ネプテューヌ「ノワール!起きて!起きてってばぁー」
意識がハッキリした時、まず分かったのは友人のネプテューヌの声だった。閉ざされた視界を開くと、私は机に座ったまま寝ているのを気付き、そして目の前から、椅子にまたがって顔を覗いているネプテューヌの顔が見えた。
ノワール「ネプ……テューヌ?」
ネプテューヌ「そうだよ。あ、でも そのまま寝ててもいいよ?寝顔が可愛い……」
ノワール「あ……あなたね!私の……ね…寝顔は見せ物じゃないのよ!」
ネプテューヌに寝顔を見られていた私は、少し顔を赤くしてに上半身を起こす。
ノワール「ここはどこなの?」
ネプテューヌ以外の物を見てみると、まず見えたのは大きな黒板と学校の教室。次は左右を見ると、席に座って読書しているブランが右に、知り合いの男性が左にいた。
ノワール「ブラン!それとなんで聖人君がここに」
ブラン「あら、起きたのね」
平沢「おはようございます。ノワールさん」
そうだわ!確か……私は怪物に追われて、それで階段を登って近くの部屋に入ったらそこに聖人君と知り合って……それで……あれ?なんで私はここに?
ネプテューヌ「あれ?聖人君とは知り合いだったんだ」
平沢「はい。でも、なんで僕とノワールさんがここにいるんでしょうか……」
ブラン「それは私のセリフでもあるわ。さっきまで私は、はぐれたピーシェとプルルートを探してたのに」
ノワール「そう……だからいつまで経っても戻って来なかったのね。私とネプテューヌはあなた達がなかなか帰ってこないから、探しに行ってたのよ?」
ブラン「そうだったの……」
謎が出来たわ。私達はそれぞれ探索していたのよ?なのになんでこんな所に……それもここまで来た記憶なんてないのに。
四人で話し合い、どうやってここに来たのかその謎を考えたり意見を交わしたりしたけど、みんな同じように、共通して「気付いたらここにいた」という言葉が出てきた。私もそう言うしかなかった。確か私は聖人君と知り合った後、何か話をしたまでは覚えている。でもその後の記憶がない。一体何が……
心の中でそう呟いていると、廊下から教室に誰かが入って来た。入って来た方向に私達が向くと、ブランの話で行方不明だったプルルートと見知らない学生服を来た女性がやって来た。
ブラン「プルルート!」
ノワール「良かった。話は聞いたけど、無事なのね」
ネプテューヌ「あぁ!ぷるるんー 会いたかったよぉー」
ネプテューヌがプルルートが来た事に気付いた瞬間、席から飛び上がるようにプルルートの元へ駆けていき、抱きついた。
プルルート「は〜い。よ〜しよし〜」
ネプテューヌ「うふふ〜。って何これ?包帯?」
プルルート「あー、怪我しちゃって〜。緑子ちゃんが手当てしてくれたんだ〜」
そう言いながら隣にいる子に向かって、紹介するように軽く振る舞う。
日生「アタシは日生緑子。よろしくね」
ネプテューヌ「私はネプテューヌ!」
ネプテューヌに続き、ノワール達も傍によって自己紹介を始める。
ノワール「私はノワール。よろしくね」
ブラン「ブランよ…」
平沢「平沢聖人です。よろしくお願いします。プルルートさん。日生さん」
プルルート「よろしく〜 聖人君」
自己紹介を済ませ、全員が近くに寄るように席に座る。ちなみにプルルートと緑子がどうして、どうやってここに来たかを聞いてみたが、私達と同じように「気付いたらここにいた」だった。また突然現れた何者かに襲われ、ブランとピーシェとははぐれてしまったらしい。逃げた果てに、気が付くと日生に保護されていたとの事だった。
ノワール「私達と同じように、気付いたらここに来たのね」
プルルート「うん……ベッドで寝たら、気付いたらここに来たんだ〜」
日生「睡眠を取ろうと思って寝たら、次は起きた時は廊下を歩いていて、一つのスライドドアに目がついて開けて見るたら、今に至るって感じだね」
ネプテューヌ「…よく寝れたね。流石の私でも寝る余裕なんてないよ」
……なんか妙ね。何故私達なんだろう……迷い込んだ私達以外にも聖人君と緑子とは知り合えたし、こうして会えた。でもその割にはどうして私がよく知る短な仲間と会えるんだろう。私達以外にも他に迷い込んだ人達と、「気付いたらここにいた」って感じでやってくるかも知らないのに……。
その時だった。スライドドアが開く音が鳴った。その音は、プルルートと緑子が入って来たスライドドアの方向を見るて、見慣れた女性が1人やって来た。
ピーシェ「ねぷてぬ!?」
ネプテューヌ「ピー子!」
ピーシェだった。また飛び出すようにまたがった椅子から飛び出し、ピーシェの元へ駆けていく。それに連れて聖人君と緑子以外の私達はピーシェの元へ走る。
