ラフィールの修技館時代   作:いち領民

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ラフィールの修技館時代 第13話

こうして、帝宮では深刻な事態が起きていた頃、飛翔科修技館では、ラフィール達の部屋にシータが来て、今後の対策を話していた。

「私達には難しい問題……いえ、“任務”を与えるのですね」

「難しいかもしれないけど無理ではないわ。やらなければ国が危ないのよ。もし忌避するのであれば売国者として男爵閣下、貴方を拘束します」

シータの言っている事は確かだった。

「よし、受けよう。国の為だ」

ラフィールも気合を入れる。

「判ったわ。私もやります。もし拘束されないくても私はこの“任務”を自ら進んで行うでしょう」

ナシーカもやる気は充分だ!

「では、明日に決行するわ。時間は0400時。(午前4時)充分に身体を休めて」

 明日に備え、シータもラフィール達の部屋から出た。

「お風呂に入ろっか。あんなに動き回った後だから」

入浴を提案したのはナシーカだった。

「前はあんなに嫌がっていたのに…」

「それもラフィールちゃんのお陰だよ」

明日に備える2人。準備は万全だった。

この状況では失敗は許されない。

 

         ~~作戦実行時間~~

,三人はラフィール達の部屋に集合した。

「武器と心の準備はいい?」

シータが真剣な面持ちで二人に尋ねた。

「ああ」「はい」

二人も真剣な表情だ。

「最後にもう一度言っておくわ。指揮は私が執る。貴方達は私の命令に従うこと。いいわね」

「ああ」「はい」

「よし、では出発」

三人は部屋からシータ、ラフィール、ナシーカの順に出発した。

 

~数分後~

「着いたわ」

三人は修技館のとある扉の前に立っていた。

「ここか。この中なのだな」

とラフィール。

「そうよ。この中で訓練生達を無理矢理連れ込んで洗脳しているの。レオ達はこうやって仲間、と言うより奴隷ね、を増やして密かに星界軍を乗っ取るつもりなの。そして・・・・・」

「何十年か経って今の訓練生達が翔士として星界軍内の要職に就いたらクーデターを起こして帝国を乗っ取る、という訳ですね」

ナシーカが言った。

「そうよ。止めるなら今しかないの。もし私達がこの作戦に失敗すれば、帝国の未来が無くなるでけではなく、私達も捕まって洗脳されてレオの奴隷にされてしまうわ。だから失敗は許されない。いいわね?」

「了解!」「了解!」

「ふふっ、いい返事ね。それじゃあ行くわよ」

シータはそう言うと勢い良く扉を開いた。扉の向こうは通路の様になっており、突き当たりにはまた扉があった。そして通路の中ほどには四人の男達が直立不動で立っていた。男達は扉が開いたのに気付き、一斉に振り返って扉の方を見た。そして三人の姿を確認した瞬間男達の頭が左右に分かれて中からガトリングガンが出てきた。機械兵士達だ。ガトリングガンが回転を始め、銃口が三人の方に向いた。

「撃てえぃ!!」

それに気づいたシータが叫び、剣を抜いてかまいたちを起こした。ラフィールとナシーカも素早く手にしていた凝集光銃で機械兵士を撃ち抜いた。最初の戦闘はあっという間にラフィール達の勝利で終了した。

「あっけなかったな」

とラフィール。

「気を抜かないで。パーティーはこれからよ」

とシータ。その時向こう側の扉が勢い良く開いてそこから次々と機械兵士達が姿を現した。

「来たわ。発見次第、命令を待たず撃て!」

「了解!」「了解!」

 

 

アレからもう10分と戦っているのにまだ出て来る機械兵士。

「あ、あれ?」

今までは頭が二つに分かれて撃ちまくっていたが、突然筒のような物を持った集団がバラバラと扉を固め始めた。

「一旦出て!」

筒をナシーカ達に向けその筒からは、弾頭が射出された。

ズドドオオオオォォォォォーーーン

 

ラフィールは弾数が残り乏しくなった光源弾装を後ろ手で投げる。

ボギョオオォォン

「行くわよ。突入ぅ!」

3人で扉をくぐった。そこには大掛かりな機械とそれを操作する人がいた。

「これが中枢ですか?」

ナシーカは不安になり尋ねた。

「いいえ。これは“一部”に過ぎないわ。中枢神経はプラキアさんと皇帝陛下御自身が叩きに行っている筈よ」

,機械を操作していたのは、洗脳された訓練生だった。

 

「カーセア訓練生、大丈夫なのか?」機械を黙々と操作する訓練生に呼びかけるラフィール

 

