唐突に思い付いたFateネタ「聖杯は俺の嫁」   作:シフシフ

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難産ーーー。

fatego面白いんじゃぁ〜^^

もう次はエピローグかな?エピローグ終わったら番外編で「マユ視点が主の旅行編」を予定してます。


青い騎士と黒い騎士

騎士は墓地に佇んでいた。その姿は見ているものを物悲しくさせた。最もいま彼を見ている人物等アサシン達くらいのものだろうが。

黒い甲冑、黒い髪。人々が一般的に思い描く白銀鎧に金髪のそれとは異なる外見は、まるで「堕ちた騎士」を想像させるに相応しい。

 

「あぁ・・・マスター・・・・・・。本当に・・・・・・王は、来て下さるでしょうか」

 

騎士は虚空に話しかける、否、それは独り言。念話は勿論何らかの術を持って他人に話しかけた訳では無い。ただ待つ事による期待と不安と緊張に、押し潰されぬ様にと外に吐き出したのだ。

 

騎士がマスターと呼ぶのは魔法使い、慈悲深く、騎士道精神に似たものを持つ男だ。そして文化的な言葉を流暢に話す騎士のクラスはバーサーカー。魔法使いにより狂化の呪いから解き放たれた騎士は、これまた魔法使いによって用意された「王との再会」に胸を色々な感情で踊らせていた。

 

騎士は「待つ」事に少し慣れていた。それと同時に待つ事はあまりいい思い出がある行為ではなかったが。待ち続けると言う行為は果てしなく、その精神を蝕む毒だ。しかし、それでも騎士は待ち続ける。待ちに待ってようやく、ようやく巡ってきた奇跡。死してようやく叶うかもしれない願い。

 

一時の感情に任せ、狂っていたい等と考えた騎士であったが、今はその様な考えは持っていなかった。元より話しが妙に噛み合わない他人の気持ちのわからない王であったが、こちらが狂っていたなら噛み合わない所か会話すら成立しないでは無いかと。

 

ガチャリ

 

金属鎧特有の音。それが静かに死者を安らかな眠りに導く揺籃たる墓地に響く。この時代ならばまず有り得ない事ではあるが、彼らからすれば別段おかしな事では無いだろう。騎士が鎧を着ないなど有り得ない話しであり、鎧を来ているのならば音は鳴るのだから。

 

「セイバーのサーヴァント・・・・・・貴方の主に言われ、こうして参上した。・・・・・・して、話とは何か。」

 

狂化が解除された為に『己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)』の劣化は解除され、その効果を遺憾無く発揮していた。騎士・・・ランスロットの姿は所々が隠蔽され、その真名を導き出す事はそういう類の宝具で無くては出来ないだろう。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ランスロットは黙り込む。それは言葉が出ないからだ。最後に見た時と何ら変わらぬその姿、羨望と喜び、そして罪悪感により言葉を失ったのだ。セイバーが見えない聖剣を構える。

 

「・・・・・・貴方のマスターから聞いた話では狂化は解かれたと聞き及んでいたが。一度失った言葉は取り戻せないか?狂戦士よ」

 

姿を隠蔽する狂戦士が自分を熱い視線で見つめていたのなら警戒して然るべし。情報と違うとなれば不意打ち、騙し討ちの可能性も高まる。バーサーカーについてはセイバーは何も知らないのだ、その実力の一端も、宝具についても何も知らない。一方的に向こうに知られていて、自分は向こうを知らないのならば最大限に警戒するのも当たり前というものだろう。

 

「・・・・・・いえ、王よ。私は言葉を話す事が出来ます。」

 

短く、答える。セイバーが不思議そうに眉を顰める。しかし、王である事をマスターから聞いたのであれば当然の反応とも言えた、その為に特に聞き糺す事もせず、続きを待った。

 

「王よ、その姿再び見える事が出来て光栄です。」

 

バーサーカーが騎士の礼をし、恭しく頭を垂れた。しかし、セイバーは大きく動揺しているようだ。

 

「まっ、待て。・・・・・・・・・その様な宝具を持つ者など・・・・・・生前にいただろうか・・・・・・しかし、マーリンと言うことは有り得ないだろう?ふむ・・・一体誰なんです?」

 

知り合いなのだとアタリをつけたセイバーは言葉を和らげる。しかし、姿を変える宝具を持っていた騎士など円卓に居ただろうかと考えたようだ。騎士でなおかつサーヴァントとして喚ばれる者、と絞りを掛けた時、円卓の騎士達が脳裏に浮かぶのは仕方が無い。そしてそれは正解であった。

 

「私は・・・・・・・・・私、は。」

 

