ラフィールの修技館時代   作:いち領民

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ラフィールの修技館時代 第30話

ガフトノーシュが爆散したころ、

 

戦艦『サタン』の内部では、ダリシュと『青の牙』の7人のマスターとミルフィーユが過酷な戦闘を強いられていた。

潜入したダリシュ達は、オリハルコン製の機械兵士の大軍に会い、これまでにないほど苦戦していた。

オリハルコン製の機械兵士はその体そのものを武器としていて、剣や銃器はもっていなかった。

 

 

「ダリシュ、こちらの武器がほとんどきかないか。何か弱点はないのか?」スキールマスター

真っ赤なオリハルコン製の槍で攻撃するが効果はあまりなかった。

 

その様子を見ていたダリシュはシータに耳打ちをした。

 

「ダリシュ坊や、わかりました。弱点は、機械兵士の間接のつなぎめの切断するしかないのですね。」何か覚悟を決めた様子のシータ

 

「そうです。ですが、シータさん・・・・・」憂鬱な表情を浮かべるダリシュ

 

「わかっているわ。生半可な接近戦では切断することは、不可能。傷を受けるのを覚悟の攻撃で無いといけない。よし、皆ここは、私が引き受けた。私の後に続くのよ。」

そういって、先陣を切るシータ

 

シータは、機械兵士の拳や蹴りを浴びながらもかまわず、次々と機械兵士たちを切り倒した。そして、前面にふさがっていた30体あまりの一群を突破してそのあとに、ダリシュ達はすすんだ。

 

そして、ダリシュ達が機械兵士を突破したのを確認すると今度は後方へ下がり、残った機械兵士の前に立ちふさがった。

 

「シータさん、何を・・・・・」驚く表情をするダリシュ

 

「さっきの攻撃で体じゅうの骨が折れた。とても、あなた達にはついていけない。だから先へ行って。それと、これを娘に渡して。」そういって記憶片をダリシュに渡した。

 

「わ、わかりました・・・・・・・・・・・・。シータさん、あなたの死は無駄にしません。」何かに耐えている表情でダリシュは奥へ進んだ。

 

「ダリシュ坊や、最後にあなたのもとで一緒に戦えた事を誇りに思うわ。さぁ、機械のオモチャども、ファウスト・ウェフ=フーレア・シータ最後の戦い、見せてあげるわ。」

 

すでに右手と左足しか動かない状態で、シータはオリハルコン製の機械兵士に突進していった。

 

10分後・・・・最後の機械兵士を倒し、シータは満足そうな表情で立ちながら絶命した。

シータが死んだ頃、ハーデス達は真空宇宙に漂う救命夾の中にいた。

 

 

「父さん、なんで、レーグルス男爵閣下の死体を?」疑問に思うユーリル

 

「男爵閣下は、死んでいない。よく見ろ。額からはかなりの出血だが後頭部には傷ひとつない。心臓も微弱ながら動いている。凝集光銃で額を撃ち抜かれたのに後頭部に出血がないのは、おかしい。サタン・ジュニアの戦いの中でそれに気がついたんだ。」苦しそうにいうハーデス

 

「でも、どうして。…・・この壊れた頭環…・。よく見ると、微弱だけど凝集光銃の防御機能がついている。そうか、額から血が出たのは、この頭環の破片で空識覚器官に傷がついたためね。」納得するユーリル

 

「そうだ。とにかく、これでアーヴの地獄行きの回避はできそうだ。だが、これだけ空識覚器官に傷がついた。もう、翔士としては無理かもしれないな。」

 

すると、気絶していたヤフェトが意識を取り戻した。

 

 

「(……。生きている。…・頭が痛い。でも、痛いということは生きている。どういことだ)」意識を朦朧とさせながらあたりを見まわすヤフェト

 

「男爵閣下、お目覚めですか?あなたは、運がいい。あなたの頭環には微弱ながら凝集光銃を防ぐ機能があったみたいです。だから、額を撃たれても大丈夫だったのです。それに、サタン・ジュニアは私が殺しました。陛下も無事、艦から脱出しました。」血の気の無い表情で離すハーデス

 

「そうか、よかった。でも…・・。そうだ。この頭環はラマージュから誕生日に送られたものだ。100歳の記念に。またも、彼女に命を救われたか。まったく、私もダメな男だよ。」痛みに耐えながらも安心するヤフェト

