何時も読んで下さり有り難う御座います。右近です。
今回は何故だかすらすらと書けたので更新が早くなりました(ホメテー)
前話に前編と書かなくて良かったです(ぉぃ)
これで特別編は終わりと考えてましたが、結局次の披露宴に続きます。このままだといったい何次会まで逝くのやら…
それでは特別編~忠夫の結婚式~の開宴です
「うっ、ううっ…」
眠りに着いて数時間、令子は時折うなされていた。
周囲の人外達との事で嫌な夢を見ているのでは無い。
「嫌ァー!!…はっ!?…はぁ…はぁ…」
叫び声を上げて目を覚ます。全身汗で濡れてネグリジェが肌にくっついていた。
「何なの。一体…」
原因は解らないが、現状もう一度寝るには不快だと令子はまたシャワーを浴びに浴室に向かうがその足取りは重い。
シャワーを浴びながら令子は、見た夢を思い返す。
身体の中から自分を呑み込む闇。徐々に身体を支配し、やがて視界を漆黒に染めた。そして幸せの絶頂だった結婚式が気が付くと、地獄絵図に変わっていて、夫になる筈の横島は足元で事切れていた。
「シャレになんない夢だわ…」
GSである令子が見る夢は、霊能力のお陰で予知夢に近く、手には血の生暖かさが残っている。これでは単なる悪夢と割り切れる筈もない。
令子は用意の時間まで余裕があるので夢の原因を調べる事にし浴室から出る。
脱衣所で腕、足と順に拭いていく。そして、背中を拭く時に違和感を感じた。
「こっ、これは!?」
髪の毛を正面に持って行き鏡で背中を確認する。そこには母を苦しめた存在が写っていた。
「チューブラー・ベル!?ママ達が退治した筈じゃ!!」
それは神父から2人の馴れ初めを聞いた時に出てきた悪魔だった。
「これが原因!?でも身体を支配何て出来る様な…それにこんなのに寄生されて気が付かない筈が…」
予想外の事態にパニックになるも、長年GS業界でトップに君臨しているのは伊達ではなく、直ぐに切り替えた。
「確か、パパがママの霊体から誘き出した所を退治したのよね。でもそれじゃぁ私に寄生するのはほぼ不可能…それに寄生出来たとしても、ここまで大きくなる前に気が付いてるわ」
思考を一気に駆け巡らす。無限と思える可能性を一瞬で削除していく。そしてひとつの憶測が残った。
「パパかママ、もしくは2人の中に残っていた破片が胎児の私に寄生して…それなら産まれた時から一緒で、異常を通常と勘違いしていた…」
令子は急いで服を着ると事務所の本棚を調べ始めた。特殊で非常に珍しいチューブラー・ベルの除霊など経験が無い。少しでも情報を得ようと書物を片っ端から見るも、目撃情報位しか無く対処法は見つからなかった。
「ママ達もまだ帰って来てないし、ケータイにも出ないわ。このままだと現実になりそうだし、早いとこ何とかしなきゃ」
これと言った物は無く時間だけが過ぎて行く。現状では令子がチューブラー・ベルを認識し抵抗しているので一気に呑み込まれる事は無いが、それでもゆっくりと蝕んでいく。
「こうなりゃ先生に相談するしか無いわね。起きててよ先生」
令子はキーを取ると教会を目指してコブラのエンジンを掛けた。
時間は遡り、令子が事務所の書物を見ている頃横島達は…
「よこひまシャン!!もっろろむんジャー!!」
「…ママァ…zzz」
「エミさんがこわい…エミさんがこわい…エミさんがこわい…」
「横っち、アレほっといてええんか?あっ、魔鈴さんも一緒に呑みません?」
「おまえらなぁ~」
グダグダになっていた。
タイガーは絡み酒で雪之丞は下戸、ピートに至ってはトラウマが呼び起こされ店の隅でガタガタと震えている。大丈夫なのは、芸能界で鍛えられた銀一と、令子に鍛えられた横島だけで、魔鈴は片付けをしていて、祝う事など忘却の彼方である。
「横っち何処行くんや?主役は居らなアカンやろ」
「既に祝う気もねーだろ。トイレだよトイレ」
横島が立ち上がったのを見ると銀一が声をかける。そんな銀一に横島も呆れながらトイレだと言って席を外したが実は、急に胸騒ぎがしたからだった。
「出ねーな美神さん。やっぱ勘違いか」
令子のケータイにかけるも出ない事に勘違いだと思い、用を足す。洗面台に写る顔を見て飲み過ぎたなとついでに顔も洗う。その時、横島の目に令子が見た悪夢と同じ風景が写し出された。
「何だ今の?」
訳も判らず見えた風景に戸惑うも、飲み過ぎただけだともう一度顔を洗う。すると次は泣き叫ぶウエディングドレスを着た令子が見えた。
「やっぱり何か変だ」
胸騒ぎも次第に大きくなり、ただ事ではないと霊感が告げる。
ーパン!!
