバックルの頑駄無宝珠が光り、頑駄無宝珠から電気が走ったかと思うと、蒼蘭の頭の兜に稲妻が落ちた!

 

ゴカァッ

「みゃ!?」

「何!?」

 

蒼蘭と堕悪射菩塗たちが驚く中、兜に落ちた稲妻は形を作り、元々の兜を、帯電する大きな金色の角を持った兜へと変化させた!

 

「これは………」

「ええい、今度は何だぁ!?」

 

蒼蘭が驚く中、堕悪射菩塗は左手に刀を持って、蒼蘭に斬りかかった。

 

「うわ!?」

「無問題よ!雷撃波!!」

バヂィイッ

「ぎゃふん!?」

 

宝珠隼がそう言った瞬間、兜から電撃が堕悪射菩塗に向けて発射された!

 

「え?え!?何いまの!?」

「これこそ、『八珠の超将軍』が覚醒する事によって発現する『八珠具足(やつじゅぐそく)』が一つ、『義玉兜(ぎぎょくとう)電触(デンショク)』よ!」

「電触………」

「こ、こんな攻撃があるなんて………!?」

 

堕悪射菩塗が驚いていると、クウガと戦っていた堕悪蜥蜴崙が吹き飛んできた。それを追うように、クウガが蒼蘭の元へ駆け寄ってくる。

 

「おお、何かかっこいいじゃん!」

「そ、そうか?自分で見えないから、あまり実感がわかないけど………」

 

クウガに言われ、少し戸惑う蒼蘭。すると、いつの間に来たのか、クウガの後ろからディケイドが現れた。

 

「こっちも終わりそうだな。」

「あ、士。」

「そっちはもう良いのか?」

「まあな。さてユウスケ、そろそろ決めてやれ。」

 

ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを出してクウガに見せる。蒼蘭と宝珠隼は首を傾げているが、クウガはへへ、と笑って頷いた。

 

[FINAL FORM RIDE―――KU・KU・KU・KUUGA!!]

「ちょっとくすぐったいぞ?」

「もう慣れたよ。」

 

そのようなやり取りの後、ディケイドがクウガの背中に手をあてがうと、クウガの背中に昆虫の背中のような物が現れ、背中を覆う。

それと同時に、非常に信じられない事であるが、クウガの頭部が身体に『収納』され、腕に爪のような部品が装備され、脚は強靭な上あごになり、うつ伏せにひっくり返り変形は完了した。

 

クウガのファイナルフォームライド形態、『クウガゴウラム』である!

 

「な、なななななな!!!???」

「え、えええええええ!!??」

 

クウガゴウラムの変形を目の当たりにして、驚きを隠せない蒼蘭と宝珠隼。それに構わず、クウガゴウラムは宙を飛んで二体に堕悪怪人に突っ込み、顎による攻撃を二回往復で与える!

 

「が!?」

「こ、コイツ………!?」

 

上あごによる斬撃を喰らいたじろぐ二体。茫然と見ていた蒼蘭たちであったが、ディケイドに肩を叩かれてはっとなった。

 

「おい、その力で奴らに止めを刺してやんな。」

「え、あ、ああ!!」

「蒼蘭、『電触』の稲妻エネルギーを臨望龍剣に!」

 

宝珠隼の進言に蒼蘭が頷くと、電触の角から発せられた電撃が臨望龍剣に蓄えられ、臨望龍剣は『稲妻の剣』となった。

 

「名付けて、電光剣!!」

「行くぞユウスケ!!」

[FINAL ATTACK RIDE―――KU・KU・KU・KUUGA!!]

 

ディケイドライバーから電子音が鳴ると、クウガゴウラムは堕悪射菩塗と堕悪蜥蜴崙を掴み上昇、蒼蘭も肩のスラスターを吹かして上昇すると、クウガゴウラムは蒼蘭に向けて急降下する!

