第4話 モス
くそっ!
なんだよ、急に!
魚のくせに上等ぶっこいてんじゃねえよ!
……あ、毎度騒がしくて申し訳ありません。
ランゴス・タケル改め、モッスー・タケルになりました。
ついでに、モスですね。
はい、モスですね。
モスは嫌いじゃないんですよ。
むしろ、
『へいへい、ここにもいんじゃん、モスちゃん。ちょっとゲリョス追っかける前にモスの観察でもしようぜ。
『いや、目の前にいんぞ、ゲリョス。なんか溜めてるし。
光るぜ。』
『えっ!』
ピカッ
『目が〜、目が〜!』
『言わんこっちゃねえ。』
『いや、お前も食らってんじゃねえか。』
『あ、死んだ。』
『いや、一撃で死ぬとか。』
『ああ、モス装備だったんだ。』
『無駄に頑張ったんだな。ていうか、ゲリョス倒すのになんでモス装備なんだよ?』
『いや、モス最強説が……』
っていう感じで愛でてましたね。
そうなんですな。
で、今は魚と戦争中ですな。
アロワナって調子乗ってんすかね?
いつもハンターに総スカンくらってストレスたまっていたんですかね。
そんな、影薄魚類と戦ってますね。
ああ、嘘です。
戦争とかしてません。
単に、水の中に腐食液を垂らしてさながら詰将棋のように追い込んでいます。
腐食液って濃度の違いからか、うまい感じで混ざらないんですね。
しかも、どっか流れていくのあるし……
なんでへたくそですが追い込んでいんです。
そうなんですよ。
腐食液使えたんですよ。
ていうか、よくよく考えると腐食液ってランゴスタ、使わないんですよ。
そうです、麻痺毒だけであんなに嫌われてるんですよ。
ある意味すごいですよね〜。
いやまあ、こっちが崖登ってたら当たってきてぶっ飛ばすわ、卵を運搬してんのにアタックかけてくるわ、先生との死闘に横槍入れてくるわで嫌われるのも当たり前ですけどね。
殺されるって意識がないんだろうね。
そういえば、なんですけど。
俺の今考えてることって、攻撃したのは明らかにモンスターなのに、ハンターに対してキレるモスの脳みそじゃキャパシティーを超えてるとおもうんだよね。
なんでかなー?
まあどうでもいいし、こちらにも都合がいいから放っておくんだけどね。
でまあ、今喧嘩上等的なアロワナ、追い込みました。
ふふふふふ、私の新必殺、
キノコミサイル!
プシューッ
ぷちゃーん。
ポコ!
プカプカ。
ふむ、なかなか。
あ、今の針の代わりに背中のキノコ射出できるようになったんです。
凄いんですよ。
麻痺毒つけられるし。
さらに、常時4本背中に生やしておけるんですよ。
それに、縮小版現代兵器の真似事ができるのは嬉しいです。
俺、現代兵器のこと、全く知んないけど。
でもでも、なんかいい具合にランゴスタの時のスキルを引き継げました。
発光は、目立っちゃうんであんまり使ってないんですけど。
あ、ちなみに発光も背中のキノコでするみたいですね。
で、腹の変色ですけど、こいつも背中ですね。
なんか、キノコがもぞもぞするんですよね。
すると、背中から木の実がぽろっと、でてくるんですよ。
可愛いでしょ?
まあ、他はキノコとして生えますね。
ハチミツだったら、ハニーキノコだったり。
回復薬グレートだったら、1UPキノコとか。
まあ、某土管の人たちが食べそうなものですけど、まんまなんですよ。
ああ、1UPキノコって言っても残機がふえるわけじゃないよ。
だって、確かめるのに死ななきゃなんないじゃん。
そんなの怖くてできません。
なんで、見た目が凄く似てんで、便宜上1UPキノコって呼んでんの。
でも、本当によみがえれたら、モス最強説が浮上しそうですね。
何か忘れてる気がしませんか、皆さん?
そうです、腐食液はどこから出してんの?っていうことですよ。
簡単ですね。
口からです。
なんで、キノコじゃないのって思ったあなた。
いいんですよ。
キノコにもできますよ。
できるんですけど……なんか追い回されそうなキノコになったんですよ。
別に、そんなホーミング機能はついてないんですけどね。
ですが、1匹でいるランポス見つけて時に、使ったんですよ。
そしたら、この前の地獄の苦しみを味わっていたランポスより、発狂してたんですよ。
死因は、腐食とかキノコによる撲殺とかじゃなくて、確実に狂死ですね。
ですから、口から出すようにしてます。
まあいって仕舞えば、まだこの体に慣れてないから、よだれ的な感覚で腐食液垂れ流しにしてる時があるんです。
そう、今みたいに。
待てよ。
なんで、俺はここで腐食液を垂れ流しにしているんだ?
