不幸をばらまく人でも、やりたいことがある。

必ず、そんな人でも、使命を持っている。

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1000文字小説、第2弾。
シリーズ化してみようかな。


人生最期の告白を

僕は不幸をばらまいてる。

 

 

僕が人に近づくだけでその人が交通事故にあう。

 

 

僕が人に近づくだけでその人が重い病にかかる。

 

 

だから、僕は疫病神、邪神だと言われている。

 

 

僕は、忌み嫌われている。

 

 

だから、僕は今から死のうと思う。

 

 

だけど、死ねない理由がある。

 

 

僕のことが、好きな人がいるからだ。

 

 

僕は、僕のことが好きになる人を一生懸命引き離そうとした。

 

 

だけど、彼女はずっと付き纏う。

 

 

誰に反対されても、ずっとずっと僕に付きまとっている。

 

 

翌日、彼女が奇病にかかった。

 

 

余命、あと数日、いや、数時間ってところ。

 

 

僕は、生きていても何の価値もない。

 

 

だから、キリを良くして彼女が死ぬと同時に、僕も死のうと思った。

 

 

でも、何もせずに死ぬのもキリが悪いので、せめて何かしようと思った。

 

 

贈り物。

 

 

せめて彼女に、プレゼントをしよう。

 

 

僕は道端を歩いているだけで、皆に恐れられる。

 

 

通りかかった人の一人は、つい先ほど交通事故が起きた。

 

 

ついでに即死。

 

 

僕は理不尽にも殺人犯とされて、警察に捕らえられた。

 

 

「なぜ殺した?」

 

 

僕は高圧的に警察官に尋問をされる。

 

 

「僕は何もしていません。それより彼女の命が―――」

 

 

「ふん、そんなことを言ってもこれは抗えない。お前は現世に生きる疫病神だ。お前のせいでこれ以上死人を増やすわけにはいかない。無期懲役だ。」

 

 

「そんな…!じゃあ、せめて一時間でも時間を…!」

 

 

「…チッ、だが、出来るだけ人気(ひとけ)のない所を歩け。」

 

警察官は舌打ちをし、手錠を外す。

 

僕は走って交番を出た。

 

 

人気のない所を歩き、ある、店にたどり着いた。

 

 

そこで、『ある』ものを買う―――。

 

 

それは、とても高価なもの。でも、とても彼女にぴったりなものを選んだ。

 

 

僕は急いで病院に戻ると、彼女の部屋に走って行った。

 

 

彼女はもう瀕死で、生きるか死ぬかの境目にいる。

 

 

僕は彼女の手を取り、『ある』ものをプレゼントした。

 

 

そして、それを指にはめる―――。

 

 

彼女は「ありがとう」とだけ言い、そのまま逝ってしまった。

 

 

「時間だ。」

 

 

警察官がやってきて、再び僕をとらえる。

 

 

「この1時間、なにをしてたんだ?」

 

 

「…告白です。」

 

 

「ほう、誰に?」

 

 

「…もうこの世にいない人に。」

 

 

僕は牢屋に放り込まれた。

 

 

警察官は南京錠に鍵をかけ、その場を立ち去る。

 

 

今頃、彼女は何をしているだろうか。

 

 

僕のことをどう思っているのだろうか。

 

 

天国に行っても、幸せに暮らしているだろうか。

 

 

君だけそっちに行っちゃったけど…君は、幸せだろうか。

 

 


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