いてっ…
横島は頬を叩き気合いを入れると何も告げず店を出て、事務所に向かって走り出した。
正確には誰も気が付いていないだけだったが…
横島は走りながらも令子に電話をかける。何事もなかったら、明日シバかれるだろうなぁ~と思いつつ、それでも令子の声を聞き安心したかった。
「寝てるだけならいいが…」
何度かけても留守番電話に繋がる。出ないものは仕方ないなと諦めて走る速度を上げた。
徐々に重くなる体を奮い立たせコブラを運転する。少しでも気を抜いたら全身を支配されるので精神的にもキツい。
車を走らせ、数少ない年上の理解者が居る教会の道のりが何時もより遠く思える。
「こんな姿、アイツには見せたくないから、お願い先生。起きてて!!」
変なところで鋭いアイツの事だ、絶対に行動するはず。いや、もう動いてるかもしれない。しかしこれは美神家の問題で、姓が横島に替わる前の最後の試練だと決意する。それに明日、純白のウエディングドレスを着て満面の笑みで隣に立つ。だから…
「こんな酷いところ見られたくないのよ!!」
誰にも聞こえない精一杯の強がりを言い自らを鼓舞する。
教会まであと少しの所で前方から猛スピードでこちらに向かって走る人影が見えた。
「やっぱり来たのね。ホント、タイミングが悪いやつなんだから」
「あれは!?美神さん!!」
横島の姿を見たことで全身を安心感が包む。車を道路脇に停めて待つ。三界の英雄、最後の切り札、稀代の道化師など色々な二つ名を持つ横島が1番頼りになるのは判っている。
だから頼りたくなかった…
酷い姿だから…
美神家の問題だから…
横島を危険に巻き込みたくなかったから…
「こんなことなら、もっとオシャレしとけばよかった…」
答えが見つからないまま時間だけ過ぎていく。意識も朦朧としてきた。横島を見付けた時一瞬だが気が緩んでしまい大半を乗っ取られて、今は辛うじて意識を保っている。
「ハァ…ハァ…美神さん!!何があったんですか!?」
令子の元へ辿り着いた横島は息も絶え絶えに説明を求めるも返事はない。危険な状態なのは判るが、原因は見当もつかない。文殊を使って調べようとした時、令子が倒れかかって来たので慌てて受け止める。
「美神さん!?」
「…取り返しな…さ…いよ…」
「えっ?…グッ」
無防備だった。言葉に気を取られて、霊力の質が変わった事に気が付けなかった。
「まさかアバラにヒビが入るなんてな」
服の上からでもはっきりと拳の跡が残っている。令子が言い終えた瞬間に全身を乗っ取ったチューブラー・ベルは、横島の隙を突き必殺の一撃を放ったが、距離が近すぎて思った程の効果が無かった為、直ぐに間合いを開けた。
胎児の時から令子に寄生していたチューブラー・ベルは横島の事も知っている。どんな状況で好転させるジョーカーで、今1番厄介な相手である。間合いが空いているとは言え、対峙している現状だと何をしてくるかわからない。今はこの場から離れるのが先だと、牽制に霊波砲を地面に撃ち、砂埃を煙幕にして逃げて行った。
「チッ、逃げたか。直ぐ取り戻すので、待ってて下さいよ、美神さん」
視界を奪っていた砂埃が晴れるともう逃げた後だった。
横島の手には【縛】の文字が入った文殊が握られていたがもう居ないので、文字を【探】に変えて令子の追跡を始める。
その頃唐巣は、数時間後に迫った結婚式の練習をしていた。神父とは言え、GSがメインの唐巣は結婚式の神父は殆どしたことがない。まして、弟子の令子が新婦になる挙式で失敗など許される筈もなく、髪の毛が落ちた本数だけ上達している。
前話の後書きに書いた通りリメイクで、元はGS美神'78!!になります。
2人の結婚式を書くならコレだと思いまして書き始めた訳ですが、そのままでは流石にマズいので、設定は変えています。身体を乗っ取るとか残っていた等。
次回は戦闘回ですが、苦手です(キリッ)
後、チューブラー・ベルの細かい設定は次に書いていきますのでしばしお待ちを
其では次回、忠夫の披露宴でお会いしましょう。
PS 前話が自身の1日最多UA更新しました。
これも読んで下さる皆様があっての事です。
心から御礼申し上げます。有り難う御座います。
完結出来る様、精進致しますのでこれからも宜しくお願いします。