IS~転生者は頑張って生きるそうです~(凍結)   作:赤い変態

21 / 37

追試の手伝いで疲れた…
教科書の英文全部を日本語訳とか…







海、そして語らい…

「夏だ!」

「海だ!」

『ヒャッハー!!』

 

「元気だな、みんな」

「そうだな…ほい、3ペア」

「ん、フルハウス」

「げっ、またかよ!」

「これで三十勝二敗一引き分けだな。……まだやるか?」

「……いや、辞めとく」

「そうかい」

 

バスに揺られて三時間、俺は一夏とポーカーに興じていた。

まあ結果は俺の圧勝なんだがな。

 

「しかし、まだ到着しないのかね。俺、腰が痛いんだが」

「たぶん、もうそろそろだと思うんだけど…お、海が見えてきたぞ」

「漸くか」

 

窓の外を見てみると、穏やかな海が見えてきた。

日の光を反射する水面はキラキラとしていて、時折魚が飛び跳ねているのも確認できる。

 

「わぁ…綺麗です……」

 

前の座席に座る空の感想を聞き、「夏休みにも連れて行ってやるか」と考えた。

 

「うふふっ、じゃあ着いたら一緒に泳ごうか?」

「はい、お願いします!」

 

シャル姉も楽しそうだな。とりあえず空はシャル姉に任せるか。

 

「……」

 

ふと反対側の座席に座るラウラを見ると、ずっと黙っている状態だった。

気分でも悪いのか? 

 

「おーい、大丈夫か?」

「! だ、大丈夫だ、問題ない!」

 

顔を真っ赤にさせて顔を逸らされた。

まあ本人が大丈夫と言うなら問題ないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

ほどなくしてバスは止まり、宿泊先の旅館に着いた。

 

「今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、迷惑事を起こすなよ」

『よろしくお願いします!』

 

旅館の女将にも挨拶を済まし、皆それぞれに割り当てられた部屋に向かう。

…まあその前に、俺と一夏も女将に挨拶しとかないとな。

 

「あら、この二人が?」

「はい。二人とも、挨拶をしろ」

「織斑一夏です、よろしくお願いします」

「高天原凪です、お世話になります」

「ゆっくりしていってくださいね」

 

女将に挨拶をした後、俺達も部屋に向かう。

俺と一夏は同室で、旅館の一番奥だそうだ。

 

「さて、早く着替えて泳ぐか」

「そうするか」

 

さて、久しぶりの海(前世以来)だ。存分に楽しむとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「おお、近くで見るとまた綺麗だな!」

「潮風が心地良いな」

 

砂浜に到着した俺と一夏は互いの感想を漏らす。

 

「じゃ、俺は泳いでくるから」

 

砂浜を歩き、水辺に向かう一夏――――あ、鈴に乗っかられた。

そのまま鈴を肩車したかと思ったら今度は競争を始めやがった……若いっていいねぇ(前世+現世=精神年齢四十の青年)

 

「さて、俺も泳ぐか…」

「あ、凪!」

「む?」

 

呼ばれたので声が聞こえた方に振り向くと、水着に着替えたシャル姉と空、そしてタオルが全身に巻かれたのが居た。

 

「うん、似合ってるな、二人とも」

「えへへ~!」

「う、嬉しいです…」

 

シャル姉はこの前選んだオレンジの水着で、空は白のワンピース型の水着だった。

…うん、本当に似合っている。

 

「…ところで、そこのタオルを全身に巻いているのは……」

「う…」

「ほら、出てきてください」

「ま、待ってくれ! まだ心の準備がっ!」

「問答無用です、えいっ」

 

空にタオルを剥ぎ取られ、そこから現れたのは――――

 

「ぐっ……わ、笑いたければ笑え!」

 

黒い水着を着たラウラだった。

髪は左右一対に括られており、とても可愛らしく見える。

しかも、もじもじしている分一層可愛く見えた……。

 

「おかしなところなんてありませんよね、シャルロット姉さん、凪兄さん」

「うん、ばっちり!」

「お、おお……その、なんだ…似合っている…とても」

「なっ!?」

 

俺の一言に顔を真っ赤にさせる。

 

「そ、そうか……」

「ああ、めっちゃ可愛い…」

「か、可愛い……!? う~~……」

 

ボッ! 

