見知らない古びた廊下を探索するピーシェは気を引き締めて進むが、それは20分も経った。明かりが薄く、電球が点滅するこの雰囲気は精神にダメージを与えてくる。
ピーシェ「…………」
一人で居るのはこんなに心細いとは思わなかった。得意な元気で恐怖を吹き飛ばそうと試みたりしたけど、この恐怖は粘着質みたいに全然離れないし消えない。
ドアやスライドドアがいくつか見たけど、全て開かなくて鍵もかかっていてびくともしない。
ピーシェ「やっぱりぷるるととブラン一緒に行動していれば良かった……」
まさかこんな事になるなんて思いもしなかった。何かがいる。それだけは分かってたけど、いきなり現れるとは思わなかった。
ピーシェ「でも……流石に置いてきちゃうとか……私のバカ……」
こうしてる間もぷるるとが待っている。早くなんとかしないと!今はその目標がピーシェの力になっている。無理やり足を動かせるし、怪我の痛みも感じない。
ピーシェ「まず、どこか調べられる場所を見つけないと」
今の目的は変わらず探索。真っ直ぐ続く薄暗い廊下を歩き続ける。そうしている内、一つのドアが見えて、廊下と同じように古びている。
ピーシェ「鍵空いてるかな……」
試しにドアノブを捻ってゆっくり引くと、その動作で開く音がなる。この廊下に来て初めてドアが開いた。これでようやくまともな探索を始められる。
ピーシェ「…………」
ピーシェは唾を飲んでゆっくりとドアを開けて部屋に入る。部屋の様子は廊下と同じく薄暗い。明かりの余裕は望ましくない。
ピーシェ「やっぱり暗い……」
薄暗い部屋で確認出来る事は、まず物が散乱しているのと左にタンス、右には何も無い。そして奥は真っ暗ではないがこれと言った確証が持てない。どんな部屋か想像が付かないけれど、まずこの部屋で先に理解出来ているのは、廊下のにおいに比べてこの部屋のにおいは比較的に平凡だと言うこと。
ピーシェ「このタンスに懐中電灯はないかな……」
まずはタンスから調べる事にした。散乱している物を踏まないように気を付けながら向かう。そしてタンスの中調べようと手をかける。まず一番下を開ける。
ピーシェ「ん?」
その中には何か入っていた。取ってみるとそれがライターだという事が分かった。ガスの量はほぼ満タン、ほぼ使われてないようだ。ちゃんと火も付く。何かに役立ちそうだ。
ピーシェ「持っていちゃおう。二段目はどうかな?」
ライターをポケットにしまい、二段目を開ける。その中には色んな道具が入っていたがどれも古びている物で、どれも科学関係に使う物だと分かる。その時、ピーシェは気づいた。
ピーシェ「もしかして……ここって研究室?」
研究室かも知らない、そう思ったが、それにしては機械やテーブルが見掛けない。でも空間が薄暗いだけで、見えていないだけかも知らない。
ピーシェ「慎重に調べてみよう。もしここが研究室ならきっと…………あった!」
二段目の中身を探ると、ピーシェの探し物が見つかった。手に持った物はアルコールランプ。先見つけたライターでアルコールランプの紐に火を付ける。
ピーシェ「よし。これである程度明かりの代わりになるかな」
火がついたアルコールランプを持って周りを照らす。視界がさっきより明るくなり、部屋の約8割見渡せるようになった。改めて場を確認すると、研究室とも言えて理科室とも言えそうな部屋だと認識した。物は散乱しているが、全体的に散乱していて木製のテーブルが2〜3台あるが、全て真ん中を中心に折れている。その場を理解したピーシェは部屋の有様に1つの予想が生まれた。
ピーシェ「もしかして、これって襲われてバラバラになったって感じだよね……」
そう思うとさっきの出来事を思い出して身震いしそうだが、無理やり別の事を考えた。きっとこれはそう、人と人が争って…………争って?
