バーノンおじさんに送ってもらい
「ダドの学校説明会がなかったらお前なんぞ送っとらんからな!感謝しろイカレポンチめ!」
キングズクロス駅に到着したハリーは大きな失敗に気づいた。
「9と4分の3番線がない...」
あと30分で出発だが...
場所を間違えたのだろうか...
何度もチケットを見直す。
確かにここはロンドンのキングズクロス駅である。
ハグリットに行き方を聞いてなかった...
ふと、ハグリットとダイアゴン横丁に入っていったときのことを思い出した。
ポケットから杖を取り出す。
ハグリットはこうやってたっけ
杖で壁をトントンと叩く。
「おい」後ろから襟首を捕まれてどんどん引っ張られていく。
なんとか後ろを見ると長身のおじさんが壁にめりこんでいくところだった。
そのまま引っ張られハリーも壁を通り抜けた。
赤色の汽車が白い煙を吐き出している。
少し遠くで5歳ぐらいの男の子が「紅だあああああ!」と叫んでいる。
褐色の長身のおじさんがようやくハリーを解放し向き直る。
「君、何をしてたんだ?」
「えっと、あ!ここは9と4分の3番線ですか?」
「そうだが......それより君は何をしていたんだ?」
「えっと、ここに来る方法が分からなかったので...」
「そうか君は初めてなのか......どちらにしてもあんな大勢のマグルの前で杖なんか出して怪しまれるとは思わんのかね?」
「すみません...」
「わたしは魔法省に勤めているのだがね、マグルへの隠蔽工作で迷惑をこうむるのはこっちなんだ。
まあ、わたしは魔法生物管理部だがね。
友人が迷惑をこうむるんだ。
たかが忘却呪文をかけるだけで済むと思っているのかも知れないが」
横から同じく長身の青年が
「父さんもういいじゃないか。」
と言った。
「しかしな、こういう意識の欠如が「エイモス!!」
ウィーズリーおじさんだ。少し怪訝な表情を浮かべている。
「おうアーサー!」
「なにをしているんだ?君があんな目立つ形で
壁を通り抜けたからマグル数人が霊を目撃したと驚いていたよ。おかげでこっちに来るタイミングをかなり待つことになってね。
なんと!引きずっていたのはハリーだったのか!
やあハリー」
「こんにちは。」
ハリーも挨拶を帰した。
「いや、この子がマグルの前で杖を出して...ハリーと言ったかね?」
「ああ。この子はハリーポッターだよ。」
「ほっほー!この子が!今年からホグワーツとは聞いていたが...わたしはエイモス・ディゴリーだ。よろしくな。しかし君、いくら有名だからといって軽率な行動はいかんよ。」
そう、どうやら僕は魔法使いの世界では有名らしい。
当時、最強だった闇の魔法使いヴォルデモート卿が両親を殺し、そして、まだ赤ん坊だった僕を殺そうとしたときになぜか殺せずに、ヴォルデモート卿は消えてしまったそうだ。
「よろしくハリー!僕はセドリック・ディゴリー。
セドリックでいいよ!」
「うん!よろしくセドリック!」
「アーサー、子供はどうした?」
「うん...
モリーがフレッドとジョージに説教中だよ...
ポキポキ関節クッキーなる物を売ろうとしていてね...
そろそろ時間だ。呼んでこないと。」
汽車に乗って場所を探す。
コンパートメントはほとんど満席だ。
「君、そのトランクはリバプール・マジックのブランド物だろう?僕のと同じだよ。ま、僕のはSランクだけどね。」
プラチナブロンドの髪の少年が話しかけてきた。
「うん、買って貰ったんだ。」
このトランクはハグリットから
誕生日プレゼント兼入学祝いとして買って貰った物だ。
相当高いらしい。
僕は遠慮したのだが、ハグリットが気にするなと買ってくれた。
デザインも性能もとても気に入っている。
「へぇ。どこも空いてないんだろう?