そんな音が聞こえたと同時に脱兎のごとく、ラウラは逃げていった。

 

「…あちゃ~、逃げちゃったね」

「ですね…ところで凪兄さん。泳ぎを教えてくれますか?」

「OK、どんと来い」

「あ、僕も手伝うよ」

 

三人で海に入り、空に泳ぎを教えることになった。

最初は水に慣れるとこから始めたが、覚えが良いのかすぐに補助なしで泳げるまでになった。

その後は他の女子達とビーチバレーにも興じ、充実した時間を過ごした。

ああ、…実に平和だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になり夕食時。俺たちは豪華な海鮮料理を味わっていた。

 

「やっぱり刺身は美味いな」

「ああ」

 

やはり日本人にとって刺身は美味だ。

俺と一夏はつくづくそう思った。

ちなみに俺の両隣はシャル姉と空、一夏はセシリアだった。

 

「やはり本わさびも美味い」

「本わさび?」

 

シャル姉が首を傾げる。

 

「日本原産の山葵をおろしたのが本わさびって言うんだ」

「じゃあ学園のは?」

「あれは練りわさび、セイヨウワサビを着色した奴。まあ若干本物も混ぜてあるらしいけど」

「へぇ……はむっ」

「…は?」

 

あれ、シャル姉今わさびをそのまま口に入れなかったか?

 

「っ~~~~~~~~~!?!?!?!」

 

まあ当然のように鼻を押さえるシャル姉。

まさかそのままいくとは……。

 

「だ、大丈夫か?」

「ら、らいひょうぶ…風味があって……いいね」

「シャルロット姉さん、お茶です」

 

無理して笑顔を見せるが、涙目になっているから我慢していることがバレバレだ。

傍にいた空もお茶を差し出す。

 

「あ、ありがとう…空ちゃん」

「今度から気を付けてください」

 

まったく、これでは空の方がお姉さんみたいだな。

その後も食事を堪能し、夜は拭けていった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「さて、調整でもしとくか」

 

夕食後、俺は部屋で端末を使い、今回持ってきた新武装のチェックを始めた。

一夏の事だが、さっき隣の部屋にいる織斑先生の所へ行った。 

 

「ええと…『シラヌイ』に『マガノイクタチ』、『Gフライト』と『ハイペリオン・パック』か…」

 

とりあえず完成した『シラヌイ』の色は白になった。それ以外は本物同様の機能を持つ。

『ハイペリオン・パック』も同様だ。

『マガノイクタチ』はちょいと細工して、『ミラージュコロイド』を周囲に散布できるようにしてみた。まあ簡単に言えばロックされない程度のステルス機能を持つことが出来たって事だ。

『Gフライト』は高速飛行用のパック、『アウトフレーム』専用の装備だ。

簡易的だが飛行形態に変形できるようになっている。また、パック自体を単独で飛行できるように設定したから、上に乗って戦闘することも可能にしてみた。

要は『ジャスティス』のバックパックと同じ原理を取り入れたのだ。

 

「…とりあえず、明日は『アウトフレーム』にこの四つとフォース、念のためにブラストを持って行くか……」

 

調整を終え、明日の事を考える。

『銀の福音』を相手にするなら攻撃よりも機動重視か防御重視の方が良いだろう。

そんで機体は『ゲイルストライク』より汎用性が高い『アウトフレーム』が堅実的だ。

 

「ま、こんな――――」

 

もんか。と言い終わる前に部屋の外から大きな音が響いた。

…そういや隣の部屋に一夏が行った後、しばらくしてセシリアが入って行ったな。

 

襖を開け、廊下の状況を確かめると箒と鈴がいた。

ふと視線を上げると襖から顔を出している織斑先生も確認できた。

 

「まったく、盗み聞きか」

 

そのまま二人の首根っこを掴む。

 

「高天原姉とボーデヴィッヒも連れて来い」

「「は、はい…」」

 