ピーシェ「なんで……人同士が争うの?辞めよう、とにかく探索に集中しよう」
不要な考えを一旦置いて部屋の探索を進める。さっきは二段目を調べたので次は三段目を開けて調べる。
ピーシェ「ん?メモ?」
中に入っていたのは、道具を被せるように四角いメモが置かれていた。メモを取って、アルコールランプの明かりでメモを照らすと文字が見えた。そのメモにはこう書かれていた。
『もう他者を信用しない』
そう書かれていた。ピーシェはこの言葉の意味をあまり理解していないが、この状況なだけあって不気味さがある。
ピーシェ「う……」
信用しない……。その単語でピーシェはついマイナスに考えてしまった。「裏切ってしまった」もしかしたら私に絶望してしまったのでは……。無意識にそう考えてしまい、胸が痛む。
ピーシェ「そんな事……ないよね……だって私は言ったから…………必ず助けに行くって……」
気分が病んで来そうだがそこを踏ん張る。止まっちゃだめだ。歩き出さなきゃ。そう言い聞かせて体を動かす。手に取ったメモはどこかに放り投げ、探索を続ける。
メモがあった三段目にもう1度目を通すが、これと言った物がなかった。次は四段目に調べる。しかし特に目に付くよいたな物がなかった。
ピーシェ「タンスはこんな物かな……。次は散乱した物を見よう」
散乱した物、タンスにあった物が良く落ちているがいくつかメモ用紙や新聞が落ちていた。まずメモ用紙からアルコールランプの明かりを頼りに目を通してみる。
ピーシェ「ん?2000?」
大雑把に見たところ、ほとんど汚れていて読めなかったが「2000」この数字だけ読めて、妙に目立っていた。
ピーシェ「一応持っておこうかな」
念の為、そのメモ用紙を持っていく事にした。次に新聞を拾って目を通す。
ピーシェ「なにこれ?こんなの全部知らない。それに連続行方不明者?」
新聞の内容は全て知らない内容だったが特に大きな文字で目立つように書かれていたのが、「連続行方不明者」。なんで「連続行方不明事件」じゃなくて「連続行方不明者」なんだろう?そう思わんばかりだった。
ピーシェ「行方不明者って事は、きっとその人物が誰なのかもきっと…………」
行方不明者の詳細を見た瞬間だった。そこに記されているのは2人の人物。ピーシェはその2人を知っている。
ピーシェ「なんで……ネプギアとアイエフなの……」
意味が分からなかった。さっきまでピーシェはアイエフとネプギアとは、初めて探索を始める前まで一緒に居た。なのになんでこの新聞に2人が出ているの?不気味で仕方ない。
ピーシェ「こんなの捏造に!……っ!?」
新聞を丸めて投げ捨てようとした時だった。廊下から誰かの気配と寒気を感じた。気配だけじゃなく、寒気も感じたピーシェはさっきの出来事を思い出す。
ピーシェ『まさか……』
ピーシェは部屋のスライドドアよりの隅に移動して身を潜める。
???「…………」
誰かが廊下を通っている。その足音は人間性が低い音だった。人間の歩く音って言うより、こっちのは引くずる様な音を鳴らしている。更には小さな声でうなり声を上げている。その声は怪物のようなものではなく、人間の声とも聞きいられる。スライドドアから僅かに間隙間を覗いて、廊下の様子を確かめる。
ピーシェ「……っ!?」
心臓が止まりそうになった。廊下の様子を覗いて見たら、そこにを死んだ魚の目でピーシェを見る者が居た。しかも視線を合わせてしまった。
ピーシェ「あ……く……」
体がピクリとも動かない。まるで蛇に睨まれた蛙、全く動けず、視線も動かせない。
ピーシェ『まずい……逃げられない……どうしよう』
非汗が流れ始めてきて、身の危険を感じ始めた。このままだとっと思った時だった。
???「…………」
飽きたのか見つめるのを止めてその場を右へ、引きずる音をたてながら去っていった。
ピーシェ「………………」
