第3話 進化
こらーー!
そいつは俺がとってきたものでしょー!
何勝手に食ってやがんだちくしょー!
この、ぺっぺ!
油断も隙もあったもんじゃない。
…
……
あ、騒がしくてすみませんね。
LV4になって、ミサイル針が使えるようにになったランゴス・タケルです。
サボネアみたいですね。
というか、ミサイルというほどたいした射出しませーぬ。
それに、ココヤシな島のゴムに負けたサメみたいにすぐに生え替わるわけでもないですし。
はい。
でまあ、今はガウシカ、ボリボリ食い散らかしてたら、なんか他のガウシカがよこせって言うんですよ。
共食いとか気にしないんですかね。
で、気をとられてるうちに別の奴が、角食ってんすよ。
しかも、他の奴は他の奴で勝手に取り合って喧嘩して、角振り回してると思ったらこっち向いて当たってこようとするし。
すると、またぶつかって喧嘩するし。
こいつら、なにがしたいんですかね?
あまりにうるさいんで、腐食液で角溶かすと散っていきましたよ。
しかし、なんで角食ってんすかね?
角食っても角生えるわけじゃあるまいに……
ねえ、本当にそんなこと言い出したら、世の中、髪の毛食べる人が続発するようになっちゃいますよ。
なんか、いい大人が、
『ガウシカが、そう言ってたんだ』
とか、喋らない上に二次元の話だってのに、言いだしそうな人が頭に浮かんできたよ。
そんなどうでもいい髪の毛の話より、わかったんですけどね。
俺のキノコ、美味い!
なぜかは全く分からんが、食べ続けるとキノコが生えてくる気がするんだ……
そう思うと箸がすすんですすんで……
箸とかないし。
持てないし。
まあ、食べると生えてきそうってのは本当ですけど。
でも、本当に美味しいんだぜ。
なんかもお、馬鹿じゃないかってくらいに食ってます。
6時間に一回しか腹変色しないけどね。
そうなんですよ。
なんとお腹の、6時間に一回しかないんですよ。
『ヤベエや、ハハッ、俺も木と同化しちまうみたいだ……
ほら、腹から木の実が出てくる……もう、ここでおしまいだな……なあ、美智子、俺が木になったらお前の家の前に植えてくれないか?俺はずっとお前を見守ってるから……』
『ヤダ、ヤダ、ヤダ。』
『わかってくれ。俺はお前と一緒にいたいんだ……』
『ヤダよ、失うものが多すぎるわ!』
『わかっていただろう?お前だって……はんたーってのがこんな職業だって。』
『ヤダよ。絶対に嫌よ‼︎』
『美智子わかってくれ。俺はお前のことがーー』
『あんたみたいなクズのために使う労力も、お金もないわよ‼︎』
『(´・ω・`)』
とかみたいなやりとりも、6時間に一回しかない。
びっくりでしょ?
でもって、最近一週間くらいは、キノコを食べてます。
なんか次の時代がキノコであると俺の勘が告げている……!
まあ、要するに待ってる間、暇だったから、こんなババコンガに連れされた囚われのはんたーで妄想してたの。
そういうこと。
美智子はツンデレですなあ。
それはおいといて。
今は、密林と山の中間みたいな?
ハヤシと山盛り白米の間みたいな?
ないな。
で、先ほどガウシカの奇行を見て、ガウシカをチューチュー。
なんか、そろそろクック先生に会えそうな気がする気がするんですよね。
いや、自分でもないなと思ってるんだけどね。
クック先生のことを思うと、何か腹の底からわきあがってくるものがあんだよ。
俺、男だけど。
クック先生を見てると、自然と口元がにやけてくるんだ。
俺、男だけど。
これが………故意‼︎
まあ、わざとやってますよ。
クック先生の偉大さはわかってるけど。
そんなことしてるとーーー。
ほら。
出たよ、出たよ。
なんか上手いこと隠れてるつもりで全然隠れてきれてない。
具体的には、体を隠して頭が見えてる!
なんか、すごい目が合ってる!
パチっ!
