ラフィールの修技館時代   作:いち領民

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ラフィールの修技館時代 第21話

帝宮へ向かうファリース子爵の元にクリューノに通信が入った。

それを見た瞬間、ファリースは顔色を変えた。

 

「陛下、男爵閣下、私、少し、用があるので、先に帰ってください。大丈夫です。必ず戻りますから。」そういって、足早にその場を去り、交通艇にのり、軌道公園に降り立った。

 

その場には、伯爵の長衣を着た一人の男が立っていた。

 

「ラフィール殿下、探しましたよ。サタン様も殿下の行動をひどく嘆いておられます。どうか、こちらに戻ってください。」

 

「機械伯爵か。残念ながら、私はそちらに戻るつもりはない。サタンにそう伝えておくのだ。これは、命令だ。」

 

「そうですか、殿下の目的はまだ、達成されていないのですか?レーグルス男爵閣下暗殺ということを。それでしたら、我々も全力で助力させていただきます。ですから、一度、帰還してください。お願いします。それとも、我々を見捨てるつもりですか。殿下」悲しげな表情を浮かべる機械伯爵

 

「そうだ。私は、陛下の元、母上の元に戻ると決めたのだ。」決意するファリース子爵

 

「やはり、そうだったのですか。それを聞いたら、サタン様、いや、あなたの想人だったタトゥース様も悲しまれるでしょう。この計画は、タトゥース様が自らの命をかけて、あなた様のために考えられたものです。あなた様も母の愛を奪った帝国やレーグスル男爵閣下、そして、自分を不当に扱ったスポール一族や皇族に復讐をタトゥース様と約束したでしょう。約束を破るとはアブリアルらしからぬ行動です。」

 

この騒動の真の原因は、ファリース子爵が原因だったと驚くべき告白をする機械伯爵

 

「確かに、アブリアルらしからぬ行動かもしれん。でも、私は決めたことだ。その計画も中止するがよい」

 

「それは、無理です。殿下。サタン様の行動は、一度、発動したら目的を達成するまでとまらないです。それは、殿下も知っていることでしょう。サタン様の活動停止のコードはタトゥース様のみが知っています。ですが、タトゥース様はすでに、お亡くなりなっている。つまり、誰もとめられないのです。殿下。」

 

「く、そうだったな。とにかく、私はサタンの元に戻る気はない。そう伝えるがよい。」

 

「わかりました。殿下。では、条件をつけさせていただきます。我々もただであなたを失うわけにはいかないのです。ですから、殿下には条件を満たしていただいたら、今後、あなたを引き込むことは、しません。これは、私ではなく、サタン様の提案です。」このことはすでに予想ずみだったサタン

 

「なんだ、いうがよい。だが、陛下や男爵閣下の暗殺は絶対にしないぞ。」

 

「いいえ、それは、サタン様も殿下ができないことはわかっています。この男を殺してください。名はシュリル・ウェフ=キルヒム・ハーデス。タトゥース様を殺した男です。彼は、『青の牙』の長として我々の行動をことごとく邪魔しています。彼を殺せば、その『青の牙』の機能は半減します。それに、殿下は、想人を殺した男に復讐できます。」不敵な笑みを浮かべる機械伯爵

 

 

「しかし、それは・・・・。」困惑の表情を浮かべるファリース子爵

 

「殿下、ここは、あなたの母君の愛を確かめる意味でやるべきでしょう。自分の部下一人を殺したくらいで、本当に殿下を愛しているなら責めないでしょう。いや、殿下を愛しているのなら絶対に不問にするはずです。それとも、殿下は母君の愛を信じられないですか?」いたいところを突く機械伯爵

 

「(・・・・確かに、これを断れば、母の愛を自分は信じていないということになる。いや、私は母上を信じている。)・・・・わかった。やろう。」

 

「ありがとうございます。殿下。それでは、次に会うときは敵同士ということですね。もっとも、サタンさまも我々もあなた様を殺せないようにプログラムされているので、我々が勝ってもあなた様は生き残るでしょう。では、さようなら」

 

そう言い放ち、一瞬で姿を消した機械伯爵であった。

「私を殺す?やめた方がよいと思うぞ」

と、先程殺すと約束をした当の本人が目の前に居た。

「なんだ、聞いていたのか?あれは口実にすぎん。今や私は帝国の一部だ、そんな事をすればただではすまぬ。それに、そなたが教えたプラキア卿でさえあんなに強くなったのだ。返り討ちに合うのがオチだ。今日の密告、話したければ話せばよい」

とだけ言って、軌道公園を後にするファリース。

 

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