解放され、走っていく二人。

…見なかった事にしよう。

そう思い、襖を閉めようとしたが…

 

「高天原、そろそろ男子の入浴時間だ。一夏と行ってこい」

「はい(ですよねー)」

「わかった」

 

仕方ない、風呂に入るか…。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

その部屋の空気はまるで通夜か、見合い相手の親と対峙してる感じだった。

 

「おい、いつものバカ騒ぎはどうした?」

「い、いえ、その……」

「お、織斑先生とこうして話すのはちょっと……」

「まったく…」

 

そう言いながら五人へ飲み物を渡す。

 

「飲め」

『え? いや、でも』

「いいから飲め」

『あ、ありがとうございます』

 

そして言われるがままにそれぞれの飲み物を飲む。

 

「よし、飲んだな?」

『え?』

 

唖然とする五人を尻目に、備え付けの冷蔵庫から缶ビールを取り出す。

そのままプルタブを開け、一口飲む。

 

「ふう…久しぶりに飲んだな。ん? どうした、私がビールを飲むのがおかしいのか?」

「いえ、あの、今は教務中じゃあ……」

「口止め料はすでに払ったが?」

『あ!』

 

自分たちの手元の飲み物を見る。

どうやら嵌められたらしい。

だがそれに構うことなく、千冬は話を始める。

 

「さて、前座はこの辺にしておいて……お前たち、あの二人のどこが良い?」

『!』

 

全員が大きな反応をする。

『あの二人』とは、一夏と凪の事だろう。

 

「わ、私は別に……以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけですので」

「あたしは、ただの腐れ縁だし……」

「わ、わたくしはクラス代表としてしっかりとしてほしいだけです」

 

箒、鈴、セシリアの順に一夏の事を述べていく。

 

「ふむ、では一夏にはそう伝えよう」

「「「言わなくていいです!!」」」

「冗談だ」

 

三人を適当にあしらい、シャルロットとラウラに向き合う。

 

「それで、高天原姉、お前は?」

「僕は…優しいところです」

「それだけか?」

「ええと、僕を家族として受け入れてくれたことと…個人として見てくれた…ですかね」

「だが、義理とはいえ、姉と弟だろう?」

「それなんですよね…でも、振り向かせてみたいなぁ」

「そうか。ラウラ、お前はどうだ?」

「わ、私は…強いところ……でしょうか」

「確かに一年の中では強い奴に入るな」

「それと…その生き方に惚れたんだと思います」

「ほう…どんな生き方だ?」

「確か…『足掻いて、踏ん張って、背筋伸ばして、胸張って、頑張って生きていく』です」

「…今頃の若者らしくないが、なるほどな…」

 

シャルロットとラウラの凪に対する思いを聞き、既に三本目のビールを空にし、全員を見る。

 

「あの二人は優良物件だろうな。一夏は家事も料理も出来るし、高天原兄は今時見ないぐらい真面目でいい奴だ。付き合える女は幸せ者だろうな。精々自分を磨いて振り向かせてみろ、小娘ども」

『はい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

≪オマケ≫

 

砂浜で、機械のウサ耳を付けた女性と白衣姿の女性が対面してた。

 

「うふふ、久しぶりね。束ちゃん?」

「やっほー、那美さんお久しぶりー! また随分と凄い『子達』を作り上げたね!」

「あら、あのくらい束ちゃんでも出来ると思うけど?」

「やや、さすがにあれは私でも無理だよ~。『アルミューレ・リュミエール』や『ヴォアチュール・リュミエール』なんて、第四世代どころじゃ済まない技術だよ!」

「そう言う割にはもう作ったんでしょ? 第四世代機」

「そうだよ! …でも、那美さんのお子さんのISには負けるかな~?」

「ISの生みの親である貴方がそう言ってくれると、嬉しいわね♪」

「で・も! 絶対超えてみるぞー!」

 

世の中、『天災』を超えている『規格外人妻』がいることを知る人は少ない……。

 

 

 





さて、『銀の福音』戦で『奴』も出しますか。
無論、退場してもらうことになるが…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。