IS~転生者は頑張って生きるそうです~(凍結)   作:赤い変態

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やれやれ、黒兎さんはどうにもほっとけないな…

 

「そんじゃ、そろそろ射撃訓練でもするか」

「指導よろしく」

 

空の転入翌日の放課後、俺と一夏はアリーナに来ていた。

まあ早い話、一夏に射撃について教えるためだ。

ちなみにシャル姉は他のメンバーと一緒に空の面倒を見ていて、今はいない。

 

「どうだ、感触は」

 

アウトフレーム用のライフルを取り出し、一夏に渡す。

 

「いいな、これ……あれ?」

「どうした?」

「こいつ標準器すらないぞ」

「Oh…」

 

そういやそうだった。

『白式』自体には銃器に対応してないんだった…。

 

「…本当に欠陥機だな」

「言うなよ…悲しくなる」

「まあ、とりあえず撃ってみろ」

 

とりあえず、何発か撃たせる。

 

「おぉ、早いな…」

「だがお前はこれを避けれるようにならないといけないんだがな」

「…おう、精進する」

 

その後、銃の特性のレクチャーをしながら、ちょうど二十発撃ち切った時だった。

 

「……織斑一夏」

「……何だよ」

 

ラウラが『シュヴァルツェア・レーゲン』を展開した状態で近づいてきた。

さて、『ゲイルストライク』起動準備。

 

「貴様も専用機持ちらしいな。私と戦え」

「嫌だ、理由がない」

「貴様に無くとも私にはある。貴様さえいなければ教官が大会二連覇を成しえたのは容易に想像できる。故に貴様の存在を私は認めない」

 

……わかってはいたけど、あの人の強さに惚れこみ過ぎているな。

 

「それでも戦う気はない」

「……なら戦わなければいけないようにしてやる!!」

 

ラウラは一夏に向けて肩のレールカノンを撃つが……

 

「……こんな密集地帯でいきなり戦闘を始めようとするとは、あまり褒められたもんじゃないな」

「貴様…」

 

俺が一夏の前に出て、『ゲイルストライク』を展開と同時に『ウイングソー』で弾丸を斬り伏せる。

…ふぅ、ぶっつけ本番でやってみたが、意外と出来ちゃうもんだな。

『ウイングソー』を肩に担ぎ、ラウラに向き直る。

 

「とりあえず、ここで戦うのは辞めてくれないか? それに―――」

『そこの生徒! 何をやっている! 学年とクラス、出席番号を言え!』

 

アリーナのスピーカーから声が響く。恐らく今ので教員が事態に気付いたようだ。

 

「――との事だ。どうせ戦うなら別の機会にやってくれないか?」

「……いいだろう」

 

そう言い、ISを解除してアリーナゲートへと去っていく。

ふぅ、疲れた。

 

「……さてと。今日はもう終わるか」

「ありがとな、凪」

「気にすんなよ」

 

さて、とりあえず学年別トーナメントに向けて少しでも頑張らないとな。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

数日後、俺とシャル姉、空の三人で食堂で昼食を食ってると、

 

「…聞いた? 月末の学年別トーナメントに優勝すれば男子二人のどちらかと―――」

「うそっ、それ本当!?」

「これは出るっきゃない!!」

 

どうも女子が騒がしい。

どうしたんだ?

 

「シャル姉、空、何のことか知ってるか?」

「えっ!? さ、さあ!? 僕も知らないなぁ!?」

「たしか学年別トーナメントに優勝すると―――」

「わああぁぁぁ!?! 空ちゃんストップ!」

「でも、シャルロット姉さんも凪兄さんと―――むぐっ」

「ほ、本当に何でもないからね!?!」

「むぅ?」

 

一体、何の噂なんだろうか?