なんか、どうでもいいことが……!
まあ忘れて、帰ってキノコを漁りますかね。
あ、それとここは水没林みたいですね。
水たまりの底の方にいつでもスタンバッてるチャナガブルがいるんですけど。
はい、今回出番はございません。
あの子、アンコウのくせに薄すぎるし。
水たまりは汚いし。
あんな、訳わかめなモンスターのそばには寄りませんし、汚いし。
ああ、そうですね。
さっきからいちいち、足元にある水たまりに足が滑るんですよ。
うざいね〜。
もう、こんなとこ来たくないね。
汚いし。
お、第1モンスター発見。
え、チャガナブル?いいや、見てないよ?
え、
『チャガナブルじゃなくてチャナガブルってさっき言ってたじゃないか。』
って?
気にしない気にしない。
そんなちっちゃいこと気にしてたらモテナイゾ♡
俺、男だけど。
んでまあ、発見したのは4匹のルドロスだ。
なんか、水の中でぷちゃぷちゃ遊んでますわ。
和むわ〜。
……
………
いや、和んでる場合やないぞ!
ムムム!
これは由々しき事態だ!
先生以外の生物に心を奪われるなんて!
どうするべきか……
ぶっちゃけ証拠隠滅が手っ取り早い。
だが、俺からするとあの一瞬でも私の心を奪った情景を破壊するのは心苦しい。
うーむ。
…
……
………
決めた。
あの情景の思いが薄れるくらいひどい情景を作り出そう。
それがいい。
ニャー。
それがいい!
それがいい‼︎
異論は認めんぞ!
ニャー。
なんだ!うるさいぞ!
ニャアアー。
なんだ、野良アイルーか。
俺になんのようだ?
ニャア。
ふむ、
『あのメス共とっ捕まえて、あんた、かこうつもりだろ?俺も1枚噛ませちゃくれねえかい?』
だと。
うん、なんかさ。
ニャアの一言でどんだけしゃべんだよ。
しかも、可愛い顔してって、こいつブッサイクだなー。
顔見てびっくりしたよ。
なんだこいつ、顔面が爆心地みたいになってんな。
何が起こったんだ?
ニャーニャー。
うん?
『やっぱり無理ですかい?俺としては、あんな美女捕まえられるなら、たとえあとちょっとの命だって投げ捨てられるぜ。だからお願いしやす。』
……こいつは決定的に間違っている。
なんで猫のくせに海竜種の美女とか美女じゃねえとかわかるんだ?
そもそも、俺はルドロスで周りを囲うつもりはない。
なんで、全く違う種族の化け物に囲われにゃならんのだ。
ていうか、ルドロスは陸上での活動は非常に困難だ。
だから、こいつは水中でルドロスと愛を育もうとしてるわけだ。
猫のくせに。
それに、多分だがこいつは……
ニャア
……やっぱりか……
『アニキ、後生だ!手を貸してくれ!別に期限なんてねえし、時間はいくらかかっても構わないだ!』
だそうだ。
あとちょっとの命うんぬんは違うだろうと思ってた。
ていうか、こいつは豚をアニキって、やっぱ頭がおかしい。
ニャア
うん、
『アニキ!あの体全部がアニキのものになるんですぜ!そのあとちょいとおいらにも分けてくれればいいんでさあ。』
やっぱ一言が長いよねー。
ていうかこいつ、あの体のどこに魅力を感じてんだ?
猫のくせに。
ニャアニャア
イッ‼︎
やべえやべえ離れるで!
走る走る。
こんな時こそモスロケットだ!
行け!
ニャー!ニャー!ジュアアア!ギャー!
死ね!クソ猫!
蒸発しろ!
ーーーーーーーーーー
はあはあはあ。
ふうやばかった。
あいつ、
『アニキ!美女なのにあんな立派なもんついてんでっせ!あれで掘るとなるとーー。』
とか言い出したんだ。
なんだよ、あいつ。
男がいいのか女がいいのか分かりゃしねえ。
しかも、鬣でどこ掘ろうってんだ?
異次元の話にはついていけねえわ。
【モスLV1になった。モッスー・タケルは牙が生えた。】
……どゆこと?
まあわからないことは仕方ないが、一度現場に戻って確認したほうがいいかな?
あ、でもさっきの変態いるし。
うぬ。
これ、ちょっと牙が生えて噛み合わせが悪くなったんですけど。
すごく喋りづらいし、噛みづらい。
これは、どうしたものか。
ていうか、なんとなくなんだけど。
牙からも麻痺毒出てるみたいなの。
なんかさ俺、全身雷のヤハハなのになっちゃうかも。
まずいな、『我は、神なり』とか寒いこと言うようになったらおしまいだ。
でも、この世界だから、ジンオウガかな?
