ラフィールの修技館時代   作:いち領民

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ラフィールの修技館時代 第39話

数日後、ラフィーアはクリューヴ王宮の運動施設で、基礎体力訓練を行っていた。

そこに、『青の牙』の試験の特訓をしていると聞いたプラキアとヤフェトとナシーカは、それを手伝おうとやってきた。

「ファリース子爵殿下、調子のほうどうです?」丁寧にたずねるプラキア

 

「まあまあだな。それにしても、そなたたち、どうしたのだ?」

 

「はい、殿下が『青の牙』を目指して特訓していると聞いて、そのお手伝いをしようと思ったのです。私はシータさんにお姉さまは、ダリシュ君とユーリルちゃんに教わったので、そのときの訓練内容を参考にしてはと思いました。」ナシーカ

 

 

「まぁ、孫の付き添いで来ました。殿下」ヤフェト

 

 

「それは、ありがたい。では、『青の牙』に入るには何が必要だと思うのだ?」

 

 

「まずは、諜報員として初歩的なものですが、相手をだますことかな。あとは、相手の嘘を見抜くこと。それに『青の牙』の任務の性質上、地上世界、つまり重力井戸における白兵戦闘能力、しかも圧倒的なというのを付け加えて起きます。」

 

 

 

「だます?あのダリシュがそんな風には見えないのだが」困惑するファリース

 

 

「うーん、確かにそうは思えないけど、彼はいかにも正直者でいい人そうに見えるけど、しっかりと嘘はつくわよ。しかも、私はまったく信じていたし、あのときは驚きました。殿下。」

 

 

「そうなのか?(私の相手をしているときはどうだったのだ?」急に不安になるファリース

 

 

「それより、彼の戦闘能力よ。お祖父様は、どう見ます?勝てます?」

 

「わからん。しかし、相当の技量ということは、わかる。一度素手で手合わせしたいものだな」妙にやる気をだすヤフェト

「やめた方がいいとおもう」

と、皆が口を揃えて言う。

 

「よっぽど力加減をしてくれるとは思うけど、どうなっても知らないわよ」

と、ナシーカ。

 

「ああ、そうだ。最近、ユーリルちゃんに聞いた話だと、他のマスターたち7人対ダリシュ君一人で格闘戦で戦ったらしいわよ。もちろん、マスターたちは、本気でね」思い出したように言うプラキア

 

「それで、どうなったのだ?」興味深く聞くラフィーア

 

「ダリシュ君の勝利だって。ヤフェトさんは、クリューブマスターのシータさんと戦ったことがありますよね。だから、その実力もわかるはずです。」いたずらっ子の笑みをするプラキア

 

 

「な・・・・。確かに、本気でやったら、かなわないかもな。(なんという強さだ。わずか16歳でそのレベルなのか)」驚愕するヤフェト

 

 

「とにかく、そこまでとは、いかないけど、『青の牙』になるには、白兵戦や格闘戦における圧倒的な強さが必要よ。私はそこまでのレベルではないわ。男爵閣下くらいならたぶん、その点に関しては合格だと思います。」

 

 

「試しに、ここに居る者達と戦ってみるか?ラフィーアよ」

と、腕試しも兼ねてラマ―ジュが話を持ちかける。

「では……。男爵公女閣下、お手合わせ願おう」

そう言って、ナシーカを見る。

 

「喜んで。でも、ラフィーアちゃん、私に『閣下』を付けるのはどうかと……。逆に私がつけないと、……呼び捨てでいいよ」

とナシーカ。

 

「勝負はどちらかの身体が傷つくまで、顔は攻撃厳禁。勝負は通常重力の2倍のフィールドで行う。制限時間は1時間。時間切れは引き分けとする」

ラマ―ジュが言うと、素早く戦闘態勢に入ると、専用のドームに入っていった。

 

「ナシーカよ、手加減したら承知しないぞ」

 

「そっちもね」

 

「はじめっ!」

ラマ―ジュが言うと、ラフィーアは武器である曲刀を構え、振り下ろすように切った。

 

「っく、(状況がよく読めているわ。重力が手助けをして…曲刀は癖が強い。でも、その癖を熟知しているわ。防ごうとしても滑って)」

ナシーカは瞬間的に後ず去った。曲刀の剣先が、ナシーカの鼻の頭を掠めた。

 

(くっ、舞を踊る隙が無い、これでは一方的に付利だわ。一か八か、賭ける。)

ナシーカは左手で剣を何とかはじくと、右手で首元をかすめさせ、ひるませる。その隙を突いて、ナシーカが知っている最高の技を繰り出した。

「天星円舞ーーーーーーーーー!」

 

ナシーカが右手に持った短剣を扇風機が回るように回転させながらラフィーアを襲った。

ラフィーアは、それを曲刀を横にしてなんとか防ごうとした。その瞬間、彼女の腹部に痛みが走った。

ナシーカのもう一つの手に握られているはずの短剣の柄の部分が直撃したのであった。

 

 

「勝負ありね。男爵公女閣下の勝ちですね。残念ながら殿下より実力が一枚上手みたいでした。」

審判役のプラキア

 

 

「く・・・・そっちの方は囮だったのか。まさか、もう一方の短剣を離したと思ったらそれを蹴って、私にぶつけるなど思いもよらなかったな。」悔しがるラフィーア

 

 

「ええ、本当は、柄の方を蹴って、相手の心臓に短剣を刺す技なんですけど、シータさんに教えてもらいました。でも、そうしたら、殿下が怪我すると思って、蹴る方を剣の切っ先にしました。」

ナシーカの靴には大きな傷がついておりそこから少し血が出ていた。

 

 

「ラフィーアよ。まだまだ、修行が足りないみたいだな。試験は3ヶ月後であろ。精進するがよい。私はそろそろ時間が無いので帝宮に帰らなければならぬ。それでは。」

 

そういって、護衛を引きつれてラマージュは帰っていった。

 

 

 

「男爵公女よ。もう一回挑戦頼む。できれば、そなたを早く倒せる実力が欲しいからな。」そういって、再び剣を持つラフィーア

 

 

「殿下、いいですよ。でも、少し休憩入れませんか?私も足の怪我を治療したいのです。」

 

「判った。完治するまで待とう」

,そこで一旦休憩をとることになった。ナシーカかプラキアの肩を借りて医務室へと向かった。後にはヤフェトとラフィーアが残された。

 

「そなたは行かぬのか?」

 

 ラフィーアはヤフェトに尋ねた。

 

「行きたい気もしますが、プラキア卿がついていますから」

 

「・・・・・・ひょっとして、私に気を使ってくれているのか?」

 

「だとしたら?」

 

「相変わらずだな」

 

 そう言ってラフィーアは笑った。

こうして、ラフィーアは、ヤフェトやナシーカ、そして、プラキアの力を借りて、3ヶ月間、『青の牙』の入隊試験に向けて、様々な特訓を行った。それは、ラフィーアの人生の中でもっとも、きつく、厳しいものであった。

 

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