視線から開放した頃には体の自由を取り戻し、あまりにもの恐怖で腰を抜かし、座り込んだ。
ピーシェ「み……見逃して……くれた……?」
二度目の恐怖を体験したピーシェはそのまま体を動かせず、時間だけが流れていった。
ネプギア「お姉ちゃん……遅いな〜」
ユニ「うん…………」
ネプテューヌとノワールとアイエフがブラン達を探しに行ってから40分くらい時間が経った。なかなか帰ってこない事にそろそろ妹のネプギアとユニが口を動かす。
ベール「もう大丈夫ですの?コンパちゃん」
コンパ「はいです……。心配させてごめんなさいです。ベール先生」
コンパの状態が良くなったのは約一時間弱掛かった。よほどとんでもない物だったのだろう。
ネプギア「見に行った方が……いいのかな?」
ユニ「ちょ!ネプギア、それは危険よ。あんたは見たんでしょ?いかにもってやつを」
ネプギア「で、でも……」
ユニは探索に行く事を拒んだ。確かに危険なのは分かっている。さっき襲い掛かってきた黒い影みたいなのもまた出くわすかも知らない。でもだからと言ってじっとしてられない。そんな時に……
コンパ「私もねぷねぷや皆さんが心配です。怖いけど探しに行きたいです」
ユニ「コンパ先輩まで……」
ネプギアの意見にコンパも賛同した。さっきまで気分が不安定だったけど、親友や友達の事になると放って置けない心構えが、自分を動かしてるのだろう。
ベール「でしたら、私が探しに行きますわ。あなた達はここでお待ちになって下さい」
ベールがそう言い渡すとそこにネプギアが割り込むように話をし始め、一緒に連れてって行くよう説得し始めた。
ネプギア「待ってください!私も連れて行ってください!」
コンパ「私もです!私も探しに行きたいです!」
ベール「そうですか……本当なら、何が何であなた達をここに残らせたかったのですが…………ユニちゃんはどうしますの?」
ユニ「あ……も、もう!アタシも行くわ!か、勘違いしないでよね!1人で居るのが嫌なだけなんだから!」
ベール「決まりですわね。では行きますわよ」
説得は簡単に出来た。ほっとはしたけど、これはこれで、先生とうして大丈夫なの?って思う事もあった。
ネプギア達はなかなか帰ってこないみんなを探しに、危険な廊下に足を踏み入れた。しかしその行動は後々後悔する事を知る余地は無かった。
ノワール「そろそろ動いても大丈夫かしら」
ネプテューヌ「えぇ〜 もうちょい寝てても〜」
アイエフ「いいから起きないネプ子」
廊下から、何かを引きずる謎の音が右のから左へと通り過ぎて行ってから3分が経った。アイエフは、寝込んでいるネプテューヌをひっぱたいて目を覚まさせ、行動を開始させる。
ノワール「まずは隣の部屋を見てみるわよ」
ネプテューヌ「と、隣の部屋?さっきの音が出ていった部屋を調べるの?」
アイエフ「危険かも知らないけれど、何か発見があるかも知らないわね」
ノワール「えぇ、ゆっくり行くわよ」
目的場所はすぐ隣の部屋。今いる部屋からすぐ右の壁際にあるドアの先の部屋、そこにノワール達が向かう。ドアをゆっくりと音をなるべく立てないように開けて、すぐ隣のドアノブに手をかけて捻ると、ドアには鍵が掛かっておらず簡単に開いた。後ろについてくるネプテューヌとアイエフを先に部屋の中に入らせ、ノワールが最後に部屋へ入ってドアを閉める。移動は上手くいったノワール達はそっと息を漏らす。
ネプテューヌ「なんか新鮮な空気だね。誰かが居た部屋に入るなんて」
ノワール「そうね……本当に新鮮な空気よ。あれを見て」
アイエフ「?」
部屋の様子は、明かりが最初から付いていて認識はすぐに出来た。ここは遊戯場。ビリヤードが一台、ダーツが三台だけの小さな部屋。紺色の壁と縞模様のカーペット、飾り物で壁に3つ、ガラスの中に剣が展示された物がある。でもそれよりも認識したくはない物がカーペットにあった。
