ブラン「ここー……。台所かしら?」
ピーシェ「綺麗なガラステーブルだな〜」
ブラン、ピーシェ、プルルートは1階の探索をしていた。彼女達が居る部屋は台所とリビングが一つになっているリビングダイニングキッチン。床は綺麗でガラステーブルを乗せるように赤いカーペットが敷かれている。一目で眺めたところ、特に目立った物はないが念の為を場を探る。
プルルートは冷蔵庫の中身を見る。
プルルート「あれ〜?何だろう〜 この小さなパック」
冷蔵庫にあった物は、カレーパックと同じ形をした銀色のパック。手の平サイズのパックをピーシェとブランに見せる。
ブラン「これは何?見たところ何も書かれていないけど」
ブランは不思議な顔で見ている。
ピーシェ「ちょっと貸してぷるると」
プルルート「は〜い」
プルルートはパックのかどっこをつまんでピーシェに渡す。手に持ったパックをモミモミと感触を確かめた。
ピーシェ「なにこれ?」
感触はカレーのような液体が入ったような物じゃなく、何かが入っている。
ピーシェ「多分非常食かな?」
ブラン「他に何があるか探して見るわ」
他に何かを探しに取り掛かる。電子コンロと皿が並べられている棚、手に届く色んなとこを探る。
ピーシェ「念の為 元に戻すね」
プルルート「うん」
パックを冷蔵庫の中に戻し、リビングへ移動する。
手当り次第探ったところ、ブランが2つの物見つけた。
ブラン「二人とも、これを見てくれるかしら」
ブランが見つけたのは、タグに和室と書かれた金属製の古い鍵とプラスドライバーだった。
プルルート「鍵と〜、なにこれ?」
ピーシェ「プラスドライバーだよ」
相変わらずのんびりな口調で喋るプルルート。しかし高校1年生からの付き合いであるピーシェは、慣れた口調でプルルートに教える。
ブラン「プラスドライバーは念の為持っていくわ。それとこの鍵を持って和室を探しましょ。ピーシェは何か見つけた?」
ピーシェ「カーペットの下にこんな切れ端があったよ」
ピーシェが見つけたのは何か書き殴られた切れ端を見せた。、その切れ端にはこう書かれている
《この目を見た人へ。 赤いやつに………………》
その先の言葉は千切れていて読む事は出来なかった。
プルルート「赤いやつ〜?」
プルルートは不思議そうに切れ端に書かれた文章を見ている。
ブラン「赤いやつ……」
ブランは想像した。
ピーシェ「でもこれで私達以外の人がいる事が分かったね」
プルルート「早く会いたいな〜」
ブラン「そうね。とりあえずここを出て他の部屋の探索に行きましょ」
そう言ってブランは四角いガラスが4つ付いたドアのノブを手に付いたその時。
ブラン「............っ!?シー……」
ドアの向こうから誰かが歩く音を聞こえた。ジェスチャーで静かにするように伝える。2人はドアの陰に隠れて潜める。
ブラン「............」
ブランはガラス越しでドアの向こうを覗く。私達が歩いてきた廊下が見える。その廊下はノワール達と離れた廊下と違って比較的に平凡で、先に見えるのは十字に分かれた廊下、その内側に下ってきた階段がある。廊下の横幅は5人分の広さをしている。
ブランは息を止めて、すぐそこに見える十字に分かれた廊下をじっと見ている。しかし既に通り過ぎて行ったのか、音の主が見えない。ブランは覗くのをやめて、止めていた息を呼吸する。
ブラン「多分、もう大丈夫だと思うわ」
ピーシェ「誰かが通り過ぎたんだよね?」
プルルート「ちょっと〜怖いかも〜」
説得力がないプルルートの口調、しかし表情は素直だった。ピーシェは緊張した表情で固まっている。このまま残っていても拉致があかない、そう思った私は思い切って行動に移す。