ブラン「……ピーシェ。無事だったのね」
ピーシェ「うん!プルルート!大丈夫だった?」
ピーシェは私達よりも、プルルートの方を特に気にかけていた。プルルートの傍に寄ると、その勢いで抱き着く。
ピーシェ「良かった……ぐすん……」
プルルート「大丈夫だよ〜。よしよし〜」
ピーシェは本当に心配だったらしく、ほんの少しだけ涙を垂らし、プルルートの学生服に染み付く。その時だった。ピーシェの後に更に3人の女性がやってくる。
ネプギア&ユニ「お姉ちゃん!」
ノワール「ユニ!」
ネプテューヌ「ネプギア!あいちゃん!」
アイエフ「二人共こんな所に居たのね。それに皆も」
ネプギアとユニとアイエフがやって来た。今にも泣き出しそうなネプギアはネプテューヌに抱き着き、私はユニの傍に寄る。2人の表情を見た私とネプテューヌは、相当心配掛けていた事を知る。
ユニ「お姉ちゃん!今までどこ行ってたのよ!」
ノワール「ごめんなさいユニ。早めに戻るつもりだったのだけれど……」
ネプテューヌ「よしよし、ごめんね。ネプギア」
日生「私達は部外者ね、これは」
平沢「ですね……」
しばらくしたら状況は落ち着き、後から来た人は知らない人同士の自己紹介を行い、事情聴取する。私としては特に気になるのがあった。
ノワール「じー……」
ネプテューヌ「あぁ……ノワールの視線が……」
アイエフ「ネプ子、ちゃんと話しましょ」
ネプテューヌ「そうだよね……」
周りの皆は、なんだろうみたいな表情で私達の様子を見る。皆の視線を感じながらネプテューヌとアイエフは私に説明した。何故あの時、怪物に見つかった時に私を置いて行ってしまったのか。
そして聞いた。
ノワール「え?」
ネプテューヌ「だからー。あの時、真っ直ぐ続く廊下にある扉と右に続く道があったでしょ。私達は扉の方に逃げ込もうとしたんだけど、入る前に振り向いたら……」
アイエフ「何も無かった……床も、壁も。真っ黒だったのよ」
真っ黒?
ノワール「な…何よ、それ」
ネプテューヌ「私だってびっくりしたんだよ。本当に真っ黒で、何も見えなかったんだ。ノワールの声は確かに聞こえるのに」
平沢「それ、僕も体験しました」
ノワール「あなたも?」
平沢「はい。怪物から逃げる際、そのせいではぐれました。確かに声は聞こえました。しかし実態がないんです」
な…何よそれ、信じられない話よ。でもこんな時に嘘を付く猶予もあるとは思えない。信憑性が低い出来事なんて今に始まった事でもない。信じる事にしよう。
ノワール「分かったわ。信じるわよ…」
ネプテューヌ「え?本当に!?わーい!ノワール大好き!」
ノワール「のわあぁっ!ちょっと、抱き着かないで!人前よ」
ブラン「それはつまり、人前じゃなきゃいいのかしら」
ノワール「そう……じゃないわよ!」
周りの皆が私とネプテューヌの仕草に笑い出す。本心は恥ずかしい極まりないけど、意味不明な場所に迷い込んでから笑顔なんて見ていない。そう思うと周りの笑い声が気持ちがいいと思える。
でも益々謎が大きくなった。私の友達を中心に集まってきている。心の中で一度思ったけれど、何でだろう。でもある意味幸運かも知らない。聖人君が言っていた事が本当なら、これは受け入れるべきよね。
そんな時だった。ブランが突然悲鳴を上げた。
ネプテューヌ「どうしたの?」
ブランの表情は今まで見たことが無いくらいに真っ青だった。手には、1冊の本を広げていおり、そのページを見て悲鳴を上げたと周りが認識する。
ノワール「ちょっと見せてみなさいよ。読書好きのあなたがびっくりするくらいの内…………容…………」
ユニ「どうしたの?お姉ちゃん」
ネプテューヌ「もうどうしたの?そんな固まった顔をしちゃ…………」
ノワール「いや………いや…………」
教室全体が響く位の悲鳴を上げた。私の精神が物凄い勢いで削られた感覚に襲われた。頭の中が真っ白になっていく。そして一瞬空っぽになった頭の中は、本に記された二つのイラストの詳細で埋まっていく……
ノワール「……いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あまりにも恐怖に本を落としてしまう。嫌よ……どうして……なんで…………なんでよ!?
笑顔で少しずつ染まろうとしていた空間は、ある物を見てしまった事で一瞬にして恐怖に染まる事となった。
何故なら……
二つのアクセサリーが血塗られた状態でページに貼られていて、イラストには無数の槍に貫かれたベールと、手の平に釘が5本と床に磔にされ、下半身を失ったコンパの生々しい姿が描かれていた。
次回は清掃 非日常編です