俺のウインクに扇状の耳を広げる先生。
……まっこと愛い奴よのう……
って待って、待って!
そんなに見つめないで!
よだれもしまって!
もう、そんなに欲情しちゃったの?
いいよ、先生になら抱かれても……
俺、男だけど。
ぎゃーーー!
ちょっとしたジョークじゃないですかーー!
先生!
りふじんだー!
なんか、一回見たことあるような展開になってきたし。
ええい、こうなったら、ミ・サ・イ・ル・針だーー☆
麻痺毒装着、目標捕捉、飛距離クリア、スタンバイオケーーーイ!
それじゃ、あっふん。
レッツラゴー!
飛んでいく毒針。
耳を突き破られる先生。
遥か彼方に消えていく毒針。
毒針を眺める俺。
毒針の方を向く先生。
視線を合わせる俺たち。
思う俺。
ーーー射出した針の麻痺毒、きかないかーーーーー!
内心であちゃーな俺。
急に駄々をこねたように飛び跳ね出す先生。
思う俺。
ーーー針さん。あんた仕事していけよ。
俺に向かって一直線な先生。
そんな先生を受け止めようとする俺。
急に頭の中に現れて、
『美智子を頼んだ、俺はゴリラのーー』
とぬかすはんたー。
クチバシを振り上げる先生。
はんたーってロクでもねえな、と思い込みながらも、目を閉じる俺。
頭の中で、
『あんたに頼まれるほど人生諦めてないわ。サッサとゴリラに婿にでも、嫁にでも貰ってもらいな』
とツンツンする美智子。
ああ、お前ら人の頭で勝手にイチャイチャすんじゃねえと思いながらも、先生に慈愛の表情を浮かべる俺。
菩薩のように全てを悟った顔しながら一言、
ーーーいや、美智子辛辣すぎんだろ。
と。
ーーーーーーーーーー
その後、ズテンと大きな音を立てて何かが倒れる音がする。
うるせえなあ!
先生と俺の愛の口付けのところだぞー!
だれだよー
ぎゃー!
せんせーーーーーーーい!
何が起こったんだ?
あ、もしかしてだけど……?
うん。
気絶してるけど、ピクピクしてるね、先生。
ピクピクイコール麻痺だからね!
えっへん。
ちゃんと仕事はしてくれたんだね、針さん。
颯爽と駆け抜けてく針さんに、イラっとした俺が恨めしい。
でも、俺の針だからね。
だけど、自分の一部を飛ばすっていいね。
男って感じがして。
でもでも、先生のことどうしよう?
このまま放置は先生にとても失礼どころか、こんな無様誰かに見られたら切腹もんだよ。
あ、俺がいましたね。
そんじゃあ、切腹だ。
先生。
大丈夫ですよ。
麻痺がいい具合にはたらいてくれるはずですから!
俺、転生して麻痺したことないけど。
え、兄貴のが麻痺じゃないのか?だって?
馬鹿野郎、あんなクソガキのどこに痺れて、憧れるようなところがあったんだよ。
え、違うの?
そうだねー。
まあ、そいつはいいじゃないか、どちらでも。
うーん。
困ったなあ。
なんか先生に関することだけ、ものすごく長時間にわたって考えてる気がする。
うーん。
なんだ、なんだ?
急にざわざわしてきたな。
なんだよ。
先生はギャンブルまで完璧だったのか
ああ、そうか。
俺にしようとしたついばみ攻撃は連続で放ってくるときがあるのは、
『倍プッシュだ』
ってやつだったのか。
しかし、やかましいな。
少し移動するかねー、先生のダイナミック大の字睡眠を邪魔したら、あんパンの愛と勇気しか友達がいないヒーローみたいに頭が飛んでいっちまう。
ほっほっほっ。
さてとこの辺でと。
出てこねえか!
この、へんちくりんな声した飛び上がるしか脳のねえアホども!
俺も昔はよく辛酸を舐めさせられたぜ。
いや、舐めまわし過ぎて他の奴になめられてたんだぞー!
コンチクショー!