僕のところに来るといい。クラッブとゴイルがいるけど1人分は空いてる。あの2人は食べるばかりで僕の話し相手にならないのでね。」
「本当?ありがとう」
かなり苦手なタイプの子だが、このまま空きを探し続ける訳にもいかないのでありがたく入らせてもらうことにした。
「君はそこそこ良い家柄なんだろ?」
「うーん...分かんない...」
「ふーん。君は今年からホグワーツか?」
「うん、君は?」
「同じだ。僕はドラコ。ドラコ・マルフォイだ。ドラコでいい。そっちは?」
「僕はハリー・ポッター。」
「本当か?そうか。なるほど。」
ドラコが額の傷を見て納得する。
「ハハハ。やっぱり僕は見る目があるようだ。
君を見たとき他の凡人達とは何か違うと思っていたよ。」
「でも、僕、魔法界のこと何も知らないんだ...」
ガチャッ ドアが空いてガタイの良い角刈りの男の子が入ってきた。
「クラッブ、ゴイル、こっちはハリーポッターだ。
ハリー、こっちがクラッブでこっちがゴイルだ。」
「よろしく!クラッブ、ゴイル」
「「よォろしく」」
野太い声を出す2人だ。
「お前らどこに行ってたんだ?」
「トォイレ探してた。そしたら行きたくなくなった。」
「オォレまたトォイレ行きたくなってきた。」
「オォレも。」
また出て行っちゃった...
ドラコは気にしていないようだ...
いつもあんな感じなのだろう...
「ハリー、魔法界には家柄の良いのと悪いのとがいる。
そこらへんは僕が教えてあげるよ。」
ドラコが手を差し伸べてきた。
気乗りはしなかったが...
「...うん。よろしく。」
数秒握手を交わした。
それからは、しばらくドラコの質問タイムが続いた。
「君は闇の帝王に襲われた時のことを覚えているのかい?」
「ヴォルデモート卿のこと?」
ドラコがビクッとした。
「正気か!?」
「ご、ごめん!僕、前にも同じことあったんだけど、えっと、うっかりしちゃって...」
「うっかりって...」
ダイアゴン横丁でも杖選びの時に同じようなことがあった。
ヴォルデモート卿という闇の魔法使いは死してなお恐れられていて、魔法界では未だにこの名を口にする人はいない。
「ごめん...えっと...とにかく緑の光がいっぱいの嫌な感じの夢はよく見るけどそれがその時のかは分からないし覚えてないかな...」
「ほお、それで合ってると思うよ。
アバダケダブラの呪文光は緑色だと
父上がおっしゃっていたよ。」
「アバダケダブラ?」
「死の呪文だ。」
汽笛が鳴り、列車が徐々に動き出した。
ハリーは自分が今から魔法界に行くんだということを自覚した。
もう止められない。全く知らない世界。
期待と不安で少し胸が苦しくなる。
運命の歯車は回りはじめている...
「ハリー、ペットは何を持ってきているんだ?」
さすがにトランクの中の爬虫類ケースにヘビを入れているとは言えない。
「なにも持ってきてないよ。もし、だけど指定の動物以外を持ってきている人がいてバレたらどうなると思う?」
できるだけ気にしていない風に尋ねる。
「さあね。退学じゃないか?」
「ホントに!?」
持ち物検査とかないかな・・・
「というか、さすがにそんなことするヤツいないだろう。
おっと、穢れた血のマヌケ野郎ならやりかねないかもな。」
「穢れた地?」
「ああハリー、これは君に教えておかないとね。いいかい?魔法使いには僕みたいに由緒正しい魔法族の家で生まれた純血とマグルから生まれた連中がいるんだ。勿論その間の混血もね。マグルの家から生まれた魔法使い、つまりマグル生まれを穢れた血と呼ぶんだ。マグル生まれにはあまり関わらない方がいい。」
「どうして?」