ランスロットが名前を伝えようと歯を食い縛る。自らを裏切った裏切りの騎士の名を聞いて王がどのような顔をするのか、わかってしまったからだ。

 

「どうしたのですか?」

 

セイバーが小首をかしげて尋ねる。その頭部にアホ毛と一緒にはてなが浮かんでいるのは幻覚ではないだろう。

ランスロットは今も昔も変わらない王に内心安心しながらも、なかなか言葉に出来ずにいた。そんな時、ふと、頭の中に声が響く。

 

〈頑張ってランスロット。ショウもそれを望んでる。ほら、よくあるでしょ?剣で語るって奴!騎士ならそんな感じで行けば多分平気でしょ〉

(奥様・・・!?・・・・・・いえ、しかし、王に剣を向けるなど・・・)

〈む・・・・・・一応言っておくが、今の貴様の主はショウだ。そして貴様に与えられた任務はその女を改心させること。頑張れ〉

(・・・・・・)

 

ランスロットは近くにあった木の棒を拾う、すると木の棒に赤黒い線が広がり、ランスロットの宝具となった。

 

「!?」

 

驚くセイバーをよそに、ランスロットは語り出す。

 

「その男はどんな物でも武器として扱いました」

 

騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)』、それは生前ランスロットが敵の罠にかかってしまった時、拾った木の棒一つで戦った逸話からなる死後(・・)宝具としてランスロットが獲得した物だ。

そして『己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)』も同じく死後手に入れたもの。例え生前の彼を知るものであってもそう簡単に正体を見破ることは出来ないのだ。

 

「その男は騎士の中の騎士と、そう呼ばれました。」

 

木の棒を構え、バーサーカーが1歩セイバーに踏み出す。セイバーが目を見開き1歩後ずさる。

 

「そんな・・・・・・なぜ、貴方ほどの者が・・・」

 

セイバーはバーサーカーの正体に気がついたようだ。わなわなと声を震わせ、否定しようともがくが確信を覆す材料は残念な事に揃ってはいなかった。

 

「私は湖の騎士。私は裏切りの騎士ッ!」

 

唐突にバーサーカーが駆ける。宝具化された木の棒はその身体能力も相まって英霊を殺すのに、何ら苦労もしないだけの威力を秘めている。木の棒と聖剣が衝突を繰り返し、金属音があたりに響く。戦いは一方的だった。

 

「な!なぜ貴方がバーサーカーなどに堕ちたのですか!」

 

己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)が解かれる。

話をしようと、理由を聞こうとセイバーが必死に抵抗する。しかし、攻めるという事を一切していなかった。いや、出来ずにいた。技量も何もかもが全く色褪せていないからだ、それはセイバーにとって懐かしくも恐ろしい。

 

「私はッ!貴女にッ!叱られ、裁かれたかった!なぜあの場で私をお許しになったのですかアーサー!!」

 

ランスロットは叫ぶ。それは許しを乞う物ではない、凶弾の叫びでもない。ただ、泣き叫んでいるのだ。

 

「あの、ぐぅ!時は!貴方を失う訳には・・・!行かなかった!」

 

連撃を何とか受けきりセイバーは反論をする、否、反論になどなってはいない。ただ真実を述べる。最高戦力であるランスロットをあの時期に失う訳には行かなかったからだ。つまりは度重なる不幸が不幸を呼んだだけなのだから。

 

「ふあっ!」

 

腹を蹴り飛ばされセイバーが吹き飛び墓を破壊する。セイバーの表情は今にも泣き出しそうなほど弱々しく、その心がどれだけの苦痛を負っているかを物語る。

 

「ぐ・・・・・・。なぜ・・・・・・いえ、私が、悪いのでしょう、・・・すみません」

 

セイバーが頭を下げる。それに対しランスロットは悲痛の表情を浮かべながら叫ぶ。

 

「違う・・・違うのです王よ!私は謝られたいのではありません!貴女は王だ!だからこそ私のような者を裁く権利がある!」

「権利など・・・!私には無い!私が・・・私が滅ぼしてしまったのだあのブリテンを・・・・・・」

 

生前からうまく話しが噛み合わない2人であるが、それをこの瞬間ほど感じた事は無かっただろう。それぞれが自分のせいで国が滅んだと思っている以上、相手が折れる事を祈るしかない。

 

「王よ・・・」「ランスロット・・・」

 