「・・・・・・・」何も反応せず、ただ、端末を動かすカーセア

 

すると、上から新たなる機械兵士が現れた。

 

「ち、新手か。」そういって、シータは二つの剣でかまいたちを起こして、一気に30体の機械兵士を破壊した。

 

そして、その勢いのまま、操作された機械を破壊した。

 

しかし、その瞬間。カーセアは、不気味に笑うと手にスイッチを持ち、自爆した。

「危ない、王女殿下。」一番カーセアの近くにいたラフィールを抱きしめて爆風を避けるシータ

 

「だ、大丈夫か。ファウスト教官。」シータに抱きしめられた腕の中で心配するラフィール

 

「ええ、大丈夫ですわ。ちょっと、破片が背中に刺さっただけです。それより、ここは撤退しましょう。」

表情は気丈にしているが、シータは血まみれな状態で、出血もひどくなっていた。

 

「そうですね。ここには、結局いたのは、訓練生一人だけ。しかも、自爆して死んでしまいました。」悲しそうにするナーシカ

 

「そうか、わかった。とにかく、撤退だ。」ラフィールも素早く決断していた。

 

しかし、機械兵士が再び、どこからともなく、現れた。これまでにない数だった。

 

 

一方、皇帝とプラキア卿は、飛翔科修技館の思考結晶網中心区画へ向かっていた。

「陛下、プラキア卿、どうやら、この先が目標地点みたいです。ここを破壊すれば、たぶん、この機械兵士の動きはとまるでしょう。」愛用の剣で機械兵士を次々と切り倒すヤフェト

 

 

「そうか、なら、急ぐがよい。敵に数は増すばかりだからな。」凝集光銃でラマージュも次々とスクラップの山をつくっていく

 

 

「ええ、とにかく、油断しないで突入しましょう。」そういって、区画へ向かう扉を破壊するプラキア

 

 

突入した飛翔科思考結晶網中心区画には、今までには見たことない機械兵士が三体いるだけであった。仮面を被っていて、表情はわからなかったが、今までの機械兵士と全く違う雰囲気を漂わせていたために3人とも慎重に敵の様子をうかがっていた。

 

「こいつら、只者ではないわ。陛下、男爵閣下、気をつけてください。」プラキア

「うむ、そうであろうな。これまでの雑魚とは雰囲気が違う。」ラマージュ

「確かにあれだけ投入されていたはずの機械兵士がここでは3体しかいないのは、おかしい。あ、あれを見てください。あそこの奥に機械兵士の司令装置があります。」ヤフェト

 

すると、その機械兵士達がおもむろに構えた。武器は何ももたず拳法の構えのようだった。

「その構えは、」とヤフェトが言った瞬間、その三体の機械兵士は信じられないスピードで迫ってきた。

 

近づく敵をラマージュとプラキアは凝集光銃を撃ったが、防御壁が作用して、まったく効かなかった。

 

そして、敵の三身一体の攻撃の最初の目標はヤフェトだった。

 

バチーンと金属音が響くなか、空中で両者は激突した。

 

すると、敵の一体が着地してすぐ爆発した。しかし、ヤフェトも剣を落とし、右肩を負傷したらしく苦痛に顔をゆがめて手を当てていた。

 

 

「陛下、プラキア卿、あの構えは、ソヒラクール伯国の地上世界・メシアルのある武道家の天空真界拳です。私が今まで見た格闘技の流派では、最強の部類に入ると思われます。ですが、あれをなぜ、やつらが身につけているか・・・・。とにかく、凝集光銃がきかない今、皇帝陛下は逃げてください。私が奴らをおさえている間に。格闘戦では、お二人ではやつらに勝てません。」必死のヤフェト

「勝てるかどうかなどやってみなければ分からぬではないか」

とラマージュ。

 

「そうです。皇帝陛下も私も、格闘は修技館で習いました。それに私は『青の牙』の方からも直々に格闘を教わりました。少しはお役に立てると思います」

とプラキア。

 

「ではプラキア卿は皇帝陛下の護衛を頼みます。皇帝陛下、お早くお逃げ下さい」

 

「ヤフェト、私はそなたと共に戦いたいのだ」

 

「ご自分の立場をよくお考え下さい。貴方は今は皇帝なのですよ。気ままに振る舞える事ができたあの頃とは違う。今の貴方の身体は貴方だけの物ではなく、この帝国の物でもあるのですよ。万が一の事があったらこの帝国は・・・来る!!」

 