最近原作知識が薄れてきたから細かいことまで覚えて無いんだよなぁ。

…まあいいか、気になるんだったら優勝すればいいことだろうし。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ふぅ、この距離はどうにもならんな…」

 

授業の合間、トイレに行ってたが…この学園、男子トイレ無さすぎだろう。

次の授業まであまり時間は無い。

次の授業はISの格闘技能に関する基礎知識と応用、つまり『ゲイルストライク』を完全にものにする為には必要不可欠な授業だ。

仮に間に合わなかったら、確実に出席簿アタックを食らう羽目になるだろうな…。

そう思い走っていると、

 

「なぜこんなところで教師など!」

「やれやれ」

 

む、この声はラウラと織斑先生か。

…ふむ、ちょっとだけ聞いていこう。

 

「何度も言わせるな。私には私の役目がある。それだけだ」

「このような極東の地で何の役目があるというのですか!」

 

おうおう、声を荒げちゃって。

しかし、これだけ感情的な声を出すとは…よほど織斑先生の現状に不満がある様子。

 

「何度も言わせるな。私には私の役目がある。それだけだ」

「このような極東の地で何の役目があるというのですか!」

「ほう…」

「大体、この学園の生徒など教官が教えに足る人間など殆どいません!」

「なぜだ?」

「意識が甘く、危機感に疎く、ISをファッションか何かと勘違いしている。それを程度の低いものたちに教官が時間を割かれるなど――」

「――そこまでにしておけよ、小娘」

「っ……!」

 

凄みのある織斑先生の声にラウラも口を閉じる。

いや、本当にアンタ軍人か「や」のつく方みたいな気がするんですけど!?

 

「少し見ない間に偉くなったな。十五歳でもう選ばれた人間気取りとは恐れ入る」

「わ、私は……」

 

…震えているな、余程彼女に拒絶されることを恐れてると見える。

それ以外にも力に対する恐怖も感じてるようだ。

 

「ふぅ、授業が始まるな。さっさと教室に戻れよ」

「……はい」

 

普段の声音に戻すとラウラを教室に戻るように言う。

そしてそれを黙って言うとおりにするラウラ……はぁ、ああいうの見るとほっとけないな。

さて、俺も早く教室に…

 

「そこの男子。盗み聞きか? 異常性癖は感心しないぞ?」

「バレてましたか…それと俺に異常性癖はありませんよ」

 

とりあえず素直に先生の前に出る。

 

「まあ、随分と慕われてますね」

「…あれは強さを間違ってる。それをそういう風に捉えるようにさせた私は慕われるような奴じゃないさ……それよりさっさと行け、一組の優等生。月末のトーナメントに出て負けても知らんぞ?」

「了解しました…それと俺はそこまで優等生じゃありませんよ」

 

そう言いながら、急いでその場を後にするが、

 

「廊下は走るな。……とは言わん。バレない様に走れ」

「はい、分かりました」

 

とりあえず、教室までの道のりをバレないように全力で走り抜けた。

さて、あんな話を聞くと余計にほっとけないな、あの子は。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「さて、今日も練習するか」

 

今日も『ゲイルストライク』に慣れる為、アリーナに向かっている俺。

既に一夏は先に行ってる筈。

早く行って練習相手(サンドバック的なナニカ)になって貰わねば。

しかし、アリーナに近づくにつれ、周囲が騒がしくなる一方。

何かあったんだろうか?

 

「なあ、どうしたんだ?」

「あ、高天原君。実は今アリーナで織斑君とボーデヴィッヒさんがバトルを…」

「ゲッ…」

 

…マジか、今日だったか。

とりあえず真っ先にアリーナ内に入り、ステージの方を見ると…

 

「その手を離せぇぇぇ!!!」

「ふん、感情的で直情的…屑だな」

 

―――絶賛バトルしちゃってます。

つうか、鈴とセシリア…酷過ぎるな。少なくともトーナメントには出れないな、あの状態では。

 

「な、凪! これはどういうこと!?」

「酷すぎます…」

「シャル姉、空…ちょうどいい、鈴とセシリアの回収を頼む」

 

いつの間にか後ろに来ていたシャル姉と空にそう言うと同時に『ゲイルストライク』をシールドストライカー装備で展開、『ウイングソー』で遮断シールドの振動数と合わせ、穴をあけたと同時に瞬時加速で接近、今にも一夏を倒そうとするラウラに向かって、右腰の『ウイングソー』を投擲の応用で投げつける。

 

「っ! ちぃ!」

 

が、すぐに跳ね返され、レールガンを放たれるが―――そうはいかねぇ!

もう片方の『ウイングソー』を抜き、弾丸を切断、そのまま接近する。

 

「さて、少しやり過ぎたな、ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

「ふん、その程度!」

 

右手をかざしたと同時に俺の体が止まる――――AICかっ!