互いの距離が零になる。ランスロットが前傾で加速し、セイバーが急いで立ち上がった。木の棒と聖剣が再び火花を散らす。木の棒の横薙ぎを直感で回避したセイバーにランスロットの回し蹴りが直撃する。吹き飛ぶセイバーは魔力放出を使い空中で体制を整え、目の前に来ていたランスロットに聖剣を振り下ろす。木の棒でそれを受け止めたランスロットの踵が地に埋まる。魔力放出で強化された一撃は重い。

 

「ぐっ・・・・・・やめろランスロット!私は貴方とは戦いたく・・・ぬぅ・・・!?」

 

連撃がセイバーに襲いかかる。直感で必死に避けるものの息付く暇がない。

 

数分間バーサーカーとセイバーは渡り合った。そしてショウとランサーの戦闘に終わりが訪れようとする時、戦いは大きく動くのだ。

 

「・・・・・・そんなにも・・・私が憎いか」

「私は罪を裁いて欲しかったのです、他でもない貴女に」

 

セイバーも観念したのか、姿勢を正す。その表情は苦悩に歪み、弱々しい。そして、聖剣を持ち直す。

 

「・・・ならば覚悟するがいい。ランスロット卿。」

 

セイバーから表情が抜け落ちる。ブリテン救済の願いを邪魔する「敵」として、彼女の「王」が判断を下したのだ。

 

「・・・えぇ、もちろんです。アーサー。」

 

ランスロットの持っていた枝から赤黒い幾何学模様が消え去った。二つの宝具を封印する事で、騎士としての宝具を彼は呼び出す。それは剣。『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』と起源を同じくする聖剣。その名を『無毀なる湖光(アロンダイト)』と言う。仲間殺しの剣は魔剣としての属性を持ち、龍を討伐した逸話から龍殺しの宝具でもある。

 

互いの距離は10m程か、両者既に間合い。地面が陥没する程の踏み込みが二つ。片や大量の魔力を放出し、片やステータスで地を蹴った。

 

ぶつかり合う聖剣。甲高い金属音が周囲に響き渡る。押されるのは変わらずセイバーだ。技量もステータスもセイバーは負けていた。こうして耐えきれているのは偏に直感のお陰だろう。

 

セイバーが魔力放出を使い強引にランスロットを吹き飛ばす。近い未来、遠い平行世界において大英雄ヘラクレスすら吹き飛ばすそれはランスロットをフワリと宙に浮かべ吹き飛ばす。四つん這いになり狼の如く四肢を使ってブレーキを駆けたランスロットは一気に駆け出した。なぜなら

 

約束された―――――(エクス―――――)

 

セイバーが宝具を開帳しようとしていたからだ。生前幾度と無く目にしてきたセイバーの宝具をランスロットは知っている。敵の城壁を一撃で吹き飛ばし、大軍を薙ぎ払うそれを受けるわけには行かない。なぜならランスロットにはショウに対する恩があるからだ。恩を受けてそれを返せずに死んでしまうなど、生前と何ら変わらない。ランスロットは宝具の真名開放を選択した。

 

無毀なる湖光!(アロンダイト)

 

宝具、幸運を除くすべてのステータスが一段階上昇する。この瞬間この聖杯戦争最速最強となったランスロットはまるで掻き消えるかのようにセイバーに肉薄した。

 

勝利の剣(カリバー)ァァァアア!」

 

星星の光を束ね、最強の聖剣は振り下ろされる。光が剣となってバーサーカーを討たんと迫る。

 

「アーサーぁああああああ!」

 

それを、ランスロットは回避して見せた。高い敏捷値が振り下ろされた光の剣を掻い潜る。振るわれる仲間殺しの魔剣。騎士の血を吸ったその魔剣がセイバーの片腕を斬り飛ばした。

 

「・・・・・・!」

 

セイバーが目を見開く。龍殺しの属性を持つアロンダイトが追加ダメージを与え、霊格にダメージが入った。しかし、目を見開いたのはセイバーだけでは無かった。

 

「・・・!?」

 

魔力切れ。それは唐突に訪れた。ショウがランサーに殺られ、一時的に完全に魔力のパスが消失したのだ。動きが止まってしまった。それは戦いにおいて余りにも大きな隙だった。その隙に、セイバーは直感では無く戦士として確かな勝利を垣間見た。

 

「はああああああッ!」

 

その一瞬に全てを賭けてセイバーが地を蹴る。隻腕となった右腕で聖剣を突き出す。そして、宝具を開放する。

 

風王(ストライク)―――」

 

風が逆巻き魔力と共に放たれようと唸る。その目に浮かぶ涙が風に攫われていく。ランスロットは動きが鈍い体で、アロンダイトを盾にしようともがく。

 

「―――鉄槌(エア)ッ!」

 

