土曜日になり、ホグワーツに来て以来、
初の休日がやってきた。
前日に徹夜ですべてのレポートを
終わらせていたハリー はこの日、
昼近くまで睡眠をむさぼっていた。
起きて、ベッドのカーテンを開けると
他のベッドはどれも空だ。
みんなはもう談話室へおりていっているようだ。
トランクをベッドに持ち上げて、カーテンを閉める。 「グリンおはよ。」
「おはよ~さ~ん。よ~寝たなハリーはん!」
「たまにはいいじゃないか。グリンお腹空いてない?」
「大丈夫やで~シュシュシュ」
「じゃあちょっと談話室におりてくるね」
ハリーはパジャマのまま談話室へとおりていった。
同室のドラコとマルサスとリカード、
それにパンジー・パーキンソンが談話室のド真ん中でお茶会をしているようだ。
他にも隅っこなどで同級生や上級生が数人で固まって紅茶を飲んでいる。
最初こそ上級生は怖かったが、身内にはフレンドリーで良い人達ばかりなので1年生の僕らもすっかり景色に溶け込んでいる。
僕に気づいた4人に声をかける。
「おはよ。今さっき起きたんだ。ちょっと今からシャワーに...」 「やあハリー。今起きたのか?まだ眠そうだな。」 アーノルドことアルドだ。アルドは純血の名家トルーガ家の長男だ。
「昨日ちょっと夜更かししててね...今からシャワーに行ってくるよ...」
「もう昼だぞハリー、やれやれだぜ。
ポォッター1点減点。」 リカードが声を低くしてスネイプ先生の声を真似る。 少し似ていたので、僕もみんなも笑った。
シャワーから戻ったハリーは、ゴブストーンの試合を観戦していた。 ゴブストーンとは、宙を飛び回るビー玉の魔法を使った遊びで、ハリーも何度かやらせてもらったがとてもおもしろい。 ドラコに手取り足取り教えてもらったおかげで1回だけ勝つこともできた。 ドラコの純金のみごとなゴブストーンセットで行われる 試合は、たびたび上級生も観戦しにきていた。
夕方になってハリーは図書室に来ていた。 西日がさす図書室は不思議な気持ちにさせてくれる。 ハーマイオニーを探すとすぐに見つかった。 近づいて見ると魔法薬学の予習をしているようだ。 「やあハーマイオニー。」 横に腰かける。 「こんにちはハリー。」 一瞬手を止めて、また羊皮紙に書き出している。
「耳腫れ薬の要点かい?」
「ええ、次はあなたに負ける訳にはいかないもの。」 はて、どうゆうことだろう。
「君が調合に失敗したことなんてないと思うけど。 僕が君にいつ勝てたっていうのさ?」
「とぼけないでちょうだい。この前の透明爪伸ばし薬のときに、私よりも5分も早くに完成させていたじゃない。」
「あー...スピードは関係ないと思うけど... というか、それをいうなら最初の普通の爪伸ばし薬の ときは君がぶっちぎりで1番早かったじゃないか。」
「ええ、そうね。でも私あなたに少しでも負けたくない の。」 とてつもない対抗心だ...
「嬉しいような悲しいような...」
「それに聞いたわ。宣言通りにマッチ棒を針に変えられ たらしいじゃない。でも並んだ気にならないでちょうだい。追いつかれたら突き放すまでよ。」
急に誉められてびっくりした。
とりあえず嬉しさが顔に出ないように最大限努力して 「僕も頑張るよ!」と返した。
「あなたは一体どんな本を持っているの?」
「う~ん、授業の教科書と後は『初級少年の変身術魔法理論だビローン』とか『ユニーク逸脱呪文集』とか..」ハリーは思いついた本を4つほど話した。
「へぇ、なかなか読んでるのね。見直したわ。」
「あ、ありがとう。君はどんなのを読んでいるの?」
ハーマイオニーの口から弾丸のように出てくる本の数々から自分はまだまだだということを思い知らされた。「後は...『トルーガ家の財宝』とかね。たしかスリザリンにご子息がいるでしょう?」
「アルドだね。アーノルド・トルーガ。でも財宝って?」
「知らないの?トルーガ家は昔、ゴブリンとの戦争の際に...」
「ハリー!」
話の途中で誰かの声が入った。
黒髪の丸顔の少年が歩いてくる。
マルサスだ。
「ハリー、ここに居たのか。そろそろご飯だ。大広間に行こう。」ハーマイオニーをいぶかしげに見ながらマルサスが聞く。
と、襟首を誰かに後ろからグイと掴まれた。
結局、僕らは図書室の秘書マダム・ピンスに追い出されてしまった。
「ハリー。あまりあいつとは仲良くしない方がいい。あいつはグリフィンドールだ。」
もうここではっきりしておかないといけない。
「そうだよ。でもハーマイオニーは友達だ。僕にとってはグリフィンドールでもいい人はいい人なんだ。」
「おいおい...あんまり言いたくはないけど...ドラコ達が知ったらあまり良くは思わない。最悪外されるぞ?」
「うん...そうなることも覚悟してる...」
「いいか?ドラコ達に外されるってことはスリザリン全員から避けられるんだぞ?分かってるのか?」
「充分わかっているよ...」
「いいや分かってない!グリフィンドールと俺達の敵対関係はそんなぬるいもんじゃない!そもそもグリフィンドールだって俺達を敵視してるんだぞ?どこの寮よりも俺達を嫌ってるんだ!なんでそこまでしてお仲間に入るなんてまねをするんだ?」
「ハーマイオニーもロンも僕の友達だよ。ただそれだけのこと...」
「お前たち、何をしてるんだ?」
アルドだ。
次回からはまた、長めの文に戻ります