俺はこいつのために、何時間数学の時間をかけたことか……
たしか、5時間くらいだったかな?
うん。
長すぎだわ。
なんでこんなアホな保護色にまとわれた奴にそんな時間かけたんだろね。
嫌んなっちゃうわー。
終いには、[ランポスの餌]と呼ぶ始末。
いや、エロ猿、きちんと猫ちゃんが回収してますから。
餌にはなりません。
あ、でもヤマツカミとかにはよく吸い込まれたり、ボリボリいかれたりしてましたよ。
そして、数学の時間には先生にランポスの討伐数の報告をしてた。
『よし、じゃあタケル、この2次関数の答えはなんだ?』
『ハイ!HUNTER×Velocipreyで、1匹です。』
『少ないな。今日は何かあったのか?』
『ハイ、お腹の調子が……』
『いや、そんな元気そうに腹が緩くなってんの言われてもなあ。』
『ええ、なんかランポス見てるとハード壊しそうで……』
『それはまずいな……』
『ええ、ランポス消えてくれませんかね?』
『馬鹿も休み休み言え!』
『あ、なんかHUNTERって感じがして上手いですね。』
『ああ、それほどでもない!』
『機嫌がよさそうですね、先生。』
『ああ、今日はお前以外いないから、仕事も適当にできる。』
『ですね〜。ていうか、なんで月1で俺以外に出席者がいない日があるんですかね?』
『さあな。何人かは聞いたぞ。』
『へー、例えば?』
『婆さんが危篤だってよ。』
『それは先週も言ってましたよね、同じ人が?』
『ああ、毎週孫のために危篤になるらしい。』
『厄介な奴らですね。で、他は?』
『徳川埋蔵金が見つかったらしい』
『あほですね。学校に報告するなんて。』
『アホだが、めんどくさいからほっとけ。』
『他は?』
『他所の学校の生徒ともめたらしい。』
『なんでですか?』
『何でも、どちらがより高度なセクハラを仕掛けられるか、勝負したらしい。』
『あー、それ、他所のは
ああ、余計なことも思い出してしまった。
そういえば、
確か自分のこと、[
そんなことはどうでもいいんだ。
大事なのは前半だけ。
前半も、ぶっちゃけ要んないけど。
とりあえずは、ランポスと俺は、犬猿の仲ってこと。
若干違うけど気にすんな。
でも、俺が猿は嫌だなあ、だって
ってことで俺、犬で。
俺、虫だけど。
しかし、うじゃうじゃきますね。
7匹くらいかな?
まずい気が全くしないなあ。
うん?
準備が終わったみたい。
じゃあ、行きますかね〜。
しかし、クック先生起きねえかな?
ーーーーーーーーーー
1匹の脆弱な虫を取り囲む鳥竜たち。
それぞれが威嚇の声をあげる。
全く同じ声で。
そんな個性のないアホ面のランポスを見ながら、虫は動く。
ペペッと腐食液を飛ばす。
威嚇の声なんて馬鹿みたいなものをあげていたランポスたちの中で、当たることなく全てを避けきったランポスは1匹のみだった。
他も大なり小なりあるが、大きいのは、口を開けていて直接口の中に腐食液を食らった1匹であろう。
小さいのは、鼻先をかすっただけであった。
そして、腐食液を合図に、食い合いははじまる。
声を轟かせながらも真正面から噛み付いてくる無傷の1匹。
続けて、少し遅れながらも飛び上がって後ろから強襲してくる傷の比較的軽い2匹。
それを広い視野で確認しながら、真正面で口を開けて襲いかかってくる1匹に針を射出する。
虫には、とても優れた動体視力があるため多くの反応に対し、瞬時に多くの判断ができる。
そのため、射出した針がヒットしたランポスは驚き、その動きを止め痛みに悶絶しようとしているのがわかるが、麻痺毒で体の制御がきかず、そのまま頭から転倒しながら突っ込んでくる。
その場から回避し、後ろから強襲をかけた2匹は気付かれていないと思っていたのか、驚くがランポスという種族である空中で移動は不可能だ。
そのまま、突っ込んでくるランポスと衝突し、無傷だったランポスは首が折れる、きっと即死だろう。
