唐突に思い付いたFateネタ「聖杯は俺の嫁」   作:シフシフ

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エピローグ

【コンサート】

 

よし、エリザベートとの協力でステージが完成した。

とは言っても土台だけな訳だが。この裏にちょうどエリザベートの宝具がゴゴゴと現れ、ステージが完成する訳だな。

 

『さあみんな!いっくわよーーーーーーー!!!!』

「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」

 

エリザベートが自作のステージの上でマイクを振り上げ叫ぶと、それに呼応し10万を超える観客が熱の篭った声を張り上げる。・・・つうか王の軍勢の皆様に来てもらった、というか固有結界に入れてもらったわけだ。

 

もちろん俺達やその他マスター達は一番前の席だ。そして俺は・・・・・・

 

「エリザベートーーーーー!!!!いいぞぉーー!!そこでウィンクだぁ!!」

 

恥も外聞きも捨て去っていた。

 

「ほ、本当にこれがこの人が杏里聖?なのかい?」

「ぼ!僕に聞かないでくれよ!?なぁライダー?」

「うむ!まっこと盛り上がってきた!酒はないのか?」

「聞いてねぇ!!」

 

エリザベートのウィンクが炸裂。歓声が上がる。

 

『ん、ん。マイクテストマイクテスト・・・』

 

緊張しているのか、さっきまであんだけマイク使ってたのにマイクテストを始めるエリザベート。そんな健気な姿にお父さんは涙が出るぜ。

 

『スゥ――――』

 

エリザベートが大きく息を吸い込む。歌が始まるようだ。

 

『みんな!兎みたいに飛び跳ねてね♪鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)ッ!』

 

その日、十万を超える兵達が阿鼻叫喚のどんちゃん騒ぎに陥り、耳から血を流しながら消えていったことは想像に難くない。

 

まぁ、俺はそもそも効かないし、マユは俺がアストロンで守った、本人は歌を絶賛していたな。何でも「まるで拷問で死んだ乙女達の叫び声の様だ!」らしい。それは果たして歌なのだろうかとかそんな野暮なことは言うまい。ギルガメッシュも何らかの宝具で何とか凌ぎ、歌声に耳をすませていた。なぜ自慢げなのかはわからないが。

 

ん?他の奴ら・・・・・・えーっと、アルトリアは普通に悶絶してるし・・・あれ!?ランスロットが居ねぇ!?何処だ何処・・・・・・ステージで踊ってるううううう!?急激なブレイクダンスからのムーンウォークは止めろ!慣性を無視するんじゃありませんッ!タップダンスうめぇな!

 

「ポウッ!」

 

ポウッ!じゃねぇ!

 

えとケイネスが泡吹いて気絶していて、それをディルムッドが悲鳴を上げながら揺すってるな。ソラウは・・・あ、やっぱり倒れてる。切嗣は・・・死んだ目をしているな、あ、アイリスフィールまで死んだ目をしている。ウェイバーは・・・うわ・・・なんだろう、ほらあれだ。ミミズを突っつくと超のたうち回って暴れるあんな感じ。イスカンダルは死んでいく仲間達に動揺を隠せず、しかし、指揮がエリザベートの声でかき消されて焦ってる感じか。ふっ、マユに手を出そうとした罰が下ったな。ナイスだエリザベート。

 

そんなこんなでコンサートは終了した。固有結界が維持出来なくなってしまったため今この場にいるのはマスターとサーヴァント達だけだ。

 

「ザオリク」

 

合計10回にも及ぶ宝具連射に耐え切れなかったウェイバー達を生き返らせる。リホイミをかけていたんだけどな、流石に回復が間に合わなかった様だ。

 

「歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い歌怖い・・・・・・ブツブツ」

 

・・・どうやらウェイバーが歌にトラウマを持ったようだ。まぁ仕方がないね。

 

他の者達は再会を喜んでいる。するとエリザベートがはしってきた。

 

「パパ!ママ!それにギルガメッシュ!どうだったかしら私のコンサート!」

 