ブラン「ここで少し待ってくれるかしら、私が見てくるわ」
ピーシェ「じゃあ、私とぷるるとはキッチンの下に隠れてるから、1人で大丈夫?」
プルルート「大丈夫なの〜?」
二人とも心配していた。でも私はこう見えて元柔道部。ある程度は何とかなる自信はある。
ブラン「大丈夫よ。何かあったらすぐに逃げるから」
ピーシェ「分かった。気をつけてね。ブラン」
プルルート「無理しないでね。ブランちゃん〜」
そう言った2人は、奥の台所の下にあるスペースの中に入って隠れた。そして私は気持ちを改めて部屋を後にした。
ユニ「お、お姉ちゃん............」
ノワール「私から離れないでね」
2人が探索しているのは恐らく最上階の部屋。
階段を続く限り登った。そして最初に目に入った部屋に入ったところである。その部屋は恐怖を感じるくらいに暗黒だった。明かりのスイッチを探しにドアの周りを感触を頼りに探す。
すると部屋を入ってすぐ横にスイッチらしき物に触れた。そのスイッチを押すとシャンデリアの明かりが照らし、部屋を認識する。
ノワール「ここは、仕事部屋?」
部屋は特に変わりなく平凡的だった。さっきまで居たヨーロッパ風派手な部屋と違ってこの部屋には勉強机と大きなクローゼット、マットレスのベッドと真ん中に大きなテーブルとその左右にソファーが置いてあり、12畳の広さをしている。
ユニ「うわ〜」
ノワール「広いわね。どこから調べようかしら」
ユニ「じゃあアタシは勉強机の引き出しを見てみる」
ノワール「分かったわ」
ユニは勉強机の引き出しを確かめに行く。私はとりあえずクローゼットを開けて中を見る。中身は何もなく空っぽだったが、埃が舞わない事に疑問に思った。
試しに指で軽くこすってみたところ、一切埃が付かなかった。
ノワール「ふ〜ん。綺麗ね」
ユニ「お姉ちゃん、ハンカチがあったよ」
勉強机の一段目の引き出しから、一枚のハンカチを見つけた。植物の模様があるお洒落なデザインをしていて、四角く丁寧に折られている。名前は書かれていない。
ノワール「ちょっと見せなさい」
ユニ「うん」
ユニはハンカチをノワールに手渡す。貰ったノワールはハンカチを広げた。すると一見お洒落なハンカチだったこれが、一部お洒落とは思わない物が塗られている。
ノワール「!!」
ノワールはその物を見て動揺した。その様子が気になったユニはノワールに尋ねる。
ユニ「どうしたの?お姉ちゃん」
ノワール「血が......血が付いてるわ」
そのハンカチの中心には血が大きく染み付いていた。ユニはハンカチをよく見ると、裏側のハンカチでも中心に血がある事に気づいた。
ユニ「ひぃ!」
ユニは小さな悲鳴を口にする。無理もない。血が染み付いていたハンカチだと知らずに手に持ったのだから。
ノワール「元に戻しておきましょ」
ノワールはハンカチを折りたたんで、元の引き出しに戻して閉ざした。そのまま他の引き出しを確認すると、一番下の大きな引き出しの中から手持ちサイズの懐中電灯を見つけた。
ノワール「あら、いいのあるじゃない」
ユニ「何を見つけたの?」
ノワール「懐中電灯よ。.........よし。電池は大丈夫そうね」
ユニ「それがあれば暗い所でも照らせれば行けるね」
ノワールは上着のポケットに懐中電灯を入れて持っていく。他に目星を付けて、怪しい物を探す。ユニはノワールが手を付けたクローゼットを開ける。するとクローゼットの上から「カラカラ」と言う音が小さくなっているのを気づいた。
ユニ「お姉ちゃん。クローゼットの上に何かあるかも」
ノワール「見てみるわ」
ノワールは勉強机と一緒にあった木製の椅子を持って、クローゼットの前に置く。椅子に乗ってクローゼットの上を覗くと、小さな鍵がある。