強襲を仕掛けてきたランポス2匹は着地をできずに転倒する。
そこに腐食液を頭からかけてやり、苦しませると同時に視界をつぶしておく。
「ジュアアアアアア!」
(なんだよその鳴き声)
と思いながら、悶えて絶叫をあげる2匹を視界から外し、残り4匹に目を合わせる。
1匹は、口に腐食液を食らっているため、悶えていて使い物にならず、1番距離が開いていて鼻先にしか腐食液を食らっていないランポスしか実際には役に立たない。
4匹といったが、1匹はあのざまであるし、もう2匹は、腕の付け根に食らって動こうにも溶けて見えている骨が激痛によって動くことを体が拒否する1匹に、喉元に食らって動けても瀕死の1匹しかいないため、実質的に残り1匹だ。
そんな彼らにだが、もちろん虫の方が逃すことなどない。
この世界は弱肉強食であるのだから。
そして、動けないランポスにも動けるランポスにも、再度腐食液を飛ばす。
仲間の確認をしていた比較的無傷な1匹は見ていなかったため、顔半分に食らう。
他の者も動く元気などなく、その身で食らう。
そのまま、1分間かけながら針が生え替わるまで油断なく苦しめる。
ランポスは、絶命したものが計4匹で、生え替わった時には生きているものは3匹であった。
その3匹も皆、あと30秒もあれば絶命するだろう。
だが、それまでが長すぎる。
この苦しみから解放されるにはまだ30秒もかかる。
そんな思いに絶望の表情でピクリとも動かないランポスに願っても見ないことが起こる。
痛みが消えたのだ。
ランポスたちは、誰が、何故など考えることなく苦しみから解放されたことに喜びをあらわにし、解放してくれたものに感謝した。
それが解放してくれたものが、苦しめたものであり、解放したのは殺すためだと知らずにーーー
ーーーーーーーーーー
うん。
終わったね。
始まってみたら、全然食い合いでもなくて溶かすだけだったね。
それにクック先生は未だに熟睡中っていうね。
結構、大きな声で叫んでたのにね、ランポスたちが。
すげえわ、クック先生、自分が切腹するから食われねえと思ってんのか知んねえけど。
こいつが、強者の余裕ってやつかな?
いや、ないな。
うん。
そろそろLVが上がると思うんだが、なかなかなんねえな。
まだかなぁ……上がらねえのかね〜。
まあいいや、先生で遊ぼう。
ちょれちょれーー、寝顔も素敵ですね、先生は。
大の字で寝てるけど。
わー、マジで惚れそうだわーー。
俺、男だけど。
ツンツン、ふふふふふ。
【ランゴスタLV5になった。ランゴス・タケルは〈発光〉を使えるようになった。】
【ランゴスタLV5になったので、進化が始まります】
えっ、ちょっとなんですそれ……
って、痛えええええええええええええ!
ちょっとタンマ‼︎タンマ‼︎
痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!
なにこれ、進化ってこんなやばいの⁉︎
確かに、何かを得るためには犠牲はつきものっていうけどねーーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎
ちょっ、重い重い。
なんか、体がとっても重い‼︎
うわー‼︎
キノコ生えてきた♡
ぜ・ん・し・ん・にーーー‼︎‼︎
ちょっやべえってまじでって、痛みが治まった……
なんかすごかったぜ……
痛いんだが、これが必要なことであるかのように体からキノコがにょきにょきとね。
うん、これさ…うん、やっぱこいつは……
【ランゴス・タケルの進化が終わった。ランゴス・タケルはモッスー・タケルに改名し、種族〔モス〕になった。】
はい、モスでした。
ランゴスタ、卒業して大丈夫だったかな?
まあ、やっと第1進化ですから。あまり書いてないけど。
これからもちょっとずつ進化していく予定です。
どこまで行きますかね〜
いいですね、顔文字って。あんまり使いたくないけど。(´・ω・`)