ラフィールの修技館時代   作:いち領民

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ラフィールの修技館時代 第14話

だが、機械兵士たちは、まるで、動力がなくなったようにピタっとその場に立ち止まったあと、地面に次々と倒れていった。機械男爵もぴくりとも動かなくなった。

 

「陛下、男爵閣下、プラキア卿、遅くなってすいません。もう安心していいですよ。機械兵士達は全て、鉄クズ同然ですから。」

おもむろに、アーヴの少年が現れた。

 

「そなた、誰だ?」突然現れた少年に不審を抱くラマージュ

 

「皇帝陛下、私は、シュリル・ウェフ=キルヒム・ダリシュです。ハーデスの息子です。この機械兵士達は、サタンが発する特殊な電波によって活動しているのです。ですから、僕が作ったその電波を妨害する装置を使ったのです。これを作るのにちょっと、時間がかかって、陛下たちの救援に遅れました。サタンの電波は、100分の1秒で周波数を変えていたので、それに対応するに時間がかかりました。」左手に黒い球体の機械を持っているダリシュ

 

「そうか、そなたが、ハーデスの息子か。とにかく、助かった。感謝する。」絶望的な状況から助かったと実感するラマージュ

 

「ダリシュ君、ありがとうね。助かったわ。でも、もう少し早く来てもらいたかったわね。こっちは、色々と大変だったのだから。」ダリシュの頭をなでながら言うプラキア卿

 

「とにかく、陛下が助かったので、本当に良かった。」ヤフェト

 

「ええ、すいません。他の修技館の機械兵士達を駆除するのに手間取りました。主計科、軍匠科、その他、全ての修技館の訓練生を保護しました。しかし、残念ながら、飛翔科修技館の場合、男爵閣下や王女殿下達に任せたのですが、すでに脳をすげかえられた訓練生が100名ほどでまして、彼らは全員殺しました。」淡々と説明するダリシュ

 

「100名・・・・。そんなに多くの訓練生が・・・」あまりの悲惨な状況に絶句するラマージュ

 

「それで、陛下、質問があります?どうして、アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・27代皇帝・ラマージュ陛下がここにいるのですか?」真剣な瞳でラマージュを見るダリシュ

 

「それは、帝国の敵を排除するためにここいるのだ。」ダリシュの意図を理解したが、強気に言うラマージュ

 

「皇帝陛下、あなたの役割は敵を直接排除するのではなく、排除するのを指揮する役目ではないでしょうか?しかも、今回、あなたの思いあがりの結果、いたずらに時間を浪費して訓練生に100名もの犠牲を出してしまいました。なぜ、『黒き槍』や『青の牙』の専門化にまかせず、陛下自身が来たのですか?」なおもひるまず苦言を言うダリシュ

 

「確かに・・・、軽率な行動をとったのは、私の過ちであろ。でも、帝国を救いたいという気持ちで行動したことをそなたに批判するいわれはない。」自分より100歳近く差のある子供に正論を言われてだんだん怒りがわくラマージュ

 

「そうですか・・・・。でも、僕には陛下は単にレーグルス男爵閣下と一緒に戦いたかったとしか、思えないです。陛下、あなたは、自分が皇帝という立場を理解しているのですか?あなた玉座にいくまでに何人の命を犠牲にしているのですか?何人の願いをこめられているのですか?その陛下がたった一人の想人のために命を落としたら、彼らにどういいわけするのですか。」

 

「そ、それは・・・・・」部下として戦場で散っていたものや戦友のことを思い出すラマージュ

 

面と向かって正論を言われたので、思わず黙るラマージュ

すると、今度はヤフェトに批判の矛先を向けるダリシュ

 

「男爵閣下、なぜ、閣下は、陛下を止めなかったのですか?僕は、まだ、恋愛はわかりませんが、本当に陛下を愛しているなら危険な行動を止めるのが想人ではないのですか?例え、相手がアブリアルでもとめなくてはならないときは、とめるのが男爵閣下の役目ではないのですか?そんな情けない男だから他のアブリアルやスポールを気にして陛下と堂々と付き合うことができないのでしょう。」最後は皮肉を言うダリシュ

 

ダリシュがその言葉を言った瞬間、ついにラマージュの怒りの限界点を超えた。

そして、思いきりダリシュの頬をひっぱたいた。

 

「子供のそなたに何がわかる。ヤフェトがどれだけ、苦しんでいるのか。シュリル・ウェフ=キルヒム・ダリシュ、そなた、前言を撤回し、ヤフェトにあやまるがよい」怒りに燃え上がる瞳をするラマージュ

 

「ラマージュ、いいよ。彼は事実をいってるのだから。彼の言うとおり、君を止められなかった結果、君は命を落としかけた。他の皇族やスポールの目を気にしているのも事実だ。批判されるのは、当然だ。」ラマージュをなだめるヤフェト

「陛下、男爵閣下、すいませんでした。前言は撤回します。ところで、これは、僕の提案ですけど、イーグルス男爵閣下を『青の牙』に一時的に所属させたいのです。それで、皇帝陛下の護衛任務を命令します。『青の牙』に入れば、他の皇族がたやスポールの人々に人事干渉されません。これなら、二人が一緒にいれるし、帝宮にいつでも男爵閣下は入れます。男爵閣下には、護衛任務と皇帝陛下が無謀な行動をとめるように命令します。男爵閣下、陛下、どうです、僕の提案は?」さきほどとは、打って変わって穏やかな瞳になるダリシュ

 

「それは・・・ありがたいが、ラマージュ、君はどうだい?」ダリシュの思いがけない心遣いに驚くヤフェト

 

「確かにそれは、良い案であるな。だが、無謀な行動というのは、今回のようなことをさすのかな」眉をひそめるラマージュ

 

「ええ、そうですね。陛下が無理矢理、前線にでてきたら、男爵閣下は任務失敗とみなして、相応の処分させていただきます。この意味、陛下もわかりますよね。」悪戯っ子の笑みをするダリシュ

 

「うむ、わかった。そなたの提案をうけよう。今回のことで敵の強さがわかった。専門家であるそなたたちに任せる。私は、帝国の義務をしっかり果たす。皇帝として今後、このような無謀な行動にでないように誓おう。」ラマージュ

 

 

 

こうして、ラマージュの護衛としてヤフェトは常に側にいることができるようになり、後にそれが重大な問題を起こすことになった。

 

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