IS~転生者は頑張って生きるそうです~(凍結) 作:赤い変態
「さてと…じゃあ俺が箒を先に倒すが、それまで粘れるか?」
「それぐらい上等だ」
「出来るだけ早く加勢するつもりだが…落ちるなよ?」
学年別トーナメント当日、初戦の相手はやっぱりというか、ラウラ・箒ペアだった。
とりあえず俺が箒を真っ先に潰してからラウラの相手をするつもりだが、それまで一夏に抑えれるかどうか…。
まあ、こちらとしては一夏が決めてくれると嬉しいんだがなぁ。
「頑張ってね、凪」
「凪兄さん、頑張ってください」
「おう!」
姉と妹からの応援に応え、『ゲイルストライク』を展開する。
「そんじゃ…『ゲイルストライク』、マルチパック、ソードシルエット装備で出る!」
「『白式』、行くぜぇ!!」
ピットから飛び出し、アリーナの中央まで来る。
「…また貴様か」
「まあ運命だと思って諦めてくれ」
「全力で来い、一夏!」
「悪いが相手をするのは凪なんだ、すまねぇな」
右手に『ウイングソー』、左手に連結状態の『エクスカリバー』を持ち、いつでも対応できるように構える。
……さて、始めようか。
ブ――――――――――――――!
「さあ、踊ろうか!!」
「いくぜ!」
「来い!」
「…ふん」
ブザーが鳴ると同時に、動き出す。
「一夏ぁぁぁぁああ!!!!」
「おっと、お前の相手は俺だ」
真っ先に一夏に向かって行こうとする箒の目の前に立ちはだかり、『ウイングソー』で叩き斬る。勿論、振動数はあげている状態で、だ。
「ぐぅ!? っ、邪魔を…!」
「悪いが先に退場してもらうぜ? そらっ!」
「きゃあ!? …うぅ」
すぐに立ち直ったところに、最大速度で接近し、今度は『エクスカリバー』を回しながら斬りつける。まだシールドエネルギーは残ってるようだな、なら――――――っ、
「―――っ、まずは俺からってか」
「貴様が最大の障害だからな」
「くそっ、無視しやがって!」
さっさと箒のシールドエネルギーをゼロにしようとした瞬間、体が言うことを聞かなくなる。…またこれか、AICか。
…まあ、わざわざ掛かってるまんまにはいかねえし。
――――振動数上昇
キィィィ―――ンッ
甲高い音が鳴ると同時に体が動かせるようになる。
「…どうやらこの前の戦闘で学ばなかったようだな。俺に『AIC』は効かないぞ?」
「っ、…なんなんだ貴様!」
「ただの人間だ……悪い、一夏。交代だ。どうやらお姫様は俺との勝負を先に着けたいようだ、箒はお前がやれ」
「え、お、おい!」
何か言いたそうな一夏を放っておき、俺はラウラに向かって『エクスカリバー』をブーメランのように回転させながら投げる。
「ちっ、そんな手が通用すると思うな!!」
すぐにレールガンで撃ち落とされるが、別にそれで倒そうなど最初から考えてない。
『エクスカリバー』が撃ち落とされると同時にラウラに最大接近し、左手にも『ウイングソー』を持たせ、それを振り下ろす。
しかし、
「ふん、さすがにこれは無効化できないだろう?」
「ワイヤーと来たか…」
六本のワイヤーブレードを両腕と両足、胴体に巻きつけられ、身動きが取れなくなってしまった。
…そういやあったな、こんな武器。
「どうやってAICを無効化したか解らんが…これで終わりだ」
プラズマ手刀を発動させ、俺に向かって振り下ろそうとするが――――
―――――『ウイングソー』、最大振動!
――――キィィィィィィィィィィィィィンンンッ!!!!
先程より振動数を上げたことにより、耳障りな音がより強く響き、俺を縛っているワイヤーブレードが崩れていく。
同時にプラズマ手刀を左の『ウイングソー』で払いのけ、右の方で叩き斬る。
「ぐはっ!? …き、貴様……どうやってそれを―――」
「俺の持つこの『ウイングソー』はな、本来、振動数を調整することで安定した切れ味を持つんだが、その振動数を上げれば上げるほど色々なことが出来るんだよ。お前のAICを無効化できたのも空間に作用するエネルギーにコイツの振動をぶつけただけだ。
ワイヤーブレードもそれの応用で破壊させてもらった」
「なっ!?」
「…さて、それじゃあ蹴りつけようか?」
「……ちぃっ!」
レールガンをこちらに向け発射するが、『ウイングソー』で弾丸を斬り、更に瞬時加速で距離を詰め、レールガン本体を斬り壊す。
「くっ、貴様ァ―――!!!!」
「そんな顔すると折角の可愛い顔が台無しだぞ」
「ふざけるなぁぁ!!!!!」
すぐにプラズマ手刀で反撃しようとしてくるが、左に体を逸らすことで避け、体勢を元に戻す勢いを使い、右手の『ウイングソー』で装甲を斬る。
今回は振動数を最大にしてる、故にラウラの『シュヴァルツェア・レーゲン』の装甲が触れたとこからチーズのように斬れていく。
あともう一撃加えればラウラのISはエネルギーの消費と装甲の損傷で限界が来るだろう。
やれやれ、どうやら一夏が合流する前に終わるな、これは。
「これで終いだ!」
「うおおおおおおおおお!!!!!」
そして最後の一撃を加えようとした時、それは始まった。
「―――う、ガアアアアアアアアアッ!?!?!?!」
「うおっ!? …始まりやがったか!」
『シュヴァルツェア・レーゲン』がその形を変え、ラウラを包み込んでいく。
ちっ、やっぱりこのタイミングで発動するか、VTシステム。
一度距離を取り、様子を見るとそれは、シンプルな作りのISを模倣し、手には刀を持っていた。
「テメェェエエエエ!!!!」
「…まあ黙ってるはずないよな……待て、一夏」
「ぐぇ!?」
一夏がラウラを包み込んだ『モノ』に向かって飛び込んでいく。
それに対し俺は一夏の首根っこを掴み、停止させる。
「何すんだ凪! 離せよ!!」
「そんな興奮した状態で行かせてどうなる。返り討ちに遭うだけだぞ」
「それでもだ! アイツ、千冬姉の真似をしやがって!」
「なるほどな…だが一夏。見たところシールドエネルギーがもう殆ど無いようだが?」
既に一夏のシールドエネルギーは『零落白夜』を発動出来ないくらい減っていた。
恐らく、箒と戦ってる時に瞬時加速を使いまくったか。
精々、あと一回瞬時加速が出来るかどうかだろうな。
「…っ」
「はぁ、仕方ない。ほれっ」
『ウイングソー』の片方を一夏に渡す。
「『零落白夜』程は無理だが、最大振動を二、三回当てればいけるだろうな」
「じゃあ――」
「だが、俺もやるぜ? なんかアイツ、放っておけないところがあるんでな」
「…わかった、手伝ってくれ」
「よし、なら俺がある程度切り刻む。止めの一撃はお前がやれよ?」
「おう!」
さて、黒兎さんを止めに行きますか!