二体の機械兵士の次の目標はラマージュだった。咄嗟に銃口を向けるラマージュとプラキア。しかしやはり凝集光は全く効かない。機械兵士達は高く飛び上がり、そのままラマージュの方にまっしぐらに跳んで来た。

 

「危ないっ!!」

 

咄嗟にヤフェトはラマージュをかばった。ラマージュに叩き込まれるはずだった攻撃はヤフェトが受け止めた。

 

「うがっ!」

 

機械兵士の攻撃をもろに受けてヤフェトはうめき声を上げ、その場に倒れた。

 

「ヤフェト、大丈夫か!!」「男爵閣下!!」

 

「大丈夫・・・・・・・・・・このくらい・・・・どうって事は・・・ない」

 

『くっ・・・・・どうやら肋骨が折れたようだ』

 

苦しそうな息をしながら胸の痛みを堪えて何とか立ち上がるヤフェト。立ち上がるとヤフェトは目を閉じた。

 

『考えろ・・・・考えるんだ、スポール・アロン=テルミラ・レーグルス男爵・ヤフェト。どうすれば良いか・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだ!!』

 

パッと目を開けるヤフェト。この間僅か二秒。その間に機械兵士達は次の攻撃の準備を整えていた。ヤフェトは落ちていた剣を拾い上げて構えた。

 

機械兵士達の次の目標はまたヤフェトだった。どうやら手負いの者から片づける事にしたらしい。一瞬の静寂の後、機械兵士達はヤフェトに迫ってきた。

 

ヤフェトはパッと剣から手を離した。

 

『これでもくらえ!!』

 

ヤフェトは床に落ちていく剣を足で蹴り上げた。剣は真っ直ぐに一方の機械兵士の胸に吸い込まれ、深々と刺さった。バチッと火花が飛んで機械兵士は沈黙した。ヤフェトは剣を抜いて機械兵士の首を掴むと楯の代わりにして残った機械兵士の攻撃を防ぎ、そのまま残った機械兵士に投げつけた。ガシャアアアアーンという音がして残った機械兵士はかつて仲間だった物の下敷きになった。機械兵士は何とか起き上がろうとするが、仲間だった物の重量をもろに受けたため、足腰の関節部が故障してしまったらしく、また仲間だった物の下敷きになっているため上手く動けなくなっていた。ヤフェトはゆっくりとそれに近づくと、剣を機械兵士の頭部に突き立てた。機械兵士は暫く手足をピクピクと痙攣させていたが、やがて全ての行動を停止した。

 

「よし、敵を破壊した。これで、司令装置が破壊できる」重傷を負いながら、装置の目の前までいくウアフェト

 

「やったな。ヤフェトさすが、私が愛した男」ラマージュもヤフェトの前まで走っていった。

 

しかし、その瞬間、ラマージュの前に新たな敵が現れた。そして、仮面を被った機械兵士が剣を抜き、ラマージュのノドもとにつきつけた。

 

「く、しまった。ラマージュ・・・」伏兵を気づかずに自分の行動を呪うヤフェト

 

 

「陛下・・・・。やはり、あのとき徹底すべきだった。」凝集光銃を構えるが、ラマージュが影になり撃てないプラキア

 

「アーヴの皇帝よ。私は機械男爵。サタンさまの忠実なるしもべです。でも、驚きましたよ。クックック、あなたは馬鹿ですよ。なぜ、こんなところにいるのですか?とてもこの強大な帝国の支配者とは思えません。ハッハッハッハ。こんな馬鹿が支配している帝国など我が主が支配するのはたやすいだろう。」剣をつきつけながら不敵に笑う機械男爵

 

「ふん、私が死んでも帝国は滅びぬ。後のものが絶対、貴様達を潰す。絶対にな。」アーヴの微笑で機械男爵を睨みつけるラマージュ

 

「残念ながら、あなたを殺すことは、しませんよ。まぁ、死んだも同然の扱いですかね。脳をすげかえるのです。他の修技生同様にね。身体交換という技術を使っていますか?これで、帝国は主のいのままになります。アハハハハハー。だから、あなた以外の人は死んでもらいましょう。」そういって、指をパチンとならす機械男爵

 

すると、さきほどの、機械兵士の拳法家タイプが30体ほど現れて、ヤフェト達の周りを囲んだ。

そして、30体が同時にプラキアとヤフェトに襲いかかってきた。

 

「(く、殺られる。すまん、ラマージュ)」「(私のかわいい殿下たち、陛下を守れなくてごめんなさい)」

 

その瞬間覚悟決めた二人であった。

 

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