だがな、それの攻略法ならあるんだよ!

『ウイングソー』の振動数を上げ、AICのエネルギー波の振動数と同調、無効化する!

 

「その程度か?」

「なっ!? …くっ!」

 

再び動き出した俺に驚き、再び右手を動かすが――――

 

「な、何故だ!? 何故AICが効かない!?」

 

当たり前だ、AICはエネルギーで空間に作用している。

ならその空間に作用しているエネルギーと同じ振動数を持つものをぶつければいいだけだ!!

 

「そらっ! 隙だらけだぞ!」

「ぐぅ!?」

 

呆然としているところへ『ウイングソー』を叩きつける。

AICを無効化するほどの振動数だ、装甲なんてチーズ同然だ!

そして、もう一度叩きつけようとした瞬間、何かが見えたので『ウイングソー』の振動数をゼロに戻す。そして―――

 

ガキンッ!

 

「……まったく、これだからガキの相手は疲れる」

「織斑先生、IS用の剣を持つとかどんだけですか」

 

IS用の剣をスーツ姿で扱っている織斑先生が間に入ってきた。

というか、ISの補助なしで扱うとかどんだけ人間辞めてるんですか…。

 

「模擬戦をやるのは構わん。――が、アリーナのバリアーまで破壊する事態になると黙認しかねる。決着は学年別トーナメントでつけて貰おうか」

「……教官が言うのなら…」

「俺も構いませんよ。…一夏もそれでいいよな?」

「あ、ああ!」

「教師には『はい』と答えろ」

「は、はい!」

 

ふぅ、とりあえずこんなもんか。

 

「大丈夫?」

「痛ぅ~! ちょっとやり過ぎたかも…」

 

鈴たちの方を見ると、シャル姉と空がちゃんと安全なとこまで運んでくれていた。

すでに保健室に運ぶ準備も出来てるようだ。

 

「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁じる。解散!」

 

織斑先生が強く手を叩く。

それは銃声のように鋭く響いた。

 

 

 

その後、保健室に運ばれた鈴とセシリアだが、傷は大した事がないと分かったが、ISの方がダメージを食らい過ぎていて、二人はトーナメントに出ることは出来ないと判断された。

そして、俺は一夏と、シャル姉は空と組むことになった。

 

さて、『ウイングソー』のAICとの相性もいいと分かったし、ラウラと当たった際は全力で相手をしてやろう。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

≪オマケ≫

 

 

PLLL…ガチャッ

 

「はいはい~、高天原那美です。……あら、電話の方で連絡取るなんて珍しいわね? …ふんふん、強化案がそろそろ必要? そう…ならデータを送るから、それを有効的に使ってちょうだい。…具体的な名称? そうね……『換装型バックパックシステム』よ…うん、そう。……あら、そっちにも『あの子』がいるの?

ならお願い、全力で助けてあげて…うん、ありがとう―――『相沢拓海』君」

 

ガチャッ、ツー、ツー…

 

 

「ふう、向こうも大変ね…あ、そう言えばもうすぐ学年別トーナメントがあるのよね。

よし! 我が子たちの戦いぶりを見なくちゃ♪ それに、ラウラちゃんのISの方もまだ気に掛かったままだし。さあて、そうと決まればさっそく準備よ♪」

 

 

 

 

 

 

 






はい、今回はラウラの邪魔をことごとくした凪君でした。
というか今回はかなり駆け足気味になりました、進め方が。
本当ならシャル関係イベントが起きてそれなりに話の量があるはずなのに、それらが既に解決されてるためこんな感じになりました。


それと今回のオマケですが、他作品コラボ始めました。
龍使いさんの作品[IS 〈インフィニット・ストラトス〉~可能性の翼~]とのコラボ企画によるものです。
一応、高天原夫婦がやらかして、龍使いさんの作品の世界とコラボしちゃう、というものです。

こちらでは本格的なコラボは夏休み編から始めようと考えてます。
また、良く解らない方は事前に龍使いさんの作品を読まれた方が良いと思います。
あちらにもチート高天原夫婦が出ますので。(たぶん…)

そして、龍使いさん。不躾ですが、凪ママが技術を渡すので上手く使ってあげてください。

そして、もし高天原夫婦をご自分の作品とコラボさせたい方、出しちゃって構いません。
コラボ、大歓迎です。


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