興奮気味に飛び跳ねるエリザベートはそうやって俺達に聞いてくる。まぁ最後まで聞いてたのは俺陣営の奴等だけだし。はっ!まさかランスロットは踊る事で歌を相殺し生き残ったのか!?じゃ無ければあのステージの上で生きている事に説明がつかない・・・。

 

「あぁ、最高だったぞエリザベート。」

「うん、最高だった。後で一緒に歌おうっ!」

「ほう?それはなかなかに愉快な提案だなマユ、どれ、我の美声を聴かせてやろう。」

 

三者三様に褒め称えるとエリザベートが飛び込んでくる。うぐッ!?・・・角が顎に・・・まぁ効かないけどビビる。

「パパママ大好き!ギルガメッシュは新たなライバルねっ!」

「ふん、確かに貴様の歌声は天性のもの、しかし、この英雄王たる我と互角に張り合えるかな?」

「あったりまえじゃない!」

「フハハハ!この場で勝負だ!今すぐに!」

「「「「止めて!俺(私)達のライフはもうゼロよ!!」」」」

 

ハハハッ!うんうん、いい光景だ。・・・仲良き事は?

 

「美しき哉?」

 

心の中でのフリにマユが完璧に答える。そしてそこにチョップ「アイタッ!?」んでもって優しく撫でる「エヘヘー」・・・・・・チョロイな(鼻血)

 

 

【イリヤ救出】

 

 

イリヤの救出に出かける。切嗣との約束だからだ。てかまぁもう終わったんだけどね。

 

なんでって?俺が『イリヤをこちらに渡さなければ全力で潰す』とか切嗣達を俺が庇護すると誓ったとかそこら辺の内容のやつを切嗣の持ってきた中継カメラをチョチョイと改造してイリヤの居るアインツベルン城に接続し、立体映像(剣が突き出てそこに映像が流れる)を投影、みんな見たかな?と思った所でルーラ。切嗣とアイリスフィールと共にのりこめー^^をしたわけだ。わぁい!

 

大量のホムンクルスが出てきたが全員バシルーラの餌食となり、予め俺の家の前に作ってあったアストロンが組み込まれた剣の檻の中に転移された。

 

後は家族の感動の再会を目で楽しみ、ルーラで再び家に戻ってきた訳だ。

 

アイリスフィール、マユ、ギルガメッシュ、エリザベート、切嗣と共にホムンクルスを弄り回してこちらの支配下に置いた。これからは城建築が残っているのだ、働き手は多いほうがいい。・・・・・・なぜホムンクルスは女ばっかりなのでせう?これでは見た目麗しい女の人を馬車馬の様に働かせる悪の魔法使いではないかフハハハ。

 

 

 

しかし、イリヤに「ありがとーおじさん!」と言われたのは心に刺さった。十二の試練を持ってしても子供の無垢な一言(ゲイボルグ)は心臓を貫くようだ。

 

 

【養子縁組】

 

言峰に降伏するよう説得し、聖杯戦争が終わると、俺達は桜を迎えに時臣の所へ向かった。もちろんルーラで1発だ。行ったことのない場所だがGoogle先生で調べたのだから間違いない。とは言え流石に家の前に飛ぶ事は出来なかったので暫く歩いて漸く到着した。

 

ドアをノックし、誰か出てくるのを待つ。連絡は前に送っていたので多分時臣が出てくるだろう、そう思うていると。ガバッ!とドアが勢いよく開く。

 

「師よ!お待ちしておりました!ささ、どうぞ中へ!」

 

何故だかわからないが目尻が下がっている時臣。負いトッキー、優雅は何処ぞ?時臣に連れられるまま中へ入ると桜と凛が何やら煌びやかな衣装を来ておママゴトをしている。なるほど、それでも目尻が。

 

マユたち三人娘が混ざりたいのかうずうずしているが・・・・・・ふむ、大事な話とかするんだろうし、行っててもらうか。

 

「俺と時臣は向こうで話す。お前達は自由にしていてくれ。」

 

〈アイアイサー!〉

 

マユさんが歩いて二人の元へ、エリザベートはダッシュして向かっていった。ん?ギルガメッシュは行かないのかな?

