ラフィールの修技館時代   作:いち領民

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ラフィールの修技館時代 第8話

ある軌道公園にて

 

「プラキア卿、およびいただいて光栄です。シュリル・ウェフ=キルヒム・ユーリル、ただいま参上しました」頭環に指を添える敬礼をするユーリル

 

「ええ、忙しいところをありがとう。用件は前もって話していると思うけど、返事はどうなの?」前回のレオとの対決で重傷を負ったがすっかり、回復したプラキア

 

「はい、大丈夫です。ジョルジェ・ボルジュ=サレメーム・レオに勝つために、そして復讐するための訓練を私達から受けたいということですね。でも、どうしても一人で決着をつける気ですか?兄や父がでれば、確かになかなかの悪人ですけど、この程度の小物なら、あっという間に捕らえて、アーヴの地獄へ送ることができますよ。」余裕のある金色の瞳で答えるユーリル

 

 

「残念ながら、これは、私の戦い。いくら、あなたが私の遺伝提供者でも、そこまで甘えるわけにはいかないわ。あなたの一家が紋章院の精鋭だと聞いていたから、思考結晶を操る憎いレオに勝つにはあなた達の訓練が必要だと思ったの。もう、軍には休暇届もだしてきた。」決意を固めるプラキア

 

 

「そうですか、わかりました。父は忙しいので残念ながら、プラキア卿の訓練には参加できませんが、兄と私であなたを訓練します。それに、思考結晶を操るといっても、たいした問題ではないです。そういう相手でも対処できる方法はいくらでもありますから、だから安心して復讐のために頑張ってください。では、我が家へ招きます。プラキア卿」そういって、プラキア卿の手をひき、交通艇にのせるユーリル

 

プラキア卿はそのとき誓っていた絶対レオには負けないくらい強くなると、例え、どんなきつい訓練でも絶対やりとおす強い意思をもって、ユーリルの家に向かったのであった。

 

 その様子を遠くから見ていた人物がいた。変装したレオである。レオはかつて紋章院の『青の牙』の一員だった。そのため『青の牙』の行動は手に取るようにわかる。今日はプラキアが『青の牙』のメンバーと接触するという情報を手に入れ、この軌道公園でプラキアを監視していたのだ。

「今の女、どこかで見たことがあるな・・・・・・・思い出した。確か昔僕が『青の牙』の工作員だった頃一度だけ会ったハーデスの娘によく似ているんだ。・・・・・思っていたより面白くなりそうだな。『青の牙』と僕、どちらが上か思い知らせてやろう。しかし、小物とは、僕もなめられたものだな。ひとつ、あの娘を驚かせてやるか」

 レオは『青の牙』を辞めた後名前を変え、経歴を変え、年を誤魔化して今まで生きてきたのだった。

そして、その二人に近づこうとした瞬間

 

「ミラーさんじゃないですか、お久しぶりです。」

ふいに背後から声をかける少年がいた。

 

そのときレオは、心底驚いた。ミラーという名前は『青の牙』時代のコードネームでしかも、まったく、気配を感じることなく背後に少年がたっていたことだった。

 

 

「き、貴様は、ハーデスの息子・・・、なぜ、ここに?」殺気に満ちた目で自分より頭一つ小さい少年を睨むレオ

 

「いやー、プラキア卿との接触する情報を流せば、あなたが来るとも思って興味深く眺めていたのですけど、僕の妹に手を出そうとしてみたいなので、声をかけることにしました。」穏やかな表情で話すダリシュ

 

だが、ダリシュのにこやかな表情とは裏腹にレオはなんともしれない恐怖を感じていた。これは、ハーデスと会ったときにはまったく、感じないものだった。その影響で沈黙してただ、ダリシュを睨むだけのレオ

 

 

「それで、どうします?妹にちょっかいだしますか?それは、僕との宣戦布告を意味するけど、あなたは、昔は『青の牙』に所属したのですから自分と僕の実力さくらいわかるでしょう。それに、僕らは別にあなたと敵対するわけではありません。プラキア卿に力を貸すだけです。だから、その結果、あなたが勝とうがプラキア卿が勝とうが僕らが干渉することはありません。だから、今はおとなしく見ていくださいね。」あくまでもにこやかに話すダリシュ