収縮された嵐が、一挙に解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるでそこだけ災害が起きたのかと思う程に荒れ果てた墓場。そこに眩い輝きを放ちながら魔法使いショウが現れる。彼は周辺を見渡し、ランスロットを抱え涙を流すアルトリアを見つける。

 

「トベルーラ」

 

短い詠唱で彼の体がフワリと中に浮き、滑空するようにアルトリアの前にやってくる。アルトリアはその接近を感じ取ったのか、涙に濡れる顔を見上げるようにしてショウに向ける。

 

「答えは出たか、アルトリア」

 

最近は違う表情も時折現れていたショウだが、初めて見た時と同じ様な、無表情のまま、アルトリアを見下ろす。傷を治すことも彼には出来るだろうに、それをしなかった。なぜならその目は明確に語っていたのだ。敵対するものを殺すと。敵を回復させるなど慈悲では無く愚行、それを知るアルトリアは静かに片腕でランスロットの頬をなでる。

 

 

 

 

激闘の末、騎士サー・ランスロットは倒れた。しかし、使命を果たすため、その口は開かれる事になる。

 

「カハッ・・・。王よ・・・・・・お考えください。貴女は良く治めて見せたはずです・・・あれ以上にあの国を救うなど・・・・・・最早人にはできません」

 

アルトリアは反論をせずに受け止める。そこに如何なる感情があったのか、涙に濡れるその顔からは後悔と悲しみしか感じる事が出来ない。

 

「これは・・・・・・奥様からの伝言です・・・」

 

ランスロットはマユからの通信が届いたのか、目を開き、アルトリアに伝える。

 

「見識を広めよ、・・・貴様が作り出した歴史の楔が、未来が、如何にして変わったかその目で確かめろ。と。」

 

胴体に風穴が空いた状態で最後まで勤めを果たそうとランスロットはアルトリアにマユの言葉を伝える。アルトリアに直接言葉を伝える事などマユからすれば簡単な事だが、心を読み取っての配慮なのか、ランスロットに伝えさせる。

 

「世界中を・・・ランスロットと共に、巡り、廻り。それでもその意志が、その願いが変わらぬのなら。魔法使いに挑むがいい。」

 

 

 

撫でる手を止め、アルトリアはショウの問に答える。

 

「えぇ、少しだけ。世界を見て回ろうかと、思います。」

 

アルトリアの答えにショウは「そうか」と一言小さくつぶやき、ベホマで2人の重傷を瞬く間に治した。

 

「とりあえず二人共受肉するか?パスポートやら旅費はこちらが出そう。」

 

ショウの提案にアルトリアが戸惑っているとランスロットが頷き、提案に乗る事を示す。

 

「ふむ、取り敢えず我が家に・・・・・・ハァ・・・・・・内装がめちゃくちゃだが構わないか?」

 

相変わらずお嫁さんの事になると表情が現れるショウにアルトリアは苦笑する。するとショウはあることに気がついたのかランスロットの方を向く。

 

「悪いなランスロット。その宝具は治せないらしい」

 

ランスロットが握っていた半ばから折られたアロンダイトが治っていないことを見つけたショウは、ランスロットに謝罪する。ランスロットは一瞬悲しそうな表情になったが直ぐに「いえ、大丈夫ですマスター」と微笑む。

アルトリアもランスロットに謝るが許してもらえたようだ。

 

「・・・・・・あぁ、今戻る。む?エリザベートが?・・・・・・あぁくそ、忘れてたな完全に。っと、すまない今転移する」

 

ルーラを唱え、ランスロット達と共に杏里亭に空間跳躍する。内臓が浮くような不快な感覚と共に気が付くとそこは杏里亭の中。

 

マユを筆頭に、エリザベート、ギルガメッシュ、そして何故かアイリスフィールと切嗣が3人を包囲する。誰にも聞こえない小さな声でショウが「ぇ?」と困惑する。

 

「まぁた女を連れてきおって・・・!」

「パパ!?私のコンサート忘れてるでしょ!!」

「フハハハショウ!良くぞ帰ってきたな、対魔術宝具の準備は出来ている。我と勝負だ!」

「「聞きたい事が山ほどある(あります)」」

 

アルトリアとランスロットも何が起きているのかサッパリだ、助けを求め、ショウの方を向く。ショウの顔が若干ひきつっている。

 

「・・・・・・(ルーラ)・・・・・・ですよねぇ。知ってた。」

 

ショウは逃げようとしたが残念な事に対魔術宝具に全包囲されていては最早何も出来ないようだ。

 

「まず、反論させてもらうとマユ、連れてこいってのはお前の頼みだろうに」

「テヘペロッ!」

 