 

 

「そうですね。でも、愛されていますよ。陛下に。私個人としてはあなたがもっと、陛下を常に制御できる方ならもっと安心できるのですけどね。」ちょっとした皮肉を言うハーデス

 

 

「すまぬ。わかっていても、とめられないんだ。でも、また、ラマージュと会える。君に感謝しなくては行けないな。」

 

「わかりました。男爵閣下。それと、陛下にチョットした無礼な振る舞いをしたので、あなたから私をアーヴの地獄におとされないように懇願してください。お願いしますよ。」笑顔で話すハーデス

 

 

こうして、死んだと思われたヤフェトはラマージュの贈り物で助かった。そして、この救命夾は10分後、回収された。

そして2人が一緒になったのを見計らうかのように、医師が問い掛けた。

 

「閣下、陛下、お尋ねしたい事があります。亡骸を調べた結果、非常に精度もよく、輸血者も多いので助かる可能性もあります」

 

「どうゆう事だ?、確かにあの者は頭を貫いたぞ?」

 

「私も見た」

 

「蘇生剤があるんです。もっとも、本来は臓器復活の為に用意されているのです。陛下のご許可なしに……、すみません。ただ、空識覚を完全に失っていますので、操艦はもう2度と出来ません。ご了承ください」

 

医務室はあふれかえっており、ラマージュ達は食堂へ案内された。扉を開くと、そこは地獄絵になっていた。麻酔はとっくの昔に無くなり、直接手術を受ける者、手で呪術を受ける者…。

 

「ひ、酷い。私は…なぜ……ここまでなるまで放っておいたのだ?……情けない。私は皇帝失格やもしれぬ」

 

「助けてくれ~」

「死にたくない!だれかっ」

「い、痛い~っ。お願い、誰か私を…楽にして~~!」

 

患者の悲痛な叫び声がラマージュを精神的に追い詰める。

 

「陛下、ファリース子爵殿下はこちらです」

と、医師に案内されたラマージュ。そこはテーブルにカーテンを敷いただけの簡素なベッドでその上に苦痛に耐えるファリースがいた。

 

「脳の回復は完全です。時期に感知しますので、お引取り願います」

そういい、直ぐに、看護科の女性に

「ここのベッドが空いた!次の患者を中にっ」

 

その日、ラマージュはファリースを自室へ連れて行き、2人で一晩中付きっ切りの看病をした。その成果実って、翌日の朝には、目をしっかりと開け、苦しみも和らいでいたようだ。

 

「私、助かったの?母上…」

 

「よかった、ダリシュの贈り物…かな」

 

もし遺骸を回収しなければ目の前にいるファリースの笑顔を見ることは無かっただろう。

ラマージュがガフトノーシュの代わりとして緊急旗艦とした<カールティルジュ>の艦橋に、ファリース、ハーデス、ラフィール、ナシーカ、ヤフェト、ユーリル、プラキアが集まって、戦艦<サタン>の様子を見守っていた。

 

サタンはある一定の射程距離になると主砲を発砲するが、それ以外はまったく、動かなかった。

 

「ファラムンシュ、なぜ、サタンは向こうから攻撃をしてこないのか?」防御戦に専念していることを疑問に抱くラマージュ

 

「陛下、たぶん、潜入したダリシュ達の掃討に専念しているのです。外は、自動防衛に切り替えている。だから、ある程度の距離にならないと攻撃はしないふうになっているのでしょう」冷静に分析するファラムンシュ

 

 

「そうか…・だが、このまま指をくわえてみているのもはがゆい。ハーデス何か策はないのか?」近くにいたハーデスに聞くラマージュ

 

「残念ながら今のところは…。私もこの体の状況、ユーリルもまだ、各マスターと比べると戦力とはいえない。私は『青の牙』の今、現状でそろえられる最大戦力を潜入させました。彼らにゆだねるしかないのです。陛下。それと、もうすぐダリシュが潜入してから48時間は立ちます。もし、生きていて、報告ができる状況なら通信するように命令してありました。その時刻になれば、多少は状況がわかるかもしれません。」怪我が完全に治ってない状況で説明するハーデス

 

「そうか、わかった。とにかく、ダリシュの報告を待つがよい」

 

ダリシュ潜入から48時間後、通信が入った。

 

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