 

「ん?なんだその目はショウ。我は貴様のサーヴァントだ。まだ受肉もしておらん。だからマスターに何かあっては困るからな。」

 

なるほど?護衛ってことですか?過剰戦力だなぁ。しかも友達と話すだけなのに。・・・・・・ん?てか受肉するつもりだったのか?

 

「そうか、まぁいいだろう。では、時臣、場所を変えるぞ。」

 

時臣の執務室に場所を移した俺達は、数枚の書類を見せられる。どうやら養子縁組の普通のものらしい。

 

書類をしっかりと読み込んだ俺はそこにサインをする。この瞬間桜は俺の娘になった訳だが・・・少し早まったかな、もしかしたら嫌かも知れないしなぁ。

 

時臣を見ると満足そうにうんうんと頷く。魔術師的には何らおかしな事ではないのだろうと疑問を飲み込むことにする。後で本人に聞けばいい話だ。

 

お礼にとワインを取り出してきた時臣と共に3人で香りと味を楽しむ。すると時臣が不意に聞いてきた。

 

「そう言えば綺礼はどうなりましたか?」

 

俺は簡潔に答える。

 

「生きているぞ、と言うよりもマスターの中に死者はいない。答え、とやらは見つけられなかったようだがな。自分探しの旅に出るとかなんとか。」

「そうですか・・・」

 

ふむ、自分探しの旅ねぇ、じゃあアルトリア達と一緒に行ってもらうのが良いのかね?人助け万歳なアルトリアなら綺礼を変えられるかも。

 

 

そんなこんなで再びマユ達の元に帰ってくる。アルトリア達は現在お留守番だ、口座が出来るまでは旅に出るわけにも行かないからね。

 

「ん!ショウか。ショウも一緒にやらないか?やってみると割と楽しい物だぞ!」

 

明らかにめちゃくちゃ楽しんでいるマユとエリザベート。なんだかフリフリの衣装を着ているがそれは一体どこから・・・・・・・・・ん?マユの魔力量が微々たるものだが減ってる・・・。

 

しかし、いい提案だな、こういった所で好感度を高めておけば割とすんなり養子になってくれるやもしれん。

 

「わかった。良いだろう。で何の役が空いてる?」

「お犬さん!」「ワンちゃんです!」「ワンコのパパになるのね、ふふふ!」

 

・・・・・・・・・い、犬かぁ。そうかぁ。まあ仕方が無い。

 

「モシャス―――――ばうっ!バウバウ!ワォーーーん!」

 

犬に変身した俺を桜と凛がきゃあきゃあ言いながら撫で回したり飛びついたりしている。マユとエリザベートは2人が飛び付いているからか微笑んで見ているだけだ。

 

そうして桜と仲良くなれたからか、桜は俺達の娘になる事に嫌悪は無く、素直に喜んでくれた。時臣には毎日来てくれても構わないと伝えておいた。

 

 

【旅立ち】

 

 

アリトリアとランスロットの口座が出来た。なので旅が始まることになった。しかし、2人は受肉をしていない。だから「マフエル」と言う魔法を「リホイミ」と言う魔法体系に強引に突っ込み永続的に発動できるようにして、ギルガメッシュと協力してそれを閉じ込めた礼装を作り出した、ギルガメッシュは媒体を用意しただけだけど。青いサファイアがデカデカとくっ付いた指輪だ。お揃いなので結婚指輪に見えないことも無い。

MPを1消費して、MPを少し回復すると言う物だ。竜の心臓よりも得られるMPは少ないがまぁ仕方がない。取り敢えずこの指輪が壊れない限りは限界してられる筈だ。この指輪のどちらかが壊れたらこっちにルーラして来れるように指輪のリングの方に呪文式を刻んでおいた。魔術が使えない者でも魔力を込めれば使えるだろう。

 

「こ、こんなものまで・・・・・・ありがとうございますショウ」

 

アルトリアが頭を下げる。ランスロットも頭を下げた。

 