それがやりたかっただけか、とショウがチョップを繰り出しマユがDVだぁ〜!と頭を押さえウーウー唸る。

 

「コンサートの件は・・・・・・正直に言おう。忘れていた。」

「パパのおバカ!何で忘れるのよ!」

「俺も手伝うから我慢してくれないか?」

「・・・・・・まぁパパが手伝ってくれるなら・・・大人しくするわ?」

 

エリザベートは何故か恥ずかしそうにマユの後ろに隠れる。

 

「んで、ギルガメッシュだが・・・」

「んで、って何だショウ?まるで我をおまけ扱いしていないか?本来ならば崇めて貢ぐくらいして貰わねばならぬ所をこうして普通に接してやってると言うのにその言い草か。我怒るぞ?んん?」

「あー、はい。わかったわかった。いつか戦おういつか。」

「こ、こやつ・・・!やっぱり我に冷たいなショウ!」

「気のせいだな、絶対に」

 

ぐぬぬ、と唸り抗議するギルガメッシュを受け流し、アイリスフィール達に振り向く。

 

「さて、聞きたい事とは?」

「まず、僕達を君の名の元に保護する・・・・・・という奴だね。あれはそのままの意味なのかい?」

「ああ、その通りだ切嗣。君の子も助けに行こう。」

「!?・・・本当かい?」

「あぁ、もちろんだ。」

「あ、あの!イリヤを連れてきたら、私の願いを叶えて欲しいの、いいかしら?いえ、いいでしょうか?」

「あぁ、もちろんだ、君達の家族は俺か庇護すると言ったのだから。協力するとも」

 

2人はホッとした表情を浮かべる。ショウが少し微笑み満足げに頷く。

 

話について来れなかったアルトリアがハッとした表情と共にアホ毛をピンと立て立ち上がる。

 

「ショウ、そしてマユ。ありがとうございます。」

 

アルトリアが頭を下げる。

 

「ランスロット卿と共に世界を回ろうと思います。」

「あぁそれがいい。貴女1人では厳しい物が有るだろうからな」

 

ショウが口元をニヤリと上げて悪戯っ子の様に笑う。

 

「ストップストーーーーップ!アルトリア貴様!いいか!ショウに色目は使うんじゃないぞ!」

「へ?何を言ってるのですか?私はただ感謝の意を示そうと・・・」

「握手とかにしておけ愚か者!ハグは駄目だ!日本の常識を聖杯から貰ってないのか!」

 

2人がわたわたしてる間にランスロットとショウが話している。内容はやはり礼をしているだけであり、ショウは少しだけ拗ねているように見える。ランスロットの宝具が原因で最低魔力に届かずギラグレイドを撃てなかった事で拗ねているのだ。ただ事情を聞いて納得したのかランスロットを賞賛する。

 

一瞬にして和やかな雰囲気になった瞬間、ショウが何かを思い出したかのように「あっ」と声を上げる。他の者達が「ん?」と声を上げた時にはショウが冷蔵庫の前に立っており、何が始まるのかと思えば、冷蔵庫からディルムッドとケイネスの頭部が現れた。

 

「生き返らせるの忘れてた。ザオリク。」

 

ルーンに囲まれた頭部から物凄い速度で体が生えてくる。どうやって洋服まで治っているのか想像すればそれが時間の巻き戻してある事がわかるだろう。

 

瞬く間に死ぬ前の肉体へと戻った2人はゆっくりと目を開ける。

 

「「知らない天井だ・・・」」

 

目が覚めた時のテンプレを呟きあたりを見渡すとショウと目が会う。

 

「「げぇ!杏里聖!?」くっ!主、お逃げください!ここは私が!」「ええい黙れ!貴様1人で勝てる相手では無い!」「しかし、主を守るのは騎士の定め!ディルムッドオディナいざ参る!」

「・・・はぁ、バシルーラ」

 

一同が静かになる。ショウが頭をやれやれと横に振る。

 

「取り敢えず奴らのホーム近くまで飛んでいった事だろう。はぁ、これで聖杯戦争も終わりか?」

 

 

 

ざんねん、ショウは忘れている。言峰綺礼とアサシン達を。

 

そう、アンリマユもギルガメッシュも言峰綺礼に過度な接触をしなかった。マユは常に安全な場所に隠れ、ギルガメッシュはショウに連れ回されるか、マユと共に宝具でショウを見ていたからだ。

 

言峰綺礼がゲス神父になる事は無いだろう。最も人にすらなりきれないが。




ランスロットとアルトリアの心理描写が少なかったかな?と思っております。

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