ネプテューヌ「う、嘘……血!?」
ノワール「ちょっとネプテューヌ!大きな声出さないで!」
アイエフ「……っ」
カーペットの真ん中には大量の血痕が付着していた。その量は、切り傷で出る出血量とは思えないくらいだった。少なくともこの量は出血多量による死亡くらいの物だと、ノワールとアイエフが理解した。
ノワール「…………」
アイエフ「…………」
2人は嫌な予感をしていたが、一旦その発想を捨てて部屋を調べに入る。見渡す限りでは荒らされた感じはなく綺麗に整理されている。
ノワール「ビリヤード……現物は初めてだわ」
ビリヤード台には綺麗にセットされた球、台の横には3つ立て掛けてある。テレビ番組で時々見かけるビリヤードを1度やってみたいと思った事があるけど、こんな状況で初めて現物を見て触るとは思わなかった。
アイエフ「あまり使われていないわね。このダーツボード」
アイエフはダーツを調べていた。全体円形約45cmのダーツボードとそこから約2m40cm離れた所にある台にダーツが5つある。ダーツのタイプはスティール・ティップ・ダーツ、金属製。見るからしてそのダーツをダーツボードに向けて投げればしっかり刺さるだろう。しかしダーツボード自体あまり使われた形跡がない。ダーツで出来た穴が3つのダーツボードの内1つだけ、そのダーツボードにある穴の数はだったの六つだけだった。
ノワール「ネプテューヌ。そっちは何か発見はあったかしら?」
ネプテューヌ「剣が展示されてるんだろ〜。握ってみたいな〜」
ネプテューヌはガラスの中に展示された剣に興味津々だった。顔の頬をくっつかせて覗いているその様子は、凄く触りたがっているとも思える。
アイエフ「どうして遊戯場に剣が飾ってあるのかしらね」
ノワール「…………」
ノワールは部屋の状況に1つ疑問に思う点があった。確かに部屋全体は、血が付着されているカーペット以外は綺麗だ。でもノワールはその綺麗に疑問があるのだ。どうして綺麗なのか?出血多量になるくらいの致命傷、まず返り血はあるはず、だがその割にはビリヤードの台もダーツボードやダーツが置かれた台などに汚れがない。何かがおかしい。
ネプテューヌ「ネプ!?」
突然ネプテューヌが何かにびっくりした声を上げた。ネプテューヌの方を見るとその原因が分かった。
アイエフ「剣が動いた?」
ノワール「もしかして……」
ノワールは1つの可能性を思い付いた。その可能性は私達人間にとって嫌な物だった。
カーペットに付着されている大量の血の原因はおそらく……
ノワール「っ!?はやく逃げるわよ!」
ネプテューヌ「分かった!」
ノワールの可能性は当たっていた。剣の様子は1件綺麗だが、よく見ると剣の裏は血で汚れていた。綺麗に整理されたこの遊戯場の裏は全て汚れている!ガラスから出てこれない今がチャンス!迅速的にドアの開けて全員出ていくが、廊下の奥から新たな恐怖が現れた。
ネプテューヌ「か、怪物!」
アイエフ「く!」
ノワール「!」
人を断ち切れる大剣を持った赤い怪物が廊下の奥に居た。その怪物はノワール達の存在に気付き、こちらに向かってくる。
ネプテューヌ「嫌ぁぁぁぁ!逃げろぉ!」
アイエフ「ま、待って!ネプ子!」
あまりにも恐怖に2人は右に続く廊下へ走っていった。
ノワール「ちょ!待ちなさい!」
ノワールも慌てて2人の後を追うが、右の廊下へ体を向けた頃には2人の姿が消えていた。まずい!はぐれた!
ノワール「っく!」
赤い怪物が走り始めた。迷っている暇はない!真っ直ぐ続いた、明かりが照らされていない扉、更に右に続く廊下。
ノワール「早く逃げないと!」
選択肢
1 照らされていない扉
2 右に続く廊下
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