「気にする必要は無い。願いを叶えられなかったせめてもの償いだと思っておいてくれ。」

 

「・・・はい」

 

願いこそ叶えられなかったが、きっと新たなる目標を見つけられると信じて送り出す。アルトリアは強い女性だ。少々メンタル面が弱いが。

 

では、行ってきます。そう言ってアルトリアが歩きだす。

 

「マスター・・・。ありがとうございます。この恩、何時か必ず。」

「アルトリアを改心させてくれればいい。そうすればこっちからも何か用意しなければな。

あぁ、そうだ。彼も連れて行ってくれるか?」

 

と俺は言峰を呼ぶ。言峰は何時もの神父服で死んだ目のまま隣に来た。不思議そうな顔をするランスロットだったが、言峰が自分探しの旅をするから付いていきたいと言う内容の事を言ったらニコリと笑って握手をした。

 

ええ、では。と紳士服を着たランスロットがワンピース姿のアルトリアを追いかけて小走りに駆ける。速っ。うーむ、身長的にも夫婦と言うよりはお嬢様とその執事って感じか。そしてそれを追って言峰が走っていく。速っ。

 

ちなみに言峰の神父服には身体強化のスカラやバイキルト、ピオラを付与した。化物じみてるが元から化物だから仕方がない。

 

彼らが見えなくなるまで俺達は見送ったのだった。

 

あ、ちなみにアサシン達は俺と契約してサーヴァントになったぞ。

 

そんでもってアルトリア達がいなくなったその日のうちにマユとイチャついて魔力をマユに奪われた後で、ギルガメッシュの受肉をした。

アサシン達のねがいも叶えたかったが城作りには人手が欲しいのだ。

 

 

 

【魔法使い杏里 聖。著者ウェイバー・ベルベット】

 

 

その城は鋭かった。空を貫かんとする剣の如き頂きを持ち、その壁も柱も精巧な紋様に象られ、森の奥に存在していた。

剣の城。人々からそう呼ばれる城は僅か2日でその場に現れたという。そこに住まう者達は「杏里」の名を持ち、それ故に魔術師達は杏里城と呼んだ。

 

アストロンと呼ばれる魔法が組み込まれた剣を壁や柱に使い、大量の人手を使って内部を仕上げたのだ。龍脈に直結させる事で、アストロンは半永久的に発動し続ける。

 

壊れることの無いその城は制作者の気持ちの現れなのだろうか。幸せを求め、幸せを手に入れた男はそれを壊せれぬ様にと必死に戦った。その末に作り出した城は余りにも強固だった。

 

『閃光の魔法使い』その二つ名の通りに閃光の如く素早さで聖杯戦争を終結させた魔法使いは『杏里 聖』今や時計塔の教科書に出てくる程の大物であり、魔術を嗜むものならば全ての人が知っているであろう名前。山を超え海を越え、世界の果ての魔術師が知り、畏怖する魔の深淵を覗きし者。

 

彼の実力は計り知れない。昼夜の反転。物体の時間操作。龍化。転移。更には不老不死とも言われている。どれをとっても恐ろしく、すべてを扱えるからこそ畏怖と賞賛をただ1人のものとする。

 

しかし、そんな彼を語るには忘れてはならない者達が居る。

 

彼の妻、『杏里 愛優』。神霊アンリマユその人と言う説がある大魔術師だ。高いカリスマ性、余りに美しいその美貌。街を歩けば後ろに行列が出来、路地に入ればゴロツキに絡まれる。もちろん、それらを無力化出来るからこその大魔術師なのだが。

 

彼女は活発になった。彼らが有名になった当初は自ら戦う事は少なく、殆どを夫に譲る形になっていたそうだが、今では恐ろしい『無詠唱』で大魔術を放ってくる。何でも魔力に余裕が出たらしい。彼女が戦う時は何故か杏里聖がぐったりしているそうだ。

 