ノワール「あれは鍵ね。取るわよ」
ノワールは腕を伸ばして鍵を取る。手に入れた鍵はアンティーク風の鍵。どこの鍵かのタグは付けられていない。
ユニ「なんか古臭い鍵」
ノワール「一応持っておきましょ」
椅子から降りて自分の制服を軽くはたき、元の場所に椅子を戻す。
ユニ「他にめぼしい物は無かった?」
ノワール「特に無かったわね。それじゃあこの部屋を出て、一旦集合しに戻りましょ。鍵はユニが持ってなさい」
ユニ「分かった」
手に持った鍵をユニに手渡してそのまま部屋を出ていく。薄暗い廊下を歩き、元の集合場所に戻っていった。
アイエフ「謎深いわね」
コンパ「アイちゃん.........ここ怖いです.........」
アイエフ、コンパ、ベールの3人は階段を1回登った階の廊下を歩いている。周りは景色は見えるが薄暗くて先まで見えない。部屋に続くドアを開けようとしたけれど、どれも鍵が掛かっている。ベールはまだ調べていないもう一つのドアのノブに手をかける。
ベール「お願いですからこのドアだけは開いてくださいまし......」
ドアノブを捻り、引っ張る。その途端ドアが開く音がなると同時に部屋の風景が見えた。しかし見えるのはドアの前まででその先は廊下より更に暗い。
ベール「で、出来れば明るく出迎えて欲しかったですわ......」
アイエフ「入ってみましょ。多分明かりのスイッチがある筈です」
アイエフが先頭にコンパを引っ張りながら入っていき、ベールは最後に入ってドアを閉める。すると本格的に暗闇の世界に変わった。感覚が無ければ死んだ感じの世界。そして何か妙な臭いも少し漂っている。
アイエフ「なんか変な臭いがするわね。生臭いと言うか」
ベール「そうですわね。とりあえずスイッチを探しますわよ」
2人は明かりのスイッチを探すべく壁の感触を頼りにする。コンパはアイエフにくっ付いたまま。怖がりの彼女は、何よりも暗いのが苦手。寝る時は必ず豆電球の明かりを付けて寝るらしい。この状況となれば、懐中電灯さえあれば落ち着くけれど、それがない。
ベール「二人共、スイッチらしい物を見つけましたわ。今つけますわよ」
感触を頼りに探している内、どこまで探したのか分からないが、スイッチらしき感触をベールが見つけた。
そのスイッチを押すと部屋の明かりが照らされた。壁は白く床全体が茶色いカーペットで敷かれている。真ん中には大きなグランドピアノと本棚が部屋の隅に設置されているが一つだけ隅の内側に設置されている。しかしそれよりも目に付いた物がある。部屋に入ってから気になっていた生臭いにおいの正体が分かってしまった。
アイエフ「............!」
ベール「はぁ..!?」
コンパ「い、い.........嫌ぁぁぁ!!」
私達は動揺を隠せきれなかった。ドアから入って左側の壁には、人が十字架に
私達は必死に逃げた。腰に抜けたコンパを強引に引っ張りあげ、勢いのまま部屋を出ていき、元の集合場所まで走り去って行った。
ネプテューヌ「............」
ネプギア「............」
ネプテューヌとネプギアは、2人一緒にクローゼットの中に隠れていた。何故なら集合場所が存在するこの階の探索中に人じゃない何かに追いかけられていたからである。息を殺してじっとその場で隠れている。
姿はよく見えなかったけど、雰囲気はとても穏やかじゃなかった。だって血塗られた武器みたいなのを持っていたのだから。
互いに手を合わせてじっとする。そして私達が隠れている部屋のドアが開いた。
