魔物使いのハンドレッドクエスト   作:兵庫人

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第二百五十六話

「ふう♩ 生き返りました♩ ありがとうございます、メイさん」

 

 よほど喉が渇いていたのかリリアは小瓶の水を全て飲み干すと、水を持ってきたメイに礼の言葉を言った。

 

「……えっ!? い、いえ、私はただ主様の為にお水を持ってきただけですから……。その、私達主様に従う魔女が主様の為に働くのは当然の事ですから……」

 

「……へぇ」

 

 リリアに声をかけられて放心状態から復帰したメイがそう答えると、それを聞いたサキュバスの魔女は僅かに不機嫌そうに目を細めて呟いた。

 

「え? リリア?」

 

「アルハレム様に従う魔女がアルハレム様の為に働くのは当然の事……私もそう思います。……ですが、だとしたらメイさんは最も大切な仕事をしていないじゃないですか?」

 

 リリアの変化に気づいたアルハレムが声をかけるが、サキュバスの魔女は耳を貸さずに手に持っていた小瓶を床に置くとメイに問い詰める。

 

「最も大切な仕事、ですか? それは一体何でしょうか?」

 

「……本当に分からないのですか?」

 

 メイの言葉にリリアが詰め寄る。それによって元々近かった二人の距離が縮まり、リリアとメイの豊かな乳房が接触して押しつけ合いその形を淫らに変形させる。

 

「分かりませんか、メイさん?」

 

「え、ええ……」

 

「そうですか……。では教えてあげます」

 

 リリアの質問にメイが答えると、それを聞いたサキュバスの魔女は出来の悪い生徒を見る教師のような顔になってため息を吐いてからメイの後ろに回り込む。

 

「あの……リリアさん?」

 

「私達、アルハレム様に従う魔女の最も大切な仕事……それはアルハレム様にご奉仕することです!」

 

「「っ!?」」

 

 メイの後ろに回り込んだリリアは彼女の着物の胸元を勢いよく開き、乳房を露出させられたメイとそれを正面から間近で見た……というか見せられたアルハレムは同時に息をのんだ。

 

 突然の出来事にアルハレムは混乱で、メイは羞恥心で固まってしまう。だがリリアはそんな事は御構い無しに何も分かっていない後輩の魔女に言う。

 

「いいですか? 私たちは魔女……つまりは人間の姿を魔物で、主人であるアルハレムはご自身の固有特性によって超人的な体力を持っています。この二点から考えて私達の最も大切な仕事は、この身体を使って体力を持て余すアルハレムにご奉仕することと言えるでしょう。むしろそれ以上に優先すべき仕事なんてあるでしょうか? ……いや、ない!」

 

「俺は他にもあると思うんだけど……」

 

 自信満々に言い切るリリアに思わずアルハレムが呟き、それに続いて顔を真っ赤にしたメイが蚊の鳴くような声で言う。

 

「あ、あの、その、リリアさん……。そ、そういう……肌を重ねる行為は……結婚をした夫婦しかしてはいけな……」

 

「ああ、それなら大丈夫です♩ 私達はアルハレム様と契約をした時点で既に結婚をした様なものです。ですから私達同様アルハレム様と契約をされたメイさんも思う存分私達のご主人様と肌を重ねてもいいんですよ。というか、それが義務なんでから」

 

「いつから義務になったんだよ?」

 

 メイの言葉を遮るように言うリリア。彼女の言葉にアルハレムが呆れた声で突っ込みを入れるがサキュバスの魔女は華麗に無視した。

 

「で、ですけど私は罪深い身……。これ以上主様や皆さんと関わっては……」

 

「またそれですか……」

 

 リリアはメイの口から出た、この三日間で何度も聞いた台詞に顔をしかめる。彼女の言う「罪」とは二百年以上前に暴走状態となってシン国に大きな被害を出したことである。

 

 メイは暴走状態の自分が何をしてしまったかをほとんど記憶しており、その事を深く悔やんでいた。その罪悪感から彼女は「助けてくれたことは感謝していますが、私のような罪深い者と親しくしていたら迷惑がかかります」と言ってアルハレム達と一定の距離を保っていて、今まで一度も魔物使いの青年と肌を重ねたこともなかった。

 

 そんなメイの態度をアルハレムは特に気にしていなかったのだが「パーティーのお色気担当」を自称するリリアは気に入らなかったようだ。

 

「全く、何を馬鹿馬鹿しい事を言っているのですか? そんなの『私の身体でアルハレム様にご奉仕して償います』と言えばいいんですよ。せっかくこんな魅力的なものを持っているのに使わないなんて勿体無いです……よ!」

 

 そう言うとリリアは後ろから両手でメイの露出した乳房を鷲掴みにする。

 

 メイの乳房はアルハレムが見たどの女性のよりも大きくて形のよい肉の巨峰で、それがリリアの手で柔らかく淫らに形を歪める光景は圧巻としか言いようがなかった。

 

「ひいっ!?」

 

「……!?」

 

 リリアにこの場で最大級の大きさの乳房を鷲掴みにされてメイが悲鳴を上げて、アルハレムがその光景のあまりの衝撃に目を逸らすことも忘れて凝視してしまう。そしてそんな二人を無視してリリアが驚きと悔しさを混ぜた表情を浮かべて叫ぶ。

 

「うわっ!? うっわ!? 何ですかコレ!? この持っていると手が疲れてきちゃいそうな大ボリューム! このふわっふわの揉み心地! この絹のような肌の感触!」

 

「ん……ひっ」

 

 メイの乳房を鷲掴みにするリリアはそう叫ぶと、意識してやっているのかそれとも無意識でしているのか彼女の乳房を持つ両手の指を動かし、メイがくすぐったそうな声を上げる。

 

「うわ~、私もおっぱいには自信があったのですけど、これには勝てないですね……。何て言うかここまできたらもう、羨ましいと言うしかないですね」

 

「ああ……んっ」

 

 言っているうちにリリアも興奮してきたようでその指の動きも激しくなり、メイの口から漏れる声も熱を帯びる。

 

「本当に勿体無いですね。サキュバスの私ですら羨ましいと思うおっぱいを持っていながらそれを使わないなん……でべら!?」

 

「いい加減にしてくださーーーい!」

 

 乳房を揉みながら話すリリアだったが、ついに我慢の限界がきたメイの尻尾によって吹き飛ばされる。サキュバスの魔女を吹き飛ばしたメイの尻尾は、契約の儀式でアルハレムが戦った時と同じ光の線となっていた。

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