「どうしてって、ハリー、連中はマグルから生まれてるんだぞ?マグルの血が流れてる。想像するだけで寒気がするよ。マグルは魔法使いを迫害したんだ。力もないくせに。それに、スリザリンは純血だけをホグワーツに入学させるべきだと主張していた。もし僕にマグルの血が流れているなら首を吊るね。
でも僕は違う。マルフォイ家は先祖代々魔法使いで繋がれてきた名家だ。
全く、いけしゃあしゃあと穢れた血が歩いているのを見ると吐き気がするよ。あいつら、マグルに育てられて手紙が来るまでホグワーツのことも知らなかったんだぜ?」
「うーん...僕もダーズリーおじさんおばさんに育てられたからマグル育ちなんだ。
それに...手紙が来るまで僕もホグワーツなんて知らなかった...今でも知らないことばかりだ。」
「君は特別だ。それに君はマグル生まれじゃない。
君だってマグルに育てられたかった訳じゃないだろう?」
「そうだけど...」
ガラッ クラッブ、ゴイルが帰ってきた。
「ずいぶんと遅かったじゃないか。」
「「おォかし買ってきた。」」
「イッチ年生はこっちだー!イッチ年生はこっちだー!」
(どの世界もそんな甘かないんだ。
むしろこっちの世界の方が厳しいのかもしれない。)
木のボートに揺られながらハリーは思う。
「あたま~下げろ~!」
ボートが城の中の船着き場に入った。
陸に上がる。
「ご苦労様ハグリット。では、1年生はわたくしに着いて来てください。私語は慎みなさい。」
マクゴナガル教授だ。
大理石の階段をだいぶ上がると3メートルぐらいの高さのあるドアのある空間に出た。
「今から入るのは大広間です。そこで組分けをします。ではわたくしに続いてお入りなさい。」
大広間に入ると天井が...ない!!!
星が見えている!
「空が見えてるよ!」
感動して横にいた栗色の髪の毛の女の子に話しかける。
「魔法で天井がないように見えているのよ!
ホグワーツの歴史という本に書いてあったわ!」
「そうなんだ!よく知って「私のパンツはクソ色なのよ~ホグワーツの歴史という本に書いてあったわ~」
スッと横から来たロンがその子の声色に似せて言った。
女の子はフンと怒って先に歩いて行ってしまった...
「やあハリー!汽車の中でも少し探したんだけどどこら辺にいたの?」
と、そのとき後ろに腕を引っ張られた。
「気をつけろ!そいつは血を裏切る者だ!」
ドラコだ。
ロンが怒って口を開こうとしたとき、
マクゴナガル教授の話が始まった為、
ロンは一度と睨んで前を向いた。
「この帽子を今から皆さんにはかぶってもらいます。」
『ヘイヘイヘーイ、千年の歴史ラララー!
組分けせよ!組分けせよ!組分けせよ!
昨日は母ちゃん組分けだー!
明日は父ちゃん分けてやるー!
グリフィンドールなら君は♪
とってもとっても勇敢よー勇猛果敢なのよ君は♪
ハッフルパフなら君は♪
優しくてー誠実なのよそうなのよ♪
レイブンクローなら君は♪
賢くてー知識の海が溢れちゃう♪
スリザリンなら君は♪
狡猾でー野望を持ってるあら素敵♪
いや~久々に歌ったな~。それでは2曲目はフゴッ!!!!』
マクゴナガル教授が帽子を持ち上げた。
「では、今から組分けをします。アルファベット順に名前を呼ぶので名前を呼ばれた生徒は前に出てこの椅子に座りなさい。それではまず、アボット・ハンナ!」
組分けが始まった。
ドラコの方が先に組分けされた。
彼の願いは帽子が頭に触れた瞬間に叶った。
『スリザリン!!』
どんどんと自分の番が近づいてくる。
そして...
「ポッター・ハリー!」
ざわざわ...
「あのハリーポッターか?」「おいどけって見えないぞ!」「ハリーポッターって言った?」「あの黒髪の子だ!」「傷は見えるか?」
椅子までがいやに遠く感じる...
椅子に座ると帽子の裏側で視界が真っ暗になった。
『う~む。これは難しい。はてどうしたものか...』
(どこの寮の素質もないのかな...)