 

その話す間中もレオは相手が油断したら一瞬で殺すつもりではあったが、隙どころか動くことへ恐怖が彼を支配していた。今までの彼の悪意に満ちた戦歴でも体験したことないものだった。

 

 

「く、本当だな。例え、プラキア卿をやつ裂きにしても貴様の妹は俺に復讐しないのだな。」震える声をせいいっぱい出すレオ

 

「ええ、これは、プラキア卿の復讐と同時に決闘でもありますから、あとで、僕らが干渉しないようにプラキア卿にも言われてます。だから、今はただ見ていてください。ところで思ったのですが、あなたは本当にナーシカさんを殺すつもりはあるのですか?あなたのこれまでを見させてもらったけど、『青の牙』の元メンバーとは思えない失敗が多すぎます。あなたは、もしかして心のどこかに愛するナーシカを殺したくないという気持ちがあるのでは?」レオの心を見抜くダリシュ

 

 

「ふざけるな、ガキー、貴様、今すぐぶっ殺す」その言葉を聞いた瞬間、懐に持っていた小型がマシンガンを至近距離から撃ちまくるレオ

 

そして、弾がつきるくらい撃って、あたり一面にはその硝煙が立ち込めていた。しかし、ダリシュは、そこから一歩も動いてなく、ただ、奇妙な形をした装飾銃を持って立っていただけだった。

 

「この銃は特別のオリハルコン製でね。けっこう、頑丈なんですよ。父さんの借り物なんですけど、ちょうどよかったので、たて代わりに使わせていただきました。」

 

なんと、ダリシュはすべての弾をその銃を立て代わりにして防いでいた。

 

「それにしても、あなたは情報どおり、わかりやすい人です。『青の牙』を抜けた原因も当時のメンバーにふられたからという資料も真実のままでしたね。まぁ、挨拶はすんだので、僕は帰りますよ。さっきの忠告はくれぐれも忘れないようにしてください。ミラーさん。ああ、言い忘れましたけど、ナシーカさんに絡んでも別にいいけど、王女殿下をあまり巻き込まないでくださいね。この件は父を通じて皇帝陛下の耳に入っているのですから、場合によってはあなたのアーヴの地獄行きの勅命をいつ発動されるかわからないので、恋の火遊びもほどほどにしてください。」レオのこれまでの非道な行為もダリシュにとっては、その程度の認識で捕らえていた。

 

「く、貴様、この屈辱忘れないぞ。今にみておれよ。」そういって、素早くダリシュから離れて用意していた交通艇にのり、真空宇宙へレオは消えていった。

レオの隠れ家

 

「くそー、くそー、あのガキ絶対、殺す、殺す、殺す、殺す・・・・・・」暗い部屋で一人叫びつづけるレオ

 

「(おい・・・相棒どうした?そんなに取り乱して、お前らしくない。)」(もう一人のレオの心の声)

 

「お、お前か。別になんでもない」

 

「(そうか、かなり、心が乱れているぞ。別にあんなガキなど相手するな。お前とオレは何のために生きている。決まっているなぁ・・・相棒。ナシーカさ。彼女を手に入れるために生きているのだ。あのガキ達は、この件には関しては口を出さないといっているんだぜ。それなら、最初の目的に戻ろうじゃないか。今まで、ナシーカをかなりいたぶったが、今度は逆に快楽をあたえるんだ。そうすれば、痛みからの落差で彼女は堕ちる。くっくっく、今まで味わったことのない快楽を与えるんだ。堕ちたナシーカもさぞ、美しいんだろうな・・・)」もう一人のレオは不敵に笑う。

 

「そうか、そのナシーカなら僕を愛してくれるかも。抱きしめてくるかも。この寂しさも埋めてくれるかも。そうだ、彼女に快楽を与えよう。体から支配するのさ。クーックックック」

 

「(そうさ、支配するのさ。体も心も、お前の力で。ナシーカを快楽で支配するのだ)」

 

 

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