他にも『エリザベート』と『ギルガメッシュ』だ。杏里聖に召喚されたサーヴァントとして魔術師達に知られる存在。両者才能に恵まれ、魔法使いと大魔術師に師事し、その魔術の才能をメキメキと伸ばしている。絶世の美女である事も知られており、近付こうとした輩は数え切れない。そして、帰ってきたものもまたいない。魔術の練習台になってしまったと言うのが最も有力な説か。歌怖い歌怖い歌怖い・・・。

 

更に『杏里 桜』だ。元は遠坂の苗字を持っていたが、杏里聖に養子として引き取られた少女だ。魔術師達は『恵まれた子』として妬む輩が多い。

その才能は元サーヴァント達に引かず劣らずの大変なものであり、既に並の魔術師では相手にならないらしい。

 

・・・と、こうして恩師の為に杏里聖の近辺調査を続けているものの、特に代わり映えはないなぁ・・・。ライダー・・・早く帰ってきてくれよぉ・・・

 

 

【ケイネスのその後】

 

 

「主ィ!主イイイイ!」

 

くっそ!どうして私がこんな目に・・・おのれ杏里聖!

 

「主!何処ですかぁ!」

 

あんのバカ者がぁ!そんな速度で廊下を走り回るんじゃない!

 

「くっ・・・!俺とした事が・・・騎士たるもの常に主の側につき片時も離れずお守りしなくては成らないというのに・・・!」

 

お前はその『片時も』が極端なのだ!なぜトイレにも風呂にも魔術の講義にもついてくるのだ!何がお背中流しますだ!貴様のほくろを流せ!

 

「あら?ディル、どうかしたの?」

「ッ!・・・こ、これは、ソラウ様どうかいたしましたか?」

 

な、なん・・・だと?お、おいディルムッド逃げるんだ!さっさと逃げねば殺られるぞ!

 

「ねぇ、誰を探しているのかしら?何時も2人で『仲がよろしい』みたいだけど?」

「わ、私は主を御守りするべく側につき従っているだけで・・・」

「あらそう、あの人が貴方に強要しているのね?お風呂もトイレも、片時も貴方を離そうとしないものね。」

 

ひいっ!?!?こ、こうなったら念話を繋いで逃げるように指示しなくては・・・あぁだがそれだとこちらの場所がバレる・・・、ええいしかし、暴走するソラウはまさに暴虐の化身!なぜアンリマユ本人よりもアンリマユっぽいんだ!あれも杏里聖の成せる技ゆえなのか!?

 

『ディルムッド!速く逃げろ!ソラウは手を後ろに隠している!何をもっているかわからんぞ!』

『あ!?主!?たたた助けてください!』

『助けられる訳がなかろう!どう考えても私がそこに行くのは悪手だ!』

『ではどうしろと!?全力で逃げてもいつの間にか後ろに居るんですよ!?』

『だぁから!その黒子をちぎって捨てろ!』

『スキルになっている以上ちぎってもまた生えてきます!!』

 

「くふふ?ねぇ気がついているかしら?急に私との会話が止まってるわよ?・・・・・・ねぇ?あ・な・た?」

 

『『((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル』』

 

ケイネスは救われない。

 

 

 

 

【アサシン会議】

 

杏里城地下二階。巨大な円卓に、80人の黒い姿が集まっていた。

 

「では、会議を始める」

 

低く、落ち着いた女性の声があたりに響き、緊張のためか布の擦れる音がする。

 

「何を話し合うかはもう理解しているだろう。・・・・・・そぅ、どの顔が主人格となり、主を支え、守護するか、だ。」

 

骸骨の仮面が互いを見つめ合う。誰が手を上げるかを見計らっているのだ。

 

「主人格となりたい者は手を」

 

バッ!と全く同時に沢山の手が上がるだろう。

 

「・・・・・・はぁ。考える事は同じか」

 

やれやれ、と女の人格・・・通称アサ子が上げた手と反対の手で仮面を抑える。

 

「む?」

 

そんなアサ子が何かに気が付いたように顔を上げた。皆が同じ事をする中で違う事をすると目立つように、この場においても違う事をするものは一際目立っていた。

 

「お前は・・・手を挙げないのか?」

 