心臓がドキドキする。今までにこんなにまで怖いと思った事は無かった。またしばらく息を殺していようと思った頃にドアが閉まる音がなった。物を探る音が無かったので多分覗いて終わったのだろう。
ネプテューヌ&ネプギア「はぁ.........」
緊張から解き放たれた。止めていた息を吸う。
ネプテューヌ「行ったみたいだね」
ネプギア「うん......」
声を小さくして話す。クローゼットの中から出て近くにあったベッドに座り込む。
ネプギア「あれは一体何だろう...」
ネプテューヌ「いかにもーってやつだったよね。逃げ込んな部屋にクローゼットがあって良かったよー」
もしここで隠れられる場所が無かったらどうなってたか......。そう思うと身震いしてくる。でも姉として妹のネプギアを不安にさせないようにしっかりしないと、と思うと腹から力が湧いてくる。
ネプテューヌ「ネプギア!まずこの部屋を調べてみよっか」
ネプギア「うん!」
無我夢中に逃げ込んだこの部屋を探索する。全体は約8畳くらいの広さで黒いクローゼットと壁際に緑色のソファーと本棚がある。壁の色は白く、床も白いカーペットで埋まっていて、シンプルな部屋になっている。
まず調べる見込みがある本棚から探る。
本のページを適当に読み、何か情報になる物を探すと、四角に折り畳んだ手紙が挟まっているのを見つけた。
ネプテューヌ「これは手紙みたいだね」
ネプギア「読んでみようよ」
ネプテューヌ「うん」
本に挟まっていた手紙を広げて読む。手紙にはこう書かれていた。
《私はこの見知らない建物に迷い込んだ。原因は多分■■■■■■■■■。それよりもこれを読んでいる君に伝えなければならない事がある。この洋館は危険だ。黒い影を■■■■■まっ■■だめだ。捕まっ■■殺されるか■■■■■■■■されてしまう。私の仲間もそうやって2人殺された。脱出手段が分からない私は、次に迷い込む人達の為に■■■報告としてメモを残す。黒い影に見つからないように隠すから頑張って下さい》
文字は全体的に落ち着いて書かれていたが所々黒く塗りつぶされた文章もあった。
ネプテューヌ「これはもしかして、私達と同じように迷い込んだ人のメモだよね?」
ネプギア「そうだと思う。でも良かった。私達以外に人が居るのが安心したよ」
ネプギアは別の人達が迷い込んでいる事が分かったのか、さっきまでと違って表情が明るくなっている。早くこのメモを残している人と合流したい。そう思った途端に恐怖を覚えた。
ネプテューヌ「でも黒い影って、さっきの奴だよね?しかも殺されたって............」
メモにはそう書かれていた。長居しているといつか殺されてしまう?ネプテューヌはそう思った。
ネプギア「きっと大丈夫だよ。みんなで協力すれば」
ネプテューヌ「そうだよね!私達が死ぬ訳ないもん!」
それにしても、黒く塗りつぶされた文章が気になる。みんなに見せたいけれど、メモの書き主の目的を考えて元の本に挟めて戻した。他に目星物を探すが特に無かった。
ネプギア「他に気になる所はないかな」
ネプテューヌ「じゃあ一旦集合場所に戻ろっか。慎重に行くよ」
ネプギア「うん......」
黒い影がいつ現れるか............。そう思うと怖くて仕方ない。でも行くしかない。立ち止まってたら黒い影にやられてしまう。そう意識を強く持ったネプテューヌ。ドアノブに手をかけて捻り、そっと開ける。僅かに開いた隙間から覗く。相変わらず薄暗いが視界に慣れてきたのか大分見えるようになった。黒い影の姿は見えない。行くなら今。
ネプテューヌ「行くよ、ネプギア」
ネプギア「うん...」
部屋を後にして、静かに集合場所へと戻る。その後ろからネプテューヌとネプギアを見つめる二つの眼差しがあるとも知らず、知る余地も無かった。