IS~転生者は頑張って生きるそうです~(凍結)   作:赤い変態

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とりあえず夏休み編こと、コラボ編に入る前に3,4話ぐらいお見舞いシリーズをやろうかと考えました。

…ええ、病院だから色々なシチュエーションが書けますよね…ねぇ?





お見舞い編~山田先生の場合~

『テスタメント』を倒した後気絶した俺は、気が付くと病院に居た。

どうやら内蔵や肋骨の損傷が酷いやら血が足りないやらで、最低でも数週間は入院することになるらしい。そりゃ左胸から右脇腹までバッサリと斬られたんだから、そうなるわな。

まあ二次移行した際にある程度回復してたから案外、治るのも早くなるかもしれない。

しかし……

 

「暇だ…」

 

そう、とても暇なのだ。

現在入院二日目、絶対安静を言い渡され病室から一歩も出られない状況だった。

特にやることもなく、只ベッドの上で寝てるだけ……。

本を読んでもすぐに読み終わるし、体を動かそうとしても激痛が走り断念するしかないという…。

……本当に、よく動けたな…あの時の俺。痛覚の遮断でもしてたのか?

とにかく、やることも無くなった為、二日目の時点で暇すぎると感じてきた次第だ。

 

「こういう時、皆がお見舞いに来てくれたら助かるんだがなぁ、話し相手が出来て暇だと思わなくなるし…」

『仕方ありませんよマスター。今日からテスト週間なわけで、皆さんテスト勉強で忙しいんですし…』

『そうそう。っていうか、私たちという話し相手が居るんだから暇じゃないと思うんだけどなー』

「いや、傍から見れば独り言を言ってるようなもんだから、悲しくなるから」

 

…まあ、このように『アウトフレームD』と『ゲイルストライクS』の人格AIである『アウト』、『ゲイル』(本人たちがそう呼べと進言)が居るから多少はマシなんだがなぁ。

あと、ホログラムを使って姿を見せることが出来るらしい。

ちなみに、俺が寝てる間に他の面々と自己紹介したそうだ。…次に皆がお見舞いに来てくれた時に本当かどうか聞いてみよう。

 

「しかし、そうか…今日からテスト…勉……強…………ちょっと待て。このままじゃ俺、テスト受けられないよね?」

『…………………………不味いですね』

『いや~、このままだと追試決定だね! ……うん、ゴメン』

『…先生方に連絡してみます? マスターのテストに関して』

「…特例として受けなくてもいいなら嬉しいんだが……無理だろうなぁ。

それに今は授業中だろうから連絡できないな、恐らく」

 

出たとしても織斑先生の場合、追試確定だろうなぁ。

山田先生なら退院直後に受けさせてくれそうだが……いや、無理か。

 

コンコンッ

 

『副担任の山田です。高天原君、入って大丈夫ですか?』

「あ、はいどうぞ」

 

噂をすれば何とやら、山田先生が来た。

 

「失礼しますね。…どうです? 体の具合は」

「最悪ですね。体を動かすたびに激痛が走ります」

『あの時動けたのが未だに信じられません』

『うんうん、あの時のマスターは人間辞めてたね』

「あ、『アウト』さんに『ゲイル』さんも。こんにちは」

「あー、やっぱり既に挨拶してましたか」

「はい。高天原君を病院に運んだ際に少しだけ。あの時はみなさん驚いてましたけど」

「なんとなく分かります。ISの意識と話すなんて、普通はありえませんから。

……ところで、山田先生。一つ聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」

「はい、なんでしょう?」

「期末テストの事についてなんですが…俺の扱いってどうなってます?」

「あ~、その事ですが…織斑先生が『受けれるようになったら、当日に全教科分を病院に持って行く』って言ってましたよ」

 

…oh、全教科分すか。ま、まあ受けさせてくれるのならそれでもいいか。

よし、とにかく気合で早く治すか。…いや、気合は無理だろ。

 

「そうですか、ありがとうございます」

「私は織斑先生の伝言を伝えただけですから。後、専用機持ちの皆さんも放課後にお見舞いに来るって言ってましたよ」

「…あいつ等、テスト勉強があるだろうに……」

『それだけ好かれてるってことですよ、マスターが皆さんから』

『まあ好かれ過ぎてその内後ろから刺されることだけは勘弁して欲しいけどねぇ♪』

「だ、駄目ですよ! そんな事になるような不純異性交遊は!?」

「山田先生、『ゲイル』の言葉を本気にしないでください!」

『にゃははっ』

『はぁ…』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

さて、その後退院後の事について専用機の登録などの資料の話をしてたら昼食の時間になったのだが……。

 

「いや、ここまでして貰わなくて結構ですから…」

「いえいえ、教師たる者生徒の面倒をちゃんと見ないといけませんし!」

 

病院食を食べようとしたが、体が上手く起こせない俺に山田先生が代わりに食べさせてあげると言い出したのだ。

…つまり、『はい、あーん』をして貰えるという事に……。

いや、さすがに見舞いに来てくれたのにそこまでして貰う必要はない。

ここは無理してでも体を起こして自分で食べないと。

―――しかし、現実は甘くなかった。

 

「ぐふっ!?」

 

どうにかして上半身を越したが、あまりの痛みに再びベッドに横になる。

 

「ほらぁ、無理をするからですよ? はい、口を開けてください」

 

そう言いつつ俺の口元におかゆを掬ったスプーンが運ばれる。

……ここは腹を括ろう。恥だろうが何だろうがどうでもいい。…諦めて受け入れよう。

 

「…熱っ」

 

一応、一口分は含んだが…熱い。そして恥ずかしい。

いくら怪我人とはいえ高校生になった男が、それも中身が前世プラスで精神年齢がおっさんな俺にとっては羞恥以外のなんでもない。

 

「あ、やっぱり熱かったですか。じゃあ…フー、フー」

『(おぉ、これが俗に言う「フーフー。はい、あーん」という萌えイベントって奴ですか!『ゲイル』ちゃん、テンションあがってきたー!)』

『(…『ゲイル』、少し静かにしましょう。)』

 

…ヤバい、これはヤバい。

『アウト』達には後で『O☆HA☆NA☆SI』するとして、山田先生がさらに食わせようとしている……『フーフー』付きで。

…なんなんだろうな、この光景をシャル姉やラウラに見られたら確実にアグニ改やドッペルホルンをブチ込まれそうな気がするんだが…。

後、良く解らない恨みや妬みを誰かから買ってる気がするのは気のせいか?

 

「…この位なら大丈夫でしょう。高天原君、はい…口を開けてください」

「……(あーん)」

「…どうですか?」

「…ちょうどいいです」

 

結局、なされるがままに山田先生から『はい、あーん』をされ、昼食を終えた。

愛機の人格AI達に見られながら。

…というか、この人は何処か抜けてると思うのは気の所為なのか?

 

 

 

 

数時間後、皆がお見舞いに来たが、『ゲイル』が山田先生が俺に「はい、あーん」をしたことをばらした為シャル姉とラウラから酷い目に遭わされたのは、また別の話である。

 

あ、やっぱりであるが『アウト』と『ゲイル』とは既に挨拶を済ませてたようである。

うん、それだけだ。

 

 




巨乳+「はい、あーん」は最高のはず。

…まあその代り全国の山田先生のファンから恨み妬みを買った凪でした。

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