 

「ま、まさかこのまま纏めて!?」

「んなムチャなーーーーーーーーーー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「義玉奥義!」

斬ッ

電光(ライジング)悪去刀(アサルト)ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堕悪怪人の叫びを気にせず、クウガゴウラムの顎と蒼蘭の電光剣は、すれ違いざまに二体の胴体を真っ二つに斬り裂いた!

 

「「カズ嫌―――――――――――――――――!!」」

 

堕悪射菩塗と堕悪蜥蜴崙の二大怪人は、そう叫びながら空中で爆発したのであった………

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

「まさか、あのような力があったとは………」

 

今までの戦いを見ていた堕悪殻魅碇は、拳を握りながらそう唸った。

 

「計算が甘かったようだ………今回の戦闘のデータを洗いなおさねばならないな………」

 

背後に灰色のオーロラが出現すると、堕悪殻魅碇は踵をかえした。

 

「覚えておれよディケイド、そして大将軍の妹よ!」

 

誰に利かすでもなく吐き捨てると、堕悪殻魅碇はオーロラの向こうに消えていった。

 

 

 

 

 

|||||

 

 

 

 

 

戦いを終えた一同は、変身を解いて集まっていた。

 

「いや~、ひっさびさの変身やったさかい、結構疲れたなぁ~。」

「ゾナ。」

「………何で変身すると口調や声の感じまで変わるんだよ?いや、変身して身長や体格が変わったのは見た事あるけどさ………」

 

ふにゃあ、と、うな垂れる武ちゃ丸を見ながら、思わずそう呟くユウスケ。すると、撃鱗将がユウスケに声をかけた。

 

「すまないな小野寺。お主がいなければ、姫さまは勝てなかったやもしれん………」

「いや、俺の方こそ、何かパワーアップさせてもらったし………」

「しかし、あんな力があるなら先に教えてくれてもよかったのに………」

 

少し呆れながら宝珠隼に聞く蒼蘭。宝珠隼は飛びながら器用に翼で頭を掻くと、苦笑いをした。

 

「い、いやあ、何か色々あって、言いそびれちゃったっていうか、何というか………」

「そ、そうか………」

「まあ、撃さんが突っ込んできて、ゴタゴタがあったからねえ………」

 

宝珠隼の言い訳に、蒼蘭たちは頬を掻いた。ふと、ユウスケが呟いた。

 

「どうでもいい事だろうけど、宝珠隼って、何か呼びづらいよな。」

「え?そう?」

「あ、それ私も思った。」

「蒼蘭も!?」

 

蒼蘭にも言われ、宝珠隼はショックを受けた。他の一同もそう思っていたのか、頷いていた。

士はふと、考えていた。

 

「(うーん、宝珠隼………ジュエルファルコン………ファルコン………ファルコ………ファロコ………)ハロ子なんてどうだ?」

「何その連想!?」

「あ、良いなそれ!」

「せやな。」

「うむ。」

「みんなまで!?」

 

士の提案に全員が賛同すると、宝珠隼は信じられないように叫んだ。

 

「じゃあ、今後コイツの呼び名はハロ子で決定だな。」

「異議なし!」

「ちょっとーーー!?」

 

こうして、結晶鳳凰の従者たる宝珠隼は以後、『ハロ子』と言う呼び名で親しまれるのであった。

 

 

 

 

 

「ゼェー、ゼェー………あ、も………もう終わっちゃった………?」

「あ、射鳴刀。」

「今頃来たんかいな。」

「ずっと私を探してたのか?」

 

丁度その時、息を切らした射鳴刀がふらふらとやって来たが、既に戦闘が終わったと知ってどっと汗をかいてへたり込んでしまった………

 

 

 

 

 

次回を待て!




士たちが前に訪れた世界は、お察しくださいw

頑駄無宝珠の真の力発動。クウガ・電光マイティフォームはライジングとは違うイメージですが、能力は少し似ています。
『八珠具足』のイメージはディケイドのファイナルフォームライドと『武者列伝武化舞可編』の武化舞可。
名前と能力は昭和ライダーにちなんだものになっていまして、『電触』はストロンガーの角『カブトショック』と能力に由来。
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