そこのたなのリンゴとってリンゴ   作:鳧三

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処女作です。
※この物語には、NARUTOのネタバレ、原作キャラの若干のキャラ崩壊、原作で死亡するキャラの生存、オリジナルキャラの若干のチート、そしてオリジナル展開及び自己解釈による世界観を含みます。上記の要素を許せない方はブラウザバックをお願いします。

また、保護者丸と愉快な仲間たちがイケメンロリババアとそれなりに愉快な生活を送る話をメインに据え置きたいと思っています。たまにですが、原作や青春フルパワーへ関わります。
楽しんでいただけたら幸いです。


邂逅編
カブト は ようじょ を ひろった


鬱蒼と茂る樹林の中、カブトはその場に立ちすくんでいた。

息をするのも忘れた彼は、眼鏡の奥の瞳を限界まで見開いたまま微動だにしない。できないのだ。

金縛りにでもあったような彼の目線の先、彼から数メートル離れた先に落ちていたのは……

 

少女……否、幼女と表した方が妥当といえる程の女児だった。

一瞬、死体かと思えたその身体は規則正しいリズムで上下しており、ただただ眠っているだけなのだとわかった。しかし

しかし、だ。

(なぜこんな樹林で寝ているんだ……)

友だちと遊んでいてうっかりすやぁ……なんて話なのだろうか。

それとも木の葉側から送られてきた偵察……いやいやそれはない。

(無防備にアジトの近くで寝る奴がいるか)

ここから少し歩けば大蛇丸様のアジトなのだから、わざわざこんなところで眠るなど自殺しにきましたと大声で言っているようなものだ。

そもそもこの女の子は木の葉の忍者装束ですらないし武器も見当たらない。

 

「さしずめ迷子ってところか……」

 

初めの驚きにより動かなかった石のような身体から力を抜くと、はあ、と肺に溜まっていた空気が吐き出されていった。

さて、どうしようか

実験体の補完のためにも持って帰ろうか

アジトが近いのに放置というのはあまり賢明な選択ではないと思うというのもある。

ザワザワと風に揺れる樹木の音を聴きながら、その幼女の傍らにしゃがみ込む。

品定めをするように改めて幼女を見つめる。

年齢は9歳程だろうか

一見すれば白い塊である。

真っ白な髪は綿菓子のようにふわふわとしており、丸くなって眠っている本人を隠してしまうのではないかという程に量もあった。

折れそうな細身に身につけているのは独特なデザインの装束。これもまた白が基調とされているため、全身が真っ白と言えるような見てくれだった。

しかしそれ以前に、カブトの中に一つの違和感が湧き起こる

 

「人間……?」

 

何とも不思議なことに、この子からは人間特有の「雰囲気」のようなものが感じられないのだ。

着ている服装や全体的な白さも相まって

"人間離れ"

したような違和感があるのだ。

自分が今目の前にしている白い塊を人間と思えなかった。

しかし、見たところ外見は人間のそれと何ら変わりはない

そうカブトが思った時、ざあっと風が吹いた

強く吹いた風は、木々を揺らすとともに木の葉を巻き上げ、カブトの目の前の白い幼女の髪の毛を綿雲のようにふわりと揺れ上げる。

その時、再びカブトは身体を硬直させることになった。

何だこれは、と口から思わず零れた言葉は風にかき消される。

凝視した先。

風が遊んで行ったその跡。

目の前の幼女の頭にあったのは

 

「角……」

 

木の肌のような色合いをしたその棒状のものは、幼女の耳裏あたりから、龍の角のように、はたまた木の枝のようにまっすぐと伸びて……

 

「!」

 

ハッと意識がカブトに取り戻された。

目を見開いたまま、微かに震えだした右手を伸ばして"角のようなもの"に触れる。

ざらりとした感触とともに感じるのは龍の角のように現実離れしたものではなく

 

「これは……木の枝」

 

そう、手に伝わる感触は触り慣れた木肌そのものだった。

髪飾りですらないのは、今カブトが触っている時点で取れるどころか微動だにしないことから明らかだろう。

では、何だこれは

何なんだ

出会ったこともない代物を前に、頭の中でそう反芻することしかできなかった。

 

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