コクっ、と小さな女の子の姿をしたアサシンが頷く。通称ロリアサシンだ。

 

「・・・・・・ふむ、こう言うのはどうだろうか。」

 

アサ子が話した内容はこうだ、ロリアサシンを主人格にしつつ。好きな時に他人格の形成、分裂をできるように聖杯ならば出来るかもしれないと。ロリアサシンにする理由は主にマユが関係するらしい。

 

「これならばより(マスター)の役にもたてよう」

 

すこし考えるような姿勢をとったアサシン達はやがて頷く。自らの願いを叶えつつ、主の急な要望にも応えられるように宝具としての性質を残す、聖杯ならば出来るかもしれないとアサシン達は思ったのだ。

 

 

 

 

(マスター)

 

杏里聖、アサシン達のマスターになった彼の元にアサシン達は向かう。しかし、誰が話しかけるかで再び会議に突入、結果はアサ子が話し掛けることとなった。その関係上気配遮断を使っていたのだが・・・

 

「ん?どうかしたかアサシン?」

 

別段驚くことも無く、優しげな笑みを浮かべ、杏里聖が振り返る。その姿に一瞬アサ子の動きが止まる。

 

「どうした?・・・あぁなるほど、願いが決まったんだな?」

 

戦争も終わり、気を張る必要がなくなったからなのだろうか?そう思うアサ子をよそに聖は話を続ける。

 

「なら少し待っていてくれ。マユはギルとエリー、それと桜と買い物だ。そうだ、他のアサシン達も呼んで食事でもどうだ?ほらこっちだ。」

「え・・・あ、いや。その・・・」

 

アサ子の筋肉質な細い手を聖が掴み、引っ張っていく。話の内容を聞いていた他のアサシンたちも姿を現しそれに続く。

 

城の中を歩くこと数分、念話を使ったのか、既にホムンクルス達が料理を勧めており、前菜が長い机に並ぶ。

 

「・・・(マスター)、我らはまだ受肉を果たしていない身、食事をする必要は・・・」

 

アサ子は失礼にならないように、食事を断ろうとするが、料理がどんどん運ばれくる。断ろうとしている事に気がついたのだろう、聖が口を開く。

 

「お前達の願いは人格の統一。・・・・・・ならば、もう二度とお前達に会えない可能性がある。・・・だから、食事に強引に誘い、その素顔を拝もうなどと考えてみたのだが・・・・・・嫌なのであれば勿論断ってくれて構わない。悪かった」

 

聖が頭を下げる。それにアサシン達が慌てだす。勿論アサ子もだ。唯一動じていないのは初めから顔を隠していないロリアサシン位だろうか、モシャモシャと前菜をフォークで食べている。

 

「・・・・・・どうだろうか、見せてはくれないか?その素顔を。」

 

ここまで頼まれて、断る事は出来なかった。元より願いが叶ったのなら見せる機会など少なくなるのだろうし。そこまで考え、その意見は一致する。

 

「――――――他愛なし。」

 

小さく呟いたその言葉は80同時に放たれる。高音低音入り交じり、確かな迫力をもって聖に届いた。その場にいた全てのアサシンが顔に付いた骸骨の仮面を外す。

 

(マスター)・・・これからも、貴方の影として、刃として、その身に降りかかる火の粉を蹴散らしましょう。」

 

すべての影が跪く。俯き、忠誠を誓う彼らは気が付かない。目の前の魔法使いが目を白黒させながら固まっていることに。

 

静かな静寂の中、まさか忠誠など要らぬのかと心配性な人格の1人が思った時、聖は声を発した。

 

「その忠誠。その思い。その願い。全てこの身が引き受けよう。アサシン、いやハサンよ、汝らに杏里の名を授けよう。」

 

アサ子に歩み寄り、スッと手を差し出す。

 

「これからもよろしくな?」

 

 

「はっ!」

 

 

 

【まぁそんなこんなで】

 

