とある鎮守府のバレンタインデー   作:よっこー

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なりゆき。提督室にて

「うーん…そろそろバレンタインデーか…」

 

 とある書類の締切の日にち、2月14日。その日にちを見てその日が脳の裏から表へ出てくるように、口にその独り言が漏れる。

 その書類は…遠征の要請及び許可票か…作戦予定日は16日か艦娘確認、作戦内容…よし。判子っと。

 

「そういえば…バレンタインデーか…」

 

 頭を両手で包むように抱える。書類のせいではない。頭が痛いのではない。嫌な記憶が呼び起される。

 それは初めてのバレンタインデイかもしれない。

 なんせ、中学の時はオタク全開で女子と関わりなかったし…高校なんて男子グループと女子グループに分かれてて絶望的。

 

 そう、バレンタインデーとはバレンタインデーではなかったのである。

 

 今までは、な。

 

「なぁ、べっぷ」

「なんだい?」

「俺ってここに就いたのってたしか去年の3月何日だっけ」

「ふむ…たしか15日では?」

「あ、そうか。ありがとう」

「大丈夫だ」

 

 そう、ここに来てからのバレンタインデーは初めてなのだ。

 鎮守府なのにチョコ?そう疑問を持つ人々は多いのかもしれない。なんせ、この娘達は一般には知られていないからな。

 

 「艦娘」。世界で戦争が勃発していたころ、日本で活躍したいわば「エリート」を再現し、現在の敵と戦っている娘達。

 その名前から想像はできないだろが、艤装をしなければ普通の「女性達」なのである。いやまぁ、少女もいるがな。

 

 例えばこのべっぷ。本名はロシア名「Верный」、意訳不死鳥。そして本当の名前は「響」。

 

 白く、腰あたりまで伸びる綺麗な、髪。中心の黒点を囲む白の目。その白が特徴的な見た目12歳前後。実際の年は不明。

 帽子も白だが、現在は机に置いている。セーラー服は白と黒で、体系はやはりロリ。ニーソックスをアクセントとする華奢な足、まぁ色々と可愛いのである。

 

 さてまあ、長くなってしまったがつまりは

 

 

 ここにいる艦娘からチョコを貰う可能性がある

 

 

 ということである。

 

 いやまぁ、もらえなくてもそれはそれでしょうがないし?そもそも職場で恋愛なんて責任が?

 

 …正直待ち遠しい。

 

 女性、ないし少女からチョコを貰った時の感覚はどのようなものであろう。それを味わってみたい。

 

「なぁ、べっぷ…」

「なんだい?」

「緊急でキッチンを用意しよう。これを艦娘に公開する。」

「何故だ?」

「いや…その…な」

 

 バレンタインデーでチョコが欲しいからな。艦娘が料理できる環境はそういえばない。

 まぁ、正直に言えるわけではなく

 

「もし艦娘が料理するときになって、できないなんて恥ずかしいだろう?それに夜食を姉妹艦のために作りたい艦娘だっているかもしれない」

「なるほど、バレンタインデーにチョコが欲しいんだな」

「そうそう、そういうこと…ってばれていたか」

「当たり前だ。私を誰だと思っている」

「はは、まぁ、たしかに付き合いは最初からだしな」

「ふふ、懐かしいな」

「さて、書類整理しますかー。べっぷ、よろしく」

「了解した。ではいってくる」

 

 さて、本日2月6日。14日に何個チョコがもらえる…かなー…。

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