進化でいけそうな気がする。
もっとも、モスからどういう進化したら狼になるかは不明だけど。
一応、猫が死んだか確認しに行こう。
ーーーーーーーーーー
なんだ、これは?
なぜに先ほどのルドロスたちとあのクソ猫が仲良くなっているんだ?
これは聞かねば。
よお。
シャアアア!
ニャア!
シャア!
ニャア!
はい、意味わからないですね。
次からリアルタイムで通訳しますよ。
しかし何で、全部言葉わかんのかなぁ……
まあ、最初から、
『あなたは!近寄らないで!ダーリンを傷つけて、私にも攻撃しようとした!あなたのような蛮族がーー。』
『待て、ハニー。いいんだ。』
『でも、マイケル……』
『いいんだ、この豚もお前みたいな美女を見て興奮しちまってたんだろう。』
『も、もう、あなたったら。でも、この蛮族豚はあなたにあれだけの傷を与えていったのよ。』
『だから、いいんだ。俺の顔を見てくれ、セリア。確かに、俺は傷ついた。だが、それを癒してくれたのは誰だ?』
『私だけど…』
『そうだ。その健気な姿に俺は惚れた。だからな、俺は傷つけられた、だが、お前と出会えたのもまた、この豚のおかげだ。』
『で、でも…』
『別にこいつを嫌うなと、言ってるわけじゃない。むしろ、俺もお前を傷つけようとしたこの豚が大っ嫌いだ。だけど、あの出来事を責めるのは俺たちの出会いを自分たちで貶しているようなものなんだ。』
『ーー!』
『わかってくれたか?セリア。今は、このクズ豚に感謝しよう。これからの俺たちの幸福のために。』
『そうね!マイケル、大好き♡愛してるわ!うん!そこのクズのゴミ豚さん、ありがとね。』
『ああ、そうだ。俺からも礼を言うよ、史上最低のクソ豚。
ありがとう。』
『ねえ、ダーリンこれからどうするの?』
『ああ、墓を掘ろう。俺が守れなかった者たちのために。』
『別にダーリンが気負うことじゃないよ。元はと言えば、私たちがハンターに傷つけられた前のダーリンが、どこかから流れてきた腐った水に殺られたのに、自失呆然としてて、周囲の敵に気を配らずに反応ができなかったのが問題なんだから。』
『そう言ってくれると助かるよ、セリア。』
…
……
………
ふう、やれやれだぜ。
まず、LVが上がったのはルドロスをキノコの発射の反動を全身のエネルギーに変えて走るモスロケットに巻き込んでしまったことからだな。
で、最後の1匹を助けたクソ猫と元彼と死に別れをしたばかりの最後のルドロス一匹と。
そんで、イチャイチャして、俺を罵倒するわけか。
まあわかるけど……アニキって呼んでた奴が史上最低のクソ豚って呼んでくるのは納得がいかないし。
そいつの顔が爆心地なのは元からだし。
しかし、3時間も経ってねえのに回復する傷ってなんだよ。
しかも、それ食らった猫がピンピンしてて、海竜種が死んだ、と。
意味わかんねえな。
そんでもって、掘るのは墓、と。
うん。
これについては悪いのはあのゴリラだ。
あんなゴリラがいるから世の中の腐敗は止まらないんだ。
まあ、噛み合わせが悪くてLVアップ直後から腐食液垂れ流しの俺が言うことじゃないけどね。
……で、最後は、全面的に俺が悪いですね。
これに関しては、キチンと謝罪しようかなーって思ったり、思わなかったり。
うーん。
あ、あのクソ猫がこっち来た。
ニャア!
へー、
『アニキ!見事にセリアゲットだぜってね!にゃはは。あんな芝居うってくれてありがとうごぜえやす。でも、アニキもすみにおけねえなあ。あんなベッピンさんたちのことだから、どうせアニキがお楽しみになるんでしょう?おいらにも後からちょいとばかし分けてくだせえよ。しかし、死んだふりがうまいってどっかのトサカが光る鳥みたいですね!まあ、それよりもアニキ、これからもお願いしやすぜ。』
か。
…
……
………
ふっ、まあアニキだからな。
てめえにも教えなきゃなんねえことがたくさんあらなぁな。
ふっ、もう行っちまいやがれ!
ニャアニャア!
『アニキ!達者で!
……セリアちゅあーーーーん♡』
そうだよ。
男は背中で語るもんだよ。
で、最後に一つだ。
モスロケット発射!
ジュアアアアアア!
ギャアアアアアア!
「ふがっ!(一言が長えんだよおおおおおおおお‼︎‼︎)」
旅のお供を設定しようかな………