まぁそんなこんなで聖杯戦争が終わってからというもの、平和な生活を送っている。

時臣はキチンと父親として頑張り始めたし、時々凛達と一緒に遊びに来る。

雁夜は間桐家の当主になる事を俺に伝えてきた、なんで俺?と思ったがなんでも「力が無くては救えるものも救えないだろ」らしい、たまに行き詰まると俺の元に来る。てか最近は家に魔術師が来ることが多い、知り合いも知り合いじゃないやつも含めてだ。俺は先生じゃ無いんだけどなぁ。

 

ウェイバーはケイネスの下で日々鍛錬を積んでいるようだ。ウェイバーの話ではケイネスが大変な事になっている様だが、まぁ仲がいいようで何よりだ。

 

ハサンはロリっ子になりつつ、アサ子やザイードが時々分裂して俺の周りに来たりする。守ってくれているようで、俺からしても何ていうか嬉しい限りだ。それにロリアサシンと桜かよく一緒に遊んでいるのを見る事があるな、そう言えばあのちびっ子も話せる事初めて知ったなぁ。

 

「ますたー、これ、いる?」

 

と泥団子を桜と一緒に俺の所に持ってきた時は、俺マユギルの3人で萌え悶えたものだ。ちなみにエリーは一緒に泥団子作っていたな。

 

そして最近なぜかアサ子が俺に近づくとマユが猫の様にフシャー!と威嚇するようになった。全くマユは・・・守ってくれようとしてるのになぜに邪魔をするのかw。まぁ?そんな所も可愛いので眺めてるんですけどね?

 

あぁそうだ、あのアルトリアからも手紙が来ていたな。なんでも楽しくて仕方が無いらしい。あとランスロットの小言がうるさいとか。それと言峰は結局無気力に着いてくるだけらしいな。うーん、まぁ全てを救うなんて出来ないからねぇ、これだけやったんだしまぁ仕方が無い。

 

「ショウー?どこー?」

 

ん、マユが来たらしい。こっそり作った秘密の部屋だが・・・わかるかな?

 

「あれー?どこかな・・・もしかして何処か行っちゃたのかな」

 

流石にわからないか、ならばこっそりと後から近づくとしよう。レオルムを唱え透明化する。

 

「マユ」

「ひゃっ!?なななな・・・もう!どこにいたの?」

 

おっと、滑って後から抱きついてしまった様だ・・・。まぁ何だ、折角だしここで言っておくか。

 

「愛してる。」

 

「うん・・・」

 

2人は幸せなキスをして終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやぁやっと終わりましたね!
文も拙く、読みづらい所も多々あったと思いますが楽しんでいただけたのなら幸いです。

あ、そう言えばコメントでケイネス達に「ナカヨクナール」を渡してあげて!と言うのがあったので、渡したのですが・・・・・・まぁ見ての通りソラウさんが後ろ手に隠し持っています。仲良くなれる事を祈りましょう。


ここからは小ネタ?制作秘話?と言うものでしょうか、今回はハッピーエンドでしたが、最初期はバッドエンドルートとハッピー?エンドルートの三つがありました。

ハッピーエンドルートではショウが主人公として動き、マユさんは悪戯っ子の様な人格を持っていました。そしてショウはギラ系統しか攻撃魔法を持ってないです。

バッドエンドルートではショウがドラクエ魔法の全てを扱う事ができ、マユは聖女の様な人格を持っています、そしてマユのステータスが変化してます。

最後のハッピー?エンドルートはショウの人格を型月主人公よろしくぶっ壊し、『周りから見て幸せに見えるように生きる、その為にマユを使う』と言う状態に、このルートではマユが主人公になる予定でした。どうにかしてショウを振り向かせようと躍起になるマユさんのルートですね。


まぁ結果から言うとバッドエンドルートは鬱展開マッハでサーヴァントもマスターもボロボロ死んでいくので・・・それにもちろんバッドエンドですからショウもマユも死にますし・・・私の精神が耐えられない(嘘)

ハッピー?エンドの方は普通に書くのが難しそうという理由で回避しただけです(笑)


ここまで読んでいただきありがとうございます。あっ、誤字脱字あったら教えてくださいね!
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