ハリーは不安に思った。
『そうではない。むしろその逆だ。どの寮の素質も重ね揃えておる...う~む。
君は優しい心を持っておる。敵でさえ場合によっては容赦をするほどの...ほう...優しさ故の厳しさも...しかし優しさではない厳しさもあるな...ハッフルパフというよりはむしろ...レイブンクローか...?...君は学ぶ楽しさを知っておる...頭も良い...知識と知恵を大事にしておる...いや、しかし知識を蓄えることよりもむしろその使い方に比重が向いておる...おもしろい...やはり精神的にはグリフィンドールか...正義感を持っておる...決断するときの勇気には子供とは思えないものがある...しかし...それならばむしろ...う~む...スリザリンはどうかね?』
(えっと...おまかせします。)
『君はスリザリンに入れば間違いなく偉大になれる。どうかね?』
(それはどっちでもいいです...)
『ふ~む...少し考えさせておくれ...』
それから10分くらいがたった。
ざわざわがだいぶ大きくなる。
「どうかしたのですか?」
痺れをきらしたマクゴナガル教授の声だ。
『いや、先生殿。あと少しで決まります......』
(どこになるんだろう...)
『スリザリン!!!!』
ようやく帽子は叫んだ。
一瞬の沈黙...そして
「ポッターを取った!!」「スリザリンがポッターを取った!」「イエエエエエエエイ!!」「スリザリンにハリーポッターだ!」
「ポッターを取ったぞ!」
それから食事を終え、監督生の案内で寮の談話室に着いた。
組分けをしたのがだいぶ前のことのようだ...かなり眠い。
監督生のアーノルド・トルーガがこちらを向いた。
「1年!とりあえずそこに一列で並べ。」
早く寝たいなあ...
「右から自己紹介しろ。」
「え、えっと、リカード・デイビットです。よ、よろしくお願いします。」
緊張気味に金髪の少年が答える。
「聞いたことあるぞ。確か...」
「あ、えっと・・・親が元死喰い人です。」
「あぁそうだったな。思い出した。」
「祖父が亡くなってからはマグルの孤児院に預けられてました。」
顔に少し憎しみを浮かべてリカードは言った。
「そうか。次は...やあマルサス!」
「久しぶりです!」
ニコッと笑って育ちのよさそうな黒髪の丸顔の少年が答える。
「みんな、こいつはマルサス・トーマスだ。
知ってるヤツもけっこういるだろう?」
その後もどんどん自己紹介が進んでいくがどうやら親の繋がりでここに来る前から知り合っている人がほとんどだ。
「やあドラコ。最近会ったばっかりだったな。」
「父上主催の8月末のパーティー以来だから確かにそうだな。」
「ルシウスさんにまたよろしく言っといてくれよ。」
「分かった。」
ドラコはどうやらかなり親密な関係のようだ。
「そして、あぁ、我が寮の期待の新人ハリーポッターだ!」
「よろしくお願いします。」
やっと寝室に着いたハリーはとんでもないことに気づいた。
なんと4人部屋だ...グリンと話すことができない...
トランクを空けて囁く「ごめん、まだ外に出せない...」
「全然かまへんよ~ヘビのエサクッキーもまだあるからさ~おやすみ~シュシュ」
パジャマに着替え寝る準備を済ます。
「ハリー、さっき見て分かっただろうけど、ここではトルーガ家よりも良い家はこの僕のマルフォイ家しかない。」
「すごい家なんだね」
「そう。だからスリザリンでは...ホグワーツでは僕が一番だ。」
これからは飛ばさずにじっくり書きます。
ちなみにハリーは裸眼です。
メンバー紹介させてくれ!
リカード・デイヴィッド
ο金髪キツネ目。
両親はデスイーターでアズカバンに投獄されている。
祖父が他界した以降は頼る親戚もいなかったため、
マグルの孤児院に預けられた。
マルサス・トーマス
ο黒髪オカッパの丸顔
父親が『魔法族人口論』の著者で有名。
この本はマグルの人口抑制を説いている。
アーノルド・